間違いいっぱいの自動車選び、スズキ・スイフト(2代目)、マイナーチェンジ後モデルの試乗レポート。
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内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
日本国内では軽自動車からのステップアップモデルかつ、ワールドワイドに発売される世界戦略車。
※ご注意下さい!このスイフトは評価の高い3代目ではありません。
3代目は評判通り断然良し!
試乗レポ!スイフト(ZC72S)試乗レポート
試乗したのはスズキ・スイフト(2代目)。2010年のマイナーチェンジ後のモデルで、エンジンとミッションが「1200cc」、「CVT」に変更されたモデルです。
試乗車は2年落ち、総走行距離は50000km。タイヤも新品時のリプレースタイヤから交換されており、ダンロップ・ルマン704がセットされていました。
ということで、新車に近いクルマではありません。中古車として並んでいるようなクルマです。
このクルマをワインディング、空いた一般道、市街地含め約400km試乗。この間の燃費は15km/L。中古車購入の際の比較などにもピッタリな試乗レポートをお届けします。
いかにも旧世代なコンパクトカーだった初代スイフトから、ボディデザインに強い特徴を持つコンパクトカーにレベルアップした2代目スイフト。
スイフトは世界各国で販売される自動車なので、輸入車ライクなボディデザインが魅力。そのボディデザインだけならヨーロッパのコンパクトカーを思わせてくれます。
そんなこともあり、コンパクトカーの中では男性ユーザーが多いという一台です。
初期のモデルは「1300cc+AT」といったコンポーネンツを搭載。2007年のマイナーチェンジで「1200+CVT」に変更されました。
価格はベースグレードで約130万円と、先代のように価格で勝負するクルマではありません。ラインナップにはお馴染みスイフトスポーツも用意され、こちらは1600ccでMTとATがラインナップされてます。
試乗レポート、まずは内装から見ていきます。
初代スイフトは、コンパクトカーの中でも”超”が付くほど質感が低い内装でした。
今回も質感低いのは変わらずですが、良い部分もあります。それはダイヤルスイッチの回し心地、メーターの視認性、シフト操作の剛性感。
評価低い点を上げると、驚異的な部品点数の少なさが激しく質感の低さを際立たせます。軽自動車でもアルトレベルかそれ以下か...そんな作りをしてます。ちょっと嬉しくなる「いいモノ感」はゼロです。
ドアトリムに目を移せば、それはまるでオカモトゴム。薄っぺらさが強調されたノッペリした形状です。
こういった内装質感の低さは、スイフトにとっては長所かもしれません。
東欧諸国の狭い路地や、クルマの多いアジアで、ボコボコ気にせずに運転。場合によっては横転したクルマもそのまま運転etc.
細かいことを気にせずラクに使う。または運転を楽しむ。こうした実用コンパクトカーらしいコンパクトカーのイメージがひしひしと伝わってきます。クルマは宝物ではなくて、人生を楽しむための道具。そういった実用車の特徴を思い出します。
「K12B」型というエンジンと、アイシン製CVTが組み合わせられる動力系。エンジンもミッションも良い印象です。
CVT嫌いな筆者も納得、同世代コンパクトカーで一番といえるエンジンとミッション。これがスズキという軽自動車メーカーのエンジンか?と驚いてしまう。
エンジンは回転が上がることによって出てくる振動はなし。というか比較して振動少なめ、十分にスムーズといえる。
これはコンパクトカーという枠を越えて、200万円までの価格の自動車と比較しても高評価。回転を上げることが苦にならない実用エンジンといってもいい。低振動というだけでなく、耳障りでないエンジン音だっていい。
スイフトのCVT、エンジンだけでなくこれがまたいい。不自然なフィーリングがなくてダイレクト感もある。ATか?なんて思ってしまうほどでありながらチープなATのような変速ショックも意図しない加減速もない。
燃費最優先のコンパクトカー用CVTは制御がとにかく低回転で走ることに主眼が置かれており、乗っていると不自然、ドライバーの感覚とずれが大きくイヤなものだが、スイフトのCVTはちょっと違う。
加速時の自然さだけでなく、巡航時や減速時の回転数、最低でも1500回転以上がキープされ、アクセルを踏み直す時、交差点やコーナーからの再加速時、アクセル操作から遅れることなく自然に加速ができる。
同クラスでは質感高く振動少ないエンジンながら、加速性能は今一歩。低速では問題ないが速度が上がるとかなり厳しい。
1000キロを切るボディ重量の恩恵もあり、時速80キロまでは元気に加速。ただし90キロ手前で加速が止まる。ライバルの1200ccのマーチだと、100km/hを超えるあたりまで普通に加速できるから、加速性能ではちょっと不満。
またアクセルは極端な早開きで飛び出し感あり、神経を使います。こっちは逆に複数人が乗車して車重が重くなればマイルドで扱いやすく。
試乗レポートをお伝えしている2代目スイフトにはABSが付いています。しかし、直線でフルブレーキをすると、タイヤは盛大に泣き出します。
「キキー」とか「ククー」ではなく、「ギャギャギャギャー」と、まるでABSが付いてないクルマのよう。 タイヤはルマン704で、スポーツタイヤと比較すれば鳴きやすいけれど...。
またフロントダイブ(ピッチング)が大きいので、リアシートに男性を乗せたらどうなるか?
