辛口比較・評価評論の試乗レポート、2代目bB、1500ccモデル。「Z・Qバージョン」。
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初代bBモデルチェンジし、デートカーであることを全面に出した車です。個性的なエクステリアにギミック備えた室内が特徴。兄弟車である「ダイハツ・クー」との比較も。
bBといえばボディデザインが魅力。先代bBが大ヒットしたこともあり、今回もボディデザインにはチカラが注がれていそうです。
またコンセプトにはさらに、デートカーとしての魅力も含まれていそうで、そうした装備にこだわっている様子が伺えます。
価格からする、クルマの本質的な面での性能は普通か劣るレベル。でもbBに関しては大した問題じゃないと思います。デートカーとして楽しくドライブできる事が目的ならば、走行フィールの悪さは問題にはなりませんね!
ダイハツの「クー」という自動車をご存じですか?クーはダイハツで販売されるbBの兄弟車。ほとんど同じクルマです。トヨタのbBがお兄ちゃんのようですが、bBは弟。お兄ちゃんはクーなんです。
というのも、bBはダイハツ生産で、ベースはダイハツのパッソ/ブーン。またエンジンも同じくダイハツ製の3SZ型。
先代bBはヴィッツベースでしたが今回はパッソ/ブーンベース。ヴィッツより小さいクルマです。パッソ/ブーンからホイールベースが延長されているとのことで、拡張版パッソ/ブーンというところでしょうか。
もちろんダイハツ製だってかまいませんが、ユーザビリティもダイハツタイプなのは疑問が残ります。例えばスマートエントリーのシステムはダイハツ式。ボタンを押してロック解除し、ダミーのキーをひねってエンジンスタート。プッシュスタート式じゃないんです。
ベースがコンパクトになって嬉しい点もあります。それは軽い車両重量。bBの1500ccモデル、車重は1050kg(前後)と軽量。これは、軽量コンパクトをウリにしているマツダのデミオと比較しても、大人1人分くらいしか変わりません。排気量も違うしボディ全高だって違います。
軽量をウリにして、燃費重視の姿勢をアピールするマツダ。軽量なんて全く宣伝しないbB。このあたり、ダイハツの軽量化技術は凄いということなのかな??
※当サイトは辛口の試乗評価が特徴です。評論家の先生がお伝えしにそうな点も記載しています。
現在コンパクトカーのミッションは、CVTモデルが大半です。国内では唯一マツダがCVTに反対していますが、国産車じゃほぼCVTしか選べないのが現状です。
そんな中、bBの1500ccモデルでは4ATを採用しています。
bBの4ATはコラムシフトなので積極的に操作するにはなかなかテクニックが必要で、実際に使えるのはスイッチ一つで操作可能なオーバードライブのオフ(4速から3速へ)くらい。それでも、CVTのような違和感を感じることなく走れます。
ATとCVT、なにがよくて何がいけないのか?「現時点」という前置きの上で述べると、CVTにはいくつか問題があります。
最もたるのは、人間の感覚と合っていないこと。回転だけ急に上がったり、下がったり、一定の回転数をキープしながら加速したり。
そのほか制御が良くできていないクルマの場合、回転を上げる下げるの判断に迷ってもたつく事もあります。
ATは各ステップごとに、タイヤの回転数とエンジン回転数がだいたいリンク。低回転でアクセル踏み始めた時のフィーリングが自然で走りやすい。こうした部分が人間の感覚に合っているんでしょう。
CVTはギヤ比がワイドで巡航時の回転数がものすごく低いです。静粛性や燃費は良い反面、再加速やコーナー立ち上がりでは、有効トルクの出るギヤ比まで変速して、エンジン回転数も上げて、それから加速。ストレスがたまるくらい不自然にならざるをえません。
CVTにもメリットはあり、特に軽自動車はCVTにメリットを感じます。
CVTの良さについては後述する「燃費について」のコーナーにて。
試乗です。まずは内装の質感について。インパネ周辺の質感は軽自動車レベル。
大きなパネルで素材の質感が低いのに、センターコンソールだけ立派だったり、メーターが立派だったり、こうしたイメージが上級軽自動車の手法に思えます。
ただこれは、軽自動車のレベルが高まっている事もあり、ものすごく安っぽいわけではありません。
車内はフロントシートも狭いのですが、カップホルダーが使いやすい場所にあったり、イルミネーションが多く付いていたりと目を引く使いやすさが充実しています。ギミック的な装備が充実しているといってもいいでしょう。
価格を考えると、170万円クラスの内装には見えませんが、この内装は質で評価すべきクルマでは無いということです。いいなと思えるギミックこそ重要ですね。
