評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。「N-BOX(2015年式)」。
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ホンダ「N-BOX(エヌボックス)」「型式:JF1」の試乗レポート。
広いのは当然!なので試乗時にチェックしたいポイントと、フロントセクションの質感などを取り上げます。
インパネ周辺の質感は今一つ。パネル表面のシボは浅く、ハンドルやシフトノブはデブっちく、細部の造形はアクが強い。
同じホンダのN-WGNがスマートにまとまり、N-ONEがレトロな遊びゴコロを表現しているのを見ると、N-BOXはやはりチープかつ物足りないと思ってしまう。見た目で受ける印象は一昔前の軽自動車という感じ。
それ以外ではこの内装色は良いと思う。ジジババくさい代表格のベージュ、ホンダのベージュって特にヒドイの多いよね。でもN-BOXは絶妙でおしゃれ感の高い色調のベージュ。
上の画像で、オレンジの差し色をした画像をご覧下さい。感じ良いでしょ??
写真では赤みがかったり青みがかったり色調が変わるので、よろしければ試してみて下さい。
フロントシート、こちらも(色を除き)やはり見た目の印象は悪い。ノッペリしてて質感なんて全く感じさせてくれない。
ところがこのシート、座ると良い!
もちろんフカフカじゃないんだけど、シットリしてるっていうのかな、沈む部分と弾力ある部分が両方感じられる。
シート表皮を剥がしてみたくなるほど、中のクッション材が気になる。走行すれば微振動の振動吸収性はけっこう高いと感じます。
サイズ的には小さめで、特に座面の前後長は短い。これは欠点ではなく特徴。主要ターゲットが女性だからと予想。小柄な女性でも足の圧迫感が少ないだろう作り。
デイズ及びデイズルークスのシートと、ウェイクのシート。
(画像左)軽自動車ではデイズ及びデイズルークスのシートが柔らかくゴージャス感高い。
(画像右)サイズではウェイクのシートが大きい。座面も背もたれも女性にはキツイんじゃない?と思えるほど男性向けサイズだった。
エアコン操作部のボタン、押し心地がよい!軽くてストロークがあって、各ボタンの押し心地もムラが少ない。ここは2500ccクラスと比較しても上等でしょう。
気持ち良くて何度も押したくなっちゃうかもしれないよ。
最近増えてる静電式のタッチスイッチと比較すれば、やはり機械式スイッチの操作性は高い。
ただ手探りで押せる工夫は今一つ。
上級車では様々な工夫がされているし、軽自動車ではものすごく大きなボタンが採用されている場合もある。こうした車種では慣れてしまえばほとんど手元を見なくても操作出来るからね。
例えばトヨタのマークXジオ、エアコンの操作性が工夫されていて、実際の使用感も良好です。
N-BOXといえば誰でも広いのが当たり前だと思う。
有名なセンタータンクレイアウトを採用という事で、実際に見なくても”広いクルマ”というイメージがあるだろう。
しかしこのN-BOXに限らず、センタータンクとアピールされる車種はだいたい、助手席足下が狭い。シートを1番後ろに下げても、思ったより下がらないんだよね。
N-BOXの助手席ではシートを最も後ろに下げた状態で、男性が足を目一杯伸ばせるだけのスペースはない。さらに右足はセンタークラスター下部が邪魔をする。
確認のため手元のミラココアを見てきたら、もっと広かった。普通に足を伸ばせる。
またN-BOXのBピラーはかなり前寄りに付いている。リアドアの開口部広さという点では良いのだろうが、これもフロントシートを狭くする要因。
なぜかと言えば、少し体格の良い男性だと、ピラーに肩があたる。体型の良いスタッフはこれをかなり苦痛に感じていた。
※2代目N-BOXでは、フロントシートのスペースが改善されたそうです。
内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
リアシートのスペースや使い勝手について。
前後方向の広さは説明の必要もありませんね。イメージ通りの広さです。誇張無く足を組んで座ることが出来る。誰だって狭い家より広い家が好きなわけで、広いは快適性の大きなポイントですね。
N-BOXのリアシートはこの手の軽自動車の中でも特に広く感じられるからポイント高い。
身長172cmのスタッフがドラポジを取り、助手席もその位置に合わせた状態で、50cmの定規が余裕を持って置ける。
アルファードなどと同様に、可能ならオットマンまで欲しくなるほどの広さで、車内狭いクルマではひっくり返ってもマネ出来ない快適さがある。
