評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。デミオ(2代目)「スポルト」の試乗レポート。
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特徴は立派な作りを感じさせる乗り味。2005年式デミオの試乗記をお届けします。
背を高くして室内を広くというコンセプトで、2007年デビューの2代目デミオ(通称DY型)
背を高くしてアップライトな着座姿勢に、そうして車内スペースを稼いでラゲッジも実用的にというハイト系コンパクトカーです。
用意されるエンジン排気量は1300ccと1500ccで全長は3930mm。Bセグコンパクトカーの王道的スペックを持ちます。
試乗車でメインとなる車体は、DY型デミオの中では最も新しい2005年式(平成17年)。1500ccエンジンを搭載した「スポルト」というグレードで、ミッションは4AT。現在の走行距離は約10万km。
このスポルトと、以前お借りした1300ccモデルを総合した感想と評価をまとめます。
1500ccエンジンを搭載し、サスペンションのセッティングも変更されたグレードが「スポルト」。タイヤは16インチサイズで足回りは硬めのセッティング。
ハネ方とか衝撃の伝わり方がとても気持ち良いんです。その足そのボディは3代目DEデミオより乗り心地が洗練されています。
なんで今更??ですがw この2代目デミオは新しい世代の国産コンパクトカーでも持ちえない魅力を持っているから。
1クラス上のCセグメントにだって勝る乗り心地の質感は、一言でいえばオーバークオリティ。車重は重めで車両価格はやや高め。そうした特徴があります。
3代目デミオは別の方向に進化し、4代目もまた違った方向に。そしてどちらも乗り心地はチープに悪化。
2代目デミオの正当派後継車といえば、兄弟車のベリーサ。それが4代目デビュー直前まで販売されていた点からも、この2代目系統の優れた点がおわかり頂けるでしょう。
※当サイトは辛口の試乗評価が特徴です。評論家様がお伝えしにそうな点も記載しています。
DYデミオの内装は、新車販売されていた当時のBセグメント車としてはなかなか立派。特にインパネなんてオーバークオリティーな質感と言い換えてもOK。
純正ナビゲーションのレイアウトだって、当時は苦渋の策だったのでしょうが、現代風の場所に位置しています。
シートに関してもマツダっぽいスポンジ(DEと同じ)なのですが、座面シートの厚みが感じられ、シートバック安心して背中を預けられます。
ただし、手放しで褒められるかと言えばそうじゃない。気配りの足らない部分が目立ちます。このあたりがマツダ車の内装は今一つといわれる点でしょう。
例えば、シフトセレクターやエアコン操作部、ドアハンドルの位置、ナビゲーション関連など、操作系の手が触れる部分はどこも、実際に使ってみると使いづらく、ユーザーフレンドリーとは真逆。自然に走りやすいハンドリングを引き合いに出せば、操作系はみんなセットで良くなきゃと思ってしまいます。
走行中、インパネその他内装パネルからのカチャカチャ音はすごく賑やか。
古いコンパクトカーという点を除いても、これは賑やかすぎる。ネジが緩んでいるとかじゃありません。
原因として見える点から想像すれば、例えばナビのリモコンはグローブボックス上部にポンッと置かれています。
ただ窪みがあるだけの場所に。これじゃあうるさいし、何かあったら吹っ飛ぶ。せめて磁石か何かあるでしょうに。こんな部分からもマツダの内装に対する思想が見え隠れします。
エンジン型式は「ZY-VE」で1500cc。組み合わされるミッションは4AT。また今回の試乗車は2005年式ということで電子制御スロットルに変更されたモデルです。
マツダらしいエンジンサウンドが魅力のエンジン。
アイドリングからトップエンドまでノイズレベルは大きいけど、耳障りじゃないというか、気持ちの良い音というか、このノイズを楽しめればこれはデミオの大きな魅力。
マツダのエンジンというと、高回転でメカニカルな響きを感じる場合が有るけれど、デミオの場合、残念ながらそれはない。
ただただ、うるさいけど耳障りじゃない音。ガラガラじゃなくてウーンウーンと鳴っている。
巡航中の常用域から踏み込んで5000回転オーバーまで、盛り上がりというモノを感じられず。下から上まで同じように回転が上昇している感を受ける。
今風なエンジンの特性で、”余裕”とか”実用性”という部分が大事にされている特性なんでしょう。
実際にはミッションとの兼ね合いで、比較的早い段階でシフトダウンしていくから、余裕というのは感じにくい。ではなんのための1500ccだろう?全開時の若干の加速力の差と所有満足度かな。
ミッションは当時主流だったと思われる4AT。ステップ式の昔ながらの4AT。
このミッションはデミオの大きな欠点。変速にやけに時間がかかり、かつ、ショックも大きい。それでいて変速の回数がとても多い。せっかくの1500ccという排気量が台無しだ。
