間違いいっぱいの自動車選び。ミラココア・プラスX試乗レビュー。
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試乗車はダイハツ・ミラココア、22年式。グレード「プラスX」。
このクルマは編集部「元お車整備士」が購入。普段は60歳になるお母様が使ってます。なんでも、これを見たらミラやムーブ、アルトやワゴンRには乗りたくないとのこと。
ミラココアは運転免許を取って初めて車を買う女性がターゲットらしい。
しかし、60歳の女性からも好かれる懐の深さを持つ点が、”よりカジュアル”なアルトラパンとの違いかもしれません。
ミラココアは特徴的な内外装が大きな魅力。クルマが持つイメージだって素のミラと比較すれば、全然いいと思います。
ミラココアはもっとも軽自動車らしい軽自動車「ミラ」をベースにファッション性を向上。エクステリアだけでなくインテリアのデザインが大きく変わっています。
特長はラウンド感を強調した内外装。同じダイハツの「ムーブにムーブラテ」がラインナップされるように、「ミラにはミラココア」をラインナップ。ラウンド感強調という方向性はどちらも一緒です。
ココアのボディデザインを簡単に評価させて頂きます。
価格的に被るムーブと比較では、
良いもの感=質感はマイナス10点。パーソナル感と親しみやすさはプラス10点。
定番ラインナップというより派生車種的なモデルですが、割高感は感じません。個性を好むユーザーには割安にさえ映ることでしょう
ミラからは完全に別物ってイメージ。
ベースモデルからちょっと外観の意匠を変えただけの軽薄なモデルとは違います。
乗り味としても、サスペンション柔らかめでゆっくり街乗りを重視したタイプ。
エクステリア、インテリア、乗り味に特徴を持たせ、ターゲットを明確に絞ってミラとは別物のクルマとしてラインナップされています。明確だから選びやすくもありますね。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
ミラココアの価格はベースグレードで110万円前後。ミラと名がつく軽自動車としては少々高価ですが、自動車全体の価格が上がったことにより、意外にもコストパフォーマンスは上々。
というのも、「ミラ」と「ミラココア」は内容に差が大きく、特殊なモデルらしさが強い。
内容を考えるとミラココアのお得感が高く、この関係は「ムーブ」と「ムーブラテ」の比較と一緒。
ミラココアはホワイト系の内装色が基本となるようなファッション優先モデルだから、価格を知らずに見れば、上級モデルなんじゃない?ってイメージ。
そんなココアがムーブと同じ価格帯で買えるとすれば、迷っちゃう価格設定。
ムーブとはベースが違うでしょ?そうなんですがムーブだって大元はミラと一緒?? それほど間違っていないかもしれませんよ。
素のミラと比較すれば、走るだけならミラの方がオトクなのは当たり前。しかしこの場合は、
地味x3モデル vs 華があるモデル。
ココアも車名はミラ。だけどミラと比較されるようなクルマとは思えません。
ボディデザインが表現する個性や特長について、上級グレードのプラスシリーズにはルーフレールが装備されます。
ミラココアらしい特長際立ち、ポップ感が強調されると同時に全体的な質感向上。
また今回の試乗車であるデビュー初期モデルではリア周辺とテールランプがチープですが、マイナーチェンジで質感上昇しています。
グレー/ホワイト系のダッシュボード・インパネ。グレーの部分はいかにも軽自動車のそれだけど、白い部分の質感は良好。
シートは上級のプラス系になると、中央部がスウェード調でサイドがジャージのしっとりした質感を持つタイプに。
ダッシュボードをポコポコと叩いてみれば、やはりパカパカ。クルマを見ればとりあえずインパネを叩いてみるのがクセなんだけど、マークXなどでもセンター部分はパカパカだから常識の範囲内。立て付けは一般的なレベル。
もしアフターパーツでナビゲーションやオーディオを付けるとすると、大きなパネルを外すことになるので、できればメーカーオプション品の装着を推奨。大きなパネルを付け外しするとミシミシ音のリスクが高まります。
前期型ココアでナビゲーションレスの場合のみの確認ですが、助手席前までの大きなパネルを外し、2DINサイズの穴が空いた別のパネルに交換になります。
(純正オーディオにはi-pod接続端子がなくAUX入力のみ。純正ナビゲーションにはあります)
ココアは軽自動車の中では比較的、趣味性の高さを感じるキャラクターが魅力。実用性最優先の軽自動車の中で、同じようなキャラクターを持つのがスズキのアルトラパン。
そんなアルトラパンと内装魅力を考えてみる。ラパンの内装と比較すれば、よりスペシャリティ感が高いのはココア。ラパンのツヤツヤパネルはトレンドからくる良さを感じるんだけど、造形的な色気がもう少し。内装色によってはワゴンR?みたいなイメージでコンサバ路線。
クルマの特徴を考えれば、ココアの勝ちと考えます。
左の写真はラパンの内装イメージ
単純な好みとしても、筆者はココアの内装が好み。角っぽい部分と丸っぽい部分の組み合わせが好み(フラット、スクエア、ラウンドのバランスが好き)。さらに色使いにラグジュアリーな上質感を感じます。
左右のシート間の距離をカップルディスタンスなんて呼ぶ。
特別に親しい姫様と乗車する時以外は、シート間は離れている方が快適といわれる。プライベートなスペースがどれくらいかって意味。あっ、ケンカ中は別ね。
ミラココアの場合は実測で11cmあたり。軽自動車全般でこのくらいだと思う。コンパクトカークラスだとカップルディスタンスは、12〜18cmあたり。高級車になれば2人で半分ずつアームレストを利用できるほどに。
ミラココアは「好きなら買っちゃえ」的な軽自動車。故に細かい試乗感想は割愛してます。
