評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。ダイハツMove(ムーブ)LA150の試乗レポート。
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ムーブはとってもフレンドリーで気軽。良くも悪くも従来からの軽自動車らしい走行感覚が気楽な一台です。
試乗車は2014年12月デビューで2015年から発売の150系ムーブ。軽自動車全般で「価格が上がったけど質感も上がった」という時代背景と、高級軽自動車が人気の中でデビューしたクルマです。
試乗車は2015年式ムーブ、L・SA。ミッションはCVT。
SAとは「スマートアシスト」の略(通称スマアシ)でお値段120万円。
内容的にほぼベースグレードで、お得感高いグレード。使用期間は3ヶ月で新車に近い状態です。
このムーブを最大、男女4人乗車でチェック。
市街地だけでなくアップダウンの強い山道を走ったり、テンション高く会話しながらのドライブなど、通勤利用以外の環境をシミュレートしてみました。
オーナーは仕事でワゴンRスティングレーも運転するという25歳の女性。
走りやすさなどアベレージドライバーによる生の声も盛り込んで、単純かつ理由のハッキリした評価レポートを目指します。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
軽自動車の上級シフト。ムーブも年々、高級高額に。そんなムーブのボディデザインを見て感じる事、ハイパーありきだね。この一言。
軽自動車のいわゆるカスタム系って、無理にごつくアクも強く。ってわけですが、このムーブでアクが強いのは寧ろベースグレードの方。
前後左右と大きめのパネルで見れば見るほど、ハイパーの為のボディデザインって感じです。
高級グレードをメインに据えてきた、そんな印象を受けます。
これで内容チープだったら魅力は全くなし!
そして大事なのはライバル比較。運転または同乗した感想は、従来の軽自動車らしさが最も色濃く残る。これが長所であって短所でもあるんじゃないかなと思います。
写りの良くないこの写真を見ると、インパネの印象はごくごく平凡。そんなに悪くはない、そんな評価しか頭に浮かびません。
でも実車もしくは特徴をうまく捉えた写真を見ると、印象は全然違います。
思った以上に細部の起伏が強く、それがアクの強さを感じさせます。つまり全く平凡というわけじゃありません。ダイハツらしいアクを持ったデザインです。
試乗車「L」など安価なグレードでは、明るめな色合いをした内装色で親しみやすい印象。でもこのアクは各部が装飾させる上位グレード、「カスタム・ハイパー」の方がしっくりまとまって見えます。
外装はもとより内装を見ても、今回のムーブはハイパーありきかな?
メインはどっちだ?なんて疑問が頭から離れません。
リアシートの居住性、前後方向が十分以上に広いのはもう当たり前だけど、座りやすさも改善されてきているように思います。
リアシートに座った際、乗員のドア側が狭く、腕が不快とか置き場に困るという点は、少しずつ改善されています。
4人乗車の際、男性なら腕を組んでしまえば、自身の右側も左側も、腕が不快と感じる事はかなり減ってきているみたいです。
女性だったら真ん中にバッグを置いちゃう。
そしたらけっこう、プライベートな空間構築が可能です。
軽自動車の横幅は広がることはありませんから、ドア内張の工夫やシート形状が最適化されてきているのでしょう。
しかしまだまだ満足できる座りやすさはありません。前後方向の広さだけなら先代ムーブだって広かったわけです。今後はリアシート座りやすさをもっと詰めていって欲しいものです。
現状で考えると同じダイハツのタントやウェイクでは、最も自然に腕を置ける場所が確保されています。
ちょうど良い位置にドリンクホルダーがあって、内張がくぼんでる。そこに腕を置くというか逃がすというか、うまく考えられています。
ムーブの乗り心地を単純に固いか柔らかいかで表せば、4人乗車でちょうどいいと感じる固さ。つまり想像より固めでした。
他の軽自動車と比較すれば、固さはちょうど中間くらい。
どこが固いといえばリアサス。ゴツゴツとドタバタがどちらも目立つ、よくあるタイプ。
昔はフロントが滑らかならリアは気にならないと思っていたけれど、ボディ剛性感の向上などによって、リアサスの安っぽさがドライバーに伝わりやすくなったと思います。
フロントサスペンションの質感は合格点。フロントは良し、リアはイマイチ。タントなどでも感じるこれがダイハツ的な乗り味ということでしょう。
ドコが良くてドコがダメかと考えてみれば、まずサスペンションダンパー、フロントサスの方が動きが良いです。
それからシート座面、やはりフロントシートの方が振動を減衰しています。
そうはいっても、同じダイハツ内でタントとの比較でいえばムーブは、コーナーリング時含めタントより質感高いです。
タントが落第点でもムーブは合格点!
タントはね、サスペンションの固いターボエンジンのグレードに試乗するとわかりやすいんだけど、路面が荒れているとクルマ全体のブルブルがとても目立ちます。
タントより上級なウェイクだと、重厚感あり立派な乗り味になります。ウェイクは硬めだけど高級志向の乗り味です。
ムーブで最も快適な場所は助手席。次いで運転席。運転席は快適なドラポジが取れない点で疲れます(軽自動車全般で一緒)。座りやすさより車内スペース優先の設計みたいです。
リアシートは左右とも厳しい乗り味。ミライースのリアシートと大差ありません。
正確にはミライースほどペカペカなシート座面ではなく、シートバックもしっかりしていますが、すぐにお尻が痛くなるのは一緒!
ムーブとミライースのリアシートに乗る度に思うこと、お尻が痛い!しかも30分足らずで痛くなる。広さはあるといってもやっぱりエマージェンシー。デイズのリアシートが恋しくなります(デイズもより良いのはフロントシート)。
そんなムーブのリアシートも、静粛性だけはライバル車より高かったりしますから、静粛性の高さは長所。だけどチンプンカンプンだよね、乗り心地悪くてお尻も痛くなって、でも静かだよってw
ムーブ指名買いなら気にする場所じゃない。でも他車と比較しているなら気になるポイントが、ウインカーレバーの操作感覚。国産車ではまだ少ない方式が採用されています。
どんな感じかと言えば、操作後すぐに、レバーが自動的に中央に戻る。で、ウインカーが点灯を続ける。意図して止める時はレバーを反対側に動かします。
ちょっと動かした際は3回点滅する機能付き。
新しい仕組みになり、操作感が変わること自体は別に良いと思うし、それが新鮮だったりもします。
また、電子ブザーによるウインカー作動音は、従来より質感アップ。
つまりそういうことです。新しい操作感は別のクルマにして欲しいし、どうせやるなら従来より進化して下さい。そして、ムーブのお客様の手の大きさを考えて下さい。
同じようなポイントで長所となってるのは、エアコン操作部。地味だけど単純明快。おじいちゃんでもおばあちゃんでも簡単に操作出来そう。
もちろんこれをチープだと思えばハイパーを選択すればOK!
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ムーブ
LA150S - KF-VE 660cc 2015年〜
確認中
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国産車バッテリー
エンジン質感 | |
ダイハツらしい音。パワー感はある。 |
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駆動系質感 | |
CVTによる不快感が少ない。 |
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足回り質感 | |
フロントはOK。走りやすいです。一方でわずかにリアサスがねー。 |
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内装質感 | |
無骨すぎ。ハイパー向け。 |
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外装の質感 | |
ハイパーありきでデザインされたような。 |
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快適性 | |
昔ながらの感触で、肩肘張らずに乗れる。 |
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お買い得度 | |
ライバル車より安っぽい。けど走りやすいのがダイハツ流なのかな。 |
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。