間違いいっぱいの自動車選び。ウェイク・2017年式「L SA2」。
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ダイハツ・ウェイク(LA700S)。グレード「L SA2」の試乗レポートです。
軽自動車の親分的存在がこのウェイク。人気のハイト軽ワゴンの中でも特に背が高く、また大きく見せる直線的ボディデザインにより強調されるサイズ感。
そして上級志向の走行感覚も含め、まさに親分。
親分でありつつカジュアルな魅力。カーキやグリーンというボディカラーをアピールし、骨太な道具を連想させるボディデザインは軍用ルック。そんな世界観はさりげなくハスラーにも通じる部分。
特に高いボディ全高は、無駄と思えるほどの高さ。この”無駄”もまた遊び感覚には必要な要素だろうから、道具的な面からも内容的な面からも、趣味性を感じさせてくれる。
ハスラーより実用的でありながら、もしかしたらハスラー以上に遊び感覚の強い軽自動車かもしれないね。
試乗したのは2017年式ウェイク。グレードは「L・SA2」。中間のグレードで、エンジンはターボ無しのNAエンジン。
車両価格は155万円。
最もベーシックな「D」グレードからみれば、価格は20万円上昇し、両側スライドドアやスマートキー、アルミホイールが標準装備。
LEDやディスチャージなど明るいヘッドライトや、走行感覚に繋がる本革巻きステアリングは省かれる。
試乗したウェイクのオドメーターが示す走行距離は約3000km。サスペンションなど馴染んできてもっとも美味しいところでしょう。
ボディサイズは3395×1475×1835mm。車重1000kg。
今回は都合から複数回にわけ、大人1名乗車と大人2名乗車で試乗しました。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。ボディ全高も乗り味も、そして価格も、ハイト軽ワゴンの親分的存在なのが特徴と思います。
先立って述べたウェイクの、ある種の無駄から連想させる遊び感覚の強さ。
何も背が高いのが特徴ではなくて、この無駄こそウェイクの特徴だと思う。
そして背の高さだけじゃなく、価格も立派だし走行感覚も立派。立派という文字を無駄に置き換えても間違いじゃないだろう。そんな軽自動車がウェイク。高級軽自動車ってことね。
乗り味は上級車志向。中でもハンドルを回す感触はコンパクトカーに近づく方向性。
軽自動車らしい気楽さは少ない反面、落ち着いた走行フィールに安っぽさはない。曲がる時の挙動だってタントより安心感高い(タントの方が全高低い)。
ウェイクとタントで乗り心地の評価を比較すれば、ウェイクが勝る。
なので走りやすさも乗り心地もウェイクの勝ち。ウェイクはタント以上の高級軽自動車として、頑張って仕上げられたんじゃないかな。見た目じゃわからないものです。
ネガティブなのは動力性能の弱さ。非力だからこそガサツな面が目立つ。故にターボ付きエンジンが欲しくなる。するとご予算は200万円コースに。
ココまで必要か?答えは販売台数が語る。売れてるのはタントだから、多くのユーザーはここまで必要としていない。
タントならターボ無しでもという事なら価格差はデカイ。しかしタントでもカスタム系ターボを選択すれば、ウェイクとの価格差は大きくない。
食わず嫌いだったらもったいないと思いました。
エンジンは「KF型」と呼ばれる、ダイハツ軽自動車で一般的なエンジン。
ムーブやタントなど同世代他車と同じエンジンで、ボディ重量が増したといってもウェイクだけ特別ということはない。交通の流れを考えれば非力と評価するユーザーも多いだろうと想像。
軽自動車の親分みたいなウェイクで、最も厳しい部分はこの、加速力と加速中の質感の悪さ。ここは親分らしくない。以下、試乗感はNAエンジン(ターボ無し)のウェイク。
ウェイクの車重(カタログ値)は1000kg。軽量なムーブと比較すれば200kg近く重く、重量級と言われるタントと比較しても60kgほど重い。ムーブなら4人乗車、タントなら2人乗車という感覚だね。
乗車人数が増えると加速力は変わるのか?これはエンジンが小さいクルマほど違いがわかりやすい=軽自動車は違いを感じやすい。
アクセルペダルを踏み込む量が大きくなったり、全開時の加速力も落ちる。そしてそれは、停止からの発進時に目立つ。
ウェイクを運転して感じるのは、停止から40km/h辺りの非力さ。ストップ&ゴーが繰り返される市街地の幹線道路などが苦手で、周囲に合わせての加速はちょっと大変。
余裕がないから気が抜けず。どれくらい余裕がないかといえば、アクセルペダルを5割ほど踏んでの加速では、後ろに迷惑と感じるくらい。
実際の運転中は、停止からクルマが動き始めたらアクセル全開近く、40km/hに達する辺りでアクセルを緩めるような乗り方になった。
非力といっても、巡航レベルまで速度が上がってしまえば普通に走る。再加速ならそこまで困らなかった。
