評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。ソリオ(2012年式・Gリミテッド)の試乗レポート。
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スズキ・ソリオ(MA15S)の試乗レポートです。
軽自動車プラスちょっとのボディサイズで、想像しがたいほど広い室内空間の持ち主。そんな特徴を持つソリオの試乗レポートです。
ソリオの乗り心地は、前は柔らかくて後ろは固め。
ドライバーは4輪の感触を感じやすいものですが、一般的に助手席の乗り心地はフロントサスペンションの影響を大きく受け、リアシートの乗り心地はリアサスペンションの影響を受けると思います。
言い換えると、ソリオの助手席に座っていれば、ゆったりかつ良質な乗り心地を味わえる。軽自動車より圧倒的に優れた静粛性と合わせ、別世界を感じる事が出来ちゃう。
出費が増えたけどソリオにして良かったと、嬉しくなると思います。
質感「普通」という評価は、柔らかければ基本的にアラが出にくい。柔らかければとりあえずクッション柔らかく感じる。
だから余り気にすることはないんだけど、柔らかい割に路面の細かなボコボコで車体が振動し、荒れた路面では微振動が多く伝わってくる。
理想をいえばこの辺りが厳しく、ダンパーの滑らかさや乗り心地に対するボディやサス剛性感が不足しているような印象を受ける。軽自動車からのレベルアップなら全く問題なしで、上級車からのダウンサイジングでは気になりそうなポイント。
リアシートでの乗り味などは後述。体型がフィットすれば座りやすく快適です。
ドライバーもパッセンジャーも感じる快適性のひとつに、速度感がある。クルマによって体感する速度が違ったりしない?
ソリオは着座位置が高く、フロントウインドーが大きく、さらにワイドレンジなCVT、その他要因によって、体感速度が低く感じられる。
例えば時速60kmで走行していても50kmで走行しているような。
だからゆったり感があって、不思議と乗り心地よく感じたりもする。ドライバーの精神的余裕だって変わってくるから、より丁寧な運転も可能に。
速く感じる自動車、遅く感じる自動車、中古車含めればどちらも選択肢いっぱい。とりあえず、気がついたら速度で過ぎてたって状況にはご注意をどうぞ。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
交差点やコーナーでハンドルを切れば、ダルい感覚を受ける。一昔前のミニバンに良くあった、ステアしてからワンテンポ遅れるハンドリング。あの感覚だ。
でもこれ、決して悪い事じゃなくて、ダルさは柔らかなフロントサスペションに合ってる。ステアフィールは、クルマに合ったダルさがないと疲れちゃう。何も俊敏レスポンスだけが高評価という訳じゃない。
柔らかめのサスペンションにはダルめのハンドリング。ゆったり市街地走行とか幼稚園の送迎とか、これはとっても良いモノです。
気を付ける必要があるのは、相当に先読みしてハンドルを切り始める必要があるということ。少しでも切り始めるのが遅れれば、曲がりきるまで不快な感触が離れない。最後まで神経使った修正舵を強いられる。実際の所、ガシガシとハンドル切れるクルマの方がラクな場面も多々ある。
こういったバランスについて、もう一つ、一緒に考えたい部分がある。それは、ハンドルを回す重さ。
ソリオはここに、声を大にして苦言を付けたい。
ソリオのハンドルは重い。上で述べた部分のバランスは良いのに、この重さで損しちゃってる。普通ならここも合わせて、バランス良く仕上げるモデルが多い。
ソリオはハンドル重くセッティングすることで安定感や高級感を出そうとしているならちょっと軽薄。そんなクルマと評価せざるを得なくなる。
実際以上にハンドル重く感じる要因の一つに、ステアリング表面が滑りやすいというのがある。重くて滑りやすければ、無意識に強く握ってしまう。
すると、ハンドルに伝わる情報が感じられなくなって反応がワンテンポ遅れ、次に実際のハンドル操作もワンテンポ遅れてる。つまりツーテンポ遅れるわけだから、なめらかな運転は難しくなる。
最近は滑りにくい革とか、ディンプル加工とか、引っかかりを付けたりするのが増えてきた。ソリオの上級グレードは未試乗だから、そっちは同価格帯ライバル車と引けを取らないハンドルに期待。
もし同系統だったら...したら試乗は軍手必須w もしくは彼女のつば付けて運転。あっ、これ良いね!楽しそうwww
