間違いいっぱいの自動車選び。スイスポ、6MTモデルで感じた特徴。
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スズキ、4代目スイフトスポーツ(ZC33S)2017年式、試乗レポート。
評論家様が高く評価するスポーティコンパクト。ターボエンジンを搭載しパワフル志向に。
2017年に発売された4代目スイフトスポーツ(通称スイスポ)。ボディデザインはひと目で新型とわかるデザインに変わり、内容的にもターボ付きエンジン搭載など特徴的な変更が行われています。
運転感覚や内装のイメージは先代の上級車志向とは変わり、コンパクトらしさが強まりました。
それでも、やっぱりスイスポ!落ち着いたハンドリングなど高速域での走行性能が重視。ラフな操作を許容し、安直なクイック感やスポーティ感に振っていません。
ちょっと運転したらつまらないと感じるかも。でもしっかり走れば質感高い走りにニコニコ間違いなし!内容を重視するクルマ好きユーザーや評論家に、変わらず評価されると思います。
試乗車は2017年式スイフトスポーツ。ベーシックグレードの6MTモデル。
車両価格は184万円で、上位グレードからは自動ブレーキを含む安全装備が省かれています。
オドメーターが示す走行距離は2万km。わかる状態としてはフロントタイヤが減り気味。
このスイスポで5日間800kmほど走行。
試乗中はドライバー変えたり乗車人数変えたりと、条件や走らせ方を変えて試しました。
試乗した道は混雑する市街地から夜間の郊外路、ワインディング、高速道路と走ってきました。
当サイトスタッフは過去にコンパクトカーのスポーティグレードを多く所有。
割高だけど絶対的に安価な、こうしたクルマが大好きなんだよね。
筆者も免許取って初めて購入したのは、古いスターレットターボ(EP82)。最近ではCR-Z、シロッコR、コルトラリーアート、FIAT500、デミオスポルト、改造フィットなど所有。
また試乗したフィットRSやヴィッツG'sなど含めた比較で、スイスポの印象や評価をまとめます。
試乗する前から予想していたのは、イージーで気軽な運転感覚。
実際に運転すればハンドルもアクセルもクラッチも、予想以上にイージーだった。
イージーとは雑な操作でもギクシャクせず、フラフラせず、神経使わないという意味。
一方でワクワク感とか刺激とか、ウォっと驚くポイントもクエスチョン。市街地を走っている限りは、普通にコンパクトカー。
スイスポの凄さを感じたのは、急なレーンチェンジを試した後。リアの付いてくる感じが素晴らしい!
それからタイトコーナーでハイグリップタイヤを感じられるほどに切り込んでいった際。やはりリアの感触が気持ちいい!
ともすれば「雑だ!危険だ!」こう思われるほど無造作にハンドルを切り込んだ時にこそ、スイスポの良さを味わえる。
イタリアのFIAT500もそうだった!
丁寧な操作では重厚な運転感覚。ガシッっと切ればピタピタ反応。
リアのブルンブルンも上手くまとめれば不快じゃない。
よりハイレベルなアバルト500はもっと明確で、切れ味だけじゃないから安心感も満足感も高い。
ビシバシという運転が好ましいかという問題は置いておいて、こうした運転をしなければスイスポの良さは半分も味わえない。そう考えさせるほどリアが気持ちいい!
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
動画中、前半はベーシックなXLグレード、後半はスイフトスポーツについてです。
搭載されるエンジンは「K14C」という型式。1400ccのターボ加給エンジンで、カタログスペックは140馬力、23.4kgm。
スイスポの魅力の中で、最もお手軽に味わえる魅力はこのエンジンでしょう。
強めの加速を試すだけで魅力が伝わってくるし、それどころか高速道路での巡航だって良さが伝わってくる。
趣味性の高さや官能性能ならNA高回転型エンジン。
でも、「そんなエンジンは時代遅れだよ」と訴えかけてくるよう。
気持ちよさより加速力、趣味性より実用性。しびれる高回転が好きな筆者も、それは時代遅れだと認識するほど。それくらいスイスポのターボエンジンは欠点がない。
優れているのは扱いやすさ。よく言われるターボラグは低回転から小さく、ユーザーによっては気にならないレベルといえる。
ごく低回転から大きくアクセル開けた際、一定のアクセル開度でも加速力が強まるポイントは確かにある。しかしその強まりは小さい。
急に加速力が変わる=アクセルレスポンスが変わるポイントは3000回転弱。
市街地ではそれより低い回転数で走れるから目立たちにくい。
アクティブに走行する時は2500回転超をキープすれば目立たない。
扱いやすさで重要なのは、ターボラグだけではなくスロットル特性。
スイスポのスロットル特性はアクセル開度30%あたりまでがすごく緩やかで、その先もレスポンスを強調したタイプじゃない。
多少ラフに踏んだくらいではジワッと唐突さがない加速。筆者は試乗初日はドライビングスニーカーを履いていったが、翌日からは普通のシューズに履き替えた。これで全然ギクシャクしない。
扱いやすい上にタイヤを容易にブレイクされるパワーがある。瞬発力が優れている。
特性は上で詰まるけど、5000回転近くまで高まりがある。
この優れたエンジンを「素晴らしい」ではなく「欠点がない」と書いたのは、存在感が薄いから。
実用車なら素晴らしいんだけど、スイスポは指名買いされる車種だよね!