加速からアクセルペダルを少し緩め、シフトアップを促してやると、パーシャルでポジションと回転数をキープしようとする。
時間が経てばシフトアップするけれど、この時間はラグのように感じるし、大きな振動だって伝わってくる。最新のマツダ6ATもこうした部分が見受けられるから、こうした仕様なのだろうか。
また交差点からの立ち上がり時など、積極的に下のギヤを使いたがる。早開きなアクセル特性と合わせ、不快感極まりない。とにかく丁寧な動作で3速あたりで立ち上がれる方法を考えてしまう。
スポルトのシフトセレクターはゲート式で、ベースグレードのストレートタイプとは差別化されています。
操作感はどちらも今一つ。ただしホンダのコンパクトカーよりはマシです。
マイナーチェンジで電子制御スロットルに変更されました。従来はアクセルペダルとスロットルバルブがワイヤーで繋がっていたのに対し、電子制御はワイヤーを削除。
アクセルペダルからの信号によって、スロットルバルブはモーターで開閉する(スロットルバルブ常時全開のバルブマチック系とは別)。
そんな電子制御スロットルは、2015年になっても過渡期。特にMT車で顕著でわかりやすく、ペダル操作に対しての反応がどうしてもワンテンポ遅れる。イコール、先を見越した操作が必要になる。
デミオの電子制御スロットルの弱点は、制御プログラムが今一つ。これは他車でも、電子制御スロットル創世記のモデルはだいたいそんな感じで、唐突な部分があったり、アクセルOFF時に空走感が残ったり。デミオはマツダらしく、早開き特性が強い。
シフトチェンジのタイミングが遅めなのも含め、アクセルOFF時に3000回転超をキープする時間が、長いわけで、その際にペダルからリアシートフロアまで、盛大な振動が伝わってくる。
半分以上ペダルを踏み込んだ際と、特定の回転数をキープされた時、振動が気になる。
DYデミオは無駄が多いと言われる。オーバースペックな車体にオーバーウェイト。重いクルマの方が乗り心地良いと思いつつ、無駄にガソリン使うというイメージがある。
そんな燃費を2代目スポルトと3代目スポルトで簡単に比較してみました。
条件はタイヤ銘柄が異なり、2代目はルマン4(省燃費ラベリング付き)、3代目はアジアンタイヤ。最大で3%ほど違いが考えられる。
結果から言うと、3代目で15km/L位の時は2代目でも15km/L位。ドライバー交代して運転しながら満タン方で試してみれば、実は誤差といえる違いだった。
同じ排気量のクルマで同じように走れば、そんなに変わる訳じゃないのは他車でも経験済み。
スペック的には違いがある。2代目は車重カタログ値1100kg。4AT。巡航時のエンジン回転数はこんな感じ。
車重は1割ほど重く、巡航時回転数も高い。前面投影面積もおそらく大きい。どこをとっても不利なのに、燃費の差はタイヤの差くらい。ガソリンタンク容量は2代目45L、3代目41L。カタログ燃費は失念。
同時期にタントでも走行。車載の燃費計で15km/L台まで伸びたところで安定。こちらも同じような結果に。条件、タントはまっさらの新車で車載燃費計による表示という点が異なります。
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デミオ
DY5 - ZY-VE 1500cc 2005年〜
55D23L
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国産車バッテリー
エンジン質感 | |
1300ccより断然好印象。スロットル特性は強い早開きでマツダらしい。 |
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駆動系質感 | |
やっぱりマツダの4AT。 |
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足回りの質感 | |
素晴らしい。1クラス上の質感。 |
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内装の質感 | |
見た目の質感は悪くない。シートも普及点。ただし気配りが足らなすぎ。 |
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外装の質感 | |
締まりなければ優雅さもなし。 |
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快適性 | |
乗り心地は心地良いんだけどね。 |
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パッケージング | |
実用性はなかなか。 |
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お買い得度 | |
新車は競合車より10〜20万円高かった。中古車はお得感あり。 |
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。