2014年式・ヴィッツ。新しい1300ccエンジン!見た目の変化以上に、エンジンの魅力が大幅向上!
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3代目ヴィッツ(130系)、グレード「1.3U」。2014年ビッグマイナーチェンジ後の試乗レポートです。
トヨタブランドだけが魅力だったような、3代目ヴィッツの初期型。乗り味はチープ、内装はコストダウンが目立ち、ネガティブな面ばかりがピックアップされるクルマでした。
そんなヴィッツも2014年のビッグマイナーチェンジで質感アップ!
エクステリアのデザインは元より、走行に関する部分も体感できるレベルで質感向上。主力の1300cc搭載車ではエンジンが変更され、大きくレベルアップ。
このビッグマイナーチェンジで乗り心地や静粛性、それから1300ccエンジンの質感もライバル車に並び、一部は超えたと思えるほどに。
同時に価格も上昇し、主力グレードで約15万円ほども値上げ。ほぼ1割アップですよ!
ビッグマイナーチェンジから受ける印象は、「よくなったのだから値上げも当然でしょ?」って感じ。良いのか悪いのか、購入時の値引き次第ということになりそう。
試乗車は2015年式のトヨタ・ヴィッツ。グレードは「1.3U」。1300ccエンジンを搭載するグレードでは上位に位置するグレードで、新車価格は約170万円。
オドメーターが示す距離数は2万km台で、現在スタッフが買い物や移動に利用しているクルマ。
執筆時には特に変更している部品もなく、タイヤも新車時装着タイヤのままです。
ヴィッツは全長4000mm以下で車重1000kg前後(グレードにより)Bセグメント・コンパクトカー。
ボディサイズは3885×1695×1500mmです。
経済性の高さが重要視されるクラスといわれますが、近年は「価格上昇」と「質感上昇」という方向で改良が行われていると思います。
燃費向上でイーブンというのは、それなりに距離を走るユーザーの考え方だろうから、クルマにかかるコストは上がってしまっています。
ヴィッツも129万円だった「1.3F」が、ビッグマイナー後には145万円に値上げされ、その後は150万円に。
装備の違いはあれど、同じ予算(130万円)では1000cc搭載車しか選べなくなりました。乗り換えたらウルサイ3気筒エンジンになっちゃった。なんて笑えませんぜw
その分クルマの内容的には向上し、1300ccモデルはモデルチェンジ並の大変化。
乗り心地は上質になり、エンジンの質感はクラストップを争うほどに。トヨタの4気筒が質感で勝負なんて、ビックリ以外の何もでもありませんw
そんなビッグマイナー後のヴィッツは、ライバル車と比較してエンジンの魅力と、フロントシートの静粛性に高い魅力。
なので、値引きなど条件次第で魅力ある選択肢になった。
「トヨタだから」「付き合いだから」ネガティブな選択肢ではなく好きで選べるように。
逆に”エンジンなんて気にしない”という方には、高いコンパクトカーかと。ライバル車より高額な上に、立派どころか安っぽさがある。
また同時に、国産車全体で欧州輸入車の車両価格に近づきながらも、それでいて乗り味は劣っているという事実。
このヴィッツがどれだけ立派に進化したといっても、VWポロと比較すれば大きな差があるし、FIAT500と比較してもハンドリングと乗り心地のバランスには想像以上の差があるわけです。
つまり、ほどほどに安くほどほどの質感。燃費やメンテ費用まで考えての選択肢ともいえます。
※内容は辛口評価です。試乗時のチェックポイントを重視!
※一部画像はクリックで拡大します(横長画像など)。
ヴィッツの1300ccエンジンはビッグマイナーチェンジで新しくなりました。
今度のエンジンは「1NR-FKE」という型式。
トヨタの4気筒しかも、最も実用性が重視されるであろう排気量だから、試乗前の期待は全くなし。だってほら、「どうせカタログ燃費が主目的でしょー?」なんて思っちゃうよね。
それがね、試乗すれば大間違い!エンジンノイズが好ましい音質に変わり、静粛性も高く、アクセル開度低い時は振動も気になりにくい。
さらに燃費だって、1000ccのヴィッツと勝負できる。
新しいエンジンを得てヴィッツの1300ccは良い方向に大きく変化。この「1NR-FKE」はライバル車と質感で勝負でき、静粛性を考えればクラストップを争えます。
質感は上がり、以前と比較すればかなり立派に。エンジンがクルマの印象に与える影響は大きいから、ヴィッツの評価も急上昇。
最も違いを感じるのはエンジンノイズの音質。ヴィッツのみならず、トヨタ4気筒といえばエンジンノイズはチープが当然。
「ガシャガシャ、ガラガラ」とガサツなノイズが響き、耳栓して運転したくなるほどw もうほんとね、エンジン=ただの動力源って感じ。
今度のエンジンは、ライバルと張り合えるだけの緻密な音質。
これがトヨタだから驚き。トヨタのエンジンじゃないみたいって。
素晴らしいのは、トヨタ車らしい長所も進化している点。市街地走行では静粛性が高く、特にフロントシートではアイドリングから2000回転以下での快適性が高い。
低い回転数を多用して静かというわけじゃなく、エンジンルームから透過してくるノイズの嫌味が少ないのよね。その分盛り上がりに掛ける感もあるけれど、やっぱり快適な方向が受け入れられるでしょ。
乗員が感じる振動は、巡航時などアクセル開度が低い時には気にならず。
一方でアクセルを開けての加速中や条件によっての減速中、振動が気になる時がある。振動ありなしのギャップが大きいのは、不快に感じやすい所。
速さを感じる、でも絶対的な加速力は並。後述するCVTのセッティングと合わせ、アクセルを強く踏み込めば、踏み始めは元気よく、そこからは一定の加速力でじわりと加速。
踏みっぱなしでの加速力は排気量が小さいから、遅いのは仕方ない。しかしこのエンジンがアトキンソンサイクルと聞けば、並に加速するというのは凄いことだと思ってしまう。
スペックを見てもカタログ馬力99ps。普通に凄い!
