間違いいっぱいの自動車選び。ウィッシュ(2011年式)の試乗レポート。
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トヨタ・ウィッシュ(2代目ZNE20系)グレード「1.8X HIDセレクション」です。
購入して2年7000kmを走行。目的を完了し、売却しました。
ウィッシュで滑らかに停止するブレーキを試しています。簡単にできて上手って言ってもらいやすいコツです。
2000ccクラスのローハイト3列シートミニバンがウィッシュ。
2代目になって装備は充実、燃費も改善、ボディデザインは価格以上の高級感。お得感は相当に高い、そんな2代目ウィッシュの試乗評価です。
2代目ウィッシュは、クルマ的には初代とほぼ一緒。かわりに、装備に対するコストパフォーマンスは高く、群を抜くお得さを誇ります。
ベーシックなグレード「X」でも装備が充実し、約180万円という価格から想像できないほどの標準装備です。
通常はオプション扱いも多い、「横滑り防止装置」「サイド&カーテンエアバッグ」「本皮巻きハンドル」「オートエアコン」が標準です。
1クラス下のコンパクトカーと比較しても、単純にお得!相当に優位な装備内容を持ちます。
試乗車のウィッシュは特別仕様車「X・HIDセレクション」。車両価格188万円で「ディスチャージヘッドライト」「オートライト」が追加装備。通常のカタロググレードから優れた長所がさらに磨かれています。
スライド
クルマの基本的な内容は先代ウィッシュと同様で、内容的には低レベル。しかし魅力は大幅増。ボディデザインは高級感を増し、大人でも満足できるボディデザインに。
シンプルでシャープ、都会的なイメージを持ち、安価な車両価格を感じさせません。もっと高額に感じられます。
年齢的なイメージでは、先代ウィッシュが20歳代限定だとすれば、このウィッシュは30代でも乗れ、おまけに若々しいイメージまで感じられます。
トヨタ中でウィッシュのポジションは、従来のステーションワゴンの代わりも兼ねるローハイトミニバン。ジャンル的にはコンパクトミニバンとも呼ばれます。
ライバルはストリームの他、アイシス、プレマシー、ラフェスタハイウェイスター、エクシーガなど。ヒンジドアでスタイリッシュさを強調したタイプや、スライドドアで今風を強調したクルマまで揃います。
さらに、シエンタやフリードともバッティング。ライバル豊富です。
燃費よく、タイヤも安価なサイズ、自動車税も安い。ウィッシュの総合的な維持費は安く、装備やボディサイズの割に車両価格が安い。
しかも、ボディデザインに安っぽさはありません。
つまり、想像よりイニシャルもランニングコストも安いという長所が、とても優れています。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
このクラスのミニバンに内装質感求めちゃったら...、そこを求めたら楽しい買い物はできません、と思います。
特に気になるのは3ヶ所。小さめのシート、素材感が悪く傷が目立ちやすいインパネ、メーターパネル。
なかでもメーターに関してはご覧の通り。昔ながらで、軽自動車レベルかそれ以下でしょう(軽自動車が贅沢ともいえます)。
このオレンジのバックライトは最廉価グレード特有のタイプですが、上位のスポーティグレードでもブルー系バックライトに変わるだけ。
車格にあったメーターを求めれば、2000ccモデルを選択するしかありません。こちらは自発光式メーターとかオプティトロンメーターと呼ばれるタイプになります。
内装の見せ方がうまいといわれるトヨタ車ですが、ウィッシュでは質感も形状も優先順位が低いようです。
2列目シートはそれなりの広さが確保されています。シートは1列目より1段高くなっており、フロントシートのシートバックも目障りではありません。
シート座面の高さは、チャイルドシートを付けて子供を乗せるのにちょうど良い高さ。スライドドアではないですがパパさんママさんラクチンです。
そしてステップ部分の高さが、ちょうど良いアスレチックジム。3歳にもなれば1人で喜んで入っていって、勝手に座ります。
ハイト系ミニバンなどと比較しても、この座らせやすさは便利です。しかしあちらにはスライドドアという強力な武器が。一長一短なのでお好みで選べる部分ですね。
ウィッシュの3列目シートはタイトですが、ストリームやアイシスなどライバルも一緒です。
3列目を日常的に利用したければどうしても、アルファードかエルグランドクラスになってしまいます。
ウィッシュを5人乗りワゴンと考えれば、これ正解。広いラゲッジルームが確保できます。ラゲッジには、ゴルフバッグの横積みも可能!
