間違いいっぱいの自動車選び。ホンダ・オデッセイ(4代目RB型後期モデル)の試乗レポート。
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個性がなければ魅力無し!実用一辺倒なミニバンとは違った特徴が魅力。
まじめにヨーロッパ風セダンと比較してしまうほどの内容を持つオデッセイのハンドリング。
ゴムの感触が薄く(編集部ではオカモトといってます)、剛性感高ければ反応も良好。
ステアリングギヤ比がクイックなのではなく、少しの操作でも好ましい反応を返してくれる。
指にチカラを入れればノーズが反応を返してくれる。
ごくごく舵角の小さい領域でもレスポンス良く反応するので、ヨーロッパ車風の良さ、楽しさが体験出来る。VWのように中立に引っかかりを付けてまで直進性の良さを演出している感もない。
ペースを上げてステアリング舵角90度で急速レーンチェンジをしてみれば、普通にリアも付いてくるではないですか!
多くのミニバンではリアが遅れたり、車体中央がグニャッとしてから急にロールしたり...。コワイと感じるクルマが多いものです。オデッセイはセダンに近いボディ剛性感というかフィーリングで、ここまでいらないでしょ?というレベル。
ちょっとペースを上げてダラダラとハンドル切って走る場合、同乗者がいる場合や先行車がいる場合などだが、この場合はオデッセイのネガティブな面が気になりやすい。
具体的には、ステアリングをコブシ1個分ちょっと切ったあたりで、急にヨーが立ち上がるポイントがある。
オデッセイのサスペンションは初期減衰力が弱すぎて、速度やコーナーによってここが組み合わさると急なグッを感じてしまう。
アクセルを踏んでるときと戻してるときでヨーの立ち上がり方がけっこう違ったりもする。
ネガティブで不快な領域。ドライバーによっては乗りこなしたい?オデッセイの攻略は楽しそうだ。
常時正確なハンドルさばきを要求されるほどではないけど、なめらか走行には神経質な部分も目立ちます。基本的なコツを忘れずに運転する必要があるかもしれません。
ハンドル切り始めと止める直前、戻し完了直前は丁寧に操作。場合によってはワンテンポ手前からゆ〜くり切っていく。
ダラダラ走りたいのなら他のクルマをオススメ。マイルドなら雑にハンドル切ってもピョコピョコしにくく、ビシバシ回しちゃうドライバーでもクルマ側がマイルドに補正してくれます。ボディはグラグラします。
電動パワステといえば現状、滑らかさは感じやすいが不自然な回し心地が常。そんな中で走りやすさを重視しているホンダの電動パワステ。
オデッセイも例に漏れず相応に自然なステアリングフィールを持つ。たまにチープな感触が顔を出すが、比較すればマシなレベル。切る方向だけでなく戻す方向、セルフステアリングを使ってハンドルを戻す感触もなかなか。
ステアリングに伝わってくるインフォメーションも豊富。ほどよく重くなったり軽くなったり、場合によってはブレーキ中の路面変化で不安定になるのも伝えてくれる(実際にハンドルを取られはしない)。
アクセルを踏んでるときと戻してるときでヨーの立ち上がり方が違ったり、アクセル戻すとステアリングが軽く感じたり、ブレーキング時にリアが沈まなかったり、FFらしさを感じてしまうこともある。フロントタイヤの切れ角ももうちょっと望みたい。
オデッセイだからこそもう少し上を望んでしまうけど、むしろ素直にFR車を選ぶ選択肢だってある。マークXとかスカイラインとか今ならまだ同価格でFRも狙えますからね。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」
ブレーキは街乗りの領域で扱いやすい。ペダルを踏むと初期からスッと効くが急な部分がない。停止直前で制動力をスッと抜く動作もやりやすい。
サスの特性からノーズは沈みこむけどカックンしにくく、日常で疲れにくいブレーキと評価出来る。
全開でコーナーまで走っていき、強くブレーキを踏みたいとき、こんな時だとペダル剛性がもの足りなく、正確な操作はやりにくい。
ABSは早くから介入するから、ちょこんと急ブレーキを掛けたい場面は苦手。
ABSについては早い段階から介入する。そしてフロント2輪でABSが作動中、制動力(減速)は弱めなタイプに感じた。タイヤグリップが低いのか?試乗車のタイヤは純正のダンロップSPスポーツ215/60/16。
ブレーキって実は、4輪にABSが作動するまで踏むことができる。非常時に備えるためにも、たまには遠慮しないでブレーキを踏んでみるのもいいかもしれない。
