「間違いいっぱいの自動車選び」。コルト・ラリーアートverRです。
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試乗レポートはZ27A型「三菱コルト」。ターボ付きの「ラリーアート・バージョンR」。5MTモデルです。
編集部でコルトを購入。バージョンR、MTの後期163馬力仕様。試乗レポートに追記が重なり、まとまりが無くなっている点をご了承下さい。
2ハッチバックボディでスポーティな過給器付きというクルマは珍しくなりました。
理由は「エコロジー(環境)エコノミー(お金)トレンド(流行)」といったあたりでしょう。
(過給器はその後、海外では可変排気量という考えたで増殖中)
日本車では過給器不毛の時代。そんな時代に三菱から出力重視のターボのスポーティグレードが登場しました。その名も「コルト ラリーアートバージョンR」。
後付のチューニングパーツではなく、市販車状態から高出力なターボ加給エンジンが搭載、合わせてクルマ全体で、走行性能重視の味付けにシフトしています。
ボディデザインも目立つ変更・装飾が行われ、ひと目でコルトラリーアートとわかるように。
外装の事を”エクステリア”などと呼びますが、攻撃的な装飾が特徴的です。
基本的な部分は変わらずとも、ディテールを変えて思いっきりアピール。若干張り出した黒い樹脂製オーバーフェンダーとサイドステップ、吸気口が空けられたエンジンフード、大きな口を開くフロントバンパー。
古典的とも思える方法で存在を強くアピールされています。
白いボディカラーだとご覧の通り、目立ちます。「間違いいっぱいの自動車選び」の周辺では、こうしたエクステリアは苦手な人が多いだろう?と皆言います。
だけどこのクルマには同クラス他車にない特徴がある!見た目は二の次三の次、走らせることそこに魅力があります。
例えば3ペダルMTがラインナップされ、新車時タイヤはネオバブランド。ターボの特性だって扱いやすさより高出力系。そして超安定志向のキャラクターだから細かい事を気にせずガンガン走って楽しめる。ドイラバーの技術不足も許容してくれます。
練習用ならローグリップのミニバン用タイヤに変えても傾向変わらず、そんな感じで走らせる事を楽しくクルマがコルト・バージョンR。
限定仕様で「ラリーアートバージョンR・スペシャル」や「ラリーアートバージョンR・レカロ」といったモデルもデビューしています。市販モデルと同様か近い内容のレカロシートを搭載したグレードもラインナップしています。
エンジン、ミッションのフィーリングについて。※追記・修正あり。
試乗車は後期163馬力仕様のMT車。このラリーアートバージョンRのターボは高出力系で有りながらも最低限のトルク感は有り。低回転レスポンスは悪いけど困るほどじゃない。もちろん回転が上がればレスポンスも上々。
低排気量エンジンに高出力ターボというといかにもな扱いにくさがイメージできますが、例えばダイハツ ブーンなどの後付け的どっかんターボではなく、回転数によるレスポンス変化は許容できるレベル。
加速力やレスポンス的に美味しいのは中回転。高回転は落ち込みます。そして通常のNAエンジンと比較すれば全域でもっさりとしたフィール。特性的に低〜中回転型のエンジン特性。一言でいえばミツビシらしい味のエンジンという感じでしょうか。
走行中は具体的に、1500回転以上2000回転以下でも巡航可能なトルク感。負荷を掛けなければ不快な音や振動も目立ちません。時速60kmでトップギア5速、2000回転以下で巡航もこなせます。4速以下なら1500回転レベルからでもジワッとした加速なら許容してくれます。
またボディサイズからすると全体的にハイギヤード。それでもこんな感じだからギヤチェンジをサボっても最低限の再加速は可能です。
エンジンフィーリングはゆるゆるで精密感なし。反面、シビアな感覚はなし!ターボ車らしい低圧縮感をもつエンジンに軽く踏めるクラッチ、気難しいところがないミッション。ごく低回転での粘りも意外と優秀で坂道発進もラクラク。だから一人でドライブしても、複数人でドライブしても、楽しい。特別な儀式、クセ、ピーキーさなど、気にしなくていいんです。
気むずかしさと官能性能を併せ持つ機械を使いこなすのも楽しいが、それとは違った楽しみ方。それがコルト・ターボにはあります。とにかく細かい事を気にしなくて良いから、自分の走りたいように走れ、さらには安定志向のハンドリング特性。
本格派のスポーティカーや上質セダンからみればチープだって思われるかもしれません。でもいいんです、おもちゃにしかない楽しみだってあるんですから。意味なく加速したくなる貴重なコンパクトカーだと思います。
このコルトはもともと筆者の知人が購入し、その彼女は「ホンダアコード・トルネオ(VTEC2000cc)」からの乗り換えだったのですが、「足回りには不満があるものの、加速感には不満は無い」と言っています。
最もDOHC-VTECのカキーンと回る高質なエンジンから比べれば、高品質的な質は低い。でも動力性能という面だけみれば上々。ホンダみたいな高回転至上主義は時代遅れ?? 中回転型エンジンは良さを活かせる場面が多い。試乗すればわかります。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
絶対的な加速力を比較すると、他の国産コンパクトカーにはなかなか無い加速力なのは間違いなし。さすがに1500cc+ターボ、ボディもコンパクトだから体感的な加速力も強いです。
特性的にも2500回転も回っていれば力強く加速してくれるのは他の低排気量エンジンにはない特性です。
コンパクトでパワフルだから体感的な加速力は強く、絶対的な加速力だって一つ上のクラスと勝負できるレベル。
さらに後述するゲトラグ製のミッションは超扱いやすく、いつでも思い通りにギヤが選べる。つまり加速力を活かしやすい。
