評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。試乗レポートは日産ノートです。
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日産ノート・2代目E12型(1200cc/NAモデル)です。
意外にも!?日本のコンパクトカーはどれも、ならではの特徴を持っていると思います。
もっとも、何かしら特徴がなければ軽自動車で充分になっちゃっいますからね、話題性も乗り味も大事なポイントなわけです。
10数年前にはカローラクラスの顧客を頂いちゃったコンパクトカークラス、今度は軽自動車からのディフェンスが至上命題。ポイントは内容+コスト面の魅力でしょうか。
ノートはしっかり武器を持ってデビューしました。
2代目になった日産ノートは、燃費向上にスーパーチャージャーを搭載したのが大きな特徴。燃費重視系ターボとか呼ばれる欧州車的なアプローチ。エンジンはNAと過給器付きの2本立てです。
先代ノートからはボディサイズを拡大し、ベンチマーク的存在のフィットと同程度の室内空間を確保。
広ければ売れるといわれるこのクラスでこれは、大きな武器。ボディサイズも全長4100mmとロングです。
試乗したのは日産ノート、グレードは下から2番目の「X」。
2013年式でオドメーターが示す総走行距離160km。車両価格130万円で買えるNAモデルの試乗レポートです。
試乗車はほとんど新車おろしたての車体なので、各部の馴染みが不十分な可能性が高いです。
※その後、2013年式で総走行2万kmの車体を始め、複数のノートに試乗し、追記しています。
ノートは「低排気量+過給器で経済性高い」という特徴がアピールされます。
しかし過給器付きグレードだと車両価格がお高く。
すると、経済性の高さがポイントという存在意義自体がクエスチョン。
ダウンサイジング目的での乗り換えも強調され、スーパーチャージャー付きエンジンや、豪華装備のグレードもラインナップ。
ボディサイズ(4100×1690×1525mm)はコンパクトクラスで比較すれば全長は200mm前後長く、立派なサイズ!という感じも受けます。
※内容は辛口評価です。試乗で確認したいポイントを重視!
エンジンとミッションによる動力性能の話題。絶対的な加速力はちょっと遅いです。ライバルの1300ccモデルより、加速力”悪い”のが体感できます。
これは、踏み初めのレスポンスなど瞬間的な加速感も含め、体感上の加速力。
もちろん現代のクルマだから市街地なら困らないし、そもそも「アクセルを全開にしたことない方なら問題なし」。
困るのは、合流や黄色信号の判断に迷った時。思うのは、免許取り立ての方こそ大きいエンジンを選択すると、運転中に困る事が減ると思うんですが如何です?
ノートのエンジンは「HR12DE」という型式。3気筒エンジンです。
いままで「HR」といえば4気筒だったから紛らわしい。
ノートのエンジンは3気筒らしさが目立ちません。3気筒エンジンで特に気になりやすいと思われる、アイドリング時の振動は、特別目立つことはありません。他の4気筒コンパクトカーと比較してね。
3気筒らしさが目立つのはエンジンノイズと排気音の音質。それ以外は状況によって振動も気になるかな、という程度。正確には「車外での排気音」です。
特別な時、例えばエアコン使用時とか、その他エンジン負荷などの状況によって、特定の条件下では振動が気になる場面もある。
試乗中、運転している時間の9割はなんてこと無い時間で、1割が特定の条件下という割合でした。
加速中は特に車外に、ベホベホとした3気筒らしい排気音が響きます。乗っていると意外と平気。
前述した特定の条件下では、ドライバーなどパッセンジャーには振動が伝わる。気になるのはペダルやシートに伝わる振動。
もっとも、4気筒エンジンでも質が低いエンジンでは振動が目立つので、排気音だけ3気筒らしいと評価させていただきます。
他車比較では、軽自動車はレスポンスの悪さでも3気筒らしいですし、トヨタ/ダイハツ系の3気筒1000ccは耕耘機レベル?なんて思っちゃったり。質感どうこうと評価できる3気筒はノートだから。
これらと比較すればノートは全然OK!文句ばっかりの筆者だってギリギリ合格点。
ノートのミッションは副変速機付きCVT。メインの変速のほかに2段階の変速機構を持ち、ワイドレンジを実現しているという(高速側ギヤ比はメーター読み80km/h時に1600回転前後)。
