辛口比較・評価評論、試乗車はトヨタ・アベンシス。ヨーロッパ(イギリス)からの輸入車扱いになるトヨタ車です。
比較と辛口評価の試乗レポート
アベンシスは特殊なポジションのトヨタ車。ミドルクラスながらアッパーミドルクラスに迫る車両価格でやや割高感も。
※当サイトは辛口の試乗評価が特徴です。評論家の先生がお伝えしにそうな点を強調して記載しています。
このクルマは私、筆者ヒラリーの身内が買いました。「4気筒は絶対嫌」なんていってた人で、ディーラーとの付き合いで決めました。
同じ販売系列でヴェロッサがあり、価格は2500ccのヴェロッサと同じくらいかやや高い。値引きを含めての条件です。
6気筒2500ccのエンジンを搭載し、プラットフォームもFRクラスと1ランク上のヴェロッサ、4気筒2000ccで、車格はプレミオクラスのアベンシスこれらが同じ値段。しかも値引きまで入れると総支払額は逆転します。
最終的にはボディデザインで、どうしてもヴェロッサは嫌、ということでアベンシスに決まりました。
アベンシスは2000ccのセダンで、車両価格は275万。ナビ標準と複数のエアバッグ、雨滴感知ワイパーなど装備は充実しています。
しかし同価格帯には、クルマ本来の魅力も重視されたライバルがいっぱい。レガシィやユーロR、ティアナ、マークX、スカイラインと、ミドル〜アッパーミドルのセダンが選び放題の価格です。
さらに、アベンシスの値引きは10万だけ。さすがのトヨタディーラーも売る気無し?(当時は悪名高きワンプライス販売が徹底されていました)
最初は、なじみのディーラーで試乗車をお借りして、自由に走ってきました。
室内を見ると内装はシンプル。シートはヨーロッパ車的な平織り生地。装備は充実。思ったよりドラポジは高く、固いシートは本格派を想像します。ドアの閉まり音もいいです。
雑誌での評価が高かったので期待して走り出します。最初に感じたのは、4気筒エンジンとしては静粛性が高く、室内は静かです。これは高得点。
足回りは予想通りに固いです。段差ではかなり揺すられます。日本のおじさんはこれを好むのかなとか思いつつ、調子に乗ってワインディングに向かいました。
ワインディングではエンジンのパワーがないので登りも下りも全開です。
でも残念ながら、速度がのらず、タイヤが破綻することはありません。終始タイヤの設置感は十分。
特筆すべきはブレーキ。ブレーキのタッチはこれって純正?って感じるくらい良いです。剛性あってカッチリ。制動力も申し分なし。
フルブレーキするとフロントダイブするのは旧来然としたところですが、別に不安というわけじゃありません。タッチの良いブレーキが魅力です。惜しいと感じるのはABSの介入が早すぎる点のみです。
残念ながら、ほめれるのはこれくらい。走っていると、様々な弱点が浮き彫りに。
街中ではあれほど固く感じたサスペンションが、ちょっとゲインを高めると急に沈みこむ。
ハンドリングはまったりで、速度の乗る下り坂でも落ち付き、楽しいというタイプではありません。
車体が立派だから、もっとパワーが欲しくなります。
ATのギヤ比が高速型で、それも加速力が低い要因かもしれません。体感加速力はコンパクトカーなみ。2000ccのイメージからするとパワー不足の感じです。
4ATでエンジンはパワー不足。加速には時間を要しますが、一度速度が出てしまえば安定そのもの。100キロ巡航でも120キロ巡航でも楽々こなせます。
アベンシスの内装は意外や意外、特筆すべき点が満載です。単純に2000ccクラスのセダンとして考えれば十分な質感あり、トヨタらしい華やかさプラス、落ち着きも感じさせる仕上がり。地味すぎず派手すぎず雰囲気良いです。
シートはしっかりしたサイズで表地はジャージタイプ。試乗したらじっくり見て頂きたいポイントです。シートに関しては一般的な日本車とは考え方と違うのでしょうか。文化の違いまで感じさせてくれます。
追記:内装の各パーツはしっかりとしたピンでミッチリはめられています。分解するときはちょっとチカラが入りますが、音もせず、叩いてもカッチリしているのが伝わってきます。これならガタガタ道を走っても安心です。
