評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。ラッシュ(2012年式)の試乗レポート。
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トヨタ・ラッシュ(J200E)「Xスマートエディション」2WDの試乗レポートです。
トヨタ・ラッシュはSUVボディかつ、使える4WDでクロカン的内容も持ち合わせた1台。4WDモデルを選択すれば”センターデフ付きフルタイム4WD”が付いてきます。
希少な後輪駆動が魅力だけど、単純に後輪駆動だから良いってわけじゃない。筆者ヒラリー男爵、楽しいって思えるクルマに出会えました。
ラッシュのボディサイズは全長4m、全幅は5ナンバーサイズ。コンパクトでヴィッツやフィットと同じサイズ。日産ノートと比較すれば10cm短いほど。
このサイズで中身は縦置きフロントエンジンの後輪駆動。つまりFRです!そしてミッションは4AT。ビックリです!
知名度低く地味な存在というか、筆者も完全にノーマークでした。
特異な特徴はまだある。トヨタ・ラッシュはダイハツ・ビーゴと兄弟車。クルマ自体はダイハツ製であると思われ、エンジンも内装部品も、さらには車両型式さえダイハツらしさ満点。
だから普通のトヨタ車とは違った長所を持ってる。
新車時の価格は170万円。他の1500ccエンジン搭載コンパクトカーと比較しても高くない。特にベースグレードなら割高感はありません。
試乗車は2012年式(平成24年)トヨタ・ラッシュ。グレードは「X」2WD。ミッションは4AT。オドメーターに表示される総走行距離は約2万km。
市街地やワインディング、深夜の空いた郊外を試乗したり、ホームセンターショッピングに出かけたり、人気のスイーツショップを訪れたり、そんな日常的走行での使用感をまとめます。
テスターやアシスタントはドライバー含め一般人が3人。プロの評論家より率直な言葉で長所短所をお伝えできるよう心がけています。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
最近のコンパクトカーって、「なんだかつまらない」とか「なんだか重ったるい」とか感じたことありませんか?
質感が上がり、ジェットコースターのように機械優先で走り、移動の道具としてのレベルは向上。その代わりちょっと動かすのが面倒。筆者はそう感じる事があります。
道や制限速度は変わってないのに、必要なダルさを消し、走りにくいほどのカッチリ感が評価される。特にホンダやマツダは質感高い=高速走行向き、なんて方向性。
そんな中でラッシュは異質な存在。何しろ、制限速度内で走るだけで運転が楽しい!運転がラク!
何も後輪駆動だからイイってわけじゃない。ラッシュは接地感が感じられるだけの大きなタイヤを履くから意味がある。ステアフィールを楽しめる。
後輪駆動らしさは低速から感じられ、挙動変化の大きさは操っているワクワク感が満載。ダルなハンドリンクはダラッと走れ、さらにレスポンスいいエンジンで、思った通りの加速がイージーに。
ラッシュは上級コンパクトとしては非常にチープ。安っぽい乗り味は完全に昔ながら。しかしそのチープさを生かしたような乗り味が実にいい感じに。
乗ればわかるこの良さ。常に一台はこういったモデルが販売されていて欲しい!