マーチやスイフトなどでも利用されるこの副変速機付きCVT、実際に試乗すると欠点を感じてしまう。
最も気になるのは音。回転数が下がるときに「ふぅ〜ん」なんて音がして、これが遠くから救急車が迫ってくる音にそっくり。焦ってしまう。
この点、ノートの場合はスイフトやマーチと比較すれば静かだと評価出来る。車体側の静音対策の違いかな。2段階変速の音や振動が気になるのは少しだけ。
次に加速減速時に感じるショック。こちらは標準的にショックがあります。
これはトヨタ系コンパクトカーを除きほとんどの車種で、アクセルを戻したときや停止直前、悪い条件が一致するとカコンとショックを感じます。
トヨタの新しい世代のCVTはライバルより秀逸で、このクラスならヴィッツ。特別な方式ではなさそうだけど、ワイドレンジで低回転巡航でき、滑らかに発進でき、減速時も滑らか。
副変速機付きCVTの方がギヤ比が高い部分において、よりトルク重視のギヤ比が可能なように感じる。トヨタのCVTってドライバビリティを別にすれば質感は凄くイイ。
マーチ含めこのCVTはかなり発進加速重視のギヤ比を使いたいキャラクターな印象。CVT流の効率重視なのかな。
これにプラス、ノートのアクセルは早開きで、ゆっくりやさしくアクセルを踏むようなスタートでも、高めの回転数を使おうとする。
低回転+アクセル全開がもっとも燃費が良いとすれば、ノートは余裕を感じさせたいようなセッティングに思える。
巡航時からの再加速は、アクセルの踏み加減に応じて3段階くらいのエンジン回転数にまずシフト。例えばアクセル開度30%で3000回転、50%で4000回転、70%で5000回転(数値は適当)。
そこからスピード上昇と一緒に回転数も上がるような感じ。マイナーチェンジで調整される可能性はあるにせよこれが現在の、日産のお味かもしれない。
シフトノブの親指位置にスイッチがあり、それをプッシュすると「スポーツモード」になる。切り替わった事を示すインジケーターがメーター内に点灯する。
で、スポーツモードでの試乗感、残念ながら只のLレンジみたいなモノでした。アクセル全開にすれば6000回転をキープして加速。いちおう加速力が重視されている”かも”しれない。
楽しい運転に期待するのは、微妙なアクセルレスポンスと速度と回転数の一体感。ノートはスポーツモードにしてもダメです。
細かいアクセル操作、エンジン音が微妙に変化するだけ。過度な期待は禁物です。
ライバル車のトヨタ・ラッシュやダイハツ・ビーゴはココが良いから運転が楽しい。
偏にコンパクトカーといっても、ジャンルが細分化できます。試乗比較する上で分類が可能。
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エンジン質感 | |
3気筒としてはよかった。音はいかにも3気筒だが軽自動車より静かなエンジン。 |
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駆動系質感 | |
多少なりとも運転しにくい制御が気になる。 |
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足回りの質感 | |
渋さ、荒さ、新車時といえど厳しい。良い面があるだけに残念。 |
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内装の質感 | |
メーターは立派だけど、このクラスにはスイフトがあるからね。こんなものじゃない? |
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外装の質感 | |
シルエットはフィットのよう。マーチのように笑っちゃう部分はとりあえず気にならず。 |
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快適性 | |
ゆったり感ある反面、スプラッシュノイズなど耐え難い面も併せ持つ。 |
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お買い得度 | |
ボディサイズからすればライバルよりお得感ある。装備はやや貧弱。 |
メーターは半透明の薄いスモークが掛かった自発光。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。