スイフトのABS、なかなか制御が面白いので、いろいろテストしてみました。
テストはすべて時速80kmからのフルブレーキ。ドライバー1人乗車の場合は?
タイヤはフロントが盛大に泣き出す。ABSが効けばロックは解除されるが、制御があらく、タイヤが滑っている感覚がドライバーに伝わってくる。下り坂では、タイヤの幅半分くらい、クルマが横にずれた。
ドライバーとパッセンジャー、フロントシートに2人乗車の場合は??
ドライバー1人の時よりも安心感はあるが、ノーズダイブの量はとても大きい。ホイールベースの短いコンパクトカー全般がそうだから、スイフトだけ極端に悪いわけではない。
結果は、やはりタイヤはフロントが盛大に泣き出す。場合によってはリアタイヤも鳴いている。
時速90km/hからフルブレーキ。ABSが効いている”ような”状態で、2車線使ってハンドルを左右に切ってみる。
ハンドル切ってクルマが曲がろうとしている時は、タイヤのスキール音が消える。ハンドルをまっすぐにするとまた鳴り出す。しかし後で考えてみたら、ドライバーがブレーキペダルの踏み力をコントロールしていた可能性も高い。パニックブレーキではなく余裕たっぷりなテスト中だから。
ドライバー体重50kg、パッセンジャー体重80kg、リアシートゲスト体重65kg、こんな3人乗車の場合は?
フロントダイブが少なく、ブレーキはとてもラクラク。不安感なし。タイヤのスキール音も普通くらいといってもいい。車重が増えたけどブレーキ制動距離は変わらない様な気がする。挙動の変化が大きく、運動性能的には日常で体感出来るほど大きいワケじゃないってこと。
他のコンパクトカーと比較しても、リアシートに人が乗った際の挙動変化に関して、スイフトは違いが顕著。
3人乗車のこの状態だと、ブレーキペダルにコトコトというABSが効いている振動が伝わってくる。だからタイヤの負担とかABSの係方は変わっていると思う。
ドライビングポジションはシートリフターを目一杯下げても高め。それなりにアップライトな姿勢で運転する事になります。
運転席からの視界といえば、Aピラーは立っていてフロントガラスが近く運転しやすい。コーナーでの視界もいい。ペダルの位置、角度は身長180cm超の男性でも違和感なく、他のコンパクトカーのように操作しにくいことはありません。
ステアリング位置の調整はチルト機能はあるがテレスコピック機能はなし。
細かく言えばブレーキペダルが若干外側によっているのが気になる方もいるかもしれない。ここはスイフトの優れた点だと思う。大きいセダンなど余裕があるクルマでは、右足を自然に伸ばした位置にブレーキペダル右端がくることもあるくらい。
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スイフト
ZC71S - K12B 1200cc 2006年〜
46B24R
ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
エンジン質感 | |
suzukiのエンジンは侮れない。うなり音が大きいのがマイナス。 |
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駆動系質感 | |
不満がないって事はないが、CVTの中ではフィーリングが自然。 |
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足回りの質感 | |
昔ながらのコンパクトカー。飛ばしてもゆっくり走っても非常にちゃち。 |
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内装の質感 | |
終わってます。 |
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外装の質感 | |
おもちゃらしさと大人っぽさのバランスが良し。 |
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快適性 | |
同世代の軽自動車レベルの静粛性。うるさい。 |
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お買い得度 | |
スズキだけど決して安くはない。 |
2代目スイフトは後期モデルから1200cc+CVTになった(ZC71S)。
車内の液晶部はオレンジバックライトで統一されている。インパネ上部の液晶には燃費計も表示できる。
ラゲッジスペース。奥行きはライバルのホンダ・フィットと比較すると半分ちょっと。
ラゲッジアンダートレイ付き。
車内から見えるドアトリムは極薄に感じるが、実際にはそんな事はない。単調な造形なのでそう感じるだけ。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。