間違いいっぱいの自動車選び。ホンダ・オデッセイ(4代目RB型後期モデル)の試乗レポート。
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マイチェンでリアガーニッシュが追加され、よりワイド感が強調されたモデル。じっくり試乗してのレポートです。
試乗車はホンダ・オデッセイ、Mエアロパッケージ。2300cc&CVT。23年式の後期モデルでオドメーターが示す総走行距離は約30000km。車両価格は約280万円。
短時間のディーラー試乗じゃ長所短所わかりにくいし、ホンダはレンタカーもあまりない...。
ごもっともです。じっくり試乗しましたので参考にして頂ければ幸いです。
主な対象車種。
また基準としては中古で買えるモデルも含めて比較評価をまとめていきます。
このオデッセイは「RB3/RB4」という車両型式。クルマ好きからはこの型式で呼ばれています (旧オデッセイはRB1/RB2)。先代RB1が現行RB3になりました。
先代オデッセイと比較すると、ボディデザインの変化は僅か。反面、クルマ本来の内容は大幅進化しています。
変化は最小限、進化は超進化。ものすごく良くなりました。
ボディデザインやインテリアデザインの方向性は一緒。エンジン型式もミッションも一緒。しかし価格は上昇。
価値のないモデルチェンジにも見えますが、内容は大幅進化で価値高すぎるモデルチェンジ。熟成こそ最重要と思えるモデルチェンジです。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」
先代のイメージを継承しているインパネデザイン。
一目でオデッセイとわかるお馴染みのそれがブラッシュアップして質感アップ。
内装各部では場所によってはコストダウンを感じさせますが、総合的な質感は向上しています。
強い奥行き感で高級感を表現し、左右対称な広がりはパッセンジャーとの楽しみを連想。
また複雑な造形は見る者に凝った印象を与え、実用車らしさを感じさせません。スペシャリティ=特別=非日常的。
ステップワゴンを実用ミニバンとすると、オデッセイはプライベートもカバーするミニバン。単なる車格付けだけでなく、方向性の違いも一目瞭然。そこには所有満足度だって大きな差があるでしょう。
ホンダが「凝った内装デザインをするときは、「それだけで引かれる強さを持っている」と先代オデッセイの試乗レポートに記述させて頂きました。
ホンダは昔からワイドで奥行強調したデザインが上手ですよね。
ていうか気合入ったホンダ車ってほんとすごい!
オデッセイの内装で素晴らしいのは、スイッチなどは普遍的な位置にレイアウトされている点。 造形は美しさ重視、個性重視でも、操作性も良好です。
さらに加飾で立派に表現するようなデザインではないですから、子供っぽさも感じさせません。
もっといえば内装パネルの材質的な質感も気になりにくいです。
質感で重要なのは素の造形。筆者はそう思います。フロントセクションだけでなく、インパネとドアトリムが連続的に繋がるのも上級車的で魅力です。
細部の質感にも触れないわけにはいきません。
インパネ各部には多くのパーツが使われ、部品点数も多いです。これにより写真で見る質感はかなり高くなっています。
実車では異なります。作りの悪い部分に、何かの拍子に気づいてしまう事があります。それは購入後に気づくと、チープだよねという感想に変わるわけです。
試乗車の個体差かもしれないと前置きした上で、よく見ればパーツ間の隙間は不揃いで、段差も付いています。隙間とズレが目立つのです。
パネル表面の質感については前述の理由から気になることはありませんでした。気になったのは細部。場所によってはコンパクトカーとか最近の軽自動車と同レベルです。
試乗車は主力グレードでミドルランク。安価なベースグレードではありません。
こと内装に関してはあと少しで相当立派に!ならば1万円高くてもチープさを感じない質感を望みたい。
購入後の満足感とか、時間的耐久性。あと少し違えばもっともっと、飽きることなく魅力を感じられそうです。
「わかりにくい長所」と「わかりやすい短所」を持つオデッセイのフロントシート。あっこれはオデッセイすべてに言えることでした。
オデッセイのフロントシートは作りが良いのか悪いのか、着座時間に合わせて3段階に印象が変わる。
試乗中、運転席に15分乗って、次に助手席に10分乗って、同僚と談笑。そこで感じたのは、昔ながらのシート表地。見るからに暑苦しく、すぐに毛玉になりそうというネガティブイメージ。
また気付いたのが、運転席のシートの方が柔らかい!今回の試乗車は新車から3000km走行したクルマ。まさか3000kmでへたったのか??
