評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。ソリオ(2012年式・Gリミテッド)の試乗レポート。
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スズキ・ソリオ(MA15S)の試乗レポートです。
軽自動車プラスちょっとのボディサイズで、想像しがたいほど広い室内空間の持ち主。そんな特徴を持つソリオの試乗レポートです。
スズキのワゴンRの兄貴分的存在がこのソリオ。以前はワゴンRの名を使っていましたが、先代からネーミング的に独立。今回はプラットフォームも別になったといわれます。
ワゴンRの印象を強く持つソリオは、軽自動車とコンパクトカーの中間的なボディサイズで、広い車内スペースを特長とするクルマ。
ボディ全長は3710mm、エンジン排気量は全グレードで1200cc、ミッションはCVT。
ボディサイズと車内空間のバランスは、現時点では驚異的なレベル。スペース効率の高さは最高クラスです。後席ドアは両側スライドドアという特長も持ち、左側は電動スライドドアが標準装備。
ソリオなら小さいクルマだって狭いのはイヤ、便利でラクな移動手段が欲しいという希望に応えてくれます。
試乗車は平成25年式のソリオ・Gリミテッド。オドメーターが示す総走行距離は8000km。
Gリミテッドは特別仕様車で、ベースグレードの「G」にエアロ風フロントバンパー、サイドステップ、専用シート表皮などが追加されています。
「車内が広い」のがソリオ最大の長所。ボディサイズ全長は「全長3710mm」で、これは標準的なコンパクトカーと比較すれば約20cmほど短く、同世代のスイフトと比較すれば14cmほど短い数値。とにかくショートな訳です。
しかし室内スペースは異なります。スイフトが四畳半個室だとすればソリオは10畳リビング。窮屈さはありません。
ソリオのボディサイズ横幅は「全幅1620mm」。
標準的なコンパクトカーと比較しておよそ8cm狭い。でも横方向の狭さは感じさせません。
車内は前後のウォークスルーが実用的に利用できるし、リアシートでも幅の狭さが気になるのは最小限。外側が窮屈なフィットより印象イイくらい。
全長3710mm、全幅1620mmというボディサイズは、軽自動車以上コンパクト未満。内容的にも軽自動車以上コンパクト未満というまさに絶妙なポジショニング。
車両価格は138万円〜となっていて、ベースグレードを狙えばワゴンRやパレットなど軽自動車と比較できる価格。割高感も感じにくい価格だと思います。
そんな138万円の価格で、軽自動車とは別格といえる走行感覚。だって手に入ります。
逆に主流のコンパクトカーからみれば、お得感では劣るけど、そこは電動スライドドアの魅力でカバー。
本当はスイフト並みの走行質感なら最高だけど、これでも納得。パレットのお客さんを取っちゃうだけの魅力は十分!試乗してどんな感じかは以下じっくりと。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
試乗ということでドアを開け、車内を覗きつつ乗り込んでみる。わかりやすい良さを持ったクルマだと、この時点でおお!と、心がときめく。
しかしソリオにそんなときめきはない。普通に軽ハイトワゴンの延長線上といった感じ。
これは質感が低いといってる訳じゃない。よく見れば全然立派。素材感がイイ!
インパネ周辺の内装パネルには、どこもシボ(模様)が付いている。梨地部分はハザードスイッチくらいとかわずかな部分。造形デザインは多少なりとも立体感が表現され、ノッペリ感をそこまで感じない。
メインメーターはワゴンRなどでお馴染みのタイプ。立派です。メーターは軽自動車からしてリッチ過ぎます。
走行中の見切りを考えると、大きくそして角度が立ったフロントウインドは運転のしやすさが想像出来るし、着座位置も考えれば速度感低くゆったりした走行感覚が想像出来る。
こういったクルマ、気軽に運転出来て好ましいと思います。どっちがセカンドカー?状態になるかも。神経使うクルマって出番少なくなりがち。
そんな良さがある分、着座位置とインパネの関係は一般的な感覚と異なる。例えばメーターやエアコン操作部への視線移動が大きめ。試乗時にはチェックをぜひ!視界や速度感、リアシートについての話題は後述。
ソリオの車重はベースグレードで1000kg。ミニバンルックな外見から想像するより軽量と感じますが如何です? エンジン排気量は1200ccでミッションはCVT。
ソリオは着座位置が高く、フロントガラスが大きい。そして車内の静粛性もスイフトより重視されている印象で、速度感が弱い。つまり実際の速度より遅く感じやすいクルマ。ゆったり感強く、加速感は低い。
速度メーターをチェックしながら加速減速してみれば、パワーに余裕がなく回転数変化が慌ただしい。どれくらいかといえば軽ターボくらいの感覚。
ソリオの車重1000kgというのは、一般的なコンパクトカーと同レベル。それを考えるともうちょっと元気に走って欲しいところ。またCVTのキャラクターは燃費重視な変速特性と思えるもので、走行中からの再加速も穏やかでパワー感はない。