比較すれば、ホンダ・フィットの1300ccは体感的な加速力が強かった。2代目も3代目も、CVTのキャラクターが異なるにも関わらず、高速道路でも悪くない加速をする。
そんなフィットと比べればヴィッツは劣る様子。スピードメーターとニラメッコしながら加速すれば、ヴィッツの方が遅いように感じる。
ビッグマイチェンではエンジンが変わっただけでなく、CVTのキャラクターも変わりました。
変わった方向性は「元気よく」または「走りやすさを優先」した方向に。アクティブに走るユーザーに向けた変更といえそう。
停止からの発進・・・日常的な加速では、希望の速度まで一定のアクセル操作で加速しやすい。回転だけ先に上る感覚は、それなりにある。
アクセルを大きく開けた直後・・・素早く加速方向にギヤ比が変わる。アクセルペダルを踏み込めば、シフトダウンのようなショックを感じながら、加速を始める。素早く踏み込んでも、ゆっくり踏み込んでもショックは伝わる。
アクセル全開をキープ中・・・一定の回転数(5000rpmちょっと)をキープしながら、速度だけ上昇。「Dレンジ」も「Sレンジ」も変わらず。
加速を終えた直後・・・一定速度で巡航に移行する際の、シフトチェンジは比較的ゆっくり。スコンと素早くは回転は落ちない。再加速に備えるというほどではないけど扱いやすい特性。
一定速度での巡航中・・・低回転キープで巡航。トルク不足を感じる場面は少なく、上手くスロットル特性が調整されている印象。先読みを心がけた運転をしていれば、CVTも落ち着いている。
一般的なCVTと比較すれば元気いっぱい。良いのか悪いのか?
アクティブに走行するなら、ステップ式6ATのデミオの方が運転しやすい。
しかもヴィッツは加速時にショックが出る。ショックがでるほどなんて、演出としては低レベルすぎない?いや筆者が年取っただけかな。
1速2速に落ちて再加速するような場面では、ギヤ比が合わないなんて気にしなくていいのはCVTの強み。パワーに盛り上がりがない分、どこからでも同じように加速できる。
やっぱりCVTは日々進化。納得いかない部分は過渡期と思えば仕方なし。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」試乗レポート
巡航中からの再加速時に衝撃が出る。CVTがエンジン回転数を上げる際、アクセル操作に対するレスポンスが早められているようで、コツンというショックを伴いながら回転を上げる。
アクセルペダルを”素早く踏み込んでも”、”ゆっくり踏み込んでも”、”どのシフトレンジでも”、同じようにショックが出る。
”同じように”ということは、ドライバーがアジャストできる領域がないわけで、我慢するしかない部分。
クラッチペダルが付いた3ペダルMTのクルマを引き合いに。
クルマによっては神経質で、上手く操作しないとショックが出る。だけど意外にも、ドライバーがクルマに合わせると、滑らかに走行できる。トルク変動の繰り返しで、ギクシャクしやすいのは事実だけど、ドライバーがクルマにアジャストできる領域が大きいんだよね。
速度やギヤ、回転数、アクセル開度、道路の勾配etc.クルマの特性に合わせて転ができるなら、スムーズな走行ができる。ただ疲れちゃうんだけどねw
ドライバーがクルマに合わせられる領域が多いクルマは、良いクルマだと思います。
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エンジン質感 | |
ライバル他車に並び、トップクラスに。トヨタの末っ子らしからぬ質感。 |
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ミッション質感 | |
乗りやすさと元気はある。変速時のショックは伝わってくる。 |
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足回りの質感 | |
ライバル比での乗り心地質感は平均点。操縦に関する部分では今ひとつ。 |
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内装の質感 | |
デザイン性と質感、一部の軽自動車に負けてるんじゃない? |
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外装の質感 | |
シルエットは端正、ディテールはこってり。オリジナリティは低めか。 |
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快適性 | |
静粛性、便利装備が魅力。ライバル比ではレベル高い。 |
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お買い得度 | |
納得できる魅力は?ヴィッツも高くなったよね。 |
大型のマルチインフォメーションディスプレイ。上下左右のキーを利用し、階層を進むほど多くの情報を表示できる。
アッパーボックス付きのグローブボックス。
CVTのプログラム特性も変わった。奥のカップホルダーはやや使いにくい。
立派になった新しいエンジン。エンジンルームもパーツが多く立派に見える。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。