自動車の試乗比較、中古車選びにも・メーカー別評価「トヨタ」

2012年記事 トヨタ

トヨタ SAI試乗評価「2」

評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。トヨタ・SAI(型式AZK10)「G」の試乗レポート。

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「走行性能・走行感覚」

トヨタ
  • グレード:“G”
  • 型式:AZK10
  • 車両価格:370万円
  • デビュー年:2009年12月
SAI内装1SAI内装2

セダンボディのハイブリッド車SAI。1回目のマイチェン後モデルで2012年式です。


  1. SAI試乗「1」内装質感
  2. SAI試乗「2」走行性能・走行感覚
  3. SAI試乗「3」HS250と簡単比較
  4. SAI試乗「4」ビッグマイナー後と比較、評価総合

  1. ※2015年モデルに乗り換えました!
    ビッグマイナー後のSAI試乗レポート

試乗:SAIの走行感覚

まずはドライバーズシートで1時間運転して、その後助手席で1時間座るというのが今回の試乗。それから別の雨の日に45分ほど試乗した感覚も交えてレポートします。

SAIのアルミホイール試乗するとまず、ちょっと走り出してもプリウスとは比較できないほど高級なのがわかる。

アクセルは急ではなくスムーズで、燃費のために微調整したい領域に多くのペダルストロークが割り当てられる印象。エコボタンでの切り替えは「ノーマルモードで扱いやすいレスポンス」ということだが、マイルドすぎて扱いにくい。「エコモードは本当にもっさり」。アクセルペダル開度とスロットル開度のバランスが変わるだけではなさそう。

トヨタ車ではエコモードにすると扱いやすくなる車種もあるが、このSAIに関してはエコモードを使うのは限られたユーザーに限定されるかなという印象。使えないなら逆に切り替える手間が省けて迷うこと無しw

エンジン始動しても静か、ただし発進加速は今一つ

ハイブリッドだからパワーがある!と思いがちだけど、実際はちょっと違う。SAIではモーターによる動力の上乗せ分が、エンジン回転数を上げないで走る方向に当てられている様子。

具体的には、発進加速は軽自動車レベルの遅さ。静かにジェントルに発進といえば聞こえがいいけれど、本当に加速してくれない。アクセル全開にしてもノソッと加速していく。

交差点での右折時、ハンドル戻し終えたらアクセル全開、それでも加速してくれないからビックリする。「静かに力強い加速」なら、それこそ多気筒エンジンのようだけどね。

なんでかって考えれば、エンジンは始動しても低回転キープ。中間加速ならいいんだけど、アイドリング回転数にちょっとプラスした回転数での加速は、この排気量では厳しいらしい。

ハイブリッドの力強さを体感出来る場面。筆者が感じたのは巡航中での上り坂。時速70kmあたりで常時エンジンが始動しているんだけど、回転数は低い。
その回転数で速度低下が気になることなく、アクセル微調整で何事もなかったように速度キープができる。

速い遅いじゃなくて、如何にエンジンの存在を感じさせずに走れるか。SAIはそんなクルマみたい。エンジンは発電メインだとすると、パワーのない電気自動車みたいっていうこともできる。

試乗:ブレーキフィール

運転して気になる点と言えば、一番はやはりハイブリッド車特有のブレーキフィーリング。感触悪く音もでる。しかしブレーキフィール、ちょっと昔なら多くのトヨタ車が極悪フィーリングだったため、標準的というか気にならない人も多いらしい。

電力回生というわりにアクセルOff時の減速感は低く、よわ〜いブレーキを長く当てることでの回生を考える。このあたりは新鮮で楽しい。”カックン”とした唐突感も昔に比べれば低減された。

でも実際に減速する場面では、やはりまだペダルストロークと減速力の関係に違和感があり、普段こうしたクルマを運転していないと違和感を感じる可能性もある。

乗り心地やステアフィール

乗り心地に関して、デビュー当初のSAIに試乗した際には、まるでコンパクトカーの様だった。ヴィッツクラスと比べるのはSAIに失礼かもしれないが、ヴィッツよりは多少マシといってもあながち間違いではないと思う。サスペンションがストロークした際にはチープなコトコト音さえする。

