間違いいっぱいの自動車選び。2代目ミニのクロスオーバー「ONE・1600cc」。
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SUVタイプのミニがクロスオーバー。モデルコードは「R60」。内外装も走行感覚も個性の強さが魅力!
ミニといえば何を期待する??筆者としてはファッション性の高さとハンドリングの個性。ミニクロスオーバーに試乗すれば、やっぱりミニはミニ。特別なハンドリングがとても魅力的だった。
「魅力的」なんていうのはどこの試乗レポートにも書かれている。「どんな風に魅力的だったか」が当サイトでお伝えしたいこと。
その要約は、ダイレクト感強い機敏さを持ち、市街地での運転しやすさも上々。
運転してまず気づくのは、クイックなステアリングギヤ比。
ミニクロスオーバーは少し回すだけで大きく舵角が付くタイプで、交差点を曲がればすぐわかり、助手席に乗っていても、舵角の小ささに気づく。
スポーティカーのカタログによく”ロックtoロック”というのが記載されているが、ミニクロスオーバーはカタログなんて見なくてもとてもクイック。
このクイックなステアリングギヤ比というのは、それだけでクルマの魅力を高めるほどの部分で、それだけで気持ちよく走れることも多い。
一般的なディーラー試乗という限られた時間、道、そんな条件ですぐ魅力的に感じられるポイントだったり。
実際はパワステの味付けとか、ボディ剛性感に通じる反応の良さとか、ある程度のサスペンション剛性とか、ペダルの踏み心地とか、いろいろな部分がレベル高く統一されていないと、軽薄さが目立つ格好になってしまう。
ミニクロスオーバーは動きに一瞬の落ち着きがあって、もうほんとに一瞬なんだけど、丁寧な操作に応えてくれる。
ステアリング中立部分がやや抜けているのも効いている。
そして単純にクイックというよりダイレクト感が強く、全部あわせてとても走りやすいクルマになっている。
機敏なハンドルで挙動変化も早いと、フラフラして走りにくそうに感じるかもしれない。
けど、多分それは免許取りたて青春ドライバーが感じること。すぐ慣れるし、そもそも運転が好きな方ならきっと走りやすいと感じると思う。曖昧でグニャグニャな味を持つクルマの方が、よほど恐怖感を感じながらの走行になるんじゃないかな。
曲がるだけではなく、その他含めて走りやすさを考えると、ブレーキペダルの踏み込み量に対する減速力の立ち上がり方は気になる。
ちょこっと踏んだところで急激に減速力が立ち上がるから乗りにくい。一昔前の欧州車って感じで、慣れても神経使うタイプ。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
市街地走行を満喫したら、走り慣れたクネクネ道を飽きるまで走行。今回タイヤが滑るまで試さなかったんだけど、カリカリに走らなくても全然楽しい!つまらないクルマでも目一杯走れば楽しいの真逆!
そしてここでもやっぱり走りやすい!限界領域ではピーキーといわれるミニだけど、そこまで走らなければ走りやすかった。
先述のブレーキの扱いにくさを除くとね。横滑り防止装置は試乗中、試してみたかったけど、飛ばさなくても楽しいのと、振動騒音の関係から疲れちゃったりで、お腹いっぱいになっちゃっいました。そこまで走らなくても楽しめたとご理解くださいw
思い通りに扱いやすいのをスポーティカーだとすると、スポーティカー以上にスポーティ。ダイレクト感溢れるって偉大だね。
例えば3代目ロードスターを通好みのスポーティと表現すると、ミニクロスオーバーはわかりやすいスポーティ。その他国産コンパクトカーのスポーティグレードと比較しても、どっしり感からの機敏さで質感はワンランク上。
後から登場した4代目ロードスターに近い走りやすさというのが素晴らしい。
ミニクロスオーバーは先読みして手前からハンドル切って、なんて考えなくていい。内側に寄りたくなったら切ればいい。
フロントサスがジワッと沈む挙動から、即座に曲がる体勢に入った事をドライバーに伝え、サッとヨーが立ち上がる。
サスペンションは動く方ではないけど、それでも動いている感覚を伝えるあたりは、ボディ剛性感の高さを感じるし、運転を楽しく感じる要因でもある。
ペースを上げてのワインディングでも、丁寧なハンドルさばきを心がければ、過敏という心配は無用。
でもあれね、走りやすいクルマって普段よりアベレージスピードが上がっちゃう。メーター見ていないとついついと。
ミニクロスオーバーもそうだから、速度が上がればどうしても遠心力は高くなる。結果、同乗者を不快にさせてしまう可能性にはぜひご注意を。
市街地同様にワインディングでも、残念ながら気になる部分はあった。
