マークX(2代目GRX130系)の試乗レポート。グレードは「250G」ほか。
当ページは1ページ目です。
マークXに変わって2代目。トヨタ・マークX(2代目GRX130系)の試乗レポート。試乗車は複数台。メインは「250G」。
試乗内容は限定的。第一印象重視です。
マークXはクラウンと基本部分を共通するトヨタのアッパーミドルセダンです。
駆動は後輪駆動、エンジンはV型6気筒の2500ccと3500cが用意され、ミッションにはステップ6ATが組み合わされます。
簡単に言えば「6気筒+6AT+FR」の王道セダンです。相変わらずお得感の高い価格設定も含め、これがマークXの優れた特長です。
試乗したマークX「250Gリラックスセレクション」というグレードは、減税対象として用意されたグレードといわれます。
車両重量が増え区分が変わり、取得税が減税になります。
車両価格はベースになるグレードより上がりますが、支払総額でお得になります。
ベースになるグレードは「250G」。装備で差異点があり、比較すると「運転席だけパワーシート」が「運転席・助手席パワーシート」になります。
価格的にお得なのは「250G」に対してであり、最廉価グレードの「250G・Fパッケージ」と比較すれば、支払総額で高くなってしまいます。
「250G・Fパッケージ」は最廉価グレードで、240万円という価格が非常に魅力的。違いは装備面ですから、本質的な部分では違いがありません。
「250G」に対しアルミホイール、ディスチャージヘッドライト、パワーシートが省かれます。
自動車といえば、まず気になるのはエクステリアデザインでしょう。先代マークXはここが残念でしたから、なおさら気になります。
今回は正統派セダンといえる路線で立派です。クセなく万人受けするタイプだと思いますが、逆にボディデザインが弱点になりそうな不安もあります。
アッパーミドルクラスに欲しい主張が希薄で、”只のトヨタのセダンだよね”と、そんな印象も抱いてしまいます。
クルマに似合わない「リラックスセレクション」という名称も残念です。例えばホンダのようにオシャレ感あるネーミングはなかったのでしょうか?
これではまるでカジュアルなコンパクトカーやミニバンのサブネームです。
試乗は、(試乗時の)筆者ヒラリー男爵の愛車「セルシオ+単筒式ショックアブソーバー仕様」でいつも走る道をこのマークXで走りました。
そしたら!足下だけスルスル動いている感覚は近いものがありました。段差が気にならず走りやすい!旧型のマークXから大きくレベルアップ!しています。
内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
2代目マークXはプラットフォーム、エンジンともに先代からのブラッシュアップ。ボディ変更といわれるモデルチェンジで、主要部分は変わっていません。
しかしです。クルマ好き、セダン好きが、気になるであろう部分が改善されています。
コンセプトはそのまま、特徴もそのまま、ブラッシュアップといわれるモデルチェンジですが、乗り心地が劇的に向上。発売時の比較ではトヨタ車中最高クラスの質感を持った足回りと感じました。
改善された点は、試乗すればすぐわかります。乗り心地、ブレーキタッチ、ハンドリング質感。
ドライバビリティが向上し、クルマの本質的な部分が改良されました。熟成というやつですね!
特に乗り心地とブレーキタッチは変化が大きく、ショックアブソーバーの動きが良くなってブレーキの扱いやすさが増した様子。ここに関しては現トヨタ車中で最も好印象かもしれません。
逆にいえばココが進化しなければセダンとして存在意義なし、です。ミニバンのドライブフィールも年々良くなっていますからね。
インテリアとエクステリア、内外装のデザインも大きく変わりました。内外装共に端正で正統派、グッとシャープで現在風なイメージになりました。
ボディデザインは多くの方から評価されそうな正当派デザイン、内装デザインは「ボリューミーで力強い」。そんな印象を受けます。
こちら初代マークX。車両型式は120系ということで、マーク2時代からの連番みたいです。
今回のマークXは、130系です。
新しいコンポーネンツが搭載されるわけでもなく、プラットフォームもほぼ一緒と言われ、何も変わっていないように見えて乗り心地は劇的に改善しています。
初代マークXの乗り心地は本当に酷いモノでした。デビュー初期モデルからマイチェン後でも一緒です。スポーティイメージを強めたかったのか、トヨタ流の固い足回りはアラっぽさばかりが目立つ仕上がりでした。
多少の欠点は気にならないコストパフォーマンスの持ち主といっても、試乗すると「やっぱ要らない」と感じる乗り心地の悪さ。
駐車場から出るときの段差で「こんなクルマいらん」と感じるほど。ここが違えば筆者は購入してました。
初代マークXから、カヤバの新世代ショックアブソーバーを使用しているといわれています。このショックは単筒式(モノチューブ)タイプらしく、高品質で有名なビルシュタインなどと同様の構造です。
