自動車の比較と評価・ホンダ

2016年記事 ホンダ
 & 桃花

N-BOX試乗レビュー「2」
走行フィール

評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。「N-BOX(2015年式)」

当ページは2ページ目です。

「運転感覚と快適性(乗り心地/静粛性)」

ホンダ
  • グレード:“G Lパッケージ”
  • 型式:JF1
  • 年式:2015年式
  • 車両価格:127万円
  • デビュー年:2011年
N-BOXダッシュボードN-BOX内装・運転席

試乗:ドライビング感覚

N-BOXのドライバーズシートはハズレクジじゃない!
市街地ペースに限ればだけど、軽自動車では珍しく、運転している感覚が強くて楽しいし苦痛じゃない。

同じホンダでもバモスとは全然違うし、ライバルのタントとも違う。比較すればこれは、N-BOXの大きな長所。

※次の世代のタントは、NAモデルもターボモデルもハンドリングが魅力的です。

ハンドリング感覚

ハンドルハンドルを握るとまず、クイックなステアリングギヤ比なんだろう、と感じる。ホンダ車で多い、少しハンドル回しただけでタイヤが大きく切れる感覚。

そしてやはり軽自動車だから、着座位置やサスジオメトリーなどから来る敏感さがあって、全体としてはちょっと過敏

ハンドルの回し心地は軽い。微低速時ではこの軽さと上記のような反応が合わさり、試乗スタッフは”軽いというよりスムーズ”と表現したい印象を受ける。
軽くて反応無いは本当に安っぽいからね。

もっさりしてそうで、そうでもない

N-BOXのディメンションから想像できるのは、ハンドル操作しても反応遅いモッサリ感。 実際にそうした部分もあるんだけど、上記2つの感じが上手く合わさって、舵角の小さな領域では反応良し

それから切ったハンドルを戻す時、完璧じゃないけどここも乗用車に近い。普通に中立に戻る感覚がけっこうある。具体的には舵角45度以上の時なら、概ね不満のないフィールを返してくれる。
ダイハツとか三菱とか軽トラックみたいだったりするでしょ、それより全然良い。

丁寧な操作が必要なタイプ

これら合わせると「軽いけど立派な回し心地。だけどちょっと丁寧に操作してね!」となる。

軽自動車の運転になれていると、ラフな操作が身についているかもしれない。それだとピョコピョコしてしまう可能性。N-BOXはもっとクルマと対話しながら走ると面白い。

実際に曲がる感覚

フロントタイヤ以前、同世代のムーブを”フロントの質感が高い”と評価させて頂いた。でこのN-BOXも、フロントサスの質感高さは同じように高い。

柔らかすぎないけど初期に動いてくれるんだよね。かといってデイズのようにグラグラ感が強いわけでもない。

時速60km以下限定なら、全然走りやすい

時速60km以下に限定すれば、ハンドルの切りやすさは十分=走りやすい

着座位置の高さから揺すられる時は揺すられるけど、背が低いムーブに近い走りやすさがあるんだから、N-BOXは立派でしょう!ハイレベルなムーブに近いんだよ!こっちの方が良いってなるわけだ。

基本的に同じクルマと思われるN-oneと比較しても、N-oneはサス固すぎでこの走りやすさはない。持てる質感をちょっと無理しちゃってるんじゃない?

コンパクトカークラスと勝負できる部分もある

コンパクトカーと比較すれば、チマタで評価の高いデミオ・ディーゼル、確かにペース良く走れるけど走りにくい。

ハンドル回し初めは神経使う。ここに関してはデミオの方が偉いなんて事はないよ。N-BOXに足向けては寝られませんw

同世代同系統の軽自動車で比較した場合、当HPスタッフがハンドル切るのが好ましいと考えるのが、日産デイズルークス。詳細はリンク先の試乗レポートページでぜひ。

気になった点は三つ

ハンドルを中立に戻す時は特に、ラフな操作を受け付けてくれない。同乗者が居る時はゆっくりと戻せる走行ラインを考えて、丁寧にどうぞ。

大きく切ると”敏感に反応してくれる時と反応が無くなる時”があって、どんな時にどうなのかわかならかった。タイヤ空気圧が高い設定という可能性?

