評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。トヨタ・アクア(NHP10)「S」。初期モデルの試乗レポート。
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当ページは初期モデル・2013年式の試乗レポート。2017年マイナー後は別ページに記載しています。乗り味は大きく変わっています。
試乗車のアクアは2013年式・グレード「S」。車両価格180万円で主力と思われるグレードです。
オドメーターが示す走行距離は3000キロ。まだ新車に近い状態かつ、各部が馴染んできた美味しい時期のクルマ。
筆者はアクアを運転するのは3回目ですが、まっさらの新車と比較するとサスペンションが馴染んできています。
燃費はもう少し走ると良くなる可能性が高い、そんな状態です。
タイヤは新車時装着タイヤ。重要なタイヤ空気圧は”温間時”で標準値の「F2.3キロ/R2.1キロ」。冷間時にセットする場合と比べ、気持ち低めに設定しました。
アクアはエンジン+モーターで走るハイブリッド自動車。プラットフォームはヴィッツと同じということで、簡単にいえばヴィッツハイブリッドだと思います。実際には見える部分は多く変更され差別化されています。
ポジショニング的にはプリウスより50万円安く買えるハイブリッド車。プリウスのちょうど一クラス下というポジションです。「プリウスの燃費が良いのはわかった!でも高い!」そんな方にアクアは魅力。燃費もプリウス同等レベルの高燃費が魅力。
アクア、プリウス共に、渋滞中でも燃費が変わらないのはトヨタ式ハイブリッドの大きな魅力です。軽自動車など他のエコカーとは長所が異なります。
ハイブリッドは、1.チャージして〜。2.ストップして〜。3.加速して〜。信号多くても渋滞中でも、減速時の無駄は最小限。エネルギーとして蓄えます。そしてそのエネルギーを利用して加速。モーター主力で走れちゃう。
慣れると、減速中チャージしないクルマは無駄のような...。そんな感じを受けます。いや無駄があるからこそ人生楽しいわけですがw
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
アクアの内装に多くの期待をしてはいけません。内装は車両価格がそのまま反映される部分。トヨタの末っ子クラスですから仕方ありません。
アクアの内装はやっぱりヴィッツ。インパネの骨格も予想できます。最近のトヨタ・コンパクトカーらしいチープさが強いです。
アクアは車両価格が高いので、まんまヴィッツというわけじゃありません。
液晶ディスプレイなどでハイブリッドらしさを特徴づけていると評価したいです。質感ではなく魅力のアピールが上手。
それ以外では、内装色の色使いやダッシュボードの造形・デザインで冒険している様子。個性あるけどそこまで嫌みじゃない形状だと思います。
ヴィッツがコンパクトカーの中で極悪レベルだとすると、アクアは標準レベル。ただし車両価格からすればガマンが必要なレベルです。)
シートは小さめでサイドサポートがかっちり。肩は何もなくて使いやすさも感がえられたホールド性です。こうしたシートバックはユーザーに好まれる事が多いと思います。
シート座面はペカペカ。運転してるうちにクッション性が変化してしまいます。男性のサイズ&ウェイトは考えられていないの??ドライビングポジションについては後述。
表皮は縦方向のミゾが入り、モケットのように滑りにくさを演出。では縦方向といえば?シート座面先端が上がっているから、滑る心配無用。よく考えられています。
写真左、ディスプレイの表示を切り替えるのは写真部分にある2つのスイッチ。上のスイッチでモード別燃費なんかを計測できる。下のスイッチで画面全体の切り替えなど。
長押しにも対応し、リセットのほか、メーター照度(明るさ)調整も出来る。時計の調整スイッチと近いから、間違えて押してしまうとやっかい。
写真右、次はエアコンのスイッチ。温度と風量は走行中でも指の感覚で操作できる。使いにくいのは、「AUTO」と「OFF」のスイッチが見ないと押せない。
そして吹き出し口のモード切替スイッチ。筆者は最初、どれだかわからなかった。しかし押して見れば、スイッチ一つで順送りさせる仕組み。
写真左、シフトパネルの後方に「EV」と「ECOモード」のスイッチがある。アクアのキャラクターを考えればどちらも使用頻度は少なく、押しにくい位置にレイアウトされたのは優れた点。
写真右、ハイブリッドらしさはこの電子エンジン音。停止時からブレーキを離すを鳴り出す。この電子音のON-OFFが可能。アクアはクルマ自体がうるさいから電子音が気になることは少ないと予想。
室内にいてもプリウスみたいに「電子音がうるさいなぁ」なんてことは少ない。ノイズに埋もれるというか、相対的に音が小さく感じます。
ハイブリッドということを気にせず走行できるのがアクアの特徴。ドライバーの操作にも特別なことがなく、これはアクアが持つ大きな魅力。
