間違いいっぱいの自動車選び。SAI(2015年式)試乗レビュー。顔付きなど大きく変わったビッグマイナーチェンジ後モデル。
当ページは1ページ目です。
トヨタ・SAI(型式AZK10)「G」の試乗レポートです。
社用車にピッタリ?そんなボディデザインをした初期型SAIは、2013年に大変身しました。ビッグマイナーチェンジでフロント&リア形状を変更し、所有満足度がグッと高まるイメチェン。プライベート感覚が高まり、ディテールは価格負けしない印象に変わりました。
内装も大幅にイメチェンしました。インパネは質感は、昼間はそこそこ向上、夜間はかなり向上。
センタークラスターなど大きく変更され、夜間は華やかな照明で立体感あるタイプに。視覚的なイメージは別物のように変わりました。
走行感覚も大きく変わりました。フロント周辺のボディ剛性感が高まり、サスペンションセッティングも変わっています。
こんな大変更はまさにビッグマイナーチェンジ。もちろんお値段も上昇してます。
試乗車は2015年式のトヨタ・SAI。グレードは「G」で車両価格は約390万円。
総額400万円で父親と共同購入し、現在筆者の実家で所有。新車時からタイミングが合うごとにドライブしてきて、オドメーターが示す総走行距離は3万km台。
現在まで3種類のタイヤで試乗し、新車時装着タイヤの他、ヨコハマのエコスクラス、それからBSのレグノを試している。
またこのクルマは2012年式SAIからの乗り換え。初期型SAIから2015年式SAIへの乗り換えということで、ビッグマイナー前後での、運転感覚の違いも文章に散りばめつつの、試乗レポートを目指します。
SAIは全長4600mmのミディアムクラスセダン。そしてモーターとエンジン両方で駆動するハイブリッド車。
ビッグマイチェン前のSAIを運転すると、感覚はまるでプリウスのセダン。
初期型SAIはプリウスセダンという表現がちょうどよく、走行時の安っぽさはプリウス同様というのが厳しかった。見た目だって社用車みたいだから、プリウスを社用車に仕上げたという感じかな。お値段はベーシックグレードからナビ付きで約330万円。
エンジンは2400ccとなり、モーター出力も105kWと変わっている(3代目プリウスはエンジン1800cc、モーター60kW)。バッテリーの関係からこんな出力は出していない様子。
ビッグマイナー後のSAIは、高級車を目指す方向性に変わったのだろう。内外装は高級車のエッセンスを感じ、装備も充実。
イメージは「社用車用プリウス」というより「小さな高級車」。
そんなマイナー後SAIのイメージは、200万円クラスに600万円クラスの装備が付いたセダン。あとハイブリッドだね。トヨタ車の中のトヨタ車しちゃってます。
お値段も上昇し、ナビ付きメイングレードはこの「G」に。つまり390万円が基本になりました。330万円のグレードからはナビゲーションが省かれています。
200万円のクルマに600万円級の装備をつけて、お値段400万円。なんとわかりやすいクルマだろうかw 見方によってはとってもお得。見方を変えればとっても割高。SAIは何気に明確なキャラクターを持ってます。
※内容は辛口評価です。試乗のチェックポイントを重視!
※一部画像はクリックで拡大します(横長画像など)
搭載されるエンジンは排気量2400ccのアトキンソンサイクル。概ね2000ccくらいの出力という感じだろう。エンジン型式は「2AZ-FXE」。
組み合わされるモーターは出力105kWという大きなもの。ただバッテリーの影響からそんな出力はないと思われる。SAIはボディサイズの割に車重が重く(車重1590kg)となっているが、カタログスペック的には問題ない加速感が予想できる。
普通の市街地走行だと非常に静か!ジェントルフィールで、エンジン稼働状態もメーター見なければわかりにくいほど。
後付メーターで回転数をチェックすれば、アイドリングほどの回転数で走行している(ただしアイドリング回転数はやや高い)。
これがハイブリッドの恩恵なのだろう。燃費のためでなくても、低いエンジン回転数で巡航できるのはやっぱり魅力。
同じトヨタ式ハイブリッド車でも、アクアやプリウスなどと異なるのは、耳障りな電子音の小ささ。インバーターなどが発生する電子ノイズって、絶対的な静粛性どうこうよりも音質的に不快でしょう?そうしたノイズが小さいから、車内の快適性が高い。
例えば周りのペースに合わせ、信号待ちからの強い加速が繰り返しになる場面。
アクセル開度は大きくなりがちで、エンジンも元気に回る。元気に回れば音や振動もでるわけで、普通のクルマとそれほど変わらない感覚。
どちらかといえば、ミッションに関連する部分、加速感の違いを感じる。
郊外の大手ショッピングモールなどの駐車嬢で、スペースを探してグルグルする時って、エンジン停止している事が多い。そんな時、ステアリングから高級車っぽい感覚を感じられる。
実はホンダのアコードハイブリッドでもそうだったし、日産リーフでもいい感じなんだけど、エンジンの振動がステアリングに伝わってこないだけで、こんなに回し心地が良いものかと実感できる。
残念ながらアクアやプリウスなどでは体感しにくい部分だから、このクラスだからこそ!って部分。