軽自動車なら横方向の広さは一緒、がデフォだけど、実は工夫により違いがある。
写真にあるサイドのカップホルダー、ここに肘を置くことになるんだけど、見た目ほどスペースがあるわけじゃない。
位置、形状、ダメ。軽自動車として普通に横幅狭く、腕のやり場に困る。
タントやウェイクだとこの部分でN-BOXより優れていて、同様にカップホルダー兼ヒジ掛けなんだけど、腕を置けるスペースが相当に用意されている。タント比較でここはN-BOXの致命的な弱点。
タントやウェイクだとこんな感じ。
ドリンクホルダーを使っているとココに腕を置けないんだけど、逆にありがたみがわかる。
N-BOXのリアシート弱点は上記に加え、スライド機構がないことが上げられる(一部を除く)。
※モデル途中から上位グレード限定でオプション設定。
左の写真はN-BOXのスライド機構付きシート(メーカーHPより)。
シートが前に出せないと困る事もある。1人乗車なら前席から手荷物を取るのはまず不可能。お子様居れば近い方が安心だし、ドア開口部にシート脇が来ないと、乗せたり降ろしたりも一手間多くなる。複数人で乗車すれば、距離+静粛性の問題から会話が辛い時も。
上記他、スライド機構が装備されるタントの方が、様々な状況に対応出来るだろう。
N-BOXのリアサスはゴツゴツ&バタバタ。だけどシートの衝撃吸収性が良く、お尻に伝わるゴツゴツは軽減される。
問題になるのはカップホルダー部に置いた腕に伝わる振動と、足下のフロア。ここはダイレクト。サスペンションの動きがそのままといった感じ。
N-BOXより柔らかなタントの方が、こうした差は少ない。加えて”助手席足下”に広さがあるから、そっちを選択する手もある。
リアシート優先のN-BOXの場合、妥協とガマンで乗り切るしかない。ほんのちょっとでも、前席にスペース回してくれればまた違ったと思う。
もうひとつ、Bピラーが極端に前寄り。スライドドア開口部を重視したんでしょう。前席乗員の肩位置にBピラーが来る。だから、ドアノブ位置の関係でスライドドアを締めるのがけっこうキツイ。”電動が基本”という設計かも。
N-BOXの左側Aピラーには、珍しいサブミラーが付いている。サイズがかなり小さいので、写す場所がしっかり理解できていないと運転中の判断には使えず。ということでちょっと試してみた。
画像左。サブミラーはこれ。どこを写すているかの説明もある。ただ小さすぎてイマイチわからず。
画像右。下のミラーが写す場所はここ。左側のフロントタイヤから前方。
タネアカシはこちら。
画像左。ドアミラーの前側にもミラーが付いていて、ここに写っている風景を室内のサブミラーで見るカタチ。理屈がわかれば直感的に理解しやすいと思う。
画像右。サブミラーを撮影。実際に上の光景がサブミラーに写っているところ。小さい上にかなり広角で歪んでいる。離れたドライバーズシートから確認できるのは試乗中、縁石に寄せる時の縁石くらいだった。
N-BOX(NA)の中間加速力を計ってみました。条件はオトナ2名乗車。体感上平坦で無風な道路。
計測条件は2人乗車。ガソリン残量はメーターで満タン近く。タイヤ空気圧未チェック。
アクセルのパーシャル領域では上手くパワー感を出しているN-BOX。しかし全開時の加速力は普通に軽自動車。
※速度はメーター読み。軽自動車なので小型車以上とは計測速度が異なります。
試乗中、リアタイヤの空気圧が高いんじゃないの?と気になることがあった。荷物積むこと考えれば仕方ないし、積まないならオーナーが調整しちゃえばいい。
確認したかったんだけど、基準にしている愛用の空気圧ゲージが手元にない。
ちょっと調べてみた。そしたら新車時装着タイヤでの指定空気圧は、サイズ別に大きな違いがあるらしい。
リアタイヤ指定空気圧、13インチタイヤ:2.4キロ、15インチタイヤ:1.8キロということ(単位kgf/p2)。
これなら15インチの方が乗り心地は良いだろう。タイヤの質どうこうという前に、空気圧による変化は大きい。転がり抵抗も乗り心地も、また最大グリップ力も。
13インチは燃費重視の指定値と予想。これはタイヤ変えたら目安程度の指定値。規格により異なる部分もあって絶対じゃない。イコール、興味あったら微調整してみるのも面白いんじゃないかな。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
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評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。