評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。マツダ・アクセラセダン(BLEAP)2000ccの4WDモデルの試乗レポート。
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日本車離れした性格そして、この時代のマツダ車らしい操縦感覚が特徴のミドルセダン。
マツダ・ファミリアから車名が代わって2代目のアクセラ。全長4580mmのちょっと大きめミドルセダンです。
エクステリアデザインは正常進化のように時代に合わせて変化し、長所短所や運転感覚はアクセラらしさがいっぱいのモデル。
型式はBL系。基本のエンジン排気量は1500ccと2000ccで、ハッチバックとセダンがラインナップ。
モデル途中でエンジンやミッションが変わったスカイアクティブグレードや、ターボ付きのマツダスピードグレードが追加されます。
そんなアクセラ、通知表を付けるとすれば、「5・5・1・1・1」。良い点と悪い点がハッキリ。加えて平均点も低い。
だから誰にでも勧められるクルマではなく、ファミリーセダンというより趣味のクルマとして所有したい。そんなクルマに感じます。かなりの1点豪華主義!
アクセラで味わいたいのは同クラス国産車じゃ見受けられないほどのボディ剛性感。このプラットフォームはボルボなどにも供給されたらしいですが、そんな肩書きは不必要なほどわかりやすい。
数値や能書きではなく、ドライバーが実際に感じられる剛性感は試乗の価値あり!
車格はデミオとアテンザの間に位置し、どうしても注目度低いCセグメント所属。よくあるデビュー時のみ話題になって評論家受けし、一段落すると当て馬的に欠点を晒される。普通の人は車名さえ知らず。仕方ないけどそんな感じです。
マツダという自動車メーカーのイメージは、ヨーロッパでの販売目的が第一のようなクルマづくり。
言い換えれば、ヨーロッパ車のテイストが低価格で乗れる。とも。
そんなマツダ車、もちろん魅力的なことには変わりないんですが、積極的に選びにくいネガティブな要因も。例えば新車購入時の大幅値引きによりブランドイメージを壊してしまっています。
売れなきゃしょうがない。ごもっとも。買い取り価格が安い。ごもっとも。大幅値引きでも利益が上がる??わかりません。
ということは必然的に、この背景を考慮した試乗インプレッションになります。
やっぱりコストパフォーマンスは重要ですよね!?
お借りしたアクセラは、セダンの4WDでグレードは「20E」。2000ccエンジン搭載グレード。
ミッションは4AT。希少なクルマの中でもさらに希少なグレードに試乗しました。
年式は平成23年(2011年)式。走行距離は約3万km。車重は1410kg。新車価格は210万円。
4WDモデルなので、FF(前輪駆動車)と比較すれば車両価格は5万円の上乗せ。車重も80kgほど増加しています。
FFの「20E」は車両価格205万円で車重1330kgとなっています。
ここまでの違いならどんな車種でも同じような感じ。いやむしろ違いは少ない方。しかしアクセラの場合はエンジンやミッション、タイヤサイズなど他にも違いがあります。以下違いなど。
カタログ見てわかる違いがこれだけ。今更感の強い4AT。これが辛かった。
レポートは2015年執筆。次の3代目アクセラがデビューした後の2015年、改めてこの2代目アクセラを試乗しています。
3代目のキャラクター変更が大きすぎ、2代目の持つ良さを失ってしまった。
荒削りかつ当時のマツダらしさが強い、2代目アクセラを運転したくなりました。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
内装ということでインパネ。インパネは奥行きがある立体感を重視した造形が印象的。ホンダ車でも見かけるアプローチだけど、それよりは落ち着いている感じ。
普遍的な形状だと、ポイントは素材やパネル精度などコストに直結する部分で質感を表現しなきゃいけない。ダイナミックな造形で見せば、素材など関係なく立派に見えたりもする。
メーターを彩るリングは、アグレッシブすぎる印象派デザイン。
センターコンソールは幅も広く、高さもFR車のように持ち上げられている。セダンとしてこれは立派さを感じてしまう部分。例え意味のない造形だとしても立派に思える。まあ多少の区切りになればプライベートな空間を感じやすい。
マツダといえば、内装がチープだと言われる事が多々ある。このBL系アクセラのインパネを見て、クラスを考慮した上で、即座にチープと答える人はいるのか??