一つはエンジン回転数が高まった時の音。トヨタの4気筒としてはマイルドな音質だけど、できれば聞きたくない音質なのは相変わらず。助手席に乗っていても気になる音質だしね。
停止から発進直後にエンジン始動した時に感じる振動。出だしでエンジンかかっちゃうと、かなり不快な振動が、シートを通して腰に伝わってくる。前期型より良くなったようにも感じられるが、どうだろう?どっちにしても嫌な振動だ。
一般的な走行中、助手席に座っていればエンジンが始動したかどうかなんて、メーター見なければほぼわからない。
でもこの発進時の振動だけはね、助手席に座っていても一発でわかると思うよ。
自分で運転していれば、少し走り出してからアクセル開度を増せば良いんだけど、自分でコントロールできない助手席は辛いかも。
加速力を排気量換算で考えてみると、SAIは速度によって異なる。エンジン回転数ではなく速度という部分がハイブリッド。
メーター読み時速80km前後から最大加速に入った場合の加速力は、2500ccと同じくらい。加速感は伸びていくというより同じようにスピードメーターが上がっていく感じ。
逆に低速時は1500cc位なんじゃないかってくらい。モーターでドン!なんてのを期待していると肩透かしを食らう。加速力弱いです。
アクセルペダルを踏んだ時のレスポンスは悪い。アクセル踏んで最大加速に入るまで1秒か1.5秒。でもドライバーによってはレスポンス十分と感じるかもしれない。
なんでかといえば、アクセルペダル開度に加速力が付いてくるまでの間に、それなりの加速をするから。
普段エンジンが小さい車種にお乗りの方であれば、不満はないと思う。
また、アクセル踏んでからワンテンポ遅れて加速するようなハイブリッド車にお乗りの場合は、おお!なんて感じちゃうと思う。
逆に排気量が大きいクルマにお乗りの方であれば、ずいぶんまったり加速始めるのね、なんて思うんじゃないかな。
感触としてはCVTミッションみたいにじわっとエンジン回転数が上がりながら加速を始める。
加速力がじわじわとアクセルについてくるクルマって、神経質なアクセルワークを心がけなくても唐突な部分がないのがいい。
見方換えると、ココ一発の時はもたつく反面、裸足でもスリッパでも運転できるラフな設定。
SAIで極端に遅いと感じるのは出だし。次いで、速度の低いところからの加速力。やっぱり従来的なミッションと呼べる部分がないからかな。長く運転していると、力不足と感じる場面が1回はある。
例えば信号での右折時。対向車一杯の時はスッと曲がってスッと加速したいでしょ。それがね、ハンドル戻し始めてアクセル踏みこんでも、スカッ!って感じになっちゃう。加速始めるのは交差点抜けたあとだよw
こうした時、乗員が3人4人と多いと、さらに明確に加速しない。車両の重量は出だしに近いほど影響するというのがよく分かる。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」
SAIの走行モードは4種類用意される。モーターのみで走行する「EV」モードを除くと、「通常」の他に「エコ」と「スポーツ」がある。
スイッチを操作し走行モードを変更すれば、スロットルレスポンスが明確に変わる。
アクセルペダルの開度に対する反応は、どのモードを選んでもマイルド。なので体感的な加速感と最もマッチしているのはスポーツモードという感じ。
続く標準モードはスポーツに近い味付け。正直な所、どっちでもいいよね。
最後のエコモードこれは、はっきり明確にレスポンスが落ちる。アクセル遅開きじゃないの?みたいなね。このモードだけ極端に変化があるのが面白い。アクセル全開にしてしまえば一緒だろうけど、その過渡特性から加速感は全然変わってくる。
ゆっくり時間をかけて全開にするドライバーにはだるく感じる場面もあるだろう。反面、繊細なアクセルワークで極限まで燃費を延ばしたいとすれば、微調整は行いやすいはず。
系列サービスです!
法人、個人事業主の「ETCカード」。複数枚契約が可能。
セディナなど法人ETCカード
系列サービスです!
「自動車保険一括見積り」の比較。見積もりはメールか郵送で安心。
保険一括見積りサービスの比較サイト
室内設置タイプの専用品
ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
エンジン質感 | |
車内の静粛性が高いおかげで、アラ捜ししなければ弱点気にならず。 |
|
快適性 | |
静粛性は高い。乗り心地は全面的によくない。 |
|
足回りの質感 | |
SAIで一番の欠点に思う。 |
|
内装の質感 | |
触らなければナカナカ。室内の機能は高級車レベル。 |
|
外装の質感 | |
質感としては?だけど、高額車にはぜひ求めたい存在感はある。 |
|
静粛性 | |
タイヤ新しければ十分静か。 |
|
お買い得度 | |
見方によってはお得感あり。余計な装備ばかりと考えたら割高感強い。 |
燃費の話題は4ページ目に掲載中。
座り心地のいいリアシート。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。