ただしその分、コルトの価格は高いですよ〜。新車購入時の値引きだってありませんでしたから、2500ccのクルマと大差ありません。ほんとアルミホイールを買う程度の価格差しかないんです。
パフォーマンスが上位クラスに迫る分、価格も迫ります(中古車ならお得!かもしれません)。
そして排気量が大きなクルマと比較すれば、どうしても絶対的な加速力で不利な場面も出てきます。
コルトラリーアートがが如何に軽量ボディ!広いパワーバンド!といっても、速度が高い場面や最大加速力では排気量の差がでます。ボディやシャシーの安定性的にも、大きいクルマの方が安心して踏める時間が長いというのもあります。
まとめると、コンパクトなボディで上位クラスに迫る加速力。駐車場問題などもあるでしょう。全長4000mmクラスでこれだけの動力性能を持つクルマは貴重。現在では他に選択肢がありません。
エンジンは加速力が強い(速い)だけ、特別な演出というか官能性能が高いかと言われればそんなことはありません。
しかしこのマニュアルトランスミッションの方はというと...、これはビックリ素晴らしすぎます。
搭載されるMTは「ゲトラグ」というメーカーかブランドのミッションで、このミッションには扱いやすさも立派なガッチリ感もある!回転数に合わせたショックのないシフトチェンジも非常に簡単。
シフトノブに軽くチカラを掛けて抜いて、次のゲートに軽く押し当ててエンジン回転を合わせればスッと入ります。
抜く、入れる時のフィーリングとしてはガッチガチ。いってみればミッションオイルが固めな感じ+強い節度感。多少ザツに扱ったところで全然壊れなさそうな力強さが伝わってくるのが心強い。
回転数がシンクロしたのを感じてスムーズなシフトで腕を見せるのもよし、コンパクトらしく豪快にたたき込むのもよし、どんなふうにも使えるこれはまさに質実剛健、魅力的なミッションです。
世の中には繊細で丁寧な操作で良さが感じられるミッションもあります。軽く滑らか、それでいてメカニカルなフィーリングが手に伝わってくる。アルテッツァやシルビアに搭載されるアイシン精機の6MTなどがそうです。
ドライバーの体調が良く、完璧に操作がこなせる時に最高の喜びが得られるタイプだと思っています。コルトのゲトラグ製ミッションとは逆のベクトル。
コルトと同じ方向で優れたMTはある?? これだけいいMTはそんなに思いつきません。
思いつくのは希少車。一台はトヨタの80スープラではよりショートストロークでしかもミッションダイレクトな後輪駆動。「ガッチン」というフィールが強調されます。
もう一台はミツビシのランエボで5MTが搭載されるグレード。けっこう希少です。こちらは基本が前輪駆動ですし、ドラポジ的にも普通にセダンですから、操作感がコルトラリーアートに近いです。
このマニュアルトランスミッション、ゲトラグ製5MTのためにコルトラリーアートを選ぶのも全然あり!だと思います。
サーキットに行けば安全に走れ、1速を使うコーナーならパワーをコントロールする楽しさも味わえる。
安全というのはリアタイヤは極端な旋回ブレーキをしなければブレイクしにくいし、フロントはグリップを失うにしても戻るにしても挙動が穏やか。
ステアリングインフォメーションはものすごい希薄だから、クルマとの会話という面では全然十分じゃない。
お恥ずかしながらコーナーでアンダー出しながらロックまで切ってしまったこともある。わかりにくいし反応ない。でも急にはすっぽ抜けない。ブレーキさえ気を付ければ大丈夫。足らないのは面白さと爽快感。
フロントがグイグイ入って行くクルマが好みなら別のクルマをぜひ。詳しくは次ページにて!
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エンジン質感 | |
レスポンス悪く回転数によって感触が大きく変わる。高回転域はただ回るだけだが、低中回転から加速力は強い。 |
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駆動系質感 | |
ゲトラグ製のマニュアルミッションはなかなか味わえない質感。エンジンも鈍いから合わせてラクラクギヤチェンジ。 |
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足回りの質感 | |
フロントの動きは良い。リアは質感悪い。 |
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内装の質感 | |
上品なデザインは評価出来る。 |
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外装の質感 | |
これ、大人が乗っても良いのかなぁ。 |
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快適性 | |
気にしない、気にしない。 |
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お買い得度 | |
絶対的には高いけど、ライバル不在だからこの価格もしょうがないでしょう。 |
内装質感はコンパクトカーとしては好感が持てる。パーツの継ぎ目が亜ハッキリしている点や部品点数の少なさなどといった問題を、上品なデザインでオブラート。
レカロシートはSR7だかSP7。ホールド感はそこそこ、でも表皮素材により滑りにくい。クッションは薄めで柔らかめ。
使ってみてわかった欠点、服の生地材質にかかわらず静電気が起きやすい。
ゲトラグ製マニュアルミッション。節度感はかなり強め。
ギヤが入りにくいとき、回転数を合わせて適度に押しつけてもダメなら、一度クラッチを切ってアクセル吹かして、もう一度クラッチ切って回転合わせる。(ダブルクラッチが有効)
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。