ラッシュの後(2017年)にデビューしたトヨタ/ダイハツ車のルーミー。単なる実用車のようでいて、実はラッシュと同じような魅力を持っている。
乗り心地はハード、静粛性など快適性は低く、内装質感も最低レベル。
そのかわりハンドリングとブレーキは走りやすく仕上がっていて、気持ちよく、無駄な神経使わずにラクラク運転が可能。あまりにも余裕がなく一生懸命なエンジンを除けば、十分に運転を楽しめます。
このラッシュはダイハツ・ビーゴの姉妹車。どっちがお姉さんかと問われれば、それはビーゴがお姉さん。
だからダイハツらしさを強く持つ。普通にダイハツ車って感じ。
そんな感じだからラッシュの内装、造形的にも材質的にも質感は軽自動車レベル。これは実車でなく写真でわかっちゃうね。ノッペリで奥行きのない造形、そこに派手で反射が強いメッキで加飾し、ミラの上級タイプと部品を共用してるような部分もあってそんなのが目立つ。
比較対象は軽トラック。ガマンできない場合はビニールシートで覆うこと推奨。
試乗したスタッフ皆が敏感に反応したのがエアコン吹き出し口の機構。無駄に凝っていて操作が面倒。
Bセグメントコンパクトカーだと質実剛健なコストダウンが基本。こんな部分もリッチな軽自動車を感じちゃう。旧世代的です。
そんな室内でも、場違いのように良いモノ感を感じるのがシート。グッド&クルマに合ってる。
フロントシートだけでなくリアシートまで、一クラス上のシートがおごられている。柔らかなフカフカ系なんだけど、これがほどよく「面で体と接触」してくれる。
また少し運転したくらいでは、沈み込みつぶれすぎで乗り心地が悪化するなんて感じなかった。
背もたれの中央には弾力のあるランバーサポートみたいなものが前後シート共に入っているし、問題は高さ不足だけ。
クルマに合っていると思える部分、それはシート表地。植毛されているようなモケットタイプで、滑らず体をホールド。安定感低く挙動変化も大きいクルマだから、滑りにくいシートが特に役立つ。
サイズも大きめ。コンパクトカーでこうしたシートを採用するということは、有意義と無駄が紙一重。どうしても車内スペースは不足気味だから。
運転が楽しいと言うことに関してはほとんどべた褒めのラッシュ、実はドライビングポジションに大きな欠点を抱えている。
メーカーは百も承知だろうから、きっと妥協だね。
欠点といっても、街中を走るようなリラックスしたポジションだとなんら問題無い。近くに座るのは外から見てカッコ悪いと感じる方も、問題無い。
問題は、優等生的まじめドラポジを取る場合。足を基本にドラポジを決める。繊細なペダル操作ができる位置にね。
そうすると、ハンドルが遠い。シートバックを目一杯まで起こしても遠い。
ワインディングを走れないほど遠いから、妥協してシートを前に出すしかない。でもこれじゃタクシードライバー。
個人的には、プラス1万円でもテレスコピックが欲しいところ。あ、リアシートスペースとの兼ね合いかな。前に座れってことですね。
立ってるAピラー、近いフロントガラス、スクエアなボディデザイン、さらには水平貴重なインパネ上部と、取り回しで大事なポイントが全て揃ってる。
ついでに乗車位置が高いから、見晴らしもいい。弱々しく古ぼかしいエクステリアのメリットは見切り良さにあった。
実際に運転すればリアに背負ったタイヤが気になるときもある。リアウインドーから出っ張ってますから。でもそんなの些細な問題。狭い場所で優れた取り回し性、ボディやタイヤ位置の見切りの良さ、これでこそコンパクトカーの意味がある。
助手席側に付けられたサブミラー、試乗時、これの意味を見つけることは出来なかった。なんちゃってはカッコ悪い。取り回し性が優れているから許しますw。
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ラッシュ
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国産車バッテリー
エンジン質感 | ![]() |
燃費重視系エンジンにはないレスポンス。 |
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駆動系質感 | ![]() |
4AT、エンジンブレーキがリアに掛かるだけで全然印象が異なる。 |
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足回りの質感 | ![]() |
柔らかめではあるんだけどね。 |
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内装の質感 | ![]() |
平面的な造形で安っぽいデザイン。 |
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外装の質感 | ![]() |
SUVやクロカンぽさを考えてみる。 |
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お買い得度 | ![]() |
コダワリのメカニズム、目立つコストダウン、個性派だから気にしない。 |
見切りも取り回し性も合格点。コレでこそコンパクトカー!
ドアハンドルはもう少し剛性があるとクロカンぽさを感じられる。
リアシートの収納はダブルフォールディングタイプ。前方に倒して、さらに倒して固定する。
ヒラリー男爵。自動車販売の経験あり。同僚のおクルマ整備士と試乗やメンテナンスを行い、レビュー記事にします。
経験や特技は豊富。現在は会社経営しながらYoutube動画の制作をしています。
少々変わった人生、かも。詳しくはプロフィールページで!著者:ヒラリー男爵
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転でインプレ。
受け売りではなく、カタログ的ではなく、レビューです。
評論家様との違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
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