初期モデルから進化

そんな感じで落ち着き無く安っぽかったわけですが、今回、後期モデルで走り慣れた道を長時間走ってみると、そこまで悪くないというのが第一印象。

サスペンションはやや固めな方向性。フリクション感強く初期が固めでゴツゴツながら段差では少しだけショックアブソーバーが動いている感じがする。いや動くのは当たり前なんだけど、動いている感じがしないクルマってあるじゃない。これはちょっと前のトヨタ車とは違った印象。フラットな道なら多少ざらついていても、路面からの静粛性も高い。

凸凹が苦手

しかし、ちょっと荒れた道(大きいデコボコ)に行けば、足回りはバタバタ、ノイズはドコドコ、フロアはブルブルと振動。周波数が低い音をメインに室内に響きます。

特に助手席足下にはコンパクトカーと変わらないだけの振動が伝わってくる。もしSAIの購入を考えているなら、荒れている道の試乗もしっかりとされることをオススメ

※フロアへのドゴドゴはタイヤ変えれば印象変わる可能性。文中の感想は新車時装着タイヤでの印象。

ハンドルを回す感触

ステアリングを回す感触はまあまあしっとり。SAIの300万円台後半という価格を考えれば「しょぼい」というレベルなんだけど、自動車全体で評価すればまあまあ良好という評価。

路面からの衝撃は相応にカットされる。ガタガタ道で揺すられることは気にならず、微振動で苦痛を感じることもない。

回していく際に引っかかりのような抵抗もわずかに感じる、でもほんの僅か。同価格ミニバン系と比較すれば無問題で、メカニズムが共用だとしても何かで差がある。これで文句をいうのは贅沢。この位で満足した方がクルマ選びが楽しいと思う。


※内容は辛口評価です。試乗時のチェックポイントを重視!

試乗:エンジン質感

SAIのエンジンルームSAIのエンジンは実用重視の4気筒。普通ならボヘボヘとした安っぽい音や振動を出すはず。

どう?? SAIの場合はシステムを起動すればエンジンが掛かるが、音や振動はあまり室内には伝わってこない。

車外にいても聞こえるエンジン音は「シャラララー」といった高音域がメインの音。なぜか低い音はあまり出しませんし、安っぽい音じゃない

走行中も、急加速時を除く常識的な範囲内なら、エンジンの音はほとんど聞こえず。騒音計で計測してもエンジンのOn-Offは数値にも表れにくい模様。
エンジンが始動していると、振動がステアリングに伝わってくる程度で、それでエンジン回っているのがわかる。音ではなく振動で感じる程度の差しかない。4気筒らしさが目立たない、これがSAIのエンジンの特徴のひとつ。

ハイブリッドだけど始動直後はエンジンが掛かる

スタートボタンを押してシステムを起動すれば、冷間時は一旦エンジンが始動します。そして断機が終了すればエンジンが自動的にストップ。ほおっておけば暖機運転はしてくれるのだけれど、トヨタ式ハイブリッド車の例に漏れず暖房は効きません。走行中全体でプリウスにちょっと毛が生えた程度かな。

SAIにはタコメーターも水温計もないから、車両の検診コネクターに繋いで情報がわかるツールを使い、暖気中のエンジン回転数と水温をチェック。
始動直後のエンジン回転数は1400回転くらい。冷却水温は40度を超えたあたりからエンジンがストップするけど、場合によっては60度近くが表示されていたり、よくわからない一面も。車両の検診コネクターはアクセルペダルの上辺りに出ているので、簡単にアクセスできます。

SAIのエンジンルーム

エンジン回転数が下がった状態のアイドリング時、回転数は900回転
通常のガソリン車と比較して高めだね。

クルマが停止中エンジンが掛かるとちょっとうるさいのはこの影響。最初は何だろ?って思っていた。
ちなみにこれはプリウスも一緒。充電のため??それから参考までに、軽自動車も900回転くらい。