すると、速いエンジンを搭載しているコンパクトカーというだけでは、ちょっと寂しい。
扱いやすさの他にも例えばエンジンノイズ。静かな上に回転数による差が小さい。端的に表せば2000回転と3000回転に差がない。
それから振動。極端に盛り上がるポイントがなく、常に少し。エンジンと対話する情報が希薄で、ドライバーはタコメーター頼りになりがち。
質感という言葉で評価すると、コンパクトカー用エンジンとしてはビックリの上質感。
良いエンジンを望むユーザーに向けたであろうエンジンは、静粛性の高さも魅力。
3000回転キープで巡航しても静かなコンパクトカーなんて今まであった??
静かで振動少なく、扱いやすく、燃費も上々。日常での実用性だって高いからこそ、やっぱり新世代と思えるエンジンになっている。
スイスポは速い?と問われば確かに速い。適正なギヤでアクセルを踏んだ時、ドライバーが感じる瞬発力はターボだからこその加速力。
ちょっと踏んでアクセル戻す乗り方なら、相当速く感じるタイプ。
2速3速での高回転域では、最大の加速力が得られる場面だと思う。
この時の加速力は体感的に2000ccエンジンくらいの感覚。気軽な加速力だけど、よくよく考えれば2クラス上と同じに加速ということもできる。
これらから総合的な加速力は高い。一部のスポーティモデルを除けば、1つ2つ上のクラスとも絶対的な加速力で良い勝負ができると感じました。
一口にMT(マニュアルトランスミッション)と言っても色々なタイプがある。ギヤが変わればいい実用的MTから、シフトチェンジで喜びを感じられる高性能MTまで。
スイスポのマニュアルミッションは実用的MT。
シフトチェンジの楽しみは希薄な反面、誰でも緊張せずに運転できるのが特徴。
回転数合わせたらスッと入るとか、吸い込まれるとか、メカニカルな感触を味わえるとかそうした楽しみはなく、ギヤを変えるという作業になりがち。
先代から質感改善とアナウンスされるが、根本的な部分は変わっていない。
好きなギヤを選べるとか、高いダイレクト感という長所はあるけど、それなら現在の多段ATだって素晴らしい。
操作簡単でギクシャクしないMT。慣れもコツも必要ありません!
アクセルやクラッチは相当ラフに扱わなければガッコンなどせず、クルマと対話など必要なくギヤが入る。ペダルやシフトの操作も驚くほど軽い。
筆者としてはおもちゃ感が強いMTと感じるものの、スイスポの入門的ポジションを考えれば、こうしたMTが望まれているのかもしれないね。
エンジン回転を素早く上げると、タコメーターの針が付いてきません。
せっかく経が大きくダイナミックに指針が動くタコメーターなのに、これはもったいない。
もっとも、タコメーターの動きは多くのスポーティモデルで鈍いもの。このスイスポに限った話じゃない。
例えばライバル車のフィットRSもタコメーターが鈍かった。ただちょっと、スイスポは大きく遅れるというだけ。
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スイフト
ZC33S - K14C 1400cc 2017年〜
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国産車バッテリー
エンジン質感 | |
スイフト用としては相当パワフル、しかも扱いやすい。さらに静粛性も高い。 |
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駆動系質感 | |
あちこちイージードライブ優先。6MTのフィールその他は趣味とは言えないレベル。 |
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足回りの質感 | |
バネ固めにショック柔らかめは好ましい。ただドカドカが強く質感としてはそれなり。 |
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内装の質感 | |
加飾少なめな一方で、パネル表面のシボは同クラス他車より立派。 |
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外装の質感 | |
先代で完成されたであろうデザインの面影を残して変化。感じるのはチグハクな未完成感 |
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快適性 | |
ターボ付きエンジンの静粛性は高い。 |
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お買い得度 | |
ライバルより惹かれる専用装備に立派なエンジン。安いというより割高に感じない価格。 |
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。