評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」トヨタ・マークXジオ「エアリアル」の試乗レポート。
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筆者はこのマークXジオ・エアリアル、ボディデザインが好きです。カッコ良ければ全て良し!?愛着こそ!
タイヤとホイールの話ですが、マークXジオのグレード「エアリアル」「240G」「350G」には、18インチサイズが標準装備。
このうち「350G」は専用ショックアブソーバーに変わります。これ、小さなでこぼこを拾います。いわゆるゴツゴツ感あるタイプ。
しかし、「エアリアル」や「240G」は「350G」より細かなポコポコを拾いやすく、ドライバーが気付かないような、目で見てわからないようなボコボコさえも拾ってきます。
デコボコに見えない舗装路面でもハーシュネスの悪さが目立ちます。振動だけじゃなくノイズがでることも。
ユーザーの中には「350G」を購入し、16インチホイールに変更して乗られているオーナーさんもいらっしゃるみたい。
専用ショックアブソーバー+ゴムの厚いタイヤの組み合わせ。18インチタイヤのまま運転されるなら、空気圧は適正より”やや低め”が望ましい乗り心地かと。
指定空気圧って乗り心地より燃費やフル積載時の安全性が優先されるというからね。
実用車にちょっとだけリッチなテイストがプラスされ、そんなに安くはない価格が設定されているマークXジオ。
このお値段を出すならば細かいノイズなんかは煮詰めてあって欲しいと思うところ。試乗時にはわからなくても乗っているうちに気になってしまうポイントでもあります。
細かなノイズ、音消しに関しては、「トヨタ車だからこそ」期待してしまうポイントです。
またスロットルバルブが汚れてアイドリング回転数が変化してくると、振動周波数によって常にどこかが共振しています。
個体差はあるかもしれませんが、気になる部分です。
マークXジオ、走行性能や走りの質感は200万円クラスだけど、内装外装は気合いと遊び心が感じられます。
道具ではなく、乗り物ではなく、所有する喜びならコストパフォーマンス一級品。
外装ではバンパーのチリ合わせは高級車セルシオレベル。内装は専用部品満載。実際に手を触れる部分はソフトパッド。シートは小振りだけど車内を広く見せる効果。
その他、ジオを購入してから気付いた意外な長所短所などを記してみます。
内装の細かい部分、アナログメーター風のデザインとダイヤル式の操作系を取り入れたエアコン操作部が面白い。
スイッチの触り心地(回し心地)は悪いけど、走行中の操作性は良い。
サイドブレーキのペダルは高い位置に付いていて、踏むのがちょっと大変。しかしこれ、運転中邪魔にならない。
全車標準装備のウェルカムパフォーマンス機能。システムスタートボタンを押してエンジンをかけると、メーターパネルの針が回り、若干遅れてインパネ中央のエアコンファンコントロールの針が振り切れるというパフォーマンス。レッツゴー!とドライバーに呼びかけます。
同世代では多くの車で見られる演出ですが、良いですね!
内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
マークXジオのエアコンスイッチは、プッシュ式とダイヤル式のコンビネーション。これが使いやすい!
「AUTO」モードだけでなくマニュアルで操作したい方も多いと思うし、エンジン切る前はOFFにしたい方も多いと思う。
これはどちらも簡単にでき、走行中の操作だって視線を向ける時間は出来る限り少なくなるように考えられている。
さすがトヨタのミドルクラスといえる気配りは、コンパクトクラスより単純に豪華なだけでなく、丁寧に作られていることを感じさせてくれる。
操作システムとしては風量と出口がダイヤル式、温度調整がプッシュ式。
風量はダイヤルを回すと指針も回る。OFFにしたい時には別に設けられたOFFボタンを押すと指針は一気に「0」を指し、OFFに出来る。
また温度調整のボタンには「くぼみ」がついて指先の感覚で位置を確認出来る。
シフトノブが邪魔で、左側に位置する風量ダイヤルを回しにくい。これが唯一の欠点かな。
マークXジオのフロントシート位置はかなり内側にオフセットして付いている。これはトヨタの都合上そうなったのか、わざと内側に寄せたのかはわかりません。
運転しやすさでいえば内側についているシートの方がいい。ただ助手席に同乗者がいる場合は、前席シート間が広い方が快適。ここが広いと高級感も感じる事ができる。
前席シート間の距離(カップルディスタンス)を測ってみれば、約19cm。これ、5ナンバーサイズミニバン、例えばストリームなどと大差なし。
また同じく5ナンバーサイズのプレミオは手寸で20cmを越えていた。
せっかくそれなりのボディ横幅を持つマークXジオ、どうせならシート間距離を広く取ってもらいたいところ。
逆にドア側の余裕は十分で、普通の実用車だと思って乗れば、文句もないかもしれません。
試乗、運転する際の姿勢としては、右手をドアトリムに置く形に。センターのアームレストは小さいから、左手をかけるんじゃなくて右手をかける。
右手側(ドア側)はかなり余裕があるから、左利きの人はイイかも。購入前には実車でぜひチェックを!
