間違いいっぱいの自動車選び。ウェイク・2017年式「L SA2」。
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ダイハツ・ウェイク(LA700S)。グレード「L SA2」の試乗レポートです。
ウェイクに乗って驚くのは今風な乗り心地。その見た目から想像も出来ない、柔らかく動く部分を持つサスペンション。舗装の良い道だけ走行していれば、柔らかい足回りだと感じるかもしれない。
動き出しがソフトで、その後はグッと硬くなる。立派なサスペンションと比べればちょっと極端なんだけど、最近マイナーチェンジされたトヨタ・アクアなども同じ方向性。
もちろんアクアほどの乗り心地が味わえるわけじゃないんだけど、軽自動車に限定して比較すればかなり立派。背が高いというハンディより、ボディ重量からの重厚感というメリットが頭に浮かぶ。
軽自動車ってサスペンションの動きが良いのは当たり前になっている。上下方向の乗り心地はだいたい良好。ただ左右に揺すられて不快なのもけっこう当たり前。
ウェイクの場合は左右への揺すられ感も小さい。タントやムーブなどダイハツ車全般で快適な部分。
タントと比較すれば助手席側Bピラーレスという特徴はないんだけど、その分タントは乗り心地を犠牲にしているだろうと思ってしまう。ウェイクの方が良質だ。
タントだってデビュー時は「クルマの割に凄い!」と思ったし、実際に同世代のミラ系より上質に走れた。
見た目が大きく変わらない軽自動車でも中身は年々進化している。壊れなくても乗り換えたくなるほどの進歩は、十分な乗り換え理由になるんじゃないかな。
荒れた路面や段差での衝撃を除けば、車内の静粛性もまずまず高い。加速中も回転数の低いところを使いたがるCVTによって前からのノイズは小さめだし、リアから回り込んでくるようなノイズだって、ハッチ周辺からのノイズが小さい。
同様にリアからのノイズがレベル高くシャットアウトされるタントと比較すれば、ウェイクのほうが多少響くように感じられた。
同じかそれ以上に対策して仕上げているんだろうけど、車内空間の差による共鳴やボディパネルの大きさによる透過音か。
キレイな路面や小さな段差で柔らかな乗り心地とくれば、続くのはそれ以外の場面で感じる乗り心地の悪さ。良い部分があれば逆に、悪い部分に敏感になるわけだけど、ウェイクはこのギャップがなかなか凄い。
特に気になるのがザラザラした路面で、続いてデコボコした路面。デコボコした路面での衝撃はウェイクがキツイといっても、ウェイクだけじゃない。他車でも多いです。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。ボディ全高も乗り味も、そして価格も、ハイト軽ワゴンの親分的存在なのが特徴に思います。
ステアフィールとかハンドリングとか、コーナーリングフィールと呼ばれる部分の評価。ウェイクはこれに乗り心地を含めたバランスがとても良い。
筆者が考えるウェイク最大の魅力はこのバランスの良さ。方向性も上級車ライクで、だからこそ軽自動車の親分的存在と思える。
具体的には、ハンドルの回し心地は現時点での軽自動車離れしていて、コンパクトカーに迫る質感。中立付近の手応えや反応、小舵角時の補陀力で経自動車っぽさが緩和されている。
大きく切り込んだ際の感触は軽自動車のそれだけど、優先してほしいのはこの舵角の小さい部分。走行中に占める時間的割合の大きな部分だから、ここが立派になってきているのが嬉しい。
実はターボエンジンを搭載したタントでも同じような方向性を感じたのだけど(2016年式タントカスタム・ターボRS)、同時に違和感も目立った。
ウェイクのパワステは上手く調整されたようで、タントより違和感少なく質感を表現。
ステアフィールと乗り心地など他車と簡単に比較。お相手はダイハツの中でも強いライバルと思われるタント(ベーシック&ターボ)、編集部スタッフが所有するミラココア。
このウェイクはタントのNAモデルとターボモデルの中間的味付けで、しかも乗り心地とハンドリングの総合レベルは高い。筆者が最も好みなのはウェイク。
未試乗のターボモデルもこのままだったらいいんだけど、どうかな。
ミラココアはこの4台で最も安っぽく総合点は低い。ただ加速は最も軽快で軽自動車らしい軽快感と気軽に扱えるという部分で優れている。道具としては意外に重要な部分。
ラフでイージーな気軽さという軽自動車らしい方向で、走りやすいのは日産デイズルークス。
ウェイクより”自然”という評価もできる。あちこち長所だらけのN-BOXはハンドリングに関しては安っぽさが目立つ。ウェイクが今風なコンパクトカーを目指したとすると、N-BOXは昔のコンパクトカーを目指したような感じ。
コンパクトクラスに近いレベルを感じさせるステアフィールは、現在の軽自動車ではかなり立派。
ドライバーの微調整とか動作速度のコントロールとか、大雑把に回せる部分は少ない。
だからこそ、手にチカラを入れずに操作できるできるハンドルが欲しいんだけど、残念ながらハンドルグリップ面は従来ながら。
本革巻きステアリングでなくてもいいから、シボが改良されたタイプを望みます。
なお、単純なステアリングの回し心地は、ホンダのNシリーズが優れます。
信号待ちなど停止中にボディが揺れる。そしてこれが、着座位置高いウェイクだと感じやすい。
ちょっと前のミニバンでは、ワイパー動かすとボディが小刻みに揺れることも珍しくなかったわけだけど、ウェイクも同じようにというかそれ以上に揺れる。
乗員が車内で背伸びしたり腰クネらしたり、もしくは助手席の彼女にちょっかい出そうとすれば、体感するのは震度2くらいのグラグラ(笑)
もしかしたらクルマ酔いしやすい方にはちょっと厳しいかもしれない。ディーラー行けば展示車でもチェックできるから比べてみて下さい。
軽自動車の全長と全幅は、規格で定められた最大値になるのが一般的だから、基本どれも横並び。
ムーブだってウェイクだって全長3395mm全幅1475mmで一緒。
ウェイクが大きいのは全高。端的に言ってムーブより20cm高く、タントより8cm高い。ウェイクは全長全幅が同じで、さらにホイールベースまで同じ(2455mm)。
それでいてパッと見でわかるだけ全高が高い。さらには乗員の着座位置だって高く、これは揺すられやすさに直結。そんなウェイクは素人が普通に考えただけでも、大変不利な要素ばかりなのは想像できる。
でもこんなウェイクがもっと背の低いミラ系よりも走りやすく仕上げられているのにはビックリ。ウェイクの方が機敏かつ落ち着きあって不安感少ない。
どう見てもバランス悪そうなウェイクだからして、技術者の素晴らしい気合いと努力で仕上げられたのかもしれない。なので、見た目やイメージで判断したら、ちょっとウェイクが可愛そう。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」
タントと比較して、天井が高くて頭上に余裕があるウェイクだけど、シート位置も高くなっていた。簡単に言えば、椅子の位置が高いです。
高い位置に座るということは、乗員が揺れやすいというデメリットがある一方、メリットはいろいろ思い浮かぶ。
具体的には視界の良さや低い速度感というミニバンでおなじみの部分。アップライトに座れば足元スペースにも余裕ができるだろう。
そしてウェイクの場合には、他の軽自動車より大きなクルマを運転している感じがものすごく味わえる。
信号待ちで隣にタントやN-BOXが止まると、小さく見えるというかなんというか。ほとんど同じクルマと思っていたら、けっこう違う感覚でした。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。