フロントはベンチシートです。なかなかタイトなベンチシートで、普通のクルマだと助手席が近いのはデメリットですが、bBならメリットでしょう。
リアシートは座ってしまえば、最低限座れるだけのスペースがあります。乗り降りしづらいのと、シート座面が小さいのは欠点。またシートの前後長が短いのですが、これはシートアレンジが優先された結果の可能性もあります。
シートが小さければ室内は広く感じる。短距離の移動なら問題なし。でも長距離ドライブは厳しいですね。bBのリアシートに乗っていると、早くクルマから降りたくなります。
ラゲッジスペースの広さは感覚的なハナシで恐縮ですが、あまり広くはありません。奥行きが短めで、横にワイドな感じです。
カスタムするイメージも強いbBですから、オーディオでカスタムも楽しそうです。ウーファーボックスにアンプを3枚、プロセッサーも付けてマルチ駆動etc. 縦長のアンプラック制作にチャレンジ精神を刺激されます。
エンジンと動力性能に関してはごく平凡です。1500ccの実用エンジンとして、速くもなければ質感が高いわけでもありません。
軽量ボディに1500ccエンジンですから、パワー感という面ではもう少し高くてもいい気がします。
質感では、フロントシートに座っていればエンジンの振動は感じるんですが、リアシートに座ると気になりません。
筆者が馴染めない点が2つあります。
1つはちょっとアクセルを踏むとガバッとスロットルが開いてしまう点。駐車場などごく低速時に扱いにくいほか、スムーズに発進したいときに神経を使う。
もう1つは、下り坂でブレーキを踏むと、自動的にシフトダウンする点。シフトポジションがDの場合、オーバードライブが勝手にオフになります。それによって、ドライバーの意図と違う減速感とショックが出ます。時速80km以上の下り坂でアクセルオフやブレーキオンの際には、予め手元でオーバードライブカット推奨。
サスペンションやブレーキ、ステアリングに。サスペンションはやや固め。このbB、荒れたワインディングや高速道路も試乗してますが、とにかく跳ねます。高速道路の継ぎ目もガタンッ、ビシンッと、まるで一昔前のコンパクトカーに乗っているよう。
「ヴィッツのRS」というグレードと比較すれば、固さではヴィッツの方がよっぽど固いですが、かっちり感という面ではウワテ。bBはステアリングフィールもかっちりしたものではないため、ドライバーが感じる安定感という面でも負けてしまいます。
試乗したbBは、タイヤは15インチのポテンザが装着されていました。純正の新車時装着タイヤだと思われますが、ディーラーの在庫車を購入したので、オプション品の可能性はあります。
ブレーキはスイッチ的なフィーリング。特に気になるのは、スムーズに停止しようとした際、徐々にブレーキを緩めるのがなかなかうまくできない点です。
クルマが小さいために前後方法の揺れも大きいので、このブレーキのフィーリングは気になります。
エンジンやサスペンションの評価はトヨタbB、ダイハツ・クーに関してはどうでもいい点だと思います。クルマとしてのコンセプトに関係ないのですからね。
bBのボディデザインは個性的です。えぐさ満点で好き嫌いが分かれそう。デビュー時、雑誌の試乗記では「街の景観を損ねるデザイン」などと酷評されていました。
しかし個性的なデザインというのはこれくらいじゃないといけません。人畜無害系のデザインでは存在感が足りません。bBのボディには逆Rが付いたり複雑な曲面で構成されているので、手の細かさに質感も感じます。アメリカでは人気というのもうなずけます。
曲面が複雑ということは、ボディカラーのコントラストが強いと美しいということです。深いツヤの濃色が似合うはず。
フレークの入ったカラーでオールペンすれば質感は最高潮。エアブラシで絵を入れても際立つ。車両コストが比較的安価なbB、手を入れるベース車両としてはコストパフォーマンスがいいと思います。
ボディデザインをウリにしたコンパクトカーは、日産ならジュークとキューブがあります。ジュークは好き嫌いがハッキリするbBタイプ。キューブは優しげなスタイリッシュで万人受けタイプと2本立てです。
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お買い得度 |
助手席アンダートレイ。
ドアトリムのカップホルダー。ドアポケットに付くタイプより使いやすい。
インパネ下部につく、イルミネーション付きカップホルダー。少しだけカチャカチャ音がする。
カップホルダー、普段は収納できる。
ナビゲーションを付ける場合はこの部分のパネルが変更になる。
ラゲッジアンダートレイには仕切りが付いていて使いやすい。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。