評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。「N-BOX(2015年式)」。
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ホンダ「N-BOX(エヌボックス)」「型式:JF1」の試乗レポート。
2011年にデビューし、現在までに2回も!年間ベストセラーに輝いたホンダN-BOX。
背が高いハイトワゴン系で、それを生かしてリアシート足下も広い。同じように背が高いバモスやアトレーワゴンなどと比較すれば圧倒的に乗用車。リセールも期待できる人気の軽自動車です。
N-BOXの車両価格は約120万円〜。最廉価グレードでも意外に装備充実。
極論すればホンダ版タントなんでしょうが、試乗すれば全然別物。
ハンドル握って感じる立派さはN-BOXが上。それ以外でも違いはあって、N-BOXならではの良さが感じられます。
N-BOXとタント、同じように見えて実は特徴が違うから、選ぶ楽しみは上位クラスとなんら変わりなし!
特徴がハッキリすれば、趣味用のクルマ同様に楽しくクルマ選びができると思います。
試乗車は、N-BOX「G」。下から2つ目のグレードでターボ無し、ミッションはCVT、車重はカタログ値950kg。
車両価格127万円。2015年式で現在までの走行距離は約2000kmと、ちょうど最も美味しいところ。
クルマのキャラクターを考え、日常的な道に絞って試乗。時間が許す限り、様々な日常走行をシミュレートしながらドライブ。乗員は女性スタッフを含む最大3名です。
相対的な比較対象には以前試乗したタント、デイズルークス/EKスペース、その他N-oneやダイハツ、スズキの各種軽自動車。スペーシアには未試乗です。
こういうハイト系ってドライバーはつまらない??
いいえN-BOXは違います。
運転している感覚強いし、ステアフィールは神経質な部分もあるほどクイック感が強調されています。
ハンドルを回す感触だって気持ち良いレベル。車内ユーティリティだけでなく、ドライバーが良いと思える点がいくつもあるんです。
キャラクターは立派さを感じやすいタイプ。それでいて市街地の快適性もバッチリ。大げさでなく60km/h以下ならフィットより快適。試乗すればすぐに、売れてるのもなるほどと思いました。
立派と相反するのは気軽さ、と仮定しキャラクターを表してみます(2016年)。
日産/三菱 > ダイハツ > スズキ > ホンダ
左ほど気軽に”ちょっとそこまで”というタイプが多く、右ほど軽自動車ばなれした”上級車感覚”を持つ車種が多い印象。
N-BOXは気楽というより立派。でもN-oneより日常的。同じ「Nシリーズ」でもN-oneは1番右。プレミアムな軽を目指したというけれど、逆に軽自動車の得意とすべき部分にクエスチョンマーク。
N-BOXはクルマを運転している感覚が強く運転席はアタリ席。乗り心地も悪くない。エンジン掛ける瞬間から重さがあるけれどその分、走り出しちゃえば高評価な部分がたくさん。
内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
広いだけじゃない?軽自動車No1を記録するN-BOXの魅力と長所短所など。
軽自動車であるからエンジン排気量は横並びの660cc。試乗車はターボ無しのN-BOXで車重950kg。
誰だって厳しいんじゃないと思ってしまうこの条件で、N-BOXのパワー感は予想外に高かった!
アクセル全開にすれば予想通りの加速力。普通に遅い。
しかし中間領域では力強さと落ち着きが上手くミックス。エンジンが力強いのかもしれないし、ミッション含むセッティングが凄いのかもしれない。
ゆったりとした特性のCVTなのに、グイっと加速できる印象。キビキビした変速ではないのに効率よく力強さを引き出している印象。
手元にあるミラココアやムーブと比較すると、こっちはシュンシュン回転上げてキビキビ感を演出。その分飛び出し感あるし慌ただしい。N-BOXはもっとジェントル。アクセル反応もゆったりしている。
また手元にある三菱アイ(4AT)。4AT世代の軽自動車と比較すれば、N-BOXはパワフルに感じられる。速いクルマがお好きでなければ、動力性能に心配はいらないんじゃないかな。
N-BOXの大きな特徴のひとつが、落ち着いたアクセル感覚。
軽自動車の例に漏れずスロットル特性は早開き。
なんだけど、踏み始めにタメがあって、ジワッと加速力が立ち上がる。
”ガツン”と意図しない加速力が掛かることがないから非常に安心してアクセルを踏める。不要な神経も使わない。
ドライバーによっては反応悪いと感じるかもしれないが、クルマの特徴を考えればこれは長所。遅れてドカンと来るわけじゃないから。空ぶかしすればレスポンス悪い。でも乗りやすいという事実の方が重要でしょう。
体に伝わる振動の少なさ。これにも驚いた。もうね、手放しで褒めたいレベル。軽自動車だけでなくコンパクトカーまで含めて全然良い!
