評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」トヨタ・マークXジオ「エアリアル」の試乗レポート。
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筆者はこのマークXジオ・エアリアル、ボディデザインが好きです。カッコ良ければ全て良し!?愛着こそ!
4人乗車が重視されたローハイトミニバンがマークXジオ。ラグジュアリーなテイストを持ち、上級・高級いう言葉が連想されます。
トヨタ的にはマークXのバリエーションモデルとして、そうした位置づけがされています。
筆者的にはハリアーの仲間。形状違いの兄弟車くらいに思っています。
「マークXと呼んで良いの??」「う〜ん悩む」
マークXのファーストネームが付けられ、マークXの名前で販売。販売台数もマークXに含むとのこと(分かれている集計も発見)。
大人の事情を疑ってしまう程に違和感のあるネーミング。問題は内容的に大きく異なるクルマという部分。
魅力的なクルマがネーミングで壊れていく...たまにありますがこれだけで評価は難しく。
マークXジオは「FF+4気筒+CVT」の実用路線。一方のマークXセダンは「FR+6気筒+6AT」の高級路線。別物です。
搭載されるエンジンは2種類。「4気筒2400cc」と「6気筒3500cc」。トヨタお得意のラインナップですね。ミッションにはそれぞれ「CVT」と「6AT」が組み合わせられます。
違いは余裕と高級感。自動車においてエンジンは中心的存在。クルマから受ける印象、全体的な質感が大きく変わってきます。
余裕と高級感を自動車税と多少の燃費悪化で秤に掛けての選択です。
グレードはこのエンジン違いを中心にラインナップ。5人乗り仕様(ファイブスタイル)だったり、エクステリアを装飾した(エアリアル&エアロツアラー)などが揃います。
新車の価格帯は247万円〜380万円(2011年)。筆者はボディデザインに惹かれ、2400ccのエアリアルを購入しています。
内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
メインは前輪駆動で4気筒エンジン。マークXセダンとは異なります。
マークXジオはトヨタのFFプラットフォーム(新MCプラットフォーム)。
同じプラットフォームはオーリスやブレイドから広く使われ、上位車種ではアルファードまで。またハイブリッド専用車のSAI、レクサスHSなども近い存在らしく、実はインテリアも系統が似ています。
新MCプラットフォームによるマークXジオは、インパネにオーリスやブレイドを連想させます。プリウス、SAI、HS250なども内装を剥がせば構造は一緒かもしれません。
インパネ裏側のステーの位置、ボルトの位置など、想像すると楽しめます。
インパネイメージやドラポジなどでCセグメント・ハッチっぽさも感じますが、細かいことを言わなければ優雅で立派!
優雅かつ個性もあるエクステリア、質感と使いやすさを持ち合わせるインテリア。筆者が思う最大の長所がこれです。
マークXジオはFF(前輪駆動)で4気筒エンジンがメイン。運転時の高級感や官能性能は、セダンのマークXとは別物です。
”マークXジオ”を”マークX”と略す方もいらっしゃいます。間違えちゃいますよね。
マークXのネーミングが与えられた事は、ネット上でも不満を抱くオーナーさんの記事が目に付きます。ブレイドロング、オーリスワゴン、オーリスジオなど、かなりのいじられようw
筆者もオーナーですから、この名前に困ったことは一度や二度じゃありません。
ハッキリ言います!「マークX」じゃなくて「ジオ」なんです!