筆者はこのウィッシュ、購入前に「1.8S」と「1.8X」に合わせて100kmほど試乗。慣れたコースを試乗しました。(その後、1.8Xは5000キロほど走行)。
まずエンジン、新しくなったパワーユニットはバルブマチックという機能付きで、エンジン型式は「2ZR」。電子制御の領域が今まで以上に増えています。
これによりパワーも燃費も10%アップということで、踏めばしっかりパワフル。以前のトヨタ車エンジンと比較すれば、多少は高回転も回ります。
弱点もあって、電子制御スロットルによる補正やレスポンス。
フライバイワイヤとなるアクセルペダルは、踏んだ量とスロットル開度が一致しないような違和感あり。
アクセルを戻してもすぐに減速せずレスポンス悪く、微調整もやりにくい。空ぶかしなんて、アクセル開度一定でも回転数が大きく変動しちゃう。
しかしこの電子制御スロットルの違和感、ウィッシュより早くデビューした初代オーリスと比較すれば全然良くなっています。もっと進化に期待。
通常走行をしている分には、非常に低回転を保ってくれるウィッシュのCVTミッション。
ゆっくり加速するときにもだいたい2500回転以下で加速。排気量は小さいのにジェントルな味付けで好印象。
エンジンが低回転で回っている時は4気筒エンジンとして大きな不満はなし。それどころかアイドリング時のエンジン音など、室内にいれば競合他車より静か。
このエンジン不快だと感じるのは、その上の回転数。上り坂や中間加速出使用する領域。3000回転付近から急に振動と騒音が高まる。
古い実用エンジンと比較すれば、確かに上まで回るようにはなった。しかしトヨタの旧型エンジン3S型と比較しても、振動の量は多いと言わざるを得ません。
エンジン質感だけ比較すれば、ホンダやマツダのエンジンは断然快適。
ただしそこはトヨタ車、実用的な加速性能はだいたいライバル以上。
質感だけみればダメダメなウィッシュのエンジンも、加速力という面では速い速い。1800ccでこれなら文句なし!1800ccの割には速度が出ます。バルブマチックの効果か?)
ウィッシュのCVTは新しいタイプの制御。
回転だけ先に上がって、回転数キープで速度が上がるタイプではなく、スピードと回転数をバランスを取ってくれます。
時速140キロくらいまでなら、同じ回転数をキープし続けるような場合はありません。
とはいっても、急加速をしようとすれば、回転だけ先に上がる傾向はあります。タイヤがホイールスピンしているような感じ。筆者はクセで思わずアクセル緩めちゃう。この時がCVTで一番ストレスを感じます
CVTは全グレード標準で「疑似7速モード」付き。固定できる使えるCVTギヤ比?は高速型だから、時速100キロ以下で遊ぶという使い方ではしっくりきません。
変速してくれない事もしばしば。もっと良いペースで走れって事?本当は低速で遊ばせて欲しいモノ。これからの煮詰めに期待します。
CVTはタイヤの回転数とエンジンの回転数に違和感を感じる。この違和感が大きいほど、不快な制御のCVT。
筆者はこのウィッシュを5000km以上運転したものの、一発のアクセル開度で、希望の加速力で希望の速度に持っていけないことが未だにある。発進の度にアクセルペダル微調整、みたいな。
それでもトータルで比較すれば、トヨタ・日産・スバルの小排気量車で、ウィッシュのCVT制御は意外と良い方です。ecoモードにしているとさらによし!
ウィッシュのステアリング感覚は貴重な感覚。フィーリングは軽い重いでいえば、低速時にちょっと重め。また条件によってはFF車らしい反力も強い。
ステアリングの口径は純正装着品としては小さめで、下がカットされたDシェイプ形状。
ステアリングが小さく重いというだけなら他にある。でもウィッシュは、回すときのフィーリングが特徴的。よく言えばスムーズで路面からの影響を受けない。滑らかに回って振動も感じないステアリング。
ガタガタ道でも振動を感じない。ハンドルが揺すられることもない。重いけれど変な手応えを感じることもないスムーズなフィーリング。
逆に悪く言えば人工的なフィール。違和感を感じるかもしれないし、クルマの運転で楽しさを求める方は不満を抱くかも。
多分コレは、路面からのインフォメーションの不足。それによってクルマ全体が思い通りに走ってくれない感覚とかまっすぐ走ってくれない感覚を感じる。(後述)。
試乗してこの感覚を気に入れば文句なし。ただディーラー試乗では短時間になりがち。ここを意識してしていないと買ってから後悔する可能性もあります。
キーワードはコレです!ウィッシュを試乗するならハンドルのフィールを意識してチェック!
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ウィッシュ (前期)
ZGE20G - 2ZR 1800cc 2009年〜
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ウィッシュ (後期)
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エンジン質感 | |
ガサツ&振動大きすぎ。ただしパワーはあるから星1個おまけ。 |
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駆動系質感 | |
加速感は十分。出だしを覗けばCVTの中ではマシな部類。 |
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足回りの質感 | |
慣れれば誰でも走りやすいと思うんだけど。 |
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内装の質感 | |
軽自動車レベル。文句なしの全会一致。 |
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外装の質感 | |
実際の車両価格より高そうじゃない? |
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快適性 | |
アイドリング時はライバルより静かだけど、走ると実はバン風。 |
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お買い得度 | |
安全装備やHIDまで問題なしの装備、そしてこのボディサイズが190万円弱で買える。 |
インパネ助手席前はフタを付けることが出来る。このフタは純正オプションで価格1万円以上する。中に入るモノといえば、タバコにライター、ポケットティッシュ・・・。
凹んでいる部分に両面テープで固定している。
ドリンクホルダー以外使い道がないセンターコンソール。外すのはボルト2本。DIYのやる気を起こしてくれる。
下の画像はオーディオ機能を備えたセンターコンソール?
シフトセレクターはゲート式。操作フィーリングはこのクラスとしては良好。節度感あるけど渋すぎない。動作音もまずまず。
エンジン部分にはカバー付き。立派に見える方だけど、できれば全面にカバーが欲しい。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。