評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」、日産デイズ(2019y)「ハイウェイスター」の試乗レポート。
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試乗内容は限定的。第一印象を重視した表現をしています。
思う魅力は高いドライバビリティ!日産主導で開発されたという2代目デイズの試乗レポートです。
日産主導で開発されたという2代目デイズ。今度こそ正真正銘の「日産の軽自動車」と思えるクルマ。あちこち新設計らしく、質感という評価では2世代くらいレベルアップしています。
今度のデイズは、エンジンもミッションも車体もブランニューということで、全てが新しいクルマ。試乗した感覚でもしっかり新しい世代が感じられ、今までの軽自動車とはちょっと違うなと、明確な進化をいっぱい味わえます。
試乗したのは2019年式・日産デイズ。グレードは「ハイウェイスターX」。型式は「B44W」でノンターボのCVTモデル。車両価格は147万円です。
そんなデイズの、ディーラー試乗車に試乗しました。
おろしたてで、サスペンションは多少ギスギスも感じられる状態。ちょっと惜しい状態のクルマに30分ほどの試乗です。
型式は「4」から始まるのが今回のデイズ。調べた限りだとB43、B44、B45、B46、B47、B48と6種。とても多いです。
ベーシック系、アシスト用バッテリーを搭載するハイウェイスター系、ターボ付きにそれぞれ、FFと4WDと考えられます。
快適性が高く、走行フィールも丁寧に仕上げられたと思えるデイズ。受ける印象は、コンパクトクラス以上の上質感。
軽自動車の延長線というより、ジャンルを飛び出して”別格”の上級軽自動車とまで感じてしまう。2019年春の時点でね。
他車を見れば、上級感では王様的なウェイクやN-BOX、コーナーでの走りやすさではムーブ、ハイレベルな軽快感ではアルトと、優れた長所を持つモデルがある。
そんな中でデイズは重厚感と軽快感のバランスが高く、そして非常に洗練されたドライバビリティの持ち主。
ここに、上級車と同じように仕上げられたのだろうという印象を受ける。
「インテリジェンスなんとか搭載」などと付加機能がアピールされるけど、筆者が思う魅力はもっと基本的な走りやすさ。クルマとしても最も重要な部分です。
ハンドルもアクセルもブレーキも、さらにはCVTだってドライバーのことを考えてくれているであろう味付け・調整。限られた試乗だったけどその中で、不満を感じたのはわずか。素晴らしいです。
価格は試乗したグレード「ハイウェイスターX」で147万円。プラス、高級オプションが多数用意される。
率直にいって高い!
営業曰く、スライドドア車の予算が必要らしい(ベーシックな「X」だと133万円)。
ただデイズでは、ベーシック系でもカスタム系でも選びやすいという特徴。正確に言えば「ベーシック系でも立派!」
他車のカスタムと比較できそうだし、ハイウェイスターとの比較では、フォグランプ有無が目立つくらい。実車見るとそう思えます。
こだわりなければベーシック系だって積極的に選べる。ハイウェイスター商法で1時代を築いた日産だけど...これは良心的です。
エンジンもミッションも新型。エンジンは型式「SM21」。SとMは2人で1セット。たいへん素晴らしいネーミングに感服です。
聞けばルノーのエンジンをベースにスケールダウンとしたというユニット。ミッションはジャトコの新型CVTを搭載とのこと。
ルノー製エンジンがベースと聞くと、相当立派なエンジンを想像するかもしれない(筆者は試乗後に知った)。
試乗しての印象は、始動から加速中の音が滑らかで、車内に伝わってくる振動も少なめ、たしかに立派です。
ただしものすごく立派かというとそんな事はなくて、少し立派。基本は3気筒の軽自動車用だから、ガラガラしたノイズが目立つのは変わらず、例えばダイハツ車と比較すれば少しマイルドでスッキリしているイメージ。
ノイズに関する立派感は、数回の加速減速を繰り返してるうちに、ルノーなんて言葉は忘れてしまう程度。
それでも振動の少なさという点では終始質感高く、エンジンではなく車体構造など含め、従来からすると軽自動車らしさが薄い。クルマが新しいからというのも影響している可能性も。
特性は超フラットトルク。常用域で力強さを感じる半面、全開加速力では遅さを感じる。
きっちりレッドゾーンまで使ってくれるけど、回す意味がないように感じられる。
