自動車の試乗比較、中古車選びにも・ホンダ

2013年記事 ホンダ

アコード・ハイブリッド試乗「1」

評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。ホンダ・CR6型アコードハイブリッドの試乗レポートです。

当ページは1ページ目です。

「クルマの特徴と加速感、内装質感」

本田技研
  • グレード:“LX”
  • 型式:CR6
  • 車両価格:365万円
  • デビュー年:2013年07月〜

トヨタと勝負できる新世代ハイブリッドシステムを搭載したアッパーミドルセダン。試乗は20分x2の運転+リアシート試乗、燃費テストでルート2周といった簡単レポートです。


  1. アコードハイブリッド「1」システムと乗り心地、ハンドリング
  2. アコードハイブリッド「2」快適性とライバル車比較
簡単なレポ、プチインプレッションです

試乗内容は限定的。第一印象重視でより一般的な印象を言葉に出来るよう心がけています。

大幅変更されたキャラクター、今回はアメリカ風

本田技研

アメリカンなイメージだったりヨーロピアンなイメージだったり、モデルチェンジの度にキャラクターが変わるのがホンダのアコード。ここ数世代は欧州車路線で、先代アコードなんて欧州車以上に欧州車でした。

今回は開放的でソフトタッチ。そうアメリカ的なキャラクターに大変身。これはまるでインスパイア・ハイブリッドか?そんな感じになりました。

トヨタでいえばカムリより上級感強くボディも大きい。どちらかといえばちょっと古いアバロンやプロナード。イメージは一緒だけどサスはあんなに渋くないのがホンダ流。日産でいえばティアナ。世界的に人気のセダンだけどアコードの方が現代的。乗り心地だってよし。

ということでアメリカンセダンそのまんまのようなアコード。そして発売時点でいえばハイブリッドで無くてもライバルを一歩リード。さらに現時点ではホンダの最高級車、でしょうか。

本田技研※ライバルのトヨタ・カムリと比較しても、乗り味で高級感強いのはアコードハイブリッドです。

従来からのセダンらしい魅力がうれしい

アメリカのセダンといえば昔は非常にソフト。とにかくラクに走れ、荒れた道でも不快でないというのが重視される。

しかし最近ではキャデラックなどけっこうサスペンションが固めになり、荒れた道の多い地方ではSUVが大人気らしい。

アメリカより欧州的な、ここ日本ではご存じの通り、セダンといえば固めのサスペンションで質感重視というのが主流になっている。

「もっと柔らかい方がいいのに」とか「乗り心地良くする方法ない?」さらには「リアシートに大事な人を乗せられない」etc...なんてハナシが普通にされる。

先代アコードなんかは、セダンってスポーティカーだっけ?そんな味付けで、リアシートは狭く実質2人乗り。
「マークX」 や 「クラウン」でさえモデルチェンジやマイナーチェンジの度に固い足になる。

筆者的には固めも柔らかめも良いんだけど、柔らかいセダンを望む人は多そうだから、今度のアコードはゆったり感で選べる貴重なサルーン。

従来ながらの魅力を現代的にレベルアップ。日本では人口の多くが都市部だから、平均速度は遅め。1回の走行距離も短い。まさにピッタリ。

足もシートも柔らかく、ハンドル軽く、快適なリアシート。普段トヨタ党の人も試乗してみてください。

試乗:内装

全体的にはホンダらしいイメージながら、従来より華やかさをプラス。それにより日本車的な加飾、欧州車的な落ち着き感、アメリカ的な開放感を感じるようになった。日米欧のいいとこ取りかな。悪くいえば中途半端で高級感は不足気味。

インパネはデザインが凝っていてなかなかに秀逸。質感で負けても欧州車の絶壁のような無骨さは全くなし

高級感はなくおしゃれでもないけれど凝った造形でありつつ違和感をあまり感じさせないデザインだから、それなりの満足感を感じると思う。ホンダって昔から解放系のインパネは、独自の魅力たっぷり。

内装、細かなトコロ

  • 日本車ではどんどん無くなっていく灰皿(外車では普通に灰皿有り)。しっかりとしたフタ付きで装備され、さらに先代アコードより使いやすくなった。
  • メーター、凝った形状をした指針は一見の価値あり。また欧州車のようにナビゲーション関連の情報が一部メーター内に表示される。
  • シフトセレクターが握りにくい上に感触が悪い。200万円以下の車種と大差なしで残念。
  • アクセルペダルがオルガン式じゃなくなった。なんでだろ?

