タイヤ使ってみました!
アジアンタイヤとの比較など
コンフォート性能として乗り心地と騒音テストをメインに、タイヤによってはサーキット走行でのレビューも掲載中。
ヨコハマの新車時装着タイヤ「S70」使用レポート。比較対象は「ヨコハマ・ブルーアースAE-01」。
そして同じく純正装着されるタイヤ「アスペック」。
このタイヤは新車時装着タイヤでよく見かけるタイヤです。当ページは後にタイヤを交換してから、「これはこういうことだったのかぁ」というまとめになります。
そしてアジア系の格安輸入タイヤとの比較に採取データなどをまとめています。
新車時装着タイヤ(OEMタイヤ)っていくらなんだろう??
一般に公表されているわけじゃありませんが、OEMタイヤの価格を調べてみると、1本1000円とか1500円と噂されています。
想像よりよっぽど安い(笑)。それじゃあリプレイス用タイヤ(交換用タイヤ)との差はあるのかないのか?大きいのか小さいのか?気になります。
輸出向けや海外生産品が低価格で販売されています。
ヨコハマタイヤ・S70はトヨタ・ウィッシュ(20系)の新車時装着タイヤです。
タイヤサイズは「195/65R15」
(試乗レポ:トヨタ・ウィッシュ1800cc)
今回の”ヨコハマS70”というタイヤは新車時装着タイヤなので、これをもう一度付ける方は少数派でしょう。特にネットでタイヤをチェックされる方なら、よりコストパフォーマンスが良いタイヤをお探しだと思います。
ということで、クルマは変わってしまいますが、人気のエコタイヤ、「ヨコハマ・ブルーアース」との比較を文中に含みます。条件は下記の通り。
タイヤは特に評価基準、判断が難しく、テスターの体調次第で比較評価が変わってしまうほど繊細です。主観を多く含む評価になってしまう点をご了承下さい。
※記事中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
※XL規格=ヨーロッパのETRTO(エトルト) XL規格。
S70というタイヤは太いミゾがありません。
トレッドパターンはヨコハマのデシベルというタイヤにそっくり。パターンノイズ(風切り音)の小ささを期待してしまいます。
マイルドかつ転がり抵抗少なめ、特別ゴツゴツすることないが静粛性はちょっと劣る。典型的な純正装着タイヤがこのS70。
特別なところがなくいつでもタイヤの事なんて気にしなくて良いのが最大の特徴?天下のトヨタ様が付けてくるタイヤというだけで、何も気にしなくなるのが安心感の高さでしょう。
タイヤサイズは195/65/15。お財布に優しいサイズというだけでなく、細く小さいタイヤだから静粛性の面でも転がり抵抗の面でも有利なのが想像出来る。ショルダー部分は丸く、角張ったタイヤと比較すれば実際の設置面積は一段小さくなりそう。
特別なモデルを除き、新車時の純正タイヤに期待する人はいないでしょう。筆者もそう。何しろ、アドバンやポテンザといっても名前だけ。そんなこともしばしば。銘柄名が似ていても中身は別物だったり。はたまたクルマに合ったタイヤを選んでいるか、付き合い上のご都合で選んでいるのか、そんな議論も当たり前に行われていますから。
S70を履いているウィッシュに乗ってみると、まずは転がり抵抗の小ささに驚く。
アクセルオフのみの減速時、CVTのおかげか常用するエンジン回転数が低いこともあり、減速は非常にゆっくり。まるで大排気量車のよう。同じような特性の他車と比較しても、よく転がっていく印象。
出だしもちょっと空気圧を高めに入れてあげれば、ブルーアースと変わらぬ軽い感じで出て行く。
S70というタイヤの省燃費タイヤラベリングは無いかもしれないが、ほとんどエコタイヤに近い性能を持っているかもしれない。厳密に燃費テストをしたわけではないが、空気圧調整で埋まる程度の差だと思う。ちなみに筆者の環境でエコランすれば、車載の燃費計は17キロを越える。
銘柄単独で使っているとタイヤの特徴を見極めるのは難しいので、新車から1.5年6000キロ、タイヤに集中したりしながらじっくりウィッシュを運転。さらにブルーアースを履いたウィッシュも運転する事で、徐々にタイヤの特徴がわかってきた。
いろいろ考えると、S70もブルーアースAE-01もそう大きな違いはなく、プレミアムタイヤに交換した時とか、アジアンタイヤに交換した時のような特別な変化はない。一応メーカーが同じヨコハマというのも関係しているのか?
とはいえ、タイヤによる体感上の差は大きいわけで、やはり違いはある。消耗品かつ黒子のようなタイヤにお金は出したくないけれど、タイヤが与える影響が大きいのはどんなクルマも一緒。
比較&評価。ブルーアースAE-01との比較では、運転のしやすさが違うのがまず一つ。ハンドル切ってクルマが曲がろうとするレスポンスはブルーアースの方が早め。
ドライでもウェットでも。S70はとにかくマイルドというかマイルドすぎ。ハンドル切ってワンテンポおいてから反応する。ブレーキのレスポンスもマイルド。腰砕けにはならないけどタイヤ剛性が低いのか?
