間違いいっぱいの自動車選び、スズキ・スイフト(2代目)、マイナーチェンジ後モデルの試乗レポート。
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内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
※ご注意下さい!このスイフトは評価の高い3代目ではありません。
ステアリングはいかにも幅広タイヤにしました的な回し心地、またやけに戻り反力が弱く、ドライバーが正確にハンドルを戻し方向に切るセッティングのステアリング特性。
このステアリングに扱いにくいブレーキが組み合わせられるので、できればクネクネ道なんて走りたくないんですが、恐怖心を押さえてワインディングを走ってみました。
走らせ方は直線は全開、コーナーはゆっくり。十分安全運転の範囲内。
で、試乗車のハンドリングはというと、落ちつきあってマイルドなハンドリングが好印象。でも足回りの剛性はもう少し欲しい。
具体的には、極端にピッチングが大きい(後述)ため、だらだら走る分には走らせやすい。挙動を掴む練習にもなる。
特に、軽いアクセルオフやパーシャルでコーナーに入る場合は、落ち着きのあるハンドリング感覚を味わえる。まるで、一クラス上のクルマを運転しているよう。
スイフトの柔らかいサスペンションからすると、ロールは大きくない。さらに丁寧にハンドルを切っていればグラッとロールすることもなく、ショックが仕事をしてくれている感じがする。
コーナーリング中に段差があると、不安定な感覚をドライバーに伝える。伸びるサスペンションのせいか、足回りパーツの剛性不足か、そのあたりだと思われるが、大きなアライメント変化が起きていそうだ。ステアリングへのキックバックも大きい。
普通に走っている分には、この瞬間にタイヤが滑ることもない。だけど感覚的にはジャンピングターンをするような感覚になる。この辺りはいかにもコンパクトカーらしい挙動です。
今回の試乗車は試乗時から2年落ち、総走行距離5万kmのコンパクトカーということで、全体的にやれていた可能性があります。
国産車の寿命はどれも長いわけですが、クルマの傷みという面では、価格が安いクルマは痛みが早い印象があります。各部から異音がしだしたり、フラフラ感が目立ってきたり。5万キロというと美味しい部分は終わったあと。
ショックアブソーバーもフワフワが止まらない事はありませんでしたが、少し減衰力が弱く感じる。多少へたっていた可能性もある上での試乗レポートです。
そんなスイフトの乗り心地はとにかく柔らかい。シャキッとしてそうな外観とは裏腹に、日本ながらのコンパクトカーというか、ゆっくり走るのに最適な柔らかさ。重量バランスの関係からかフロントの方がしっとりした質感で、リアは軽い弾み方。
サスペンションは伸び側が柔らかく、これも典型的。大きな段差ではグワッと伸び上がります。
これだけ柔らかいサスペンションでも、細かいボコボコでは振動が凄いし、ゴトゴト音も凄い。
つまり、サスペンションは柔らかいけど乗り心地悪い。想像の斜め上をいってます。ブッシュだって容量不足の可能性有り。走行中のアライメント変化が大きくなる柔らかめサスペンションを選択肢ながらもこの乗り心地。質感という面ではまったくダメという評価をさせて頂きます。
スイフトのタイヤは標準状態から大きいサイズ。超ビッグサイズです。普通のグレードでなんと「185/60R15」。思わず目を疑ってしまうほどの185という幅のタイヤがセットされます。
車重1000キロというスイフトの車重を考えると、スポーツモデルと思えるほど大きい。幅は145とか155の15インチで十分でしょ?
そんなタイヤはメリットも大きいがもちろんデメリットも。幅は広いほど、直径は大きいほどタイヤの騒音は大きくなります。
試乗車のスイフトにはダンロップ・ルマン704という、静粛性は決して低くないタイヤが装着されていました。ルマンは通常、「シャー」という音は大きくても、「ゴー」という音はそこまでうるさくない。しかしスイフトの車室内にはゴーという音が響き渡ります。
このロードノイズに加えて、風キリ音もなかなか。バイザーが風を巻き込むパタパタ音も入ってきます。
路面がいい道で短時間の走行だけならこんなもんか、で済むかもしれません。しかし80キロくらいで巡航していると、これは拷問か?何かの修練か??と思えるほどのノイズを感じます。
総合的な広さで言えば、三菱コルトといい勝負。スイフトはスズキのディーラーで軽自動車のお客様がステップアップする用途に合わせている面もあると思いますが、前後方向は場合によっては軽自動車より狭いんです。
見かけ上の質感は良い。座面は柔らかくて密度の高い発泡ウレタンといった感じ。シートバックは薄くてスカスカ。
座面は柔らかいが腰がある。ただし狭い。スイフトは特別のイズが多いがリアシートでも同程度。後ろはもっとうるさいと言うことはない。フロントシートで極限までうるさいから、それ以上はないというわけ。
スペース的には身長172センチの筆者がドライビングポジションを状態で、自身がリアシートに座ると、運転席後ろで足下の余裕はない。膝(ひざ)がシートバックにあたる(食い込む)。また助手席側の後では、助手席シートバックにはコンビニフックと固いフレームがあり、そこに膝が当たる。
走行中、ABSの動作テストを何回か実施した。リアシートに人が乗った場合もチェックしたんだけど、助手席後ろに座った状態で急ブレーキを踏まれると、この固い部分に膝が当たるわけ。
とても痛いです。 またシート中央に右膝を避ければ、前席の人の背中にグイッと刺激を加えることになる。
実用車はみなシートバックを薄く削ってきている。スペースを稼ぐためだよね。
しかしこのシートバックのスカスカは、シートが小さくて有名なマーチと比較しても比較にならないほど。それでいて狭い+固い部分があるのは危険といえるレベル。こんなの30年前のクルマでないと許されませんよね。
スイフトの全長は3755mm。同世代のコンパクトカーとしては標準〜やや小さいなボディサイズです。
そんなスイフトのラゲッジはやっぱり狭い。ラゲッジスペースの実用性を考えれば、リアシートは常時寝かせておきたいほど。
奥行きは場所により46〜48cmとコンパクトカーの中でもぶっちぎりに奥行きが短いです。
クルマの利用方法によりラゲッジの評価はいろいろと変わってくるので、ライフスタイルにあっているかの方が重要。
旅行や買い物メインならちょっと難ありという狭さだけど、セカンドカー用途や通勤スペシャルなら大部分が何とかなってしまうと思います。
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2代目スイフトは後期モデルから1200cc+CVTになった(ZC71S)。
ラゲッジスペース。奥行きはライバルのホンダ・フィットと比較すると半分ちょっと。
ラゲッジアンダートレイ付き。
車内から見えるドアトリムは極薄に感じるが、実際にはそんな事はない。単調な造形なのでそう感じるだけ。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。