質の良いフロントサス。一方でリアのショックアブソーバーは今一つ

フロントがスルッとゆっくり動く出すのに対して、リアは2テンポ遅れてグラッとくる。本当は1テンポ遅れるくらいならベストだけど、乗り心地など他が重視されてるでしょうから不満ないです。

直進安定性

シャシードライバーが無意識にクルマが真っ直ぐ走る性能が直進安定性。N-BOXのそれは「単体でちょい悪」、「総合で並」と評価したい。

どういうことかといえば、ハンドルを握る手からソッと力を抜いてる状態、この状態での直進性は低い。

しかし、微調整しやすいステアリング中立付近、自車位置が掴みやすい車両感覚の良さ、さらにボディの絶対的な小ささにより、試乗中困るような事はなかった。

今後もっと進化してくれることだろうけど、N-BOXなら現状でもそれなりに十分。

平均速度が高い場合はちょっと不安

メーター読み65km/hを越えた辺りで、ステアフィールに変化を感じ始める。少し反応が悪くなって、80km/hでは明確にステアレスポンスが悪くなる

これは少し大きいクルマだと例えばノア/ヴォクシー、時速110km辺りで感じられる。だから高速道路を制限速度で走っていれば問題なし。
N-BOXだとハイペースな通勤とかドライバーによっては”やっぱり軽”と感じるかもしれない。

 


内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
広いだけじゃない?軽自動車No1を記録するN-BOXの魅力と長所短所など。

試乗:快適性(乗り心地)

N-BOXは変に無理してないから市街地での乗り心地が好印象。これも売れてる理由じゃないのかな。

具体的にはタントより固めのサスペンションなのに、細かなボコボコはN-BOXの方が得意。この領域で優れたシートも効いてる。だから普通の道でよくある、多くの場面が得意な場面になる。

フロントサスが良好な乗り心地

リアタイヤフロントシートに座っている時、減速を促す小さな段差とか細かなザラザラは滑らかにクリア。

フロントサスはショックアブソーバーの質やセッティングの良さを感じさせてくれる。

ガツンと衝撃が来るような段差や、舗装を剥がした工事中の路面では柔らかなタントの方がマイルドだけど、基本的に出会う場面は少ないワケだから、好ましいのはN-BOXとなる。タントのフロントサスも全然立派なんだけどね。

またN-BOXもタントもそうだけど、フロントシートに座ると妙にリアサスのゴツゴツを感じることになる。リアが渋い!となるわけだ。

実際には荷物満載した時も考えられてるわけで、仕方ない部分もあるのだろうが、極端にリアサスが軽視されているのはちょっとした不満

リアシートの乗り心地は悪い?

実際にリアシートに座ると、乗り心地は想像ほど悪くない。

ゴツゴツしてるのに伝わってくる衝撃は小さめ。やはりここでもシート座面の良さが効いている。N-BOXの”シート”はリアシートまで印象が良い

だから足下のフロアと、肘を置く部分、ここには衝撃が伝わる。また後述するが肘を置ける部分はボディ側にえぐれたタントが快適。N-BOXは普通の作りで、横幅の狭さを強く感じる。

試乗:快適性(静粛性)

N-BOX内装フロントシート

N-BOXの静粛性を評価させて頂くと、大きいのはフロントからの静粛性の高さ

エンジンノイズは静か、またはマイルド

乗用するエンジン回転数が高い軽自動車では、機関からのノイズが最も気になるノイズ。ここが静か、またはマイルドに仕上げられているN-BOXは上手い

まるでホンダのクルマじゃないみたいw

リアやフロアからの音は特筆すべき部分がない。評価は普通。リアシートに座るとやっぱりうるさい。加えて前席までの距離が遠いから、会話は元気よくw 前席の人は気を遣って、大きな声で話してあげて下さい。

カウルトップ裏側リアホイールハウス

画像左。エンジンルームから見たカウルトップの裏側。オマケ程度というには立派すぎる遮音材が張られている。

画像右。リアホイールハウス内の内側。全体は金属だが一部に樹脂カバーが付いている。ここを跳ね上げた雨水が当たる場所と仮定すると、雨の日のスプラッシュノイズ低減を狙ったモノと予想。

競合車と比較

ダイハツと比較すればエンジンノイズがマイルド!ダイハツはエンジンノイズがガラガラとチープだからね。

それからスズキと比較すれば低ギヤでの唸り音がマイルド。アクセル全開にすれば一緒だけど、Lレンジで唸りにくいという面もある。
また日産/三菱と比較してもやはりマイルド。デイズルークスのエンジンは耳障りで疲れるノイズを発する。

N-BOXの運転席とドラポジ

ドライビングポジションはよいポジションが取れない

試乗した男性2、女性1のスタッフ計3名がみな、”疲れる”とか”違和感”などを口にした。

ハンドルこれはN-BOXだけじゃなくて多くの軽自動車で同じ傾向。スペース効率優先でワリを食ってるのがドライバーの運転姿勢かなと。現状、仕方なしと思うしかない。

実際に運転席に座ればすぐにわかるんだけど、「足から合わせるとハンドルが遠い」、「手から合わせると足がキツイ」となる。

どちらも微調整を難しくしたり、緊急時の操作などもワンテンポ遅れて後手後手になってしまう可能性。

ポジションを完璧に調整するならシートバックを起こすことになるけど、極端に変な姿勢となる。前屈み過ぎて笑ってしまうw これじゃブレーキ操作で体重乗っちゃうよ。
ハンドル回すのに必要なチカラは軽いから、手を遠目に取るのが普通かな。

クルマの特長に合ったアームレスト

センターアームレスト

写真のアームレストは軟質。一手間掛かってていいね!

