間違いいっぱいの自動車選び。2代目ミニのクロスオーバー「ONE・1600cc」。
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SUVタイプのミニがクロスオーバー。モデルコードは「R60」。内外装も走行感覚も個性の強さが魅力!
試乗したミニ・クロスオーバーは、R60と呼ばれる「2代目ミニ世代」のクロスオーバー。
ベーシックなミニが3代目にバトンタッチした2014年以降も継続販売され、新型クロスオーバーが発売された2017年3月現在も一部併売されているという価値の高いモデル。
カタログ的な特徴では、ミニのSUVタイプながらも、単純に車高を上げただけではないクルマなのが特徴。
ボディ大型化やリアドア採用など含め、プラットフォームは別元とアナウンス。ケーハクなバリエーションモデルでないというのは、趣味性が高いモデルにおいてセールスポイント。
試乗車は2014年式ミニ・ワン・クロスオーバー。1600ccエンジンと6ATミッションを搭載し、新車時の価格は288万円。
ベーシックなミニと比較すれば高価なものの、BMWやミニというブランドに惹かれれば妥当と思える価格。
このクルマを運転・同乗し、市街地とコーナーが続く田舎道などを走行してきました。FIATやVW、BMWを初め、価格やイメージの近い国産車との比較を取り入れながら進みます。
BMWの車種って「R60」などと車両型式のような品番で呼ばれる事がある。これは車両型式じゃありません。ミニ・ワン・クロスオーバーの車両型式は「ZA16」。
「R60」これは、モデルコードと呼ばれる品番。BMW社内で呼ばれる名前といわれています。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
ミニというブランドから何を想像する?
ファッション性等々あるなかで、筆者が最も期待するのは「他車では味わえない走行感覚」。
”ミニ”というネーミングに思い入れはない。だから”ミニらしさ”なんてどうでもよくて、特別な乗り味を持ってすればそれが嬉しい。
そして実際に試乗してみれば、予想以上に個性が強かった!
どれくらいかといえば、個性が強いと言われるFIAT500以上に個性的だし、個性+立派なスポーツになったアバルト500より分かりやすいスポーティ感。
乗り心地は固く質だって高くない。静粛性だってお世辞にも高いとはいえず。
それでも、それを補って余りあるハンドリング感覚の持ち主。だから総合点は高く、強い個性というか特徴というカタチで言い表せる。
分かりやすい個性は特徴をハッキリ表現しやすい。購入すれば魅力を共感してもらいやすかったり、知人にもオススメしやすかったり、なんだかんだでクルマの話題が盛り上がる。誰にも興味持ってもらえない車種より、購入満足度は高いでしょう?
しかも!車両価格的にも妥当と思えるプライスが付けられているというのも素晴らしい。
以下、カタログさえ読んだことのない筆者ヒラリー男爵、試乗して感じた長所短所を率直にまとめていきます。
ブレーキペダルを踏んでエンジンを始動すると、フォンと軽くエンジンが始動し気持ちいい。車外に居てもBMWのガソリンエンジンみたいな始動音が聞こえる。
もしくはアフターパーツでよくある軽量フライホイールに交換したエンジンみたいな始動音。
一般的な国産車とは異なる、特別なクルマに触れているのを実感できる。
走り出すとシチュエーションによって異なる質感を楽しめる。まるでいくつかの顔を持っているかのよう。
アイドリング〜市街地巡航、弱い加速時、全開加速時、ドライバーは別のクルマを運転しているよう...と言ったら大げさかな。でもそれに近い感覚を味わえる。
アイドリング時の静粛性は高く、ともすれば最近の上級欧州車と変わらないほどに静か。単純に静かというか、重い低周波が気にならない音質で不快感がない。市街地巡航でも概ね同じような印象。
加速時には大きくキャラクターが変わってくる。通常の加速時に聞こえてくるエンジンノイズは重い感じの音質に近づき、レベルもそれなりに上がる。
そしてアクセル全開で高回転域を使用すれば、迫力満点のエンジンノイズが響いてくる。マフラーがボーボーいうわけじゃなく、エンジンルームからの音量が増大し、明らかに大きなエンジンノイズ。音質だって緻密じゃなくて迫力系。
どちらかといえば荒々しいと表現したいくらい。好きならタマラナイ演出だね。
絶対的な加速力は平凡。このミニクロスオーバーを特別なクルマと思えば残念なくらいに平凡。
低回転では1600ccという排気量並かそれ以下、高回転での盛り上がりもなく、エンジンノイズの変化を楽しめる以外はパワー感薄いエンジンといえる。