ウイッシュ自体、ロール剛性は低いわけではないのだが、どこかゴムを挟んだような変な感触がある。ブルーアースでもそれが無くなるわけではない。これはクルマの特性みたいだ。どちらかといえば、個人的にはブルーアースの方が走りやすい。
快適性能では、どちらも静かではないがノイローゼになるような音は出ない。
タイヤのサイズが小さいこともあり、気にしなければ印象に残ることもないだろう。車両価格200万円でもっと静かなクルマもあるが、4気筒エンジンならばタイヤの静粛性はこのくらいでもいいんじゃないか、とさえ感じる。
(1台は制振材を山ほど使っているので、窓を全開でチェック)
乗り心地はS70の方が柔らかい。ブニャブニャしていてビシッとしていないともいえる。細かなボコボコに関してはS70の方が上質だけど、クルマが違うために正確なトコロはわからない。大きめの段差でもブルーアースの方がガツン!とやる。特にリアのアタリが唐突だけど、こちらも正確性には自信なし。
最後にドライ路面でのグリップ性能は速度計を見ながら走れば、ややブルーアース優勢。だけどS70だって中高速コーナーでも十分な性能を発揮していると思う。
速度が乗っていてもそれなりの横Gをかけられるし、優秀な横滑り防止が働いてからの減速感も同じような感じ。
ドライバーが不安なく走れる速度は?といえば、上り坂で120キロ超、直進でもグリップ感の低下が伝わってくる。高速道路でもこれ以下で。そもそも法律違反ですしね。
なおウィッシュは横滑り防止装置を解除しても、何かしらの条件で自動復帰(ON)になってしまうので、スリップアングルが大きくなった時の差はわからず。
コンパクトカーの一つ上のクラスになるウィッシュ、多少なりともコンパクトカーより質が良くなければ商品として成り立たない。そのためにはタイヤも重要なポイントだろう。そんなウィッシュに装着されるタイヤはヨコハマS70。プリウスでも一部グレードに装着されるタイヤ。
アジアンタイヤを含む海外の超低価格タイヤが一般的になってきた今日、新車時のタイヤも決して悪いとは言えなくなってきた。
相対的に見ればランクが上がったっていってもいいのかな。一度アジアンタイヤを味わった方なら、場合によっては評価基準が変わっているかも。
そんな事を考えたあと、タイヤに集中して試乗すれば、このS70というタイヤも決して悪くないと感じる。
普通に制限速度で走っている限りは、普通に十分。というよりサイズと装備の割に安めという低価格路線のウィッシュを考えれば、まったく問題ないでしょう。
タイヤは消耗品かつファッションの要素も薄い。だからこそ妥協も大事。なんでもかんでも高いタイヤを選べばいいってもんじゃないと思う。
とはいえ、ブルーアースAE-01との比較ではかなり健闘。できれば1台のタイヤを付け替えて試してみたい。今後の宿題にさせて下さい。
純粋なエコタイヤに慣れれば評価はまた変わる可能性を残しつつ、総合バランスではS70の方に軍配をあげたい。新車時装着タイヤということを考えれば、耐久性だって高そう。 交換時期が来たらDNA-ECOSでも選べばほとんど一緒かな。
市販の騒音計を利用して、ノイズを計測してみました。単位はdB。(dBについてはネット検索して下さい)。
騒音計ということで音圧に対して補正が掛かっていますが、人間が感じる不快さとは違います。耳障りな音とか気になりにくい音とか、そういった感覚は含まれていません。
タイヤ空気圧が高いと、騒音(ノイズ)は大きめになる傾向があります。計測時はメーカー指定空気圧よりかなり高め。乗り心地や静粛性よりも軽快感とハンドリングのキビキビ感を重視した値です。
感想としては、空気圧を上げればそれなりに乗り心地と静粛性が落ちます。ただし路面の継ぎ目で聞こえる「パカン!」という空気が共鳴するノイズはタイヤに厚みがあることもあり変わらず。
静粛性については今回のウィッシュ、かなりの物量と知りうる限りの知識を導入して制振・防音・吸音を施しています。そのため何もしていないウィッシュとはすぐわかるほど静粛性に差があり、単純に比較はできません。特にエンジンから遠いリアシートでは、速度にかかわらずかなり静かになってしまっています。
すべてアマチュアレベルの計測なので、厳密な正確性については期待しないで下さい。
他のタイヤ、他の車種でもテストを行い、データを集めています。
ヨコハマタイヤといえば横浜ゴム株式会社のタイヤブランド。社名含め覚えやすいのが素敵です。タイヤは質もイメージも超一流なのはご存じの通り。
それでいて同クラスのライバルより少し安め。最大のライバルと思われるブリジストンと比較すればラインナップされる銘柄は少ないかもしれないけれど、世界のタイヤメーカーと比較すれば十分フルラインナップといえるレベル。
最近では アドバンブランドにコンフォート系プレミアムタイヤも入ることになったのは大きなトピックス。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。