なお、ジュースは入らなくて、体をホールドするのに使いにくく、ハンドル切る時に邪魔になる効果もある。

単純に助手席との仕切りって感じだね。あと、渋滞中にメイク直し、コスメグッズ置くのにちょうど良かったり。

運転席からの視界

走行中、左右のピラーが邪魔になる事は最小限。交差点でも普通のコーナーでも、これくらいイージーに斜め先が見通せれば文句なし。

Aピラー左Aピラー右

着座位置からするとインパネ全体はかなり低く、身長160cmの女性ドライバーでもシートリフターは一番下で大丈夫だった。

包まれ感はない反面、複数のドライバーが場合にも高さ変えなくていいから便利。

バックミラーの位置が特徴的

またフロントウインドーは大きく感じる。バックミラーはほとんど視界から避けられ、気持ち良い視界。その分、意識しないとバックミラーは確認出来ず

フロントウインドー1フロントウインドー2

画像左:大ざっぱだけど単純に前を向いてる時の視界。
画像右:意識してバックミラーを見ようとするとこんな感じ。

無意識に、もしくは頻繁にバックミラーを確認するドライバーには不都合。面倒で後ろを確認する頻度は減ってしまう。バックミラーはタントでも避けられていたがココまでではないイメージ。

個人的にはイキオイというか決断というか、やるならやっちゃおうというN-BOXの姿勢に魅力

ブレーキとアイドリングストップ

ブレーキは軽くマイルドな効き心地。
ドラポジ的にどうしても足がきつめになっちゃうんだけど、それに合っているというか、もしかしたら偶然なのか、はたまた個体差か?ダルな部分が逆にナイス!

ブレーキ性能・制動力

ペダル

思いスーパーハイト系だからといって、ブレーキが厳しいなんてことはないです。

リアシートで60km/hからの強いブレーキを味わえば、体が持っていかれて踏ん張るの大変。足下に転がりたくなるw

フロントシート遠いからアシストグリップ常時握りっぱなし?シートベルトを装着したい。

アイドリングストップ

アイドリングストップはクルマが停止する前にエンジンストップするタイプ

これにより、停止直前のブレーキフィールに変化が出る。わずかだけど動力切れるわけだからね。

すると微妙にブレーキ抜いて停止するのが難しく、気を抜くと停止直前にエンジン始動してしまうw 燃費重視ならガツンと停止した方がいいかも。

再始動はやや時間掛かった。早いといわれるマツダ車と比較し、体感的にキュルという音1回分程、遅い感じ。
それから今回、エコモードOFFでは1度もアイドリングストップしなかったのもご報告。

N-boxメーター(昼)N-boxメーター(夜間)

大きいけど役不足なサンシェード

バックミラー

サンシェード、大きなタイプだけどちょっと役不足

他車では2段階に伸ばせるタイプもあるけど、N-BOXのこれは普通に下ろすだけ。

身長高いドライバーでもバックミラーの後ろは大きな穴。こうしたクルマこそ、ここにサンシェードが欲しい。「意味ないだろw」ってクルマほどココにサンシェードあったりするからね。

ホンダ N-BOX

本田技研

N-BOX

  • 試乗グレード:“G”
  • ミッション:CVT
  • 年式:2015y
  • 車両型式:JF1
  • 新車価格:127万円
試乗レポ・ライター

「桃花」「ヒラリー男爵」がお届けします
桃花ヒラリー男爵

系列サービスです!

法人、個人事業主の「ETCカード」。複数枚契約が可能。
セディナなど法人ETCカード

系列サービスです!

「自動車保険一括見積り」の比較。見積もりはメールか郵送で安心。
保険一括見積りサービスの比較サイト

 
ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー






試乗や比較が難しい中古車も、より具体的なレビューでぜひ!
自分の言葉で!研ぎ澄ました感性で!

違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。

特徴を明確に!写真もできる限り!

評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。

開設22年!最新が最良です 転載はご遠慮ください
総合サイトマップ / 間違いいっぱいの自動車選び / 運営会社