評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。日産キューブ(3代目)「15X・Vセレクション」の試乗レポート。
比較と辛口評価の試乗レポート
先代キューブの正常進化版。今回もキューブはエクステリアデザインがウリのコンパクトカー。
新しい試乗レポートがあります!全7ページの徹底試乗記!
試乗内容は限定的。第一印象重視で、より一般的な表現を心がけています。
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2代目キューブは四角いのに丸い、そしてブルドッグのようなフロントマスクに左右非対称のデザイン。
まるで「ブルドッグx子ぶたさん」のような新種の生物。ブサ可愛いという魅力の持ち主。
たまたま最高に可愛い動物が生まれたのかなんなのか、いつ見ても美しいシンプルな魅力で、デザイン性の高さが魅力。素晴らしいボディデザインのクルマでした。
そんなキューブにはエピソードも多く、例えば何かのランキングで「地球上で最も遅そうにクルマ」と表彰され、日産の重役、中村史郎さんがそれでいいと言ったとか言わないとか。
また直線を走れば馬車の様に遅く、コーナーはショッピングカートで回った方が速いとか、そんな試乗記・評価も多かった?モノです。
注:実際の加速は元気いっぱいです。
今回、キューブでの試乗は想定される使用環境を想定し、街中から郊外のショッピングセンターへの移動がメイン。
しかしそれだけじゃ当サイトの存在意義にも関わるので、田舎の幹線道路を常識的なスピードでの巡航、また静粛性のテストに周囲が静かな田舎道も試乗しています。
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道具としてクルマを見れば、とにかく速く目的地に移動できることが一番の本質。劣化版どこでもドアというわけです。
キューブのキーワードは「劣化版どこでもドア」。これがピッタリ。
また趣味としてのクルマの本質は、とにかく楽しめるドライビング性能が一番。やっぱりいつの時代でも、自分より力の強いモノを動かしてみたいというのは人間の本能ですから、ある程度の動力性能も必要。
しかしキューブは、ゆっくり楽しく目的地に移動するのが目的のクルマ。観光バスに乗っている時のように、ゆっくりとした時間を楽しく。しかもそれが、バスではなく自分の部屋が移動しているような居心地の良さ。
キューブのコンセプトはこんな感じかと勝手に理解しましたが、とても気に入ってコクピットから下りたくなくなる、高級車のそんな感じとも違います。キューブは何も感じない”道具の中の道具”になりたいのでしょう。電子レンジや洗濯機のように、初めて買ってもトキメキもなにもない、それでいいとするクルマなんです。
「自動車を所有する喜び、運転する喜びなんて古いよ」、そう言える方に最適。
試乗レポートもバイヤーズガイドも要りません、ディズニーランドのアトラクションガイドをチェックして下さい。人生は短いんです。キューブからはこんな声が聞こえてきます。
表面素材的にも内部構造的にもキューブのシートは立派。それでいてサイズも大きいから、見て良し座って良し!
さらに、仮眠しても良し!低反発ウレタンのマットで眠るときのように、快適に仮眠できます。
本寝になっちゃわないように注意ねw
いろいろと言いたい放題になっていますが、3代目キューブもボディデザインは非常に魅力的。ちょっとおデブになりましたが、その分上級な印象を持ち合わせています。
エクステリアのデザインコンセプトは見るからに2代目の継承。2代目は全体のバランスやディテールもまとまって見えたから。それを進化させるのが難しいのはシロウトにもわかる。筆者ヒラリー、桃花、および当ホームページ「間違いいっぱいの自動車選び」のスタッフはデザイン系の仕事もしているため、産みの苦しみとはまた違ったつらさも想像できます。
単純にデザインだけ比較すれば2代目の方がいいかもしれませんが、そこはダイハードに続くダイハード2のように、パイレーツオブカリビアンにつづく続編のように、iPodに続くiPadのようにとんでもない重圧の中で決定されたデザインのはず。がっしり力も入っているはずで、3代目の方が洗練されているはず。
ボディサイズは全長3890mm、横幅は5ナンバーサイズと、フィットなどコンパクトカーと同じようなサイズ。実際に見ればキューブの方が大きく見えて、ワンランク高級なクルマに見えます。
3代目は個性的なだけでなくて高級に見えるのは非常に好印象。選べるオプションも含めて、所有する喜びは間違いなくフィットより高いと断言させて頂きます。
内装のデザイン、質感は2代目キューブより大きく進化。2代目の大きな弱点が、わけのわからない内装デザインと質感でした。
今回は逆に、この内装こそキューブといえるほど。個性的ながらも嫌みの無いデザインは外観のデザインと一緒。さらに明るく優しい内装色は最高です。
日本の国産車だけでなく、輸入車と比較しても、優れたデザインといえるかも。ドアトリムと繋がるインパネや、大きくラウンドした造形など、高級車で取られる事が多い形状です。
ドライバーが常時目にするメーター、立派なメーターです。
車両価格を納得させてくれます。この立派なメーターも内装全体が凝った形状なので、違和感なく素直に評価できます。