筆者(ヒラリー)は軽くハンドルに触れるように運転するんだけど、すると振動が気になるクルマだと手がしびれる感じになる。
結果、強く握ったりになっちゃって、クルマの動きがわかりにくいし、疲れるし、すぐに運転したくなくなる。
エンジン振動のシャットアウトはハンドリングなどとトレードオフもあるわけで、事情があるのかもしれないけれど、何よりまず!このレベルの低振動を望みます。
ミッションはCVT。一口にCVTと言っても、メーカーなり車種なりで非常に大きな差がでる部分。味付け・セッティングという部分で様々なタイプがある。
クルマとマッチしていなければ乗りづらいと感じるし、ドライバーの好みもあるだろう。クルマ全体の印象が変わってくる大きな部分。
N-BOXのCVTは穏やかに変速するタイプでホンダらしいフィーリング。
ゆっくりジワッと踏み込んでいった時はゆっくり変速し、素早く踏み込んだ時もそんなにスパッとは回転を上げない。
踏み込む速度に合わせてという感覚が好ましい。
またDレンジで走行していれば、低い回転数から加速しようとする。そこでドライバーが”もっとパワーが必要”と、右足に力を入れ始めると、パワー不足を感じる前に回転を上げてくれる。
ここが有段ミッションだと、パワー不足のままアクセル開度が大きくなるか、ギヤを1段下げるか、という選択肢になるわけど、N-BOXのCVTはそこがうまーくセッティングされていて、絶妙なマイルド感で、不足も唐突も感じさせずに加速できる。
N-oneではもっさり感が強いと感じたCVTも、クルマが変われば全然印象が異なる。全体でのマッチングってやっぱり需要と再確認。
欠点も無いワケじゃなくて、やはりモッサリしているのは確か。もっとキビキビという方も多いだろう。
筆者も1瞬を争う場面では瞬発力が欲しいと思う。そんな時って、Lレンジに下げてる時間はない。
それからアクセルOFF時のレスポンスの悪さ。軽自動車の3気筒エンジンてどれもレスポンス悪く、やっぱりもっさり。なので特別悪いわけじゃない。
日常からアクセル開度が大きくなりがちな小排気量車では、特に空走感を感じやすい。
アクセルoffにしたら少しだけ、クルマからの意思表示が欲しい。ワインディング走るなら左足ブレーキ当てるなんてのも有りだけどね。
CVTの「穏やか」という点について、N-ONEのページでは変速が遅いと表現させて頂きました。これがクルマとのマッチングから受ける印象の違い。
N-ONEのサスはなんでカチカチなんだろう?同じ特徴もクルマ全体のバランスで使う言葉は自然に変わるモノ。行間を読むという事でご容赦ください。
試乗中に約100km、燃費を意識して走行してみた。
走行パターンは夜間21時〜0時。信号あるが流れの良い道をメインに、アップダウンがある道も一部含む走行。
ドライバー2名が往路を半々で走行。
結果は「99.7km走行の区間で燃費はメーター読み17.6km/L」。まずまずという結果になった。
他車では燃費スペシャルなミライース、だいたい同じ道で20km/Lオーバーが表示された。この時は20km/Lを越えた時点で燃費重視運転をやめたので条件は異なるが、およそ2割ほどの違いがありそう。
またこの後、コンビニで30分くらい撮影や休憩していたら(ヒーターON、ACはOFF)、表示はあっという間に15km/L台に悪化。排気量小さいからといってアイドリングもバカに出来ず。
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N-BOX
JF1 - S07A 660cc 2011年〜
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国産車バッテリー
エンジン質感 | |
普通の軽自動車用エンジンだが音質は耳障りじゃなくマイルド。 |
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駆動系質感 | |
ゆったり&もっさり系、でもクルマとのマッチングはいい感じ。 |
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足回りの質感 | |
フロントサス、軽自動車全般でレベル高い。 |
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内装の質感 | |
N-oneなどの方がまとめ方が上手いかな。 |
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外装の質感 | |
でかく見えるはそれだけで一つの魅力。 |
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快適性 | |
ちょっとうるさいけど、立派感高い。 |
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シートの良さ | |
弾力あってシットリもしてて、相変わらずハイレベル。 |
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お買い得度 | |
買うならぜひ欲しい電動スライドドア。そこが惜しい。 |
センタークラスターの小物入れ、ゴムっぽい素材のマットが敷かれる。
中央の白いリング部分は走行中、白〜緑に変化。
ドアミラーの操作などは一般的なタイプ。迷うことはない。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。