オデッセイではABS作動してもさらなる踏み増しで制動力が変化。オデッセイはABSが動作するとしっかりとペダルにキックバックがある。それに逆らうように踏むことで制動力が強まっている。
フルブレーキに不慣れなドライバーだと、実は強く踏めない可能性が確認出来ていて、何より筆者も緊急時に目一杯ブレーキが踏めない可能性は危惧している。
ということで、筆者は助手席に座りドライバーに軽くABSを効かせてもらう。タイヤからの音は「ゴッ、ゴッ、ゴッ、ゴッ」。助手席に居ても切れ目で空走感を感じる。
少し速度を上げて試すと、一回目で強めの反力がきたらしく、その時点でノーズが浮いた。つまり制動力が途切れた。そこからワンテンポおいて「ゴッ、ゴッ」。
普通に強く踏めれば「ゴーーーーー」とほとんど連続した音が聞こえてくる。
多分だが、これが正解。制御が荒いのではなく、2段階式の可能性あり。
試乗車のミッションはCVT。シフトセレクターのパターンはストレートで「Dレンジ」と「Sレンジ」がある。
Sレンジではパドルシフトによって擬似的に7速ギヤ(7段階ホールド)を選択できる。
Sレンジ+パドルシフトでギヤポジションをホールド可能(ステップ式のような自動シフトアップはされる)。
CVTの質感や制御に関してはお世辞にもいいとはいえない。小排気量ホンダ車と変わらぬオデッセイの大きな欠点。
ゆっくりとしたゼロからの加速時はとても滑らかとは言い難く、コクッとショックを感じることもあれば、助手席でも感じるほど一瞬の減速感を感じることもある。
また停止直前ではクラッチが切れるような感触が不快。微量なブレーキ中に減速が一定ではなくなるから、先読みして微量なコントロールをしないと、ドライバーの意図とは異なる反応が出る。コントロールしようとすると、非常に疲れます。
Dレンジ+エコモードだと極低回転を保つ。エンジンのトルクがあるので多少の上り下りがあっても速度を保ちやすく、回転数変化も少なめ。
だから運転はラク。下のクラスと比較した場合に、2400ccという排気量を選ぶ理由はこうした部分でしょう。
欠点は(まだあるのかw)アクセル開度半分までは低回転を保とうとし、一定以上踏み込めば急に高回転を使おうとするCVTの特性。
そんな時、変速レスポンスが悪く、扱いにくいだけでなくもっさり感強い。踏みすぎた!戻しすぎた!反応悪い上にデジタルスイッチ的制御で意図せぬレスポンス変化が起きます。
いってみれば、ギヤ比の離れた昔の4ATみたいな変速。全体的に人の感覚と離れたような制御を行うのも気持ちの良いモノではない。
上記の様なCVTだから、Dレンジ入れっぱなしで走れるのは市街地走行に限られます。アクセルペダルを半分踏み込むような走行時には、手動でホールドモードを使わなくてはならない。
Dレンジでパドルスイッチを押した場合、一瞬変速してすぐにキャンセルされる。
例えばコーナー入り口の減速中に押しても、コーナー出口では通常のDレンジ走行に戻ってしまう。
シフトセレクター部でギヤチェンジ出来ないので、2つの操作が必要。だから煩わしい。だから面倒に感じることが多々ある。
可能ならCVTの弱点はドライバーがフォローできれば、ストロークの長いアクセルペダルで微小な操作をし、唐突感のないトルクの出方で自然に走れる。
オデッセイ試乗時に要チェックなのは、シフトダウンの時の感触。CVTの変速スピードがとても遅く、もっさり感が強いです。
直接的なライバルとなるトヨタのマークXジオ、こちらのCVTは俄然良い。シフトノブを操作するフィーリングが悪かったが、根本にグリスを挿したらココも良くなった。
またトヨタのオーリス(24年デビューの2代目)。CVTという枠組みでみれば、新しいモデル限定ながらトヨタのCVTは良い。
ATならマツダのスカイアクティブと呼ばれる6ATが二重丸。こちらCX-5の試乗記で触れてます。
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フロントシート間のコンソールボックス。そこが薄い上にたたんでもウォークスルーできるかどうか。どちらも中途半端。
大きな灰皿が付く。これぞ世界標準!
大型のフットレストがオデッセイの性格を物語る。オルガン式アクセルペダルでないのはスペース効率を重視したため??
Aピラーはまさに極細!サブピラーもなく乗用車感覚の視界。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。