間違いいっぱいの自動車選び。ヴィッツ「G's」MTモデルの試乗レビュー。
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2012年式130系ヴィッツ「RS・G'S」MTモデル。インパクトあるエクステリアと、立派なサスペンションによる走行的質感が魅力。
試乗車は平成24年式のヴィッツRS G's。オドメーターが示す走行距離5000〜6000km。
ちょうど各部が馴染んできて、新車として美味しいところ。下ろしたての試乗車とは若干印象が異なるかもしれません。
ヴィッツG'sのミッションにはMTとCVTが用意されますが、今回はMTモデルです。
今や多くのトヨタ車に設定される「G's」というブランド。最近ではすっかりお馴染みになりました。
「GAZOOスポーツ」の略らしいですが純正系のちょっとチューンバージョンとして、カタロググレードの様にラインナップされています。
日産系でいえばニスモみたいな感じでしょうか。絶妙な価格で悩ませてくれ、トヨタさん商売お上手ですねと、そんな印象を受けます。
G'sはグレード「RS」の特別仕様車で、サスペンションが変更になりエクステリアが個性的に変身。サスが変わるだけで割高なRSを、またサスを交換して価格を上げるという複雑怪奇な仕様。
しかしこのG's、試乗するととっても良いんです。現在のトヨタ車としては群を抜く足回りの質感。
追記:平成24年式前後のヴィッツG'sだけ、特別良いです。
アクセルレスポンスは独特で扱いにくい。でもそれ以外は、初めて乗っても体に馴染みます。3つのペダルの位置は右ハンドルに最適化され、落ち着きがアップしたハンドルからは扱いやすさが伝わってきます。
その他いろいろ、誰がいつ乗っても違和感を感じさせないというトヨタ車の優れた点。G'sでも変わりなしというかレベルアップしています。
乗り出してすぐからサイドを引いて楽しみたくなる。気構えることない馴染みの良さ。この安定感の高さはトヨタ車をお知りの方なら納得のハズ。食わず嫌いは行けませんね。
試乗開始10分でUターンやってみれば、ポテンザ銘柄のタイヤも良く、リアが粘ってタイヤの接地感が安定、楽にお好みの角度で転回できます。こんな感じだからカウンター舵角は的確に少なめに。
どこでもUターン転回したくなるほど、軽量コンパクトゆえの気軽さが生きています。このままサーキットに持ち込みたいくらい。
これ、そこまで遅い速度じゃないんですよ。ドリフト走行みたいな速度じゃないけど、ちょっと前の軽自動車だったらフルカウンターあてたままハーフスピンしちゃうような速度。
運転を楽しみたいと考え始めたユーザーにおすすめできそうな、でも不自然なアクセルレスポンスはスポーティ走行にはちょっと向かなそうな。
ということで、立派なサーキット走行には役不足かもしれませんが1周30秒程度のミニサーキットで遊ぶ程度ならOKですね。
G'sといえばボディ強化とサスペンションの交換。
同様のメーカー系カスタマイズ車はサスペンションの交換といっても、純正形状が当たり前。強度的な製品寿命が重視され、ただ固めただけなのが一般的でした。車高だって高い「良い子ちゃん自己満足仕様」。
ホンダでも無限と付いたサスペンションに特別良いところはなかったわけで。
だから期待もしていなかったヴィッツG'sですが、乗ってみると意外!良いです!
ヴィッツなのに!トヨタなのに!!質感の高さを感じるんです。
サスペンションが動くから不快感は少なめ。細かなボコボコはトヨタ車らしくよく吸収。キャラクター的には柔らかめというか、動きやすいから固さを感じません。
ショックアブソーバーはスルスル過ぎない適度な質感に、適度な初期減衰力。その先もグラっとしない減衰力特性で安定して走りやすいです。
スプリングが最適化されているのかショックの特性が良いのかわからないけど、乗り心地もコーナーフィールも安っぽくありません。
ヴィッツG'sのサスペンションより動きの悪いアフターパーツだってたくさんあります。
固いだけで初期減衰力が無くてフワフワ&ガッツンだったり。またコンパクトな輸入車では細かなガタガタが不快だったりもします。ヴィッツG'sがノーマルグレードになれば、VWが良いなんて都市伝説になっちゃうかも。
このような味付けが好みの方なら、ヴィッツG'sに文句はないと思います。
欠点といえば多少なりともヴィッツらしいピョコピョコ感。でもスルスルなサスペンションよりボディは上下動しませんので、違和感はないと思います。
※内容は辛口評価です。試乗時のチェックポイントを重視!
G'sといってもヴィッツの特別仕様車だから、内装の変更点は最小限。
通常の「RS」と何が差別化されているかはよくわからないので、すみません、カタログで確認して下さい。
わかる範囲では内装色はブラック系。スポーティグレードといえば定番の色合いです。
このブラックという色は機能的に優れて、余計な主張がなかったり、光りの反射が少なかったり、目に付きにくく運転の妨げにならないといった効果も考えられる。地味?若々しい?好みの部分ですがブラック内装が好きな方は多いと思います。
デザインや質感的にはヴィッツそのまんま。スイッチの触り心地やギミックなど含め、とても満足感を得られるモノじゃないから、気兼ねなく好きに走れる。極端にいえば、ガチャガチャミシミシと音が出てきても、気にならない可能性だって。
昔からコンパクトカーのスポーティグレードといえばこんな感じ。値段を考えても機能性に特化が基本スタイル。飾り付けるよりガシガシ走る(いや外観は思いっきり装飾されちゃってますが)。
涼しい顔してスピーディに走りたいって言うのなら、中古で別の車種を探すしか有りません。
同乗者を乗せて曲がれば必須な装備。腹筋と背筋だけで体を支えようとすると疲れちゃう。
このアシストグリップ、ヴィッツのベースグレードでは省かれていた。わかります。1人で乗ることが多いという結果が出ているから、お値段的にも割り切ってと言う事ね。
そういえば、ホンダCR-Zなんて助手席のアシストグリップさえ省かれていた。最上級グレードですよ!けっこうなGを発生できるのに...。ホンダの企画者になんでって聞いてみたい!
