評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。試乗車はカローラフィールダー。
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トヨタ・カローラフィールダー(E160系)1.5X CVTモデルの試乗レポートです。2014年式。
以前、MT仕様に試乗、今回はCVTモデル。違った観点からお届け致します。
モデルチェンジでの進化は少しずつ、その変わり価格帯は変わらず。そんな地味だけど安定が魅力のカローラ。
代々乗り継ぐ事で同じ生活をキープ、そんな需要にもピッタリかと思いました。
クルマも消耗品。同じような価格で同じようなクルマが欲しいという需要に応えます。
道具は本来、同じ機能で値下げされていくのが理想だと思います。
クルマはそこまで道具ではないから、価格キープで内容が充実されていくスタイル。カローラは価格帯はあまり変わらず、相対的に値下げされているようなモデル。比較すればお得感は高いです。
今回はヴィッツ系プラットフォームになり、エンジンは1300ccと1500ccとコンパクトな方向に変わりました(1800ccは廃止)。
ミッションはCVTに加え5MTもラインナップ。価格はセダンで約140万円〜。ワゴンで約150万円〜。ヴィッツの価格を考えると、お得感高い価格設定です。
サブネームに「アクシオ」と付くのがセダン。「フィールダー」と付くのがワゴン。
試乗車は2014年式カローラフィールダー。1500ccのCVTモデル。グレードは「1.5X」。型式は「NZE161G」、車重は1140kg。
オドメーターの総走行距離は約4000kmで、一番オイシイ時期だと思います。
サスペンション馴染んできて、かつショックアブソーバーのブワブワが気にならないのがこの時期。各部のゴム緩衝材の状態だってきっと良い!
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
ミニセルシオなんて言われたこともあるほど、トヨタ的高級感が安価に味わえるカローラ。
兄貴分プレミオ/アリオンに近い内容で、「安くても高級」的なブランドを築いてきたと思います。
本質的には兄貴分と変わらないクルマが安く買えるというポジションだったわけですが、今回変わりました。
今回の160系カローラは、ヴィッツ系プラットフォームに変更されたみたいです。ヴィッツセダンだった旧ベルタやプラッツの後継車的ポジションともいえます。
ボディサイズは全長4360mm。見ればフロント部分で50mm短縮されています。ホイールベースは先代同様(2600mm)です。
試乗してみれば半分正解の半分間違い。
安っぽさを感じる部分もありますが、コストダウン分は静粛性向上など、クルマの快適性向上に割り当てられていると感じられました。
装備的にも余計なモノは付けず、お得な価格からスタートというスタンスは変わらず。だからベースグレードのお得感は高く、カローラらしさは変わりません。
エンジンを始動し走り出せば、アクセル操作に対してスムーズに発進できるのがわかります。CVTといえば発進に神経使うクルマが多い中で、カローラのCVTは進歩したタイプなのでしょう。
しかし減点項目もあり、ここで大きな振動がでます。スロットル特性とかCVT特性はスムーズなのに、同乗者さえ感じるブルブルとした振動が伝わってくる。
この振動はヴィッツクラスのそれで、ラクに発進できるけど安っぽい。惜しすぎます!
滑らかな発進こそ上級車種の持ち味だとすれば、カローラフィールダーは半分合格、半分不合格。
真面目な調整は、スロットル特性やCVTのプログラムから感じます。
でも、コンポーネンツ的にどうしようもない部分もあるのかもしれません。
とっても気になる部分だから、イヤだったらプレミオ/アリオンを選択するしかありません。それかトヨタのラッシュ。意外ですが。
エンジン型式はお馴染みの「1NZ-FE」型。改良されながら長く使用されている1500ccエンジンです。
いままで改良とはいっても、体感出来るほどに改良されたと思った事はなく、いつも「相変わらず」な印象。
しかし今回は、室内で聞こえる音質が変わった、くらいに変化しています。
主たる質感は、振動は目立つし、エンジンノイズも基本は変わらずガラガラ系。でも、ものすごく不快だったエンジン音が、耐えられるレベルにまで向上した印象です。防音・吸音材による効果も含めての変化だと思います。
マフラーからの排気音も変わったように感じられます。
ボフボフした低音域を感じるタイプに。といっても輸入車のそれっぽさとは異なり、適度な演出と高い遮音性。ノイズレベルは低く、リアシートでも遮音性が高いので、遠くで別のクルマの排気音が聞こえるような感じです。
カローラらしい部分、それは極度にマイルドなスロットル特性。アクセルペダル操作に応じた加速減速の反応が、穏やかでマイルド。急な動作には反応してくれないし、素早くOn-Offを繰り返してもクルマは反応してくれません。アクセルミュージックなんて不可能ですw
これはカローラの長所に近い特徴だと思います。アクセルの反応が悪いというよりも、時間を掛けて滑らかに変動。唐突な部分を消してくれています。
CVTもマイルドなタイプだから、ドライバーはなんにも考えないで加速減速が可能。同乗者だって、唐突な挙動に不快感を感じにくい。ドライバーもパッセンジャーもラクです。
早開きかつレスポンス重視した実用車、ギクシャクするし疲れるでしょ。交差点での再加速時、イヤと感じたことありません??
特性は、低回転で弱く、中回転でのパワー感が力強く、高回転で苦しそう。1NZというエンジンのイメージそのまんま。
エンジンノイズは前述の通りだけど、アクセルペダル踏み込み量が大きいとガラガラいいます。
そしてエンジンの振動は全域で大きい。振動スゴイっていうレベルじゃない。乗員にこれでもかって言うほど伝わってくる。
試乗中、エンジンの揺れが気にならなかったから、エンジンマウントもそこまで柔らかくないのかな。
安っぽい振動に関してはボディ構造とかエンジンマウントとか、ヴィッツベースになった影響を気にしちゃいます。
最近ではエンジン以上にミッションの影響がデカイ!
ドライバビリティに滑らかさ、加速力など、クルマ全体の質感に大きく影響します。筆者ヒラリー、ミッションこそ最重要じゃないかと思っています。
CVTって自動車好きからはよく思われませんが、カローラのCVTは走りやすく進化しています。以前よりトヨタのCVTは、同世代他メーカーより好印象で、今回も一緒です。
質感は、マイルドでイージー。変速時の衝撃が少ないから元が良い様子。加えて、変速プログラムも良く。唐突な加減速が起きにくく、ギクシャク感も少ない。
ドライバビリティは、一定回転数をホールドするタイプではなくなり、ある程度速度に合わせてエンジン回転数が変化するタイプに。回転数もギヤ比も変わりながら加減速。
アクセル全開時は時速100km弱まで速度に合わせて上昇。その先は...、カローラの守備範囲じゃありません!?
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エンジン質感 | |
良くはなった。でも振動スゴイ。 |
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駆動系質感 | |
普通に乗る分には十分滑らか。 |
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足回り質感 | |
最もたる欠点といえばここ。 |
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内装質感 | |
使い勝手は良し。 |
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外装質感 | |
気にしちゃいけません。 |
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静粛性 | |
さすがトヨタ。群を抜いてる。 |
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お買い得度 | |
小さな高級車の面目をキープ。 |
このエアコン操作部は誰が使っても心配ないレベル。
薄い照明が差し込むと魅力的に変化するインパネ周辺。
シフトセレクターが手前、ドリンクホルダーが奧。
静かなカローラ。しかしボンネット裏に吸音材のたぐいはなし。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。