一番の特徴はボディデザインで、カタチで選ぶ側面が強いクルマ。デザインが好きなら細かな比較は意味ないですからね。
乗り味など簡単にまとめると、サスは柔らかめ。
フワフワしてドライバーがよっちゃうほどで、軽自動車になれていないと感じたことのない揺れを体感。コーナーリングしながらの路面のうねりなんて、それはもうたまりません。
ワゴンRのような左右への揺すられ感は少なく、またライフのような適度に引き締まったショックアブソーバーの動きもない。ただただフワフワの印象が残った。
ステアリングを回した感じは平均的な軽自動車という感じで、軽自動車らしい気楽さがあるタイプ。
必要とあれば時速100kmで巡航することもできるから高速道路の巡航だって可能。問題は質。良いと評価するようなタイプじゃなくて、フラフラと安っぽい。
なので疲れて自然と速度が落ちてきます。高速道路使うならイケイケ状態でどうぞ。エナジードリング美味しいぃ。
ブレーキはストロークが長く、奥で効き始めるタイプ。遊びが大きくどこからブレーキが効き始めるかわかりにくい部分にご注意下さい。そして緊急時には躊躇無く目一杯奥まで踏んで!ってな感じ。
その他、走行中は微振動がステアリングに伝わってきて、手がピリピリする。路面からの微振動、駆動系からの微振動、様々な振動が手のひらに伝わってくる。
(これはドライバーの体調も関係するかも。絶好調なら気にならない程度?)
ミラ・ココアの走行性能には、インターネットでクルマの情報をチェックするような方が積極的に選ぶ良さはありません。
エンジンはダイハツ定番の3気筒KF型。いつも通りの軽自動車らしい振動を出すエンジン。アイドリング時から低速走行時まで盛大な振動を出す。
同じダイハツのタントに試乗した際には幾分マシだったから、このあたりがベースモデルの違いということになるのか。
振動と並んでエンジンノイズも不快で、音質が最悪クラス。アイドリング時でもエアコンを付けたりするとかなりの騒音が室内に響き渡る。
スズキのエンジンの方が質感全体で上かなと感じる。
アイドリング状態でエアコンをオンにして、車外に出てみると、これはもうものすごい騒音が。逆にいえば室内の遮音性能はなかなか高い。室内に入ると騒音は低減されているのがわかる。
素のミラとミラココアを並べてエンジンルームを見た際、ミラココアのバルクヘッドには吸音材が追加されていた。
特別高価なモノには見えなかった為、「これだけで効果あるのか?」とも思ったがそこは自動車メーカーの仕事。的確に追加されていて効果を発揮しているのかもしれない。
軽自動車のエンジンは、2000年を過ぎてからほとんど3気筒。4気筒も残ってはいたけど、コペンとサンバーという特殊なクルマ。しかしこちらも生産中止で、3気筒エンジンしか選べない状態。
コンパクトカーでは、ヴィッツ1000cc、マーチ、ノート、ミラージュと、徐々に3気筒エンジンが増えてきている。
4気筒エンジンと比較し、多少なりとも価格が安く、省燃費性が高いといわれる3気筒エンジン。技術の進歩によって3気筒のネガティブな部分を隠せれば問題ないといわれます。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」試乗レポート
比較するとどう?現在のところクルマによって様々で、良い3気筒エンジンもある。
ダイハツ製と言われるヴィッツの3気筒は軽自動車のエンジンと大差なく、マーチの3気筒エンジンは軽自動車とは違うと思えるエンジン。
自動車って定期的に運転し、ずっと1台を乗り続けることが多いから、慣れというのも大きい。慣れてしまえば気にならなくなる部分も多いんです。
しかし、エンジンに関しては運転する度に違いを感じやすい。購入後何年も、いつまでも気になる可能性があるから、試乗時にはぜひ神経を傾けて頂ければと思います。
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ミラココア
L675S - KF-VE 660cc 2009年〜
M42(特殊規格)
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エンジン質感 | |
軽自動車のエンジンはどれも似たり寄ったり。踏めば加速力はけっこうあり。 |
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足回りの質感 | |
柔らかいけどそれだけ。 |
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内装の質感 | |
白ってだけでもいいね |
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外装の質感 | |
質感は低いけど悪くないでしょ。 |
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快適性 | |
フワフワの足とシート |
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親しみやすさ | |
厳つさは一切無しの人畜無害系。 |
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お買い得度 | |
ココアはけっこうお高いですが、素のミラだって意外と高いんです。 |
消灯時は質感高く、満足感高い。点灯時は光にムラがあり、視認性は良くない。
パネル質感はグレー部分はいかにも軽自動車な反面、白っぽい部分の質感はなかなか。シボに品がある。
水平基調がワイド感を演出するココアのダッシュボード。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。