エンジンが掛かった瞬間の振動

停止状態からやや強めにアクセルを踏み込むとエンジンが掛かる。この際「ブルルッ」っと非常に嫌な振動がシートに伝わってくる。

この振動がね、非常にイヤな感じ。助手席のパッセンジャーだってわかるほど。バッテリー残量が半分を切っていると、渋滞中でも頻繁にエンジンが掛かるようになる。エンジン掛からないようにソォッと発進しようとしてもブルンッ!燃費の為にガマンするしかありませんw

※2015年のSAIでは、ブルルッが低減されているように感じる。

しかし、普通に走行中にエンジンが掛かった際には、ほとんどわからない。エンジンの音も非常に静かでプリウスのようなノイズも出さず。エンジンOn-Offはステアリングに伝わる振動で判断できる程度。なぜかスタートの時だけ気になるんです。これは要チェック!
日常的な速度域なら、よほど注意していなければエンジンがかかっているかさえわからない可能性あり。様々な特徴から、エンジンの存在を忘れていても大丈夫なのはSAIの特徴。

エコカーはイメージいい?

クルマを比較していると、エコという言葉ばかり。では「エコ」とは何か?

一昔前は確かに、環境に優しいクルマ=かっこいい。といったイメージだったはず。でも今は時代が変わりました。エコとは「エコロジー」ではなく「エコノミー」。つまり「環境的」ではなく「経済的」

なぜか?ここ10年地球の温度は下がり続けているということで、寒厳期に向かっているらしい。弱氷河期に向かいつつあるともいわれる。だから地球温暖化も二酸化炭素排出量も全くナンセンスな話。この話は「お金儲けの為や大人の都合によって常識化されてしまった」というのが一般常識になりつつある。
この話は数々のサイトで解説されているほか、中部大学・武田先生のブログではずいぶん前から取り上げられている。ぜひご参照頂きたいと思う。

ということで、エコ=かっこいいという時代は終わりました。エコカーはクルマにかかる費用を抑えるためのクルマ。だから割高なエコカーというのはとても微妙なポジション。中古車で割安なSAIを買えば価値がある。それでなければ経済性の高いプリウスがオススメ。SAIとはそんなクルマです。

トヨタ SAI

トヨタ

SAI (サイ)

  • 試乗グレード:“G”
  • 型式:AZK10
  • 車両価格:370万円
  • 車重:1590kg
試乗レポ・ライター

当記事は「ヒラリー男爵」がお届けします
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SAI・リアのイメージ


SAI・ヘッドライトのイメージ


アジア系の格安輸入タイヤを使用してみました。使用レポートを掲載中。


400万超の上級グレードにはシートメモリー機能が付く。ステアリングも電動で動作。もちろん助手席もパワーシート。


コンパクトカーレベルのセンターコンソール。シート表皮はこうみえてさっぱりしたジャージ系。だがじっくり近くで見るには耐え難い質。


グローブボックスには照明付き。


相変わらず厚い取り扱い説明書。サービスデータだけまとめた薄いものが別に欲しい。



最上級グレードだけパンク修理キットで、それ以外は普通のスペやタイヤが標準。


ステアリングスイッチでメーターパネル内の液晶が切り替えできる。ハイブリッドのモニタリング切り替えもここのスイッチで可能。ボタンの数はかなり多く、覚えるのは大変。ナビの発話ボタンもココ。
ちなみに中級グレードではステアリング後ろにクルーズコントロールのスイッチが付く。

SAIマイナーチェンジ後1
エクステリア4
エクステリア6
エクステリア6
SAIマイナーチェンジ後2

エクステリア(夜間)1
エクステリア(夜間)2
2回目のマイナーチェンジ後、夜間のエクステリアは非常に尖ってる。

エクステリア(夜間)2
エクステリア(夜間)2
インテリアも尖っている。というより、やんちゃな雰囲気と行った方が正解かな。

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