評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。トヨタ・SAI(型式AZK10)「G」の試乗レポート。
当ページは1ページ目です。
セダンボディのハイブリッド車SAI。1回目のマイチェン後モデルで2012年式です。
エンジン+モーターのハイブリッド車で、セダンボディなのがSAIの特徴。2400ccのガソリンエンジンに3代目プリウスと同じ出力を持つモーターの組み合わせです。
クルマを見て感じるのは、プリウスのセダン版というイメージ。価格上昇の分は装備が充実し、静粛性も向上しています。
装備では、大画面のナビゲーションやパワーシートが標準装備されます。
試乗車は2012年式トヨタSAI。1日目のマイナーチェンジ後のモデルです。
グレードは「G」。下から2番目となる標準的なグレードで、車両価格は約370万円。
所有は筆者ヒラリーの身内。新車時から見たり運転したりしています。このSAIは新車で購入後、18ヶ月で45000km走行しています。
SAIのボディサイズは「全長4605mm・全幅1770mm」とミドルサイズで、価格は330万円〜。Dセグメント(やや大型)のセダンや、アルファードが狙える価格なので、ちょっと割高です。
割高な価格設定ですがSAIはナビゲーションが標準装備。本当は、ナビを除いて270万円程度なら存在価値を感じます。
現在の価格だと、ライバル車にお得を感じ、魅力的に写ります。例えばレクサスHSやマークX、ティアナ、アコードハイブリッドですね。
売却価格を考えれば、セダンのSAIは厳しいことが予想され、プリウスαやエスティマハイブリッドなどの人気車がお得ですし、プリウスのお得感はやっぱり素晴らしく、メーカー側ではバランス取るのが大変そうですw
SAIは微妙です。良く言えば丁度いい選択肢。悪く言えば中途半端。
経済性の高さならプリウス。高級感の高さならクラウン。SAIは何?みたいなね。
SAIは、レクサスHS250と兄弟車の関係。プラットフォームはレクサスHSの国内用ということながら、これはトヨタの”アッパーサイズFF用プラットフォームの拡張版”。なので多くのトヨタFF車と共通点多いと認識しています。
一応、ハイブリッド専用パッケージみたいだけどね。
販売はトヨペットとネッツ。ネッツ店で「セダンが欲しい」といえば、「SAIしかありません」と返ってくるw 貴重なセダンです。
※内容は辛口評価です。試乗時のチェックポイントを重視!
インパネやセンタークラスター、ドアトリム、シートといった運転席周りの各部は、クルマのイメージを大きく左右する部分。
特にインパネの形状やドライバーズシートから見える視界で、そのクルマが高級か一般か、ドライバーは意識せずとも連想します。高額な車種ではそれなりの世界を感じさせて欲しいと思います。
試乗の前に、SAIの運転席に座ると、目の前に広がる光景は少し大きめのコンパクトカー。例えばプリウスとかオーリスです。
どんな部分かといえば、アップライトな着座ポジション、Aピラーの位置や傾斜、三角窓、フラットなフロア等々。
とても上級セダンのテイストとは思えません。
セダンらしい着座位置と包まれ感こそ高級と考えれば、とても300万円オーバーのクルマに座っているとは思えず。
試乗しなくても座っただけでクルマのイメージが伝わってきちゃう。もったいないですよね。
これがSAIの特徴。Cセグメントクラスをハイブリッドにして、装備を充実。価格はそれなりに高価。生い立ちが想像出来ます。
SAIの内装では、コンソール状に伸びるセンタークラスターの樹脂〜木目調パネルの質感が高いです。レクサスと比較すれば大味な質感ですが、日本車的な質感を感じます。
「G」というグレードでは、ステアリングは木目と皮のコンビで、高級車と一緒。ドアトリム、ドアノブの触り心地・質感もまずまずで、立派に感じられる部分です。
要所要所は価格を納得させてくれるところが嬉しいですね。
インストルメントパネル、ダッシュボードの素材は固い樹脂で質感低め。遠くから見てもパカパカに見えます。触って固いなんてのはどうでもいい。見てダメだから問題。SAIの価格を考えれば非常にチープな部分です。
またシート表地はモケットのようで、よく見れば立体感のない織物系ジャガード。”風”かも。モケットの良さも、織物の良さも感じられず。
シート高の設定で注意点が一つ。左右両側パワーシートなんだけど、調整項目が左右で異なります。
助手席側はシートハイトの調整がなし。ここは高級車との違いですね。助手席に身長175cm以上の方が同乗されることが多ければ要チェック!頭上に圧迫感を感じます。
速度を上げればシーという風キリ音がしますが、このノイズは高級車で感じる音。日常的な走行なら下回りからのノイズ含め、車内は静かで総合的な静粛性は高い。
加えて、エンジンなどの低周波ノイズが小さく、コモリ音が気になりません。
だから、耳障りなノイズと、こもりノイズは最小限。会話していれば気になりません。
走行中のエンジン回転数が低めに保たれるSAI、エンジンが始動していても静か。エンジンノイズは相当静かです。マフラーからの排気音も気にならず、ハイブリッド車は静かなクルマが良いなって思わせてくれます。
静粛性は、高い車両価格に見合った、納得できる印象を与えてくれます。
感じるノイズの音質も「ザー」という安っぽい感じではなく「シャー」という角の丸い音。満足度は高いです。
減点は、荒れた路面に行くと急に、フロアからのノイズが高まる点。トヨタ車で多いタイプのノイズで、ドカドカという音と振動が室内に入ってきます。
これはサスペンションやタイヤに起因する問題かな。通常時が静かな分だけ、ノイズが気になる路面では実際以上にうるさく感じてしまいます。
室内の広さもミドルクラスセダンとして特別広いわけでもなく、トランクだって狭め。奥行きがありません。
リアシートのスペースは、「広めのコンパクトカーレベルの前後長 + 横幅の余裕」。
広いクルマに慣れちゃったのかもしれませんが、SAIの居住性はそれなりと言わざるを得ないのが残念。
リアシートの快適性は、背もたれはどちらかといえば直立な部類。ゆったりした着座姿勢では座れません。乗り心地はフロントより優しく、好ましい乗り心地です。
系列サービスです!
法人、個人事業主の「ETCカード」。複数枚契約が可能。
セディナなど法人ETCカード
系列サービスです!
「自動車保険一括見積り」の比較。見積もりはメールか郵送で安心。
保険一括見積りサービスの比較サイト
室内設置タイプの専用品
ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
エンジン質感 | |
駆動系質感 | |
足回りの質感 | |
内装の質感 | |
外装の質感 | |
快適性 | |
お買い得度 |
カラフルなメーター。敏感な目をお持ちの方には夜はちょっとまぶしいらしい。もちろん照度の調整は可能。
カーナビゲーションは標準。ナビのコントロールはコマンダーのみ。反応する場所で止まってくれるが、走行中などタッチパネルの方が使いやすいと思う。
SAIは全グレードでナビ標準。ナビの画面は大きめ。マルチだからハイブリッドシステムの情報とエアコンの調整は画面を切り替える。
アルミホイールのカバーを外した状態。アルミホイールなのにホイールキャップが付く。
ホイールキャップ。これを外して走ってもよさそうだが、その場合にはホイールセンターのハブ部分に付けるセンターキャップが欲しくなる。
合体するとこんな感じ。
エンジンルーム。SAIに限らずハイブリッド車では水を掛けて洗うのは危険かも。
アイドリング時の回転数は900回転。高めの設定。
2回目マイナーチェンジ後のSAI。簡単な試乗感をページ後半で触れています。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。