デザインはよし、では質感は?全体的にチープ。つまり安っぽい。写真だとよく見えるのはどのクルマでも一緒。なので実車で確認して下さい。
内装色はキューブの場合、ダーク系の方がチープに感じます。汚れは気になるかもしれませんが、ベージュ系の内装色の方が好感度高いと思います。
キューブの内装デザイン、良くも悪くも非常にパーソナル感溢れるもの。
見方を変えれば上級軽自動車の内装に見えなくもない。ということは、たまにはノーブルな内装が恋しくなるかも。
例えば、アウディA1がセカンドカーでこそ似合うように、キューブもフォーマルなクルマが一台あってこそより楽しいハズ。
奥様用に一台買ってあげて、たまに借りてゆっくりドライブ。こんなシチュエーションならまさに最高の一台になってくれるはずです。
キューブは個性的かつスタイリッシュな外観に、パーソナリティ感溢れる内装の組み合わせ。
クルマの走行性能という部分まで含めれば、そりゃアウディA1を始めとするプレミアムコンパクトに届いていないのは試乗するまでもなく明らか。だけど、こんなデザインで走れるコンパクトカーはキューブだけ。
シトロエンにもプジョーにもデザインが美しいといわれるコンパクトカーがありますが、内装イメージやパッケージングを比較すればキューブの勝ち。コストパフォーマンスだって決して外国車には真似できません。
2代目キューブの時は、ヨーロッパで販売して恥ずかしくない唯一の日本車とも言われました。3代目もそういった評価をもらえるかもしれません。
ようやく、クルマを試乗しての話です。日産のクルマですから、もちろん最低限は普通に走ります。
ゆっくり走るのがとても似合うキューブ。だから走行性能どうこうの評価は必要ないモノでしょう。
しかしそれでは試乗記の意味がないので最低限の試乗レポートをお伝えします。
この手のクルマで大事なのはシートと静粛性。居心地に大きく影響しますから。シートは柔らかく、現代のクルマの基準からすればフカフカといってもいいかもしれない。しかもベースにはスプリングが使用されているとのこと。合格です。
次に静粛性、こちら全体的には静かではなく、エンジンを掛ければアイドリングだってエンジンの音が伝わってきます。でも従来型と比較すればエンジンの音はいくぶん静かに。
走りは全長とホイールベースが伸びた効果もあり、安定しました。先代キューブは新車時からガチャガチャした乗り心地で、高速道路の速度にになると恐怖心を感じることも。そんな旧型キューブから一歩前進。
そして渋くて突っ張るサスペンションはつっぱり感が減って柔らかいセッティングに。シートのレベルアップと相乗効果で柔らかめ方向になりました。
旧型はとてもロール剛性高く、雨の日など走りにくいものでした。シャキッとした先代、こっちが好みの方もいらっしゃるかもしれませんが、筆者は新型のフィールが好みです。
筆者から日産へもっともたる要望は、静粛性の向上。ゆっくり都市部を走るだけなら、内容はなんでもいい。短時間ならなおさら。でも市街地は外の音がうるさい。
最上級グレードでは200万円あたりの値付けがされるキューブですから、パカパカの外板をなんとかして、吸音・制振材をもっと使って、静粛性をレベルアップして下さい。
ベコベコのドアは相変わらずで残念。後から静粛性に手を入れるのは費用も手間が掛かり、相当頑張らないと劇的には改善しません。
リアのドアは特に高さ方向が大きく、リアシートへの乗り降りの際は頭上を気にしなくて良いのがうれしい。
これはチャイルドシートを利用するママさんにはとってはとてもうれしいこと。お子様をダッコしてチャイルドシートに乗せたり降ろしたり。
こんな時はお子様の頭がぶつからないように気をつけなければなりませんが、ドア開口部が広く、上部がスクエアな形状になっているキューブはラクです。
参考までにミニバンの全高は1800ミリ〜1900ミリくらい。普通のコンパクトカーが1500ミリくらい。そしてキューブの全高は1650ミリ。
ミニバンと比較すれば20cmくらい全高が低いワケですが、コンパクトカー比較では10cm超の余裕があります。
2代目から進化したか退化したかといわれれば、退化したと評価するのが妥当かも。
キューブの一番の魅力は外装デザインだったわけですから、それが劣化すれば評価が厳しいのは当然。
広い室内や無理矢理の差別化など、商売上の目的もあったのかもしれませんが、素のデザインが最もいいというは良くあること。
願わくは日産得意のビッグマイナーで外装を変化してくれればベストだったかもしれません。
3代目となり、外装デザイン以外の魅力はアップ。ついでにお値段もアップ。中古車も含めれば2代目キューブを選ぶという選択肢も断然ありでしょう。2代目キューブは特別仕様車も豊富。内外装が変更された様々なパターンがあります。
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特別仕様車・こもれびGreen Selection。モデル途中で魅力的な限定車を次々に出すのは先代から続くキューブの特徴。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
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