市販の騒音計を利用して、ノイズを計測してみました。単位はdB。(dBについてはネット検索して下さい)。
騒音計ということで音圧に対して補正が掛かっていますが、人間が感じる不快さとは違います。耳障りな音とか気になりにくい音とか、そういった感覚は含まれていません。
※試乗車のマークXジオはゴムブッシュの動作を制限するリジットカラーなるものが装着。サスペンションのゴムブッシュで吸収しきれない振動がカタコトした音となって発生します。
その他のタイヤ使用レポートは下記ページでご紹介中
手元のメジャーを利用して気になる部分の長さを測ってみました。
数値からわかること。ジオをミニバンとして考えればFシートの着座位置は低い。カップルディスタンスは5ナンバーサイズのミニバンと大差なし。シートはかなり内側に配置されている。アームレストは彼女と取り合いに。
身長182cmの男性がドラポジを取った状態でリアシート2列目をチェック。
カップホルダーの数
ドアポケット部分も含みます。
マークXジオの販売は、最初は目標台数を超えたみたいですが、それは最初の3ヶ月間ぐらい。簡単に言えば失敗車の傾向です。
不人気の要因としては、エクステリデザインとも。実用性よりデザイン性を重視したと思われるマークXジオは、優雅さと質感はかなり高い。
しかし先鋭的なデザインで若い世代に評価されるエスティマと比較すれば、「ぱっとしないデザイン」ということなのでしょう。
エアリアル以外の一般タイプではクセが強いフロントマスクも要因だと思います。
マークXジオはオデッセイの対抗馬として企画されたらしい。そうじゃなくても車格や価格、ボディ形状からオデッセイと比べられてしまう事でしょう。
試乗して比較すればオデッセイは気合と魂で優勢。ホンダの基幹車種VS対抗のため企画されたマークXジオ。
そんなジオもオデッセイより快適な乗り味でラグジュアリー。いってみれば本格的軽薄車w
マークXジオの一番の特徴は優雅なエクステリアデザインかなと思います。
ジオを見て、「なんてクルマかわかならい」という方も多いマイナーな存在がその魅力を一段と引き上げます。
内装も適度な個性を主張しており、実用一辺倒のクルマでないことが非日常的なイメージを与えてくれます。質感だって目の肥えた方でなければ満足できるレベルには達しています。
所有満足度という部分で、ボディデザインと質感というのは非常に重要。グレード次第で多少割高な価格設定ながら、購入してしまえばそんなこと忘れてしまうことでしょう。
走行性能は?といえば文句を付けたい部分も多々ありながら、トヨタ車らしいマイルドさで運転しやすい。17インチ仕様なら適度なマイルドさでまずまず。
ミニバンの実用性を捨て、セダンの心地よさを捨て、そのぶん特別なボディデザインを身にまとったジオ、ハリアーの都会的イメージと同じように、優雅なイメージが魅力。ピンときたら選択肢はジオしか有りません。
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タイヤをブリジストン・レグノに変えたら、乗り心地と静粛性が改善。ただしお値段は高いので、車両価格とのバランスを考えると微妙。ビッグセダンとのマッチングが良いタイヤだから、外ベリするようならミニバン用タイヤに交換。
レグノ、基本的には固くてハンドリング重視のタイヤだ。
スタッドレスタイヤも試してみた。サイズは225ミリ幅の17インチ。
銘柄はダンロップwinter maxx。詳しくは別ページでどうぞ。
上段が車高調、下段がスプリング=純正&ショックアブソーバー=カヤバ。
グレー系、ホワイト系、プラム系の内装色がある。 下がプラム内装色。
ワゴン+ミニバン+ハリヤー?
後期エアリアル 後期からエアリアルにはFパッケージもラインナップ。10万円程度安い。
後期標準。フロントマスク以外は変わらず上品。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。