シート上部が大きかったり、サイドのサポート部分がほどよい固さだったり、良い部分も見つかったんだけど、総合してイマイチシートと評価させて頂きます。
しかしこの評価、ロングドライブをこなすに従って評価が一変することに...。
このオデッセイ、徹夜明けで連続300kmの試乗もしました。「クルマの良し悪しは疲れている時こそ際立つ」が持論。
オデッセイを乗りこなしたい欲求もあり、連続200km走行し、満タンだったガソリンもメーターが半分以上減っていた。その時、驚くほど疲労が少なく、あくびさえ出ずに運転に没頭。
シートに関する印象が一変したのでじっくりシートをチェックすると、ランバーサポートに弾力性のある何かが使われている!これが背骨を支えてくれているのに気付いた。
ボロくさい見た目だけ変えてくれればわかりやすいのに。やっぱりホンダの車だ(笑)
筆者「ヒラリー男爵」と同僚の「元お車整備士」は最近、カムイというシート表皮を使っている某ドイツブランドのシートを購入しました。
レカロシートと呼ばれる後付シートで、価格は1脚10万円オーバー。これよりオデッセイのシートが評価されても不思議じゃない。用途次第ではね。
また同じホンダのアコードセダン(23年式)のシートも良いと思うし、N-ONE(24年式)のシートも短時間なら凄くいい感じだと思う。
VWゴルフ(6型GTI)ではシートについて面白い記事があります。
エンジンは4気筒2400cc、型式はK24A型。アイドリング時からシャカシャカとうるさく、2000回転程度でも高周波な高音が聞こえてくる。
一言で表せば賑やかなエンジンなんだけど、ガラガラジャガジャガといった低品質な音ではありません。もうちょっと品質感を感じさせる音。
またアイドリング中、ステアリングに伝わってくる振動も気にならず。
シフトセレクターをSレンジにセット。パドルスイッチでギヤをホールドし、アクセルを全開に。有効な加速力が3000回転くらいから盛り上がり、回転数とシンクロするように加速力が盛り上がる。
レッドゾーンは6200回転からで、5800回転くらいまで加速に使える。その間、急激なトルクの山や谷も感じられない。刺激はないけどよく出来たNAらしいフィーリングが好印象。
エンジンの質感として、期待していたエンジンノイズはやっぱり良好。
良くできたホンダのスポーツエンジンと比較すればコモリ音も強いものの、メカっぽいシャーンといった音が響き渡る。
「そうそう、こんなエンジンで走りたかったんだ」と、笑顔は間違いなし!
これと比較すればトヨタの4気筒なんてまるで30年前のトラックw(車内ノイズレベルはトヨタのほうが静かなことが多い)
エンジンの回転数上昇による振動上昇も少なめ。意地悪に裸足になれば確かに振動はあるが、靴を履いて運転してれば無問題。
6気筒選ぶならトヨタだけど4気筒ならホンダという感じかな。オデッセイのK24Aは魅力的です。
「M」「MX」というアブソルート以外のグレードでもエンジン質感高いし、VTECの切り替わりらしき変化もわずかに感じる場面もある。実はアブソルート以外もDOHC-VTECらしい。
ではアブソルートってなに?アブソルートのエンジンはハイオク仕様にして圧縮比が高く設定されているらしい。
またミッションが5ATと変更になり、試乗すればフィーリングは異なるし高回転でのエンジン音もレベルアップ。
ただ加速力の差はどうだろう。
一応カタログスペックでは30馬力の差がある。体感的な加速力で比較すると、速いクルマが欲しくてアブソルートを選ぶほどの差はないと思う。
エンジンノイズの違いや付加装備の差とか、5ATで味わう楽しみとか。アブソルートに試乗した時はフロントシート間に肘掛けがあり、大きなフットレストが付いていた。こうした演出とかね。
試乗車(Mエアロパッケージ)とアブソルートの価格差は約20万円。売却査定の差を考え、それでアブソルートを選ぶのも有りかもしれませんね。
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オデッセイ 4代目
RB3 - K24A 2400cc 2008年〜
55B24L
オデッセイ 4代目
RB4 - K24A 2400cc 2008年〜
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ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
エンジン質感 | |
高回転も良く回るし、音の良さが印象を上げる。4気筒としては振動も少ない。 |
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駆動系質感 | |
滑らかではありません。ホールドモードもしょうがないから使うだけ。 |
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足回りの質感 | |
セッティングの好みはあれど質感はなかなかに満足できるはず。 |
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内装の質感 | |
熱意と凝り具合はMAX。質感はMIN。 |
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外装の質感 | |
フロントマスクは立派な反面、全体的には優雅さがない。シルエットはただのバン。 |
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快適性 | |
リアシートに大切なゲストはとてもお迎えできません。 |
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お買い得度 | |
クルマ好きも納得の内容。でもオデッセイの割にはけっこう高くなった。装備面でも残念。 |
マイナーチェンジで特にリヤのワイド感が強調された。
ミニバンなのにフットレストがでかい!アクセルペダルはつり下げ式。
アブソルートの内装イメージ
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。