走行中の質感で良い点は2つ。一つは室内に伝わってくる振動。これだけダイレクト感高いステアリングフィールを持ちながら、大きな振動がハンドルに伝わってこない。
シート座面の硬い部分には振動を感じるものの、ペダル類では気にならず、強いダイレクト感を考えると振動は抑えられているように思える。
もう一つは運転しやすさ。アクセルペダルによる加速減速の始まりはミッションの特性含め扱いやすいレスポンス。ここは刺激より実用性高いところに好感できる。
気になる部分も2点ある。どちらもミニクロスオーバーを選ぶような元気なユーザーには気にならなそうと前置きした上で挙げてみる。
一つは僅かなジャダー。巡航からの再加速時にシフトダウンしない程度の加速を行う際、ジャダーと呼ばれるような軽い振動が出る。
燃費効率が良さそうな負荷というか、改造車っぽいというか、良い意味で捉えることもできるんだけど、気になるようならこの領域をスキップするように加速するしかない。ドライバビリティでいえば弱点かと。
もう一つは加速時のノイズレベルと加速力のバランス。
例えばアクセル開度30〜50%での加速時、発揮している加速力の割にノイズが大きい、もしくは疲れる音質のノイズが響く。筆者の感覚でいうと、長時間の運転では疲労が溜まりダルくなる。
ミニクロスオーバーに一晩試乗した後、クルマを乗り換え思わずホッとしたスタッフ2名。ミニは元気な時に運転したいクルマだと思いました。
ミッションはステップ式6AT。国産車で多い無段階式をプログラムで段付きにして云々...ではなくて、有段のギヤが変わっていくタイプのミッション。
ミニクロスオーバーの6ATの特徴は、最近のATからすればちょっと古さを感じるマッタリ感。
味付けとしては燃費より走りやすさを重視したような変速プログラムが印象的だった。どんな感じか以下箇条書き。
このあたりBMW1シリーズと同じような感じだ。ゆっくり加速している時の感覚は、3ペダルのMT車を運転しているような、それに近い部分もある。「少し駆動力を抜いてからクラッチ切って」そんなフィーリングを持ったATなんて言えばものすごく興味が湧くんじゃないかな?
実際は、全て自動だとけっこうモッサリ。MTは自分で操作している時間があるからモッサリとは思わないんだよね。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部の画像は拡大します。
スパンスパンと変速していく最近のATとかツインクラッチのDCTなど、変速タイミングは早いし、アクセル開度が大きくても素早くシフトチェンジされる。
使用する回転数だってメリハリがある。
それと比較すると「古ぼかしい」。BMWのミッション。単純に機械として評価すれば、スパスパの方が最新高評価。
変速ショックの小さなスパスパ、それは高級車ではなくマツダの6ATだって味わえる。ミッションが購入の大きな決め手だったりすると、ミニクロスオーバーは迷ってしまうかもしれない。
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エンジン質感 | |
高回転では迫力あり。日常域ではパワー感と騒音のバランスがきつい。 |
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駆動系質感 | |
運転しやすいものの最新タイプというよりは古さを感じる。 |
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足回りの質感 | |
アレ?と思うほど欧州車っぽさがない。 |
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内装の質感 | |
ドイツ車らしいミニらしさ。 |
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外装の質感 | |
ボディ寸法以上に大きく感じ、存在感すごい。 |
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快適性 | |
うるさい、ゴツゴツ。国産コンパクトカーが快適に思うほど。 |
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走りの個性 | |
気に入れば文句なし! |
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お買い得度 | |
個性を考えれば妥当か。素のミニはお得感あり。 |
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。