エンジンのフィーリングで長所は、電子制御スロットルの欠点が気になりにくい点。
アクセル操作に対する反応が良好。それからタコメーターのレスポンスが良く、小さな動きにも反応。
これが実際以上に気持ち良いエンジンを演出してくれる。
例えばフィット1500ccなど良いエンジンといわれるクルマが、動きの鈍いタコメーターで損をしている事が多くある。
それから、特に車外で聞こえるエンジンノイズがマイルドな点も長所。夜間に走行される方には重要なポイントでしょう。ソリオならご近所さんフレンドリー。
エンジンのフィーリングで欠点は、低回転トルクが予想以上に小さく感じる点。有効トルクは2500回転あたりから。CVTがトルクの薄い領域を使おうとするから気になる。
ソリオの「K12B」というエンジンが悪いのか、CVTの特長なのか、他車1300ccとの差を感じられるのが残念。
追記:K12Cというエンジンは、レスポンスがもっと良く感じられます。
ソリオのミッションはCVTという無段階変速機。
CVTってどんなモノ?といえば、実際には200段変速とか超細かいステップで変速するミッションらしい。超多段だからドライバーの感覚的に無段階。
CVTの特徴は超多段化によるワイドレンジを始め、エンジンパワーが有効に使え変速ショックも小さい。欠点としての特長にはドライバビリティの悪さが挙げられる。ソリオもこの特徴をだいたいそのまま持っている。
まずワイドレンジ。低速からの加速で力強さはそのままに、高速巡航中のエンジン回転数を下げる事ができる。
ソリオの巡航エンジン回転数は低く、市街地では1200回転巡航などを可能に。排気量からすればギリギリの低回転だというのが想像出来る。燃費と静粛性に貢献。
次に変速ショック。ソリオでは昔の4ATみたいに「ガコン!」というショックはない(良く出来たトヨタのCVTと比較すれば「コックン」という感触はどこからか)。
そしてドライバビリティ。速度上昇とエンジン回転数の上昇がリンクせず、アクセルペダル開度ともリンクしないため、踏み込む量、速度、回転数に神経を使う。
ソリオでは停止からの日常加速は、速度と回転数がリンクして上昇。トルク感ないけどドライバビリティはイイ。
巡航中からの軽い加速では、第一段階で回転数が上がり、第二段階で加速を始める。回転上昇と体感する加速感に差が生じるから、加速不良とか加速しすぎといった事が起きる。
アクセル全開にすれば5000回転〜6000回転をキープして最大加速。エンジンパワーは生かせるけど気持ち良くはない。
CVTの味付け(プログラム)はモデルによっていろいろ。試乗時に気にならなければ後は慣れちゃうから大丈夫だと思う。試乗時に気になったら、もう一回試乗して見た方がいいと思います。
ソリオのCVT、前進モードは計4つ。この「G」というグレードにホールドモードはなし。「D」と「L」それぞれでSモードに移行できる。スイッチはシフトレバーの親指部分。
クネクネが続く道とアップダウンがある道で「Dレンジ一般」以外のモードを試してみた。今回は短時間だけね。以下、簡単に走りやすさをチェック。
結果、筆者ヒラリーが走りやすかったのはLレンジ。有効トルクを発生するエンジン回転数をキープしようとしてくれ、回転数の変化も穏やか。
逆に走りにくかったのはSモード。変速スピードが上がっているようだけど、アクセル緩めた際の挙動が唐突すぎて気持ち良くない。試乗中余裕があったら試してみてね。
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ソリオ
MA15S - K12B 1200cc 2011年〜
46B24L
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国産車バッテリー
エンジン質感 | |
タコメーターのレスポンスがいい。これだって重要な部分。 |
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駆動系質感 | |
CVT、たまにイヤな感触が出る。 |
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足回りの質感 | |
F普通、Rダメダメ。平均すれば星2つ。 |
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内装の質感 | |
梨地ではなく、目に付く多くの部分がシボ加工されている。 |
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外装の質感 | |
背が高いと立派に見えちゃう。 |
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快適性 | |
静粛性やや良、乗り心地普通、揺すられ感強い。 |
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お買い得度 | |
ベースグレード限定で、軽自動車よりお得感高いと思う。 |
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。