シート変更してシートポジション下げたりすれば、ベルトで首つっちゃいますって。
スポーティ走行をしている時、特に安全確認に大きく神経集中しなければならない公道では、ちょっとの違和感が命取り。
ダイハツのスイフトスポーツに試乗した際はもちろんアジャスター付いていた。それどころかワゴンRでさえ付いてたと思う。
次期モデルでは変更を期待します。
写真はリアシートに座った位置からの目線。少々圧迫感ある。
リアシートの快適性は他車との比較なら悪くない。乗り心地とか静粛性とか。でも、この圧迫感は少し残念。やっぱり前が見える方が安心できることもある。
トヨタ車のショックアブソーバー(サスペンション全体)は動き渋いのが特長。平らに見える路面のウネリでゴツゴツし、段差でも乗り心地が悪い。
トヨタ車全般の良い点は、小さく荒れた舗装路。こうした違いはスズキ・スイフトなどと比較するとわかりやすいです。
先代ヴィッツRSや現行型ヴィッツRSも渋さは変わらず。このRS、市街地レベルではサスペンションはただの棒。もちろん荒れたワインディングでも良いわけはありません。「何がRSじゃふざけるな」と、そんな声も聞こえてきそう。
実際はコンパクトカーのスポーティグレードって似たり寄ったりでイメージで購入すると後でキツイです。クルマは買ってみないとわからない点が多いですから、私も失敗ばかりで(爆)
今回試乗したG'sは専用サスペンションに交換され、約10mmダウンで全高1490mm。車高が下がるのは1cmだけど、17インチホイールとタイヤサイズがあがり比べればもう少し低く見えます。
サスペンションの動きが良いことに驚きます。シートの質感が上がればもっとよく感じられそう。動くし粘る。ロールはピッチングは大き目だけど、ちょっとペース上げた程度では底付き感もありません。
ショックアブソーバーの初期減衰力が感じられ「乗りやすい」。雑なハンドル操作でもグラグラせず、雑なアクセル&ブレーキ操作でもピョコピョコしない。小さい段差大きな段差、荒れた路面、コーナーでのフィーリング、サスペンション総合すれば欧州車よりいいって評価でも私、”全然”疑問はわきません。
ステアリングフィールはコンパクトカーの中ではNo.1レベル。電動パワステの不自然感は未だに残るけど、ハンドル回した時のチープさはかなり減りました。
しっとり感があるというか、チープとはレベルの質感。路面からの衝撃も減ってます。タイヤサイズの違いも影響大ですね。
フィット、ノートほか、このクラスのコンパクトカーは相変わらずチープな回し心地が一般的です。
ヴィッツG'sに限らずG'sというブランドでは、メーカー系のサスペンション交換がされます。運転した際の違いはほぼこの部分です。
出来ている=セッティングなど気を遣う必要無し。それから失敗なし。手間が掛からず手軽、安心感高いのがメリットです。
デメリットは?一番は価格が高いこと。高い質感狙って190万円出すなら、ほかに選択肢はいろいろ。
自身で選ぶアフターパーツ、考えて楽しめるのはこっち。調整したりクルマ好きなら存分に楽しさを味わえます。
ただアフターパーツを取り付けるにはデメリットがあり、サスペンション、アルミホイール、タイヤ、ハンドル、シートなど、購入したパーツを取り付けてみないと評価わからない。試乗せずに車を買うような感覚でしょうか。ここがG'sの安心感に繋がります。
これらメリットデメリットを取捨選択して、納得の一台をお選び下さい。クルマの購入に重要なのは、「お値段分の価値を見いだせるかどうか。理由は後付けでもOK!」だと思いませんか?
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エンジン質感 | |
1NZにしてはレベルアップ。だけどまだまだ。30年後に期待か? |
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ミッション質感 | |
ただの実用5MT。喜びは感じない。 |
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足回りの質感 | |
スペックは知らないけど試乗して文句なし。良質なアフターパーツって印象。 |
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内装の質感 | |
最低限のレベルに到達してないでしょ。見ても触っても良いとこ無し。 |
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外装の質感 | |
お好みでどうぞ。エアロは個性をアピールできるから本来ならアフターパーツ推奨。 |
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快適性 | |
中身はいたって普通。リアシートの静粛性はクラスNo1レベルの静かさ。 |
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お買い得度 | |
決して安くはないけれど、お手軽さを考えれば納得。素のRSよりは非常にオトク。 |
水平位置からシフトノブを見ると、結構長いのがわかる。これが扱いやすさを生んでいるのだろう。スポーティというより実用MT。
リアシートはコンパクトカーとして標準的な広さ。快適性は高い。G'sはアシストグリップが付くから実際に人が乗った時にも安心感がある。
下に潜り込めばサスペンションを眺めながらコーヒーが3杯飲める?
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
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