スロットル特性はアラを感じず、思っただけ加速したり減速したり、ドライバビリティは素晴らしい。余計な神経使わずに滑らか走行でき、脳も右足もラク。
上級車みたいに煮詰められたスロットル特性に飛び出し感なく、重ったるさもなく、まさに絶妙。軽自動車では苦手な一定の加速などがほんとに簡単。狭い道や駐車場でもラクラク。
メカニズム的な質感でも、変速プログラムの味付けという面でも、新世代っぽさを感じさせてくれるCVT。今までとは異なるフィーリングが味わえる。
メカニズム的に良い部分は2つ。すばやく変速する時、ダルさを感じさせないのにショックが気にならない。それから、ミッションからのノイズが気にならない。快適です。
続いてフィーリング。CVTのキャラクターは速度に合わせて上下するタイプ。それが極端なほど速度にリンクし、CVTらしさを感じるのは3000回転以下くらいと思える。
CVTの弱点としてよく言われるのは、ドライバビリティの悪さ。デイズではそれの改善を狙ったようなフィーリング。CVTの効率高い加速という長所を減らし、加減速しにくいという短所も減らしている様子。
排気量が限られる軽自動車にこれが向いているかという部分ではちょっと疑問。ただ、ゆっくり運転がメインの方には好ましい味付けだと思う。
デイズで全開加速を試すと、アララこんなもの?ちょっと物足りない。そんな印象を受けた。ので、試乗後に理由を考えてみた。
1番目は、2000ccエンジンを搭載する高級車をご想像下さい。パワーにも余裕があるように思えるんだけど、実は違ったというあれです。
2番目は、ゆっくり走り出し3000回転から全開。時速80km弱まで速度と同じように回転が上がる。キックダウンのように変速はしない。これはアクセルOn-Offを繰り返す時は望ましいものの、何秒も全開キープだと「加速しない」というイメージが強い。
3番目は、加速力に盛り上がりは感じられない。体感的にね。2番目の特性により、低回転〜高回転までMTやステップATのようにエンジンを味わえ、レッドゾーンまで回ってくれるんだけど、軽自動車においては逆効果の可能性。
ちなみにその後は、時速80km弱でステップATのようにシフトアップし、またレッドゾーンに向かって回転が上がっていく。
ここまで必要?なんて思えるほど立派なデイズ。質感高く価格も高いんだけど、自動車として基本的な部分が一級品。
「思いどおりに走らせやすい」という部分が非常にハイレベル。コンパクトクラスを超え、まるでミドルクラスのよう。
アクセル、ブレーキ、ハンドル、急な部分がなくて余計な神経を使わない。ゆっくり丁寧な走行ならば、軽自動車を感じずラクだし、狭い路地や駐車場でもこの長所は活きる。なにより思い通りに走れれば無駄な緊張をせず、安全だし運転楽しい。
快適性はほどほどで良いと思う反面、この運転しやすさは軽自動車にも望みたいレベル。丁寧に調整されたと感じる味付けは、運転が不慣れな方でも運転しやすいと感じられるはず。
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デイズ
B44W - SM21 660cc 2019年〜
確認中
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国産車バッテリー
加速時の質感 | |
急な部分がなく運転しやすいアクセル特性。加速性能は気になる。 |
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足回りの質感 | |
前後共に動きやすいサスペンション。ステアフィールも良好。 |
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内装の質感 | |
実用性も重視されつつ、上品なまとまり。ただ、チープさが目立つ装飾も気になる。 |
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外装の質感 | |
ベーシック系でも立派だから積極的に選べる。 |
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快適性 | |
ドライバーもパッセンジャーも満足できるであろう快適性。 |
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お買い得度 | |
立派!だけど普通に買うと高価になる設定。上級志向のスイングドア車。 |
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。