軽自動車のハンドルを握ると、「無反応地帯」を感じる。ごくごく普通に交差点を曲がっても、特にハンドルを戻す時、一定に戻しても反応が無くなる領域を感じる。
進していても、路面のうねりによるフラツキを修正した時、無反応な感覚を受ける。「修正中だよ〜」って情報を与えてくれず、寂しいことこの上ない。
ホンダのNシリーズではこうした部分は良くできているけど、足が硬い。軽自動車にツアラーってグレードを作っちゃうほどだから。
こんな部分、ソリオは全然良くできてる。ソリオを試乗中に普通の運転で無反応地帯を強く感じる事はなかった。お金が掛かっているのかもしれないし、軽自動車より横幅広いのも要因の一つかな。
次にハンドルを回す感触。高級感を感じやすい部分だけど、ここは軽自動車と大差ない。タイヤサイズが近いからというのが想像できる。
ソリオはCMやイメージキャラクターに若い俳優を起用し、若者向けの自動車ということをアピール。
ということは、ハイペースで走るシチュエーションも想像出来る。地方の通勤時間帯はけっこうなペースで流れていたりするしね。
ちょっと気持ち良いペースで走ってみる。実用性最優先なのは百も承知。便利なクルマというのを大前提にしつつ、いつも通りに評価させて頂きます。
最近の軽自動車でもそうだけど、丁寧に一定ペースで走るだけなら、ペースが良くてもなんてことない。普通に走ってくれる。
こうした走り方で他車と比較してみると、主流コンパクトの中でもスペース重視系では、日産ノートはソリオよりラクに走れ、ホンダフィットはソリオより走りにくいクセを感じる。筆者ヒラリー、自分の中でソリオは中間。
こんな場合はどうだろう。楽しく走る事は2の次3の次といった自動車だから、クネクネ道やアップダウンが続く道を試乗しても楽しいという感じは薄い。コーナーに向かって全開にして、強くブレーキ掛けてコーナー進入なんて走り方をしたい場合は他のモデルを選択した方が賢明。希望的な期待は清くバッサリどうぞ。
ちょっと強めにブレーキを掛ければ、急に大きくノーズダイブ。ディメンションの問題なのかショックアブソーバーが渋いのか?気分的に萎えちゃう。
ハンドルを切ってからヨー(曲がろうとするチカラ)を感じるまではゆっくり2ステップ。少しハンドル切って中立に戻せば、ブッシュあたりが変形するだけ。もう少しハンドル切って戻せば、サスが伸縮して戻るだけ。ここではクルマはほぼ直進。この先でクルマが曲がろうとし始める。先読み運転必須です。
クルマの動きを無視して素早いステア裁きを試す。例えばS字の切り返し。フロントに対して固めの印象を持つリアサスは、思ったより追従してくれてゾクッと危険を感じるほどじゃない。ただ、伸び上がるし強烈に揺すられるから、ドライバーも同乗者も不快。
やっぱりコーナーを読み間違えたり、緊急回避だったりという場面は極限まで減らしたい。アブナイというよりモーレツに不快だからね。先読み能力を強化しないと、同乗者は一発で酔っちゃう。
最後にちょっと取り上げたい部分。
ごく低速だけど、わざとアクセル踏んでアンダーステアを出してみると、同じ動作をしている間、フロントタイヤから同じようにスキール音が出てくれた。接地感が安定しているともとれるし、とりあえず不安感がない。
快適性に直結する静粛性の評価。
いえ、静粛性は試乗するシチュエーションや人間の体調、乗車人数、タイヤのコンディションによって大きく変わるから、評価なんて偉そうなもんではありません。
静粛性についてはいろいろ走った後、できるだけ夜間の静かな市街地などで、感じたことを見つめ直します。
そうして出したソリオの静粛性評価。意外と静粛性高いんじゃない?
最初は信じられなかったりも。何しろスイフトより静かに感じる。
スイフトといえば正当派の質感も考えられたコンパクトカー。
調子に乗って他車とも比較してみれば、フィットとはノイズの伝わる音質こそ異なれど、ソリオの方が不快感が少ない。
3代目フィットは欧州車的な高級感を感じさせる音質のノイズだけど、低周波のコモリ音で不快度MAX。
またエンジンノイズもそれなりに抑えられていて、かつ、ヴィッツよりマイルドな音質だし、ノートほどボヘボヘと不快な音じゃない。
そんな感じのソリオの静粛性、こうして考えればやっぱりレベル高い!高速での風切り音は気になるレベルだけど、市街地でフロントシートに座っていればロードノイズでノイローゼにはならないと思います。静粛性低くてノイローゼになりそうなクルマ、けっこうあるよね。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。