評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」トヨタ・マークXジオ「エアリアル」の試乗レポート。
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筆者はこのマークXジオ・エアリアル、ボディデザインが好きです。カッコ良ければ全て良し!?愛着こそ!
マークXジオで迷うのがエンジン排気量。用意される排気量は2400ccと3500cc。排気量だけでなく6気筒か4気筒かというレイアウトの違いもあります。
質感をとるか経済性をとるか?多くの方で比較の中心は2400ccでしょう。維持費など含め経済性の高さ優先、トレンドですからね。
マークXジオの2400ccエンジンはアルファードやハリアーなどにも使われている「2AZ-FE」という型式。
アルファードやハリアーは、車重が1800kgから2000kgと重量級のため、感覚は別物です。特に低速からの加速でパワー不足。4人乗車したらアクセル全開でも、思うように加速しません。
マークXジオの車重は1600kg弱。200〜400kgぐらい軽いのでアルファードやハリアーより動力性能が高く、しっかり体感できる違いがあります。
マークXジオはCVTも、高めの回転数を使いたがるという特性を持っていて、加速力を優先したキャラクターです。
200kg以上軽いその余裕はどこ? 絶対的な加速力(瞬間馬力)は同程度だとすると、ハーフスロットルでの加速時はCVTが利用する回転数が異なる。
回転数が低い余裕と、細かなアクセルワークに対する反応に違いが出てきます。
マークXジオの2400ccエンジンにはCVTが組み合わせられます。「Super CVT-i」といわれるCVTで、長所は多くのシチュエーションで高い性能を発揮。基本的に加速性能や燃費性能に期待がもてます。
短所はドライバビリティ。ステップ式ATほどの走りやすさはありません。
マークXジオのカタログ燃費は「13km/L」。筆者の走行パターンでは12.5km/L(車載燃費計)前後がコンスタントに表示されます。
3500ccエンジン搭載車で同じように走行した場合の燃費は9〜10km/L。燃費の良さで選べばやはり2400ccということになるのでしょう。
3500ccは6気筒レイアウト。音、振動、レスポンス、高回転のスムーズさ、維持費や燃費を無視すれば、質感的なメリットは大きいです。そしてミッションは6ATがセットされます。
これらによって高級感ある走行が味わえます。スゥーと滑らかに発進し、低い回転数で加速。これを味わってしまうと2400ccはチープに感じてしまいます。
3500ccエンジン搭載車だと、増額する維持費はやばい?価値観によって感覚は異なるでしょうが、筆者の感覚なら、クルマが好きなら大きく変わらない範囲だと思います。
自動車税が年間1万円アップ。ガソリン代が年間1万円アップ、このくらいが目安でしょうか。エンジン質感を気にされる方なら、許容せざるを得ない程度の差かと思います。
燃費ばかりのエンジンは面白くない。よく言われる言葉です。がさつなエンジンは色気がない。全くその通り。月々の支出はいくら変わるか?計算してみて下さい。
月に1回残業増やせば大丈夫そうじゃないですか??
トヨタの場合は高質な6気筒があるから、4気筒は割り切っている。キャラクターがハッキリ分かれているから、明確な選択肢。「350G」という3500ccエンジン搭載車の価格は330万円なりです。
追記:3500ccの燃費は、概ね10km/Lでした。走行条件としては夜間の走行限定ですが、悪くはないと思います。2400ccと比較すれば2km/L強、悪い燃費です。
ご参考までに同時に試乗したアルファードの3500ccモデルは、車載燃費計で9.3km/Lでした。
内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
同乗者による手元のストップウォッチでマークXジオの中間加速力を計測してみました。
計測条件は大人の男性2人乗車。ガソリン残量はメーター読み2分の1。風は体感上なし。タイヤ空気圧フロント、リヤともに不明。道路は直線。タイヤ・ホイール共にツインエア・スポーツ純正。
速度はメーター読み。ウィッシュやストリームなど1800ccクラスより格段に速いタイムです。速度が上がるほどこの傾向は強くなります。
エンジン型式はお馴染み「2AZ-FE」型。質感を一言で表せば「ガサツ」です。
2AZ-FEのエンジンのガラガラ感、エンジンノイズのチープな感触では、国産4気筒エンジンの中でワーストを争うほど。
振動出るし音もガサツ。ちょっと回転を上げればガラガラガラガラとそんな感じ。精密感を感じたりだとか、気持ちよさを感じるタイプではありません。
全く質感がないかといえばそうではなく、乗用域の静粛性は優れていると評価できます。
4気筒エンジン搭載車として、特にアイドリング時の静粛性は高く、さすがトヨタと思えるポイントです。エンジン質感低くても、トヨタ自慢のポイントはしっかり押さえています。
外で聞こえる音も、周りまで考える気配りの良さはさすが日本車。
高回転側のトップエンド500回転。実はココが美味しいポイント!
クルマが新しかった時、フラットトルクに感じた覚えがある。しかしいつの間にか、この最後の500回転で加速力が強まるようになった。ディーラーでプログラムの書き換えを行った変化かもしれないし、エンジンに当たりが付いたのかもしれない。
特別にエンジン音が変化することはないから、官能性能的には今一つ。だけどついタコメーターを見入ってしまうだけの伸びがある。最後はアクセルを少し緩めてシフトアップ。
こんな感じでマークXジオ・2400ccエアリアル、車両価格280万円のクルマとしては若干クエスチョンマークもつきますが、トヨタの中級クラス、妥当といえば妥当でしょう。
多くのクルマで実売価格が上昇しているわけだから、ある程度はガマンしなくちゃ、ですね。
エアリアルを選ぶなら同じ価格でオデッセイ・アブソルートが買える!このこと知った上で購入を考えて方がいいと思います。
巡航時は、CVTがとにかく低回転を利用しようとするので、エンジンの存在自体が遠い存在。
時速60km巡航かつ、ゆっくり加速の流れに沿って走ると、交差点での再加速時も1500回転くらいまでしか使いません。
キビキビ走りたい時や上り坂が多い道、そんな時には嫌な面が顔を出します。
例えば出だしや中間加速時、アクセルペダル開度20%程度から30%程度で、コンパクトクラスのように高めの回転数を使いたがる特性。こういった場面では非常に違和感を感じるし、各種ノイズが非常にうるさく感じる。
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広角レンズで撮影すればこれまた個性的。
バニティミラーと照明。明るいレンズのカメラを購入したので撮影してみました。
写真は6人乗り&ブラックカラー。前期はプラムと呼ばれる赤茶系の内装色が多い。不評とのハナシ。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。