ブレーキのタッチの良さはセルシオの良さに迫るモノがあるアベンシス。機会があったのでフロントブレーキのキャリパーを空けてみたら、なんとまあ大きいピストン。パッドも大きい。
片持ちワンポッドで普通のキャリパーすが、他のトヨタ車とは共用していないようなブレーキパッド、お金掛かってます。リアのブレーキは一般的でした。
アベンシスを評価する際、雑誌に載っているようなスポーティ基準で評価すると、まったく面白くありません。
アベンシスは100q以上での高速巡航で本領発揮です。このクラスのセダンとしては、高速道路での巡航は安定し楽ちんです。きちんとしたドライビングポジションを強いられるシートも、しっかり座れば長距離で快適です。燃費も燃費計表示で12〜13q/Lと良好です。
アベンシスを簡単にいうと、プレミオのチューニングカー。強化され価格も上がったプレミオ。その辺の判断が購入のポイントだと思われます。
エンジンはパワーに乏しく、クルマの質の割に加速力が物足りません。ここに関してはビッグマイナーチェンジで2400ccが追加されました。
価格は300万。いくらイギリス生産といってもこの価格は厳しいです。選ぶのは本当のクルマ好きでしょうか。
300万前後のセダンなら、ヴェロッサ、マークX、スカイライン、レガシィーなど選択肢は豊富。セダン以外でもよければハリアーにムラーノ、オデッセイなど様々な選択肢があります。
このアベンシス、新車で買って3年で約10万キロ使用しましたが、各部に多数のトラブル有りです。イギリス生産ということでやはり一般の日本車とは違うのかもしれません。購入後、トヨタ車とは思えないほどディーラーに入院が続きました。
15万キロ走行後、ブレーキキャリパーをチェックしたら、ピストンのダストブーツが切れていました。要オーバーホールです。
バッテリー、アベンシスのバッテリーは欧州規格のサイズ。でもステーをちょっと加工するだけで、国内規格のバッテリーが使用できます。価格は約半額と、大きく節約できます。もちろん品質だって悪くなるわけではありません。
評価・レビューにこまるこのくるま、買うなら外車を買う感覚で。維持費の安い外車と思えばまた評価も違ってくるかもしれません。ただし中古車の試乗、チェックの際には細部をよく確認されることをお勧めします。
20万キロを突破して2度目のブレーキローター交換と、フロントブレーキパッドを交換しました。ブレーキパッドは通販で買った商品が泣いちゃってうるさく、結局純正品をつけました。
またトラブルとして、セルモーターが壊れ、10万円弱の修理費。
長所も発見しました。これだけ走り、ヘタってフラフラするショックアブソーバーが車酔いを誘いますが、内装のガタピシはほぼ無し。
毎日120kmとかハイペース通勤しているハズなのに、さすがヨーロッパ車!
内装をばらしてみると、緩急材がしっかりとピン等に使われ、(セルシオに近い感じ)ガッチリミッチリはまっています。しかも、インパネ周りの鉄フレームもカッチリ。見えないところですが、プレミオやアリオンと違った箇所を見つけました。
コレならば、新しく発表された日本2代目となるアベンシスワゴンにも期待が持てます。
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アベンシス
AZT250 - 1AZ 2000cc 2003年〜
62Ah
欧州車で利用されるサイズ
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国産車バッテリー
エンジン質感 | |
駆動系質感 | |
足回りの質感 | |
内装の質感 | |
シートの質感 | |
外装の質感 | |
快適性 | |
ブレーキタッチ | |
お買い得度 |
フロントシートはいい出来。ただしシートバック調整はダイヤル式。一気に寝かしたり起こしたりすることは不可能。
ちょっとふるぼかしいポップアップ式ナビ。でも不要時にまぶしくなくていい。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。