単筒式のショックアブソーバーは、内部のバルブ等を大きくしてオイル量や流量を増やせる方式。質が高いことが多く、交換用として乗り心地まで優れているモノは、単筒式が目立ちます。
単筒式+ガス圧タイプは固いと説明もありますが、複筒式で滑らかな方が希少だと思います。
このショックアブソーバーが大幅に進化して、乗り心地が改善された可能性が高いです。
今回のマークXで荒れた路面を走りましたが、スムーズに動くのが印象的でした。味付けも固すぎず、減衰力も好ましいレベルで発揮している。これがトヨタ車か!と驚くこと間違いなし。
今までのトヨタ車でこんな印象を受けたことはありません。
乗り心地に100点はありませんが、これなら250万円出す価値あります!。
想像するとシャシー部分のゴムブッシュの調整やタイヤのマッチングなども進んだのでしょう。ざらついた路面でも質感上々です。シャシー周りからのゴトゴト音も小さめ。トヨタ車らしい長所だってしっかり持ち合わせます。
大げさに言えば、マークXに試乗当時、筆者が所有し日常的に運転していたセルシオ+ビルシュタインと比べてもいい勝負。ひとつ前のクラウンを超える質感を持っています。ただプカプカなだけのサスペンションでは高級感を感じない時代になりましたね。
マークXはアッパーミドルクラス。一昔前は通勤用など実用車クラスとして人気を得ていました。そうしたクラスなので、高級車のような静粛性を期待するのは酷です。
フロントシートではエンジンルームからの透過音、リアシートでは風切り音やロードノイズ。車両価格のわりにビックリする静粛性を持つ車種もありますが、マークXは価格なりにそれなりの静粛性です。
これには低周波が目立つエンジンノイズが原因に上げられます。
2000回転辺りから低くざらつくノイズが気になります。
もちろん4気筒エンジンと比較すれば質感高いのですが、以前の直列6気筒で聞こえた軽やかな高周波から見ると、コンフォート性能は低下しています。
リアシートに試乗した際の快適性に関して。シートは座面・背もたれ共にチープで座り心地悪く、静粛性は低いと感じるレベルです。
このシート質感と快適性は先代マークXと同じで、「リアシート重視するならクラウンがあります!!」なんて差別化されているポイントに感じました。車格ピラミッドと価格差は、ドライバーから見えにくいこうした部分で差別化されています。
広さ的には足元のスペースに不満はなく、足が長いゲストでも座れるスペースがあります。
またチープと言ってもミニバンよりはリラックスした姿勢で座れるのはセダンらしい部分。他のボディタイプと比較すれば乗降性で劣る反面、一旦座ってしまえば快適に座れます。
ガラッとフロントマスクが変わったマークXのマイナーチェンジ。長所だった乗り心地が突っ張る方向で固くなってしまいました。
ボディデザインだけでなく、実は中身も変わっています。
詳しくは別コーナーでご紹介しています。
マークXの内装は、見えるところだけ重点的に質感高く。パッと見は立派、見えにくい部分や操作的な質感は今ひとつで、ここが高級車との違いです。
目立つ部分では、メーターはシンプルかつ上級指向のデザイン。満足度高いと思います。センタークラスター〜コンソールは光沢木目調パネルやシルバー塗装といった装飾が施され、軟質パネルが各所に使用されています。
力強いデザインがなされているインパネやドアリムですが、加飾によって適度な優雅さもプラス現代的なアプローチを感じます。
3500ccエンジンの上級グレードでは華やかさも追加されます。
セダンは車格ピラミッドがもれなく。でもセダン以外と比較すれば、同価格帯のミニバンやSUVと比較すれば満足感高いと思います。
ミニバンだったらノアやヴォクシー、ウィッシュの上位グレードと近い価格。びっくりですね!
マークXのモデル別の違いや遍歴
その他の概要はリンク先で掲載中。
系列サービスです!
法人、個人事業主の「ETCカード」。複数枚契約が可能。
セディナなど法人ETCカード
系列サービスです!
「自動車保険一括見積り」の比較。見積もりはメールか郵送で安心。
保険一括見積りサービスの比較サイト
ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
エンジン質感 | |
直6からすれば迫力系になった。それでも4気筒とは次元が違う心地よさ。 |
|
足回りの質感 | |
最廉価グレードは250万円以下、悪くないでしょう。 |
|
内装の質感 | |
すぐ目が行く部分は昔ながらの高級感がある。 |
|
外装の質感 | |
先代からはグッと精悍な万人受け系。普通に立派だけど魅力はクエスチョン。 |
|
快適性 | |
フロントシートが特徴席。リアシート使うならクラウンが欲しくなる。静粛性は高くない。 |
|
地味さ | |
セダンとしては人気も出るだけあり、知名度は低くない。高級車と認知されている場合も。 |
|
お買い得度 | |
2011年、世界一お得な6気筒セダンと認定! |
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。