この傾向はウェイクに2名乗車しても一緒。だから勢い良くストップ&ゴーが繰り返されるような道を走行しなければ、実用上の問題は大きくないと思える。
近所の渋滞とか、マイペースで走れる田舎道とか、そうした場所なら不満は小さいんじゃないのかな。
ライバル車と比較した場合には、ウェイクの絶対的な”加速力”というより”加速感”の悪さが目立つ。
後述するCVTのセッティングや、着座位置が高い関係からの速度感の低さ。そんなところから”クルマが重いね”と感じやすい。
ウェイクに限ったことじゃないんだけど、ダイハツのエンジンは特にガラガラとした音が目立つ。
また軽自動車全般で振動が目立つわけで、質感という言葉で評価すれば低くなる。
ウェイクは特にアクセルを大きく開けての加速頻度が高いから、この質感の低さが目立ってしまう。
エンジンに頑張ってと負荷を掛けているのにクルマが進まなければ、不快な部分が目立つというわけ。ウェイクが特別、振動が多かったりするわけではないです。
CVT(ミッション)がどんな変速プログラムがされているかによって、同じエンジンでも加速感は異なってくる。
ウェイクの場合は、非常におっとりしたラグジュアリーな変速プラス、速度上昇に合わせて回転を上昇していくタイプ。
ダイハツのCVTといえば、適度に回転上昇を優先させ、変速しながら加速していくようなイメージ。
だったけど、ウェイクのCVTはごく低い回転数から盛り上がりなく加速していくように感じられる。有段ミッションに例えれば2速固定で発進していく感じ。
セッティングか、加速力が低いからか、いづれにしてもエンジン回転上昇と合わせて速度が上がっていく感じは好ましい。
一方でこうしたセッティングは加速力悪く感じられるのも事実。ウェイクの出だしは”重い”。CVTのメリットを活かすにしても、効率よく加速できる領域をどんどん使ってくれる方がきっと良い。
こんな感じでウェイクのCVTはなかなかに上級志向。エンジン回転数が頻繁に上下しない方だし、CVTに起因するであろうノイズも、目立つ場面は多くない。
試乗中、素早い変速に不快感を感じることもなかった。加速力が求められない場所で使用するなら、良さを十分感じられると思う。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」
エンジンがクルマの印象に与える影響は大きく、軽自動車の場合はターボの有無で質感は大きく異なる。
速さだけではなく質感という部分でも、ターボ付きエンジンにはメリット有り。
ターボが付くと低回転の領域で大きくパワーアップ。セッティングの違いもあってこれが、余裕とか質感高い走りに繋がる。使用する回転数低く元々の静粛性も高い。
こと軽自動車においては、強い加速のためではなく高い質感のためにターボ付きエンジンを選択するのも全然ありだと思う。
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ウェイク
LA700S - KF 660cc 2014年〜
確認中
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国産車バッテリー
エンジン質感 | |
負荷が高い部分を多用せざるをえなく、それによりガサツな質感が目立つ。 |
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駆動系質感 | |
CVTは今風なセッティングで乗りやすい。ただもう少し加速重視に振って欲しい。 |
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足回り質感 | |
快適な部分がある反面、ガチャガチャ感とタイヤのザラザラが目立つ。 |
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内装質感 | |
意外と使いにくいデザインと、乗り心地が犠牲にされたリアシート。 |
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外装の質感 | |
質感というよりホビー的な感覚強く、ボリューム感が優先的。 |
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快適性 | |
状態の良い路面では納得の快適性。ただリアシートは苦しい。 |
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お買い得度 | |
高価だが納得できる部分が多い。 |
給油口を開けるレバーはペダルの上辺り。ボンネットを開けるレバーはペダルの右側。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。