「間違いいっぱいの自動車選び」。2016年式タント(カスタムRS)の試乗レビュー。
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ダイハツ「タント・カスタムRS・SA3」、LA600S型ターボエンジン搭載車の試乗レポートです。
ダイハツのスペース系軽自動車がタント。軽自動車だからボディ全長と全幅は一般的なモデルと同一ながら、全高を高く取って広い車内空間を確保しているのが特徴の一台。
購入意欲に直結する立派さと若々しさ。
走行性能や乗り心地ではなく、本能で選びたくなるカスタム系。タントの上級グレードです。
そんなタントの上級グレードがカスタム系で、「タントカスタム」と一般的に呼ばれるほど、ベーシックなモデルと差別化が図られている。
正確にはクルマ的な違いというより、CMなどからブランドイメージで差別化されているといったところだけど、軽自動車全般でカスタム系というのは特別なブランド。注目度だって高い!
感覚的にはまるで、トヨタ車に対するレクサス車。装備や質感、それから価格などをチェックして試乗すれば、そこまでの印象を抱くほど。
そんなタントカスタム、クルマを実用品兼ファッション用品と考えれば、素のタントより魅力は数倍。ほんと贅沢な一台です。
試乗車は、2016年式タント。グレードは「カスタムRS SA3・ターボエンジン搭載車」。
2013年にモデルチェンジされて3代目となったタントのカスタム系。車両価格は170万円。
カスタムを除くベーシックモデルは最安120万円ほどから用意されているから、装備とターボの違いで50万円ほど高価な値付けがされています。
このタントカスタム、オドメーターが示す距離数は2000km台で、新車から各部が馴染んだもっとも美味しいところ。試乗は都市部を離れ田舎道を目指して1日走ってきました。
タントカスタムを見て思う。”カッコいい!”そして”若々しい!”。それはボディデザインが良いからというわけじゃない。クルマの持つイメージが良いんだ。
カスタムといえどタントはタント。エクステリアなんて実際にはベーシックなモデルとは細部の違いしかない。
カッコいいのはブランドイメージであって存在そのもの。これこそ軽自動車メーカーが長年育ててきた”カスタム系”というブランドなのだろう。実車を見る前から!実際に試乗する前から!イメージだけで欲しくなってしまう。
ユーザーはディーラーに行く前からほぼ、購入が決定していて、実車を見れば3秒でノックアウト。タントは数あるカスタム系の中でも特に内装が魅力的なのよね。インパネの意匠なんてまさに!ブランドイメージにピッタリ。だから3秒で購入決定。メーカーの戦略半端ありませんw
軽自動車に興味が薄い筆者ヒラリーだって、タントカスタムが頭から離れません。カッコいいのが欲しいでしょ?って本能に響いてくる。
カローラがどんなに優れていても購入する気にはならない。よ〜くわかります。タントカスタムが欲しいユーザーからすれば、カローラなんておじいちゃん専用車になっちゃう。
っていうか、初めてのクルマ選びなんて思い出してしまったw
乗り心地や質感なんてわからない最初の一台、コスパも頭になくて、欲しいものは欲しい。カタログをずっと眺めて...。そんな一台を購入できた時の喜びはレクサス購入にだって劣らないはず。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」
冒頭からイメージ的な話になってしまいすみません。内容なんて関係ないなら、試乗記自体が意味ないじゃないかというわけですが、折角なので試乗感想にもお付き合いください。
試乗したタントのエンジンはターボ付き。絶対的な性能が限られる軽自動車だから、通常のNAエンジンとの差は大きい。
ミッションがCVTになってからの軽自動車は、NAエンジンでも非力過ぎるという場面は少ないけど、ターボついていると動力性能の差はどこでも体感できる。
気にしないってユーザーでも、上り坂での動力性能とか、快適性には差を感じることになるだろう。
この動力性能の差について的確な言葉を探せば、”速い”というより”困らない”と表現したい。
クルマが小さいから体感する加速感は強いんだけど、実際の加速力よりイージードライブのための余裕。
よくある場面としてはNAエンジン搭載車が先読みして速度コントロールをしなければならないシチュエーション、ターボエンジンなら遅れてアクセルペダルを踏んでも大丈夫。つまり運転がラクだよね。 これはドライバーの快適性に直結。
逆にそんなシチュエーションを感じたことはない、といえばターボ付きを選ばなくても良いと思う。
実は違いはもう一つ。それは快適性の差。ターボ付きエンジンの方がエンジンノイズが静か。
ターボって消音機能も備えてたりするわけで、市街地でも過給されることの多い軽自動車では明確な違いになって乗員に快適性の違いを伝えてくる。使用される回転数も低い。