コンセプトは現代的です。見方変えれば、マークXとかクラウンに劣るクルマじゃありません。ボディデザインやコンセプトは古典的なセダンより現代的です。
新しい価値観で運転できる(いや移動できる)のがマークXジオ。ボディデザインは高級感溢れ、ヨーロッパ車ライクな優雅さ。室内ではリアシートがキャプテンシートで快適に4人乗車が可能。
レストランより気軽に入れるコンビニ、本質より気楽な足としてならジオです。
試乗ということで運転席に座ると、予想よりも着座位置高め。そして足下は狭め。
トヨタはセダンとか乗用という部分を強調していますが、ドライバーズシートに座った印象はセダンという感じよりもミニバンに近い感覚。
他のクルマと比較すれば、ノアやヴォクシーからの乗り換えなら満足いく感覚だろうという評価。
ミニバンらしい視界を持つ着座位置から予想できるとおり、コーナーを曲がればもっさり感が気になる。サスペンションはそんなに柔らかくないのに、ワンテンポ遅れて反応するような感覚がトヨタらしくもある。
これは穏やかで走りやすいとイコールではない。よく出来たクルマは反応よく、それでいてジワリとゆっくり、ハンドル操作に対する反応を示してくれる。
スポーティに走りたい場面では、加速しながらハンドルを操作したい場面も出てくる。
そんなアクセルを踏み込んだままハンドル操作が必要なコーナーでは、レスポンスが悪い割に、ステアリングにはその手のインフォメーションを伝えてくれない。
コーナーでは、中立付近が軽く、切り込むと重さを増すステアフィール。演出の可能性もあるけど、FR(後輪駆動)の持つ良さにも近いフィーリング。
SAT(ステアリングを中立に戻そうとするチカラ)はやや強め。加えて保舵力は弱く、コーナーで手の力を抜いてスーッとライントレースをしてくれるタイプじゃない。同世代トヨタFFの感触。
「高級感」とか「良いクルマ」とか「楽しい」と感じる部分を「官能性能」と表され評価されたりするが、その官能性能が少し残念。
筆者はサスペンションを変えたり純正に戻したり、またショートパーツを取り付けたりした。そうこうしているウチに、マークXジオの得意の場面を発見。
どこかといえば下り坂。下り坂ではバランス良く、侮れない機敏さを見せる。新車時から18インチタイヤというのも効いていてグリップ感もバッチリ。
一昔前のクルマと比べればリアの安定性が高く、ハンドリングが唐突に敏感に変化する事は体験していない。
フラフラな不安定感も極小。少々雑にハンドル操作しても何もなかったようにコーナーをクリア。
許容範囲の広さは疲れている時にもありがたいし、いざという時に役立つ横滑り防止装置も標準装備。このあたりはコンパクトなスポーティモデルより圧倒的に素晴らしい!
ステアリングを回す印象は、クラウンクラスから乗り換えても満足できそう。
回すフィーリングは軽い。ほんの少しざらつきというか引っかかりを感じる時もあるが、電動パワステの滑らかさと自然な回し心地がうまくミックスされていると思う。
荒れた路面でステアリングに伝わる振動はよくカットされている。人工的に感じる反面、より大きいクルマを運転しているような落ち着きとか心地よさを与えてくれる。
ステアフィールにおいて残念なのはリニアリティの不足。
サスペンションブッシュの動きを制限する「リジットカラー」というパーツを付けると、乗り心地とトレードオフするカタチで良くなりました。
優れているのは街中でのアクセルペダル操作性の良さとパワーの出方。軽くスムーズに踏め、小さいクルマのように早開きでない。CVTの特性が良い。
CVT他車と比較してみると、アクセル開度が20%を越えない街中では、ラクに加速しやすい。
ペダル開度30%、ちょっと強く踏み込むとラバーバンドを伴う如何にもなCVTになっちゃう。
ダメな部分、ちょっといいペースで走る際のアクセル特性の不自然さとCVTのもっさり感。
いわゆる”かっくんブレーキ”でないのが市街地で扱いやすい。
ペダル自体は剛性感なく奥までグニャッと入ってしまうタイプ。なんだけど、日常域の普通にブレーキを使用する範囲内では、唐突感無く減速できます。
軽いチカラで踏めて、リリースする時の抜き加減もわかりやすいです。
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マークXジオ
ANA10 2AZ-FE 2400cc 2008年〜
55D23L
マークXジオ
ANA15 2AZ-FE 2400cc 2008年〜
55D23L
マークXジオ
GGA10 2GR-FE 3500cc 2008年〜
55D23L
ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
エンジン質感 | |
コンパクトクラスよりはましだけど・・・。そして静粛性は高いんだけど・・・。 |
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駆動系質感 | |
CVTならトヨタ。ただしアクセル制御が今ひとつなので星3つ。 |
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足回りの質感 | |
ありえません。 |
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内装の質感 | |
さすがに割高なだけのことはあります |
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外装の質感 | |
好みはあれど質感十分。優雅なライン。フロントフェイスはエアリアルならクセなく魅力。 |
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快適性 | |
綺麗な路面での静粛性はセカンドシートまで流石。荒れた路面では軽レベル。 |
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希少性 | |
これって外車ですか? |
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お買い得度 | |
優雅なデザインに惹かれれば文句なし。初代エスティマのデビュー時を思い出す。 |
メーターパネルは半ブラックアウトといった感じの字発光式。液晶表示部は上下2カ所。切り替えて情報を表示できる。
収納できるカップホルダー。フロントは計3個(ドアポケット入れると計5個)あるので、灰皿を置いても問題ない。
オデッセイには灰皿が標準、レクサスにも灰皿標準、フィアット500も標準、これを考えると、ジオは若者向けなのかお年寄り向きなのか?
似合うのか似合わないのか?ブラックアウトされたテールライト。車高調はRS-Rの単筒式。せっかくの車高調が真子に残念ながら、写真のようにあんまり車高下げずに減衰力調整弱めという使い方もあり。
ブラックパールリミテッドのヘッドライト。
この角度から見る室内はなかなか立派。
ゴルフバックはひとつなら、余裕を持って横積みできる。長尺タイプOK。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。