ブレーキペダルは踏み始めと抜く時に扱いにくい。また減速開始や曲がり始めてから0.5秒後、クッと前か外に引っ張られるような感覚が伝わってくる。
これはグラッと来るほど大きなものではなく、エンジンが揺れる程度の弱いもので、ドライバーだけ気になるレベルのモノなのだけど、かなりの頻度で顔を出す。
背が高いから仕方ないかもしれないし、タイヤの特性かもしれない。もしかしたらエンジンマウントとかショックアブソーバーのヘタリかもしれない。中古車購入したら、お金掛ける事になるかも。
ミニクロスオーバーはSUVボディでありながら素晴らしく個性的なハンドリングの持ち主。それと引き換えにトレードオフされちゃったかもしれないのが乗り心地などの快適性。
筆者の感覚でいうと、「元気な時に乗りたくて、疲れた時は乗りたくない」。ミニクロスオーバーはそんなクルマに写った。
どういう意味かといえば、楽しい部分は前述の通り。
乗りたくないというのは体がダルい時には耐え難い乗り心地とか静粛性。
そんな時も30分くらいのドライブなら良いんだけど、それ以上はクルマから降りたくなる。
このあたり、ランフラットタイヤを履いたBMW1シリーズなどで平気な方にはなんでもないと思うんだけど、快適性重視な国産300万円クラスのクルマと比較するとけっこうキツイです。
ミニクロスオーバーに乗り始めた時の印象はそんなに悪いものではなかったんだけど、乗車時間が長くなってくると印象一変、けっこう不快に感じた。
段差での乗り心地というより微振動がダイレクトだったり、静粛性に関する騒音が気になる音質だったり、なんというか、疲れやすいクルマという感じ。
細かく見れば、欧州車でよくある「固いけど動く足」じゃない。
フロントサスペンションの動き出しには優しい部分はあるものの、国産車でよくある固さに近いんだよね。
微振動がダイレクトというのは、何もステアリングに安っぽい振動が伝わってくるわけじゃない。ダイレクトな操縦性だからこそのダイレクトっていうのか、そんな微振動。
例えば路面のざらつきやエンジンの振動、シート先端に硬い材質が使われているから目立つといった具合。硬いタイヤ選べば仕方ないとか、そんな感じ。
リアシートもフロントシートと同じ傾向で、快適性はより厳しいといった感じ。
フロントシートに居てもわかるリアサスの固さは、リアシートに座ればもっとわかる。
やっぱり短時間なら耐えられるけど、長時間は苦痛になる。
ミニクロスオーバーのリアシートは以外なほど広い。国産車みたいにスペース最優先じゃないものの、6型ゴルフあたりと比較すれば寧ろ広いと思えるくらいのスペースがある。
ただやっぱり、4人座れるからファミリーカーにも使えると直結するのは安直かも。元気いっぱいのファミリーでないと快適性に不満が出る可能性が高いかな。
このクルマに1時間ほど乗車した時、ふとした事が頭に浮かんだ。同乗しているスタッフと会話を交わす。
ということで、タイヤを確認しました。はい、コンチネンタルでした。
履いていたのは”コンチネンタル”というタイヤメーカーの、”プレミアムコンタクト”という銘柄。もちろんコンチネンタルが悪いというわけではなく、そもそも高価なタイヤなわけで。
ただちょっと、乗り心地と騒音に嫌な部分がある。もしかしたら日本人向けじゃないのかもしれないね。
このコンチネンタル、VWポロだと悪い部分が気にならなかったものの、同じVWでもシロッコというクルマで試した時は相当に不快感が目立った(銘柄は異なりスポーツコンタクト)。
この時はシロッコの売却を考えていたほどだったけど、ネクセンというメーカーのタイヤに交換したら、驚くほど快適性が上がった。
ここのタイヤ、スカイラインクーペやウィッシュにも装着して、どれもマジックのように荒っぽさを消してくれました。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部の画像は拡大します。
ブレーキはいわゆるカックン系ブレーキ。
踏み始めの食いつきが良く、ちょっと前の欧州車的な味付け。最初の急な部分を過ぎれば普通か普通以上に扱いやすいんだけど、この最初の部分がなかなか慣れず、神経を使う。
これは欠点かどうかは少々難しい。マイルドに運転したい時は確かに欠点。しかしミニクロスオーバーというクルマの個性を考えれば、メリハリがあっていいのかもしれない。
体感的なメリハリと、コーナー進入で一瞬ブレーキを当てる動作が素早くできるというのもある。
一応、減速開始時だけでなくブレーキを抜ききる時も最後は急になる。気を抜くと停止時にカックンとなりやすい他、走行中の減速でも丁寧に扱わないと、減速Gがスパッと抜けて同乗者はキツイ。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。