間違いいっぱいの自動車選び。ホンダ・オデッセイ(4代目RB型後期モデル)の試乗レポート。
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個性がなければ魅力無し。実用一辺倒なミニバンとは違った特徴が魅力。
質感高い乗り心地、これこそ今回のオデッセイ最大の長所。若干固めの足回りながらショックアブソーバーの動きがスムーズで、フロントシートでは乗員に伝える衝撃は最小限。
誤解を恐れずに言えば日本車と言うより欧州車のような感じを体感出来る。
ガコンと殴られるわけではなくてグワッと揺すられる感覚。
サスペンションのキャラクターはホンダ車らしい固めのフィーリング。
バンプ側(縮み側)が固めでリバンプ側(伸び側)が柔らかめ。またバンプ側の減衰力は初期の1センチとかがすごく柔らかく、その先が固い。
単純な突き上げ・衝撃のみで評価すれば、市街地でよくある”中くらいのデコボコ”ではそれなりに固く感じる。特にリアシートでは強いゴツゴツ感。
ディーラーで普通に試乗すれば固く感じると思う。特に新車のアブソルートに試乗した時は乗り心地悪かった。
良いのは時速60km以上で路面の継ぎ目とか、橋の段差とか、デコボコに荒れた路面を通過するとき。
筆者が普段通過する連続した荒れた路面、他のクルマでは時速40kmに減速しなければ内装から音がでたり、クルマにダメージがありそうな衝撃を感じるのだけど、オデッセイではフロントシート乗員に伝える振動は驚くほど小さい。
荒れた路面を走っている感覚は音でわかる。しかし音から想像する振動や衝撃がこない。まるでバンみたいな乗り心地だった旧型オデッセイから大きな進化です。
国産コンパクトカーやミニバンでよくある、柔らかいけど渋いサスペンション。スタビライザーが強めで嫌な感触を感じる事もある。
オデッセイでは路面のうねりではクルマが伸び上がるのは変わらないけが、コーナーリング中の路面のうねりや段差で違和感を感じないセッティング。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」
楽な姿勢で乗れて足下も広いオデッセイのフロントシート。カップルディスタンスも広く、余裕ある空間が快適。
そしてリアシート(2列目・3列目)のスペース快適性。
2列目シートの広さは、身長182cmのドライバーがポジションを取った状態でチェック。
コブシの数で言えばもっと小さい自動車でも当たり前。広いけど特別広くはありません。
しかしオデッセイは、シート座面が大きく、着座姿勢もゆったり。セダンの様なポジションで座れる。
アップライトさせられた窮屈な着座姿勢とか、無理矢理作られたスペースではありません。
シートバックのリクライニング量もかなりいける(一緒にジュースもこぼれます)。
3列目シート、この状態だと、靴を脱がないと座ることさえ厳しい。1列目、2列目の乗員が、前に詰めないと座れません。大柄のドライバーが運転する場合ね。
特に運転席側の後ろは構造上厳しい作り。なんだけど、足元が問題だから、靴脱いでシートの上に座っちゃうとか、一旦座ってしまえば、足下以外の広さは問題ありません。
理由は、2列目シート下に足を入れるスペースが極小。きっと、妥協されちゃった部分。
リアシートは快適性低い。ミニバンとして常用するには無理なほどに静粛性悪く乗り心地悪い。
もちろんコンパクトカーよりは立派ながら、オデッセイの車格や価格から想像出来る快適性は感じられない。良いのは豊富なカップホルダーや豊富な小物入れで、自動車本来の評価とは違った部分。
静粛性について、うるさいことはうるさいんだけど、耳障りな帯域はカットされている様子。ノイズの音質が「ジャー」と「ザー」の違いといえば伝わるだろうか。
ドア内張を叩けば吸音材が詰まっていそうなところからもそれは感じる。
ハッキリうるさいのはクルマ後端部からの音が凄い。リアハッチやフロアが怪しい。さらにフロアやマフラーに小石が当たるとカーンと音が響く。
乗り心地について、オデッセイはミニバンだからフロントよりリアの快適性が落ちるのは仕方ない。ボディ形状的な妥協があるのだろうし、固いです。
固さにプラスして不快なのは、急激なヨーを感じやすい。
(ヨーとはクルマが曲がろうとする力)
オデッセイはダイレクトで中立からシャキッと反応あるハンドリングの持ち主。加えてサスは初期が柔らかめ。同乗者は唐突感を感じやすい。
ブレーキでは街乗りレベルでも踏み方一つでクッとリアが伸び、アクセルだって何も考えずに全開にすればフロントサスが伸び上がる。
並みのドライバーだと、「この人こんなにバシバシハンドル切ったっけ?」なんて思われてしまう。オデッセイ買ったら運転の基本から要特訓です。
乗り心地で選ぶなら130系マークXかE52エルグランド、GPインプレッサ辺りのチェックをぜひ。王者アルファードやヴェルファイアも乗り心地はちょっと厳しい。
快適装備は最小限。つまり装備は貧弱。
しかしオデッセイならでは快適装備が微妙に嬉しい。
※ピラーとは天井を支えている柱。
前方からA、B、C、Dピラーと呼びます。
オデッセイの足回りが質感高いのは十分わかった。ではもっと良いクルマだとどうなる?
高級セダンで動きがスムーズなショックアブソーバーなら、減衰力を上げていっても乗り心地は悪くならない。
よく言う「締まっている」感じかな。
ハンドリングを重視してセッティングしていくと減衰力は上げていく方向だろうけど、”あたり”は柔らかく振動も少ない。
さらにそういったクルマでは、サスペンション以外の設計やシートも良いことが多い。だから揺すられる量も少ない。さらに段差でのノイズも気にならず、体全体で感じる衝撃が小さくなる。
ショックアブソーバー伸び側の減衰力が高ければうねりでクルマが伸び上がることもなくなる。段差を走るのが快感だったりも。
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リアドアの開口部。
2列目シートと3列目シート。2列目の下にもう少し足が入れば実用的。上半身のスペース的には問題なし。
リアセンターアームレスト。シートバックをリクライニングさせると同時に傾くので要注意。
リアのステップ部分。サイドシルの出っ張りは少なめ。高さがないから乗り降りしやすい。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。