このあたり、特にダイハツ車の場合は印象の違いが大きい。以前試乗したベーシックなタントはNAエンジンだったんだけど、ダイハツのエンジンてガサツな音なんだよね。
だから静かに感じるだけじゃなく、音質的にもマイルドになったような違いを感じる。音質的に気にならなければ、ホンダのN-boxなどよりも静かという魅力が強く残る。
エンジン周辺からの微振動は少なからず感じる。
ただ路面からの振動が大きいため、気になるのは舗装状態が特に良い路面に限って、という印象。
路面からの振動が気にならない時はハンドルへの微振動が気になるという、なかなか微妙な関係だが、2000cc以下クラスでは珍しくもなんともない事だから仕方ない。
筆者の場合はハンドルを軽く握る関係もあり、15分くらい運転したら手に軽いピリピリを感じた。
最近はターボ付き軽自動車でもドライバビリティが良い。エンジンの改良もあるだろうが、それ以上にCVT方式のミッションによるところが大きいんじゃないかな。
品良く乗りやすく調整されていて、不快感を感じる場面はほとんどない。
CVTになる前は思い通りに加速させるのに一苦労。一定に加速させるにはアクセル調整する作業が必要だったのだけど、これはそんな心配なく運転できる。
言うならば寧ろ、コンパクトカークラスのCVTより思った通りに運転しやすいほどだ。
味付けは他メーカーのCVTと同じように高回転まで使ってくれる。それでいてダイハツのCVTは特にマイルドな方向性で筆者含む編集部スタッフにとっては好み。
逆に言えばシャキッとしたフィーリングを好むユーザーにはもの足りないかもしれない。
またこのような”カスタムRSターボ”というグレードにも関わらず、ポジションを疑似ホールドするような機能がなかった(7速CVTなどと呼ばれる類)のも、ユーザーによってはタント自体が選択肢外になるかもしれない。
もしかしたら契約してから気づく可能性も。
購入意欲に直結する立派さと若々しさ。
走行性能や乗り心地より、本能で選びたくなるカスタム系。タントの上級グレードです。
一部画像はクリックで拡大します(横長画像など)。
運転席に座って「D」をセレクトして...。クルマを運転する時に必ず行う動作。そんなシフトレバーを操作する時のフィーリングについて。
タントのそれは、操作感は常識的に渋い。音は多少滑らか。といった評価。
操作感を具体的に表現すると、パターンがストレート式だから下に下ろす時はゆっくり操作になり、「P」から「D」はゴリゴリしながらも普通に「D」レンジに入れられる。
逆に「D」より下にある「B」にセレクトしてから「D」に戻すのはやりにくい。丁寧に操作したつもりでも、行き過ぎて「N」まで行ってしまう事が度々あった。
オドメーターが2000kmというとこで、これから抵抗減って軽くなっていく可能性もあるんだけど、試乗時には「B」や「S」の使用をためらうほどだった。これもミドルクラス以下だと、スムーズで褒められる車種は限られるんだけどね。
ライバル車と比較すれば、ホンダ車は動きが渋いクルマが多く、N-BOXも試乗した車体ではやはり。タントの方がマシだろうと感じで渋かった記憶がある。
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タント・カスタム
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国産車バッテリー
エンジン質感 | |
ターボが付くと質感もグッとアップ。 |
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駆動系質感 | |
ターボとCVT、お互いの弱点を埋め合わせているような感じ。 |
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足回り質感 | |
フロントはOK。リアサスがねー。 |
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内装質感 | |
これは指名買いあるでしょう。試乗せずの指名買いだっておかしくない。 |
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外装の質感 | |
立派だけど多少バンぽさを感じる部分もある。 |
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快適性 | |
普通のタントと比較してアラが目立つように。 |
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お買い得度 | |
カスタム系は理屈じゃないよね。装備は充実。 |
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。