ぱっと見、問題ないだけの立派さは確保されているように見える。
で、気になるのでゆっくり見てみれば、たしかにチープな部分も目に付く。じっくり見れば、これはヒドイ状態。 例えば各部のチリ(隙間)。どこもチリは大きく、同様の場所でチリが揃ってる場所は無いかもしれない。
あとはそう、見せ方というかセンスの問題?例えばセンタークラスター上部のナビ周辺。プラスティッキーなツルツルなパネルが大きな面積を占める。悪い事にインパネ上部の一部に軟質パッドが使用されているから、その周辺の内装がより質感低く見える。
内装に軟質パッドが利用されていることは素晴らしい。ただの硬質パネルと比較すれば、見てすぐわかるだけの質感がある。ただやっぱり、これが助手席の前、半分の位置で途切れていると、その奧との質感差が気になってしまう。
リアシートに関しては別ページにて。
筆者ヒラリー、アクセラに乗って最も素晴らしいと思う部分は、わかりやすいボディ剛性感の高さ。国産Cセグメントクラス最高レベルと評価させて頂きます。
欠点だらけのBL系アクセラも、このボディ剛性感の高さという面は素晴らしい!車両価格200万円の2000ccクラスでこんな剛性感が味わえるクルマ、他に思いつきません。
イギリス生産のトヨタ・アベンシスや日差・デュアリスだって、こんなわかりやすい剛性感は感じられなかった。
それどころか400万円クラスのスカイラインクーペあたりと比較したって、さすがにアクセラ、ちょっと劣るよねって感じる程度。
聞けばBL系のプラットフォームはボルボ等にも採用されて兄弟車があるらしい。十分納得です。
ボルボだったら、車両価格300万円?高価になっちゃうことを忘れちゃいけないですね。
ボディの剛性感て、数値上の値ではなく、ドライバーや同乗者がわかりやすい剛性感でなければいけない。そんな必要があるとあると思う。
例えば様々なノイズの響き方やドアやトランクの開閉音、固いサスペンションでのクルマのハネ方。動的なアライメント変化の安定感、カッチリした乗り心地、ハンドリングの正確さなどなど。
ボディ剛性感の”演出”は上級なクルマを感じさせてくれます。
計測した数値というのなら強度の方が大事でしょうから、剛性感の演出はとっても気になる部分の一つ。
柔らかなブッシュで損をしちゃってるようなクルマもあったりするから、もったいないと感じる事もあるほど評価は難しい。車体への負荷を高めた時だけでなくやっぱり、日常で誰もが感じやすい剛性感の演出がわかりやすくて素敵。
マツダは世界一のオタク自動車メーカーと、世界中のクルマ通から光栄な呼び名を頂いております。(どこかの自動車評論家が仰ってました)日本人として嬉しい限り!
量販車メーカーでありながら、理想にこだわるメーカーというのが具現化された呼び名でしょう。
してマツダ、ほんの数グラムの軽量化をがんばる。走って楽しいを真剣に考える。そんな自動車メーカーらしいんです。
最低限走れないクルマはありません。移動会議室にストレス発散、知的好奇心だって満たしてくれます。
クルマってこんなに素晴らしいのに、さらに理想を追求するメーカー、それがマツダ。
ではなぜ売れないか?それがマツダだから!?
言われるのは商品企画が悪い、内装がチープ、乗り心地が悪い、本社広報とかディーラーの対応が悪い、売却価格が悪い、など。
どれも一度所有してみれば納得できることばかり。ユーザーの方を向いてそうで向いていない、不思議なメーカーだと思います。
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アクセラ セダン
BLEAP - LF-VE 2000cc 2009年〜
確認中
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国産車バッテリー
エンジン質感 | |
4WD車のエンジンは厳しい。 |
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駆動系質感 | |
4WD車は旧世代的4AT。 |
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足回りの質感 | |
Fがギスギス。テネコじゃなかったっけ?RはOK。 |
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内装の質感 | |
同じような造形をするホンダよりは洗練。ただし、チリなど質感は悪い。 |
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外装の質感 | |
ほどよい落ち着き。 |
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快適性 | |
狭い、うるさい、固い。 |
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お買い得度 | |
意外と大きなボディサイズで立派。ボディ剛性感が余裕でクラス以上! |
走行中は「D」の表示が眩しい。
グローブボックスは奥行きがあり、上手く収納すればいろいろ入る。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。