FIAT(イタリア)の「500」(31209)。通称FIAT500の試乗レポートです。
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車名=500=チンクエチェント。オーナーは撮影を手伝ってくれるスタッフ。お借りして1週間試乗します。
非常に個性豊かなFIAT500。どこが個性的かといえば、まずエンジン。そして走行感覚。さらにエクステリアデザイン。
自動車評論家の皆様はこのFIAT500を「味がある」なんて表現してますけど、平たく言えば個性的。味があるって言葉は「特長強し!」また「ダメだけど積極的にダメじゃない時」にも使われていると思います。
ではこんなFIAT500の特徴を一言でいうと、
「ポンコツなコンパクトカーの楽しみを、洗練された内外装の外車で楽しめる」。
初めて試乗した時から、このポンコツ感が楽しい!とずっと思ってたわけですが、やっぱりそうなんです。
着座姿勢は思いっきりアップライトで超コンパクト、見える景色には昭和のフィルターが掛かる。そしてハンドル切れば早くからキーキーいうし、自動のシフトチェンジはがっこんがっこん。
思わず笑っちゃうこと間違いありません!強い個性を満載した自動車で、発売後2年が経過しても同じようなクルマがほかにない、とっても個性的なクルマ。いやほんと、500が好きなら500しかないというほど個性溢れるクルマです。
上記で触れた昔ながらのコンパクトカーの楽しさ、それなりに長くクルマにお乗りの方なら、この意味がわかって頂けるでしょう。
ただしそんなポンコツを所有しても、所有する喜びはゼロ、ゴミと言われること間違いなし。惨めな気持ちで所有するしかないんですが、FIAT500はここが違います。
そうですFIAT500なら、周りから見れば立派な輸入車。内装も外装も十分立派。ポンコツどころか非常に洗練されてます。これをゴミって言う人はいないでしょう。
つまり、優越感を感じながらも、ポンコツの楽しみを味わえる。貴重な貴重な一台。
内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
外から見てわかる洗練と、ドライバーも感じる洗練された部分。具体的には下記の通り。
無駄を承知の余裕なボディデザイン。室内スペースより形状的なデザインを優先しているのはパッと見でもわかり、ここに無駄があるから余裕を感じる。
コンパクトだからときっぱり割り切って、だからこそのデザインは国産車では少ないタイプ。小さくても安っぽさを感じません。周囲にも立派さを感じさせます。
国産車だと例えばフィット、また例えば軽自動車。そりゃ想像以上の室内スペースはコンパクト1台でどこでも行けちゃうお得さはあるけれど...実際安いし安っぽさ満点ですわ。
これらは移動できればいいだけの電車と一緒。FIAT500を選べる余裕に憧れます。
写真ではなんてことないインパネに見えるけど、実際は立派!
試乗する前は、カコカコ走るクルマは、全く想像付きません...。
ハンドルを切った後の車体の動きはちょっとでも、ハンドルを回す感触はしっとりしていて現代的。
落ち着きもあって路面からの衝撃も相応にシャットアウト。
イタリア車も電動パワステなのかな?ここはポンコツに乗っている感触はなし。
2気筒+ターボ過給器となるこのエンジン。ツインエアと呼ばれてます。エンジン型式は「312A2」。排気量は875cc。試乗すると、乗り物を操っている感じが凄い。
この感触、他にないでしょ!好みか好みじゃないか、評価は大きく分かれそうだけど、試乗してみないことには始まらない。文章じゃ感触を伝えられないほど独特。
原因は筆者のボキャブラリー不足w 一言、「とにかく個性的なエンジン」です。
質感はガコガコしやすいミッションとの組み合わせもあり、滑らかな加速・減速は難しい。つまり非常にチープ。
コトコトいいながら、カッコンカッコンいいながら加速します。回転数が上がるにつれて振動が増えるのもわかりやすいエンジンらしさ。
しかし、チープだけどそれだけじゃありません。例えばアイドリング時にハンドルに伝わってくる振動など、トヨタ・日産の4気筒エンジンより少ないくらい。シートも気にするほどにはブルブルせず。
例えばトヨタ、300万円近いクルマでも不快度MAXの微振動があったり。FIAT500はこういった良さがあるから、欠点も特徴として楽しめる(ただし500もお値段けっこうお高い)。
排気量は875cc+ターボ。とっても小さいけど日常で問題ないだけ加速力はある。体感的に日本のターボ付き軽自動車より速い。
欠点としては絶対的な排気量が小さいから、低回転よりではエンジンのレスポンスが悪いと感じる時がある。スポーティに走るときの姿勢制御にアクセルワークを組み合わせれるのはやや難しい。
音やエンジンフィーリングから伝わってくる感触では、如何にも振動が大きそうなツインエア。でも実際は例えばアイドリング中など、ステアリングやペダルにはほとんど振動が伝わってこない。なんでだろう?
これ、走行中のエンジンの揺れの大きさを考えると一つ答えが想像できます。つまり、エンジンマウントが柔らかいのだろう。
試しに、エンジントルクダンパーというパーツを取り付けてみると、走りやすさは急上昇。
エンジントルクダンパーとはエンジンマウントを固くするような効果を持つモノで、かわりにエンジンからの振動は増大。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」試乗レポート
FIAT500、そのボディデザイン等々が好きならば、持っているだけで喜びを得られるFIAT500。それでいてこの乗り味が好きならばガンガン走ってより喜びを得られる。
ポンコツなクルマの楽しみを持ちつつ、所々で洗練された部分があるから、楽しいという印象が多くなる。ほんと、アクセル踏んでもハンドル切ってもチープだけど、それが欠点でなく長所に感じられてしまう。
ということで、挙動を滑らかになんて考えず、「細かい事気にせずガンガン走る」「ダイナミックかつオーバーアクション」笑いながら車酔いするほどの走りで同乗者を楽しませる。こんな楽しみ方がよく似合う。
さらには、後続車には銭形のとっつあんが乗ってると思いましょうw
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国産車バッテリー
エンジン質感 | |
笑っちゃうほどのポンコツ感。味が濃い!アイドリング時は意外と快適。 |
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足回りの質感 | |
良い面もあるけど総合すれば良くはない。走りやすさが今一歩。 |
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内装の質感 | |
コンパクトカーとしてみれば十分凝ってる。 |
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外装の質感 | |
優雅にスペースを使用したエクステリアを演出。この割り切りこそ500の特徴。 |
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静粛性 | |
日本車と同じ土壌で比較するとこうなる。 |
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パッケージング | |
これで良いんです。 |
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お買い得度 | |
高い、けどほかに代わりはなし。 |
思ったより立派なメーター。液晶表示部を利用して多彩なセッティングも可能。説明書を見るとその機能にビックリする。
この説明だけで10ページは割かれている。
様々な機能が集まったセンターコンソール。太めで幅があるデザインはちょっと高級。
ロータリースイッチの回し心地は今一歩だけど、VWよりは100倍マシ。
ドアの厚みはちゃんとある。内張は立体感を出しつつ、室内に向かっての張り出しは最小限。
ドアハンドルにエアコンがあたり、降車時に快適なのはぜひお伝えしたい。これもヨーロッパ流のおもてなし。
出来上がったモノが良ければ足回りの型式は何でも良いと思う。
ラゲッジスペースは標準的な軽自動車より広い。ラゲッジフロアマットは想像以上に立派。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。