フロントシート&リアシート

まずフロントシート

先代アコードの優れた形状とランバーサポートの感触は同じような感触のまま、ずいぶんとソフトになりました。ふかふかじゃないけど柔らかめ。

運転席でポジションを取ると、ほどよくシートに包まれつつ優しい感触。

シートポジションは最も下げてもインパネに人間が包まれるほどには下がらないから、高いシートポジション(上半身が浮いたポジション)で運転したい方に最適。

次にリアシート

このクラスのモデルとして十分に大きなシート。

身長170センチ以下の方ならヘッドレストいらないんじゃない?ってな感じだし、外から乗員を見ても非常に優雅。本皮シートを選択した場合は、合成革のような風合いで、柔らかかつ、実用性も高そうな表皮となる。

トランクスペースは極小

手元のゴルフバック(やや大きめ)を入れたら1個でいっぱい。その上にもう一個詰めるかと思ったら、トランクリッドのヒンジが邪魔をする。ゴルフバッグはがんばって2個。

この位は我慢しなくちゃならないとわかっていても、狭いモノは狭い!奥行きはヴィッツセダン(ベルタ)以下のような。

幸いアコードハイブリッドはリアドアが大きいので、ショッピングに行ったらリアシートに荷物を置きましょう。エアコンも効いて食料品も傷みません。


※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。

試乗:ハイブリッドシステム関連

ホンダの新しい世代のハイブリッド。もう、”なんちゃってハイブリッド”じゃありません。プラグインは一般販売されなくても、電気自動車に近いシステムにガソリンエンジンをプラスしたような感じ。60Lの燃料タンクで走行可能距離も驚くほど長い。リッター20キロでも1200キロ走っちゃう。

しかし肝心なのはフィーリング。アコードハイブリッドの車両価格は実用車のレベルを超えてますから。

試乗してみれば、従来のホンダ式ハイブリッドとは全く違うばかりか、トヨタ式より印象の良い部分も多々ある
低速時は基本的にモーターのみで走行。走行中にEVボタンだって機能してくれる。アクセルをちょっと踏み込めば、モーターが強力という感じで、モーターだけでも想像以上に加速。出だしからここまで、アクセルは早開きのような印象だけど、ジワッと開いてくれるので扱いにくさはなし。

時速50kmほどからの再加速では、アクセルを踏んだ瞬間は自然かつリニアなレスポンスで、大排気量車のように加速してくれる。その後は、全開でも特別速くはない。

流行の小排気量ターボと比較すれば、”数値上”は低速からトルクが凄いターボ加給付きエンジンだけど、踏んだ瞬間の感触はアコードの方が自然。
(※小排気量ターボはボディサイズの割に小さいエンジンという意)

時速70km超で巡航すれば、エンジンで駆動しているのが瞬間燃費計からもわかる。この際、ステアリングに伝わる振動がちょっと大きいので試乗の際はぜひチェックを。加速中は気にならないけど巡航中は気になる。

アコードはエンジン音も大きければモーターとかの音のも大きく、間違いなく自動車を運転している実感がある。簡単に言えばうるさすぎ。ちなみにトヨタSAIやレクサスHS250は静かでエンジン掛かっているかもわからないほど、エンジン回転数も低いような感じがする。
いい速度で巡航すればハッキリとエンジンの存在を感じるアコードはゆっくり走るのが最も好印象。バッテリー残量も多い時の方が当然快適。

振動といえば、トヨタ・SAIでは発進時にエンジンが掛かると、ブルッという非常に嫌な振動が伝わる。これだけで助手席に座るのも嫌なほどだ。アコードハイブリッドでは今回、こんな嫌な感触はなかった。

低速時の電子音?チャイム??

最近のハイブリッド車では、低速走行時に電子音が鳴る。例えばプリウスだと「ギュグイィーーン」てな感じ。プリウスの音なんてとっても不快です。

アコードハイブリッドでそれを確認したかったんだけど、4枚の窓を開けてみてもわからず。室内に入ってこないだけだとすれば素晴らしい。でも音量小さすぎても意味無いような。

本田技研アコードハイブリッドのライバル車であるトヨタSAIでは、静かな住宅街など、周囲の騒音レベルが低い時に「ギュグイィーーン」という電子音が聞こえます。

機能をOFFにするスイッチもついています。

試乗:乗り心地やハンドリング

サスペンションが柔らかければシートも柔らかめ。ハンドルも軽い。それが今回のアコードハイブリッドの特徴。

乗り心地

とにかくソフト。しかもショックアブソーバーがよく動く。試乗車は総走行距離400kmという状態の車だったけど、酷い渋さは感じず。

シートが柔らかいこともあり、小さい〜中くらいまでのボコボコは乗員に衝撃を伝えないか、サスペンションがスルッと動く。凹んだマンホールのフタもオレンジのゼブラも、路面のうねりのようにクルマが揺れる感覚だ。

第一印象はいい乗り心地だけど、大きな段差ではちょっとドタバタする。荒っぽいっていうのかな。ただ絶対的に柔らかいから気にならない人も多そう。
タイヤはダンロップのエナセーブ。低燃費タイヤ(エコタイヤ)ということも忘れてしまう乗り心地でしょう。