それどころか神経使わず加速できるコントロール性を持ち、アクセルは扱いやすく気難しさはありません。
瞬間瞬間がマイルドで、それでいながら微妙なレスポンスだって反応がある(時が多い)。
嫌なノイズさえなければもっと滑らかに加速している感覚です。
ブレーキに関しては逆。使いにくいです。ブレーキペダルは2代目プリウスのようにスポンジーなタッチで、コントール性に関してはそれ以上に気になる点があります。
アクアは加速は良くて減速は悪い。パスタに例えれば麺は最高だけどソースは最低。食べたいような食べたくないような...。現状だと「食べなきゃいけないから食べるご飯と一緒」です。
アクアに乗ると、とにかくいろんな音がうるさいのがすぐわかる。走行中いろんな音がする。
いわゆる電子音で、インバーターとかバキュームサーボとか気になるノイズが非常に目立つ。ものすごく不快な音質のノイズです。
また極低速時からタイヤやシステムの音がゴーゴーガーガー言っているので、普通にガソリン車みたいな感じ。スゥ〜と高級感は全くなし。
だからこそ違和感なくガソリン車のように走れるともいえます。巡航中、エンジンが止まっているかはメーター内の「EV」という表示がでます。エンジン止まっている時間は短いです。
トヨタ式ハイブリッドならではの回生ブレーキ、如何に減速時のチャージを増やし、EV走行時間を増やせるか、ゲーム感覚の面白さを感じられます。何も考えずに走るよりドライバーがコントロールする部分が残っていて楽しい。
アクアはバッテリー容量が少ないらしく、バッテリー残量が大きく変動するからなおさらやりがいがある。何も考えなくても普通に走るし、考えて走っても楽しい。一粒で2度美味しいとはまさにこのことでしょう。
注目は電子制御スロットルの滑らかさ。発進時も減速時も嫌な衝撃が出にくい。アクセルをジワッと踏み込んでもショックがある車種がどれほど多いことか。
アクアなら何も考えずに踏み込んでも、急にアクセルを離しても、ショックはなし。
スロットル自体もほどよい早開きで、CVTともATとも違うこの走りやすさ。この点に関してだけは高級車のようにスムーズ。二重丸評価。
アクセルレスポンス、ペダル操作に関する反応だけど、低速時からなかなか良好。モーターのおかげか軽い車体のおかげか、1秒間に2回の微調整といった操作にも応えてくれる。普通なら高回転キープしなくちゃ反応無しが一般的。
反面、絶対的なトルクは不足しているのか、上り坂ではよほど集中していないと速度キープが難しい。軽自動車のようだ。速度が落ちて、エンジンが唸って、その繰り返し。
アトキンソンサイクル1500ccは実質1200cc程度のトルクと言われるから、ここは燃費のためだと思って割り切るしかない。
アクアの比較対象は何??車両価格を考えると考えると難しい。魅力的なライバル車が多いので、何を重視するか明確な希望が必要です。経済性か質感か。
アクアは燃費の良さを無視すれば割高なコンパクトカー。ハイブリッドでなければトヨタの末っ子ヴィッツです。なので割高な分を燃料代で取り戻せなければ、オーリスクラスやカローラクラスの魅力が光ります。
ローンが高いかガソリン代が高いか?アクアの魅力は走行距離によって上下します。
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アクア
NHP10 - 1NZ-FXE 1500cc 2011年〜
専用タイプ
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国産車バッテリー
エンジン質感 | |
エンジン音はガラガラ。壮大なノイズ。 |
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駆動系質感 | |
神経使わずギクシャクせず。ショックも出ない。 |
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足回りの質感 | |
柔らかめだけど走りやすい。柔らかめだけど乗り心地は悪い。 |
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内装の質感 | |
ヴィッツよりは良くなってます。 |
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外装の質感 | |
全高低くてワイド感ある。押し出しの強さもある。 |
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快適性 | |
静粛性を望むならプリウスをどうぞ。 |
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お買い得度 | |
ハイブリッドとして絶対的には安い。けど、コストパフォーマンスは今後に期待。 |
各種スイッチ・詳細は本文参照ください。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。