ステアフィールや普通にコーナーリング

エンジンが止まっている時にハンドルを回せば、実にスムーズなのがわかる。直線では、十分な直進安定性かつ中立付近のフィーリングも軽くて自然。VWのように変に直進性の高さを強調しているような感じはなし。

コーナーでも自然に切り込んでいけるのが好印象。最近のホンダ車といえば、ヨーの立ち上がりに過敏な部分があったりして、神経使う感じだったのがちょっと変わった。
ワンテンポ遅れることもなく過敏でもなく、サスペンションのキャラクターによく合っていると思う。

個人的に気になるのはちょっと伸び側の減衰力が弱いかなと。ちょっと内側が伸びちゃうし、ちょっとノーズダイブも大きめ。動きもやや早い。

でもこのサイズのクルマだからこそ、これだけ柔らかいサスペンションでも普通に走れると考えれば、慣れの範囲ですね。

それともう一つ。アコードって前々から直進安定性が良くなかった印象が残ってるんだけど、今回のアコードもあまり褒められたモノじゃない。感覚的にRV車よりはマシとかそんな感じ。

冷静に考えれば、ストラット+ソフトサス+エコタイヤでは仕方ないのか。今回からフロントサスペンションはストラットになったらしい。

ストラットはスペース効率的に優れている反面、動的なアライメント変化が不安定な方向に変化する。試乗して感動すれば型式なんて何でもイイ。しかし悪い方向に感動すれば、ストラットという型式を疑ってしまうことになる。

直進性の高さは人間の余裕と直結するから、安全運転のためにも、意識せず車線の真ん中をキープし続けるような特性を望みます。時速60キロまで限定でもいい。マツダに出来ればホンダに出来ないわけはないでしょう。


電子制御のブレーキは?

どこもかしこもソフトなのにブレーキペダルだけはペダル剛性がある。手前から重く、普段はストローク量少ない位置でコントロール。

このペダル剛性、違和感ないといえばウソになる。やはり運転のしやすさって体に触れる部分全てのバランスだと思うから。

しかしブレーキフィーリングはトヨタのハイブリッド車よりもいい。トヨタのはよくなったとはいえ、デジタル的に急な部分が残る。アクアなんてブレーキアシストの介入の早ささえ、男性向きじゃなかったりする。

アコードハイブリッドのそれはブレーキ踏むのはいい。けど完璧じゃないかもしれない。なぜかブレーキリリースが扱いにくい
時速60キロ以上からの停止とか、コーナー入り口でのリリースとかの場面、スッと抜きたい時もジワッと抜きたい時も、ちょっとコントロールしにくい感じがする。

これはアコードのサスペンションの特性も相まってというハナシで、実際には手前で強くブレーキをして、非常にゆっくり(時間と距離をかけて)ペダルを戻すという動作を、他のクルマより意識して行えば大丈夫。

ホンダ アコードハイブリッド

本田技研

accord hybrid
(アコードハイブリッド)

  • 試乗グレード:“LX”
  • 年式:2013年モデル
  • 型式:CR6
  • 新車価格:365万円

概要

  • 排気量:2000cc
  • エンジン型式:MF8
    (4気筒アトキンソンサイクル)
  • 車重:1620kg
  • ボディサイズ:4915/1850/1465mm
  • 発売時期:2013年07月〜
試乗レポ・ライター

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比較評価
動力源フィール 5段階評価

フィーリングは抜群。

動力源質感 5段階評価

質感としてはうるさいし振動ある。その分、運転してる感覚はしっかり。

足回りの質感 5段階評価

絶対的に柔らかいから乗り心地はよし。

内装の質感 5段階評価

少しの華やかさに開放感あるデザイン、ほどよい落ち着き。イメージはいいね。

外装の質感 5段階評価

キャビンが四角く顔はこってり。リアフェンダーのあたりは良いんじゃない?

快適性 5段階評価

リアシート快適。でも静粛性はちょっと。タイヤが減ったらもっとうるさくなっちゃう。

トランクスペース 5段階評価

狭すぎる!でもこの割り切りがいい!

お買い得度 5段階評価

ナビが標準。ハイブリッドとボディサイズを考えれば大きいけど高くない。


ちょっと残念な操作感のシフトセレクター。前に蓋付きの灰皿。後に押し心地良しのEVモードスイッチ。


開放感+華やかさ。けっして高級じゃないけれど絶壁なだけのインパネよりデザイン性を感じる。


ナビは画面大きめ。もちろんインターナビ。オーディオ&エアコンは別に操作できる!


トランクスペースは奥行きが短い。バッテリーが入っているからだろうけど使い方次第では納得いかない。トランクリッドのヒンジも邪魔。
ゴルフバックは普通に入れれば1個。
そして底の部分(中央部)がプカプカ。ここはアンダートレイのフタなんだけど、心理的に軽いモノしか置けない。

試乗や比較が難しい中古車も、より具体的なレビューでぜひ!
自分の言葉で!研ぎ澄ました感性で!

違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。

特徴を明確に!写真もできる限り!

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