間違いいっぱいの自動車選び。スバル・インプレッサ。2015年式を中心にした試乗レポート。
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スバル・インプレッサ(2015年式GP2)グレード「1.6i」です。
初期モデルとは変わりスバルらしさが色濃く。価格上昇も最小限で独自の魅力を持つクルマです。
2012、2013モデルを試乗し、今回2015モデルも試乗できたインプレッサ、初期モデルとはあまりにキャラクターが変わったので、改めて試乗レポートを掲載しました。2015年執筆です。
以前のレポートでは「スバルらしさが薄れた」という事から書き始めました。今回は逆に「スバルらしさを強く感じる」クルマになっています。
発売されたクルマは定期的にマイナーチェンジが行われます。規模に違いがあり内容も様々です。「スキンチェンジ」と呼ばれる小変更や「ビッグマイナー」と呼ばれる大変更も。
ボディデザインはほぼ一緒、でも乗り味は全然違うなんて事も起こります。
2015年式インプレッサに試乗した感想は、「日常の快適性は犠牲に、たまに一瞬の輝きを味わえるクルマ。スポーティカーのノリに近い」。
今度も長所が味わえます。しかも運転を楽しめる部分だからスバルらしい。
デビュー初期モデルは純粋にカローラのライバル。今回は方向性が大逆転。不安になるほど変化しました。
以前は乗り心地重視でレベル的にも高い。それが走行感覚重視に変化し、これまたハイレベル。どちらもハッキリした長所があるから自信を持って選べます。
試乗車は2015年式インプレッサ・スポーツ。グレード「1.6i」。車両型式GP2でFFです。1600ccエンジンを搭載する最もベーシックなグレードで、車両価格160万円。
インプレッサには3ペダルMTも用意されていますが試乗車はCVT。驚くことに油圧パワステとの組み合わせ。MTのみ油圧パワステかと思っていましたがそうじゃありませんでした。CVTで油圧パワステのモデルです。
インプレッサの魅力を考えた時、とても大きな魅力を持っているのがこの「1.6i」というベースグレード。価格設定が絶妙です。
ここ数年、コンパクトカーの車両価格が上がり、さらに値引きも減少傾向で、ちょっとしたクルマも高い!
ヴィッツやノートなどのBセグメント車、高いと思いませんか?このインプレッサなら同じような価格で1クラス上が購入出来るかもしれませんね。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」
2015年インプレッサ「1.6」に乗り込んで走り出せば、ちょっと運転しただけでいろいろな違いを感じることができる。
乗り心地は固いし、ハンドルは重い。CVTのプログラムは全くの別物etc...。
良いとか悪いとか、質感とか好みとかじゃなくて、キャラクターが全然違う!
なんだけど、乗れば別のクルマのよう。前回、乗り心地が良いと評価させていただいたけど、今回は日常走行をしている限り、快適性は低すぎる。
サスペンションは動くんだけど路面のザラツキをめっちゃくちゃ拾うんだよね。これによって乗り心地不快だしノイズは凄いし。
さらにハンドルの感触含め、時速60km以下の市街地走行では、なかなかインプレッサの魅力が見えてこない。良い部分もあるにせよ、率直に言って短所ばかり。
数時間ぶっ通しで試乗を行い、走行パターンを変えたらインプレッサの長所がいろいろ理解できたつもり。でも乗り始めから数時間、リアシートでの同乗含め、この乗り味はどうしちゃったの??って本気でビックリしました。
今回のメインリポーターは不肖ヒラリー男爵。目立つ特徴を自分なりに理解し、一通りの試乗を終えると、どうしても初期モデルの乗り味と評価が気になってしまう。
確かプレミオのシャシーに採用した方がいいってほど乗り心地で質感良いと思ったし、CVTやステアリングの印象も異なる味だったのを覚えてる。
印象強かった2012年インプレッサだけに、感触は覚えてるんだけど、不安なので自動車評論家の記事を探してみました。
そしたら国沢さんが2012年12月のカートップで「日本車で5位に入る」と仰ってる。「インプレッサXV」の事を10年前のスバル車のようとも併記されているので、安心して信用出来るレポートかと。
本音としてちょっと安心。やっぱりインプレッサ、大きく変化したみたい。
このGP2インプレッサは小変更=進化の方向が、とても共感できる。特に2つの点において素晴らしすぎるとうなずくばかり。
デビュー当時は155万円。2015年のマイナーチェンジを経た価格は160万円。額面上の価格は上がってるけど、この間に消費税率が上昇。160万円の3%といえば48000円。値上げなし。
スバルらしさがなければ積極的に選ぶ理由は薄い。カローラやヴィッツの派生車種なら他にいっぱいある。長所も短所も味が濃いからこそやっぱりスバル。
内装ということで運転席周辺を見て触れてみる。
基本的な部分でいえば軟質パネルが採用されている事に好感を持つ。場所はダッシュボード上部とドアトリム上部。
残念ながらこれによって見た目の質感が上がっているワケじゃないので、触ってみないと大差ないのが残念。ちなみにドアトリム上部はソフトパッド付きといっても極薄。
この軟質パネルに加え、ベースグレードからシルバーの加飾パネルが付く(画像右)。インパネ中央上部のサブディスプレイ含め、素材にはお金を掛けているのだろう。
アチコチ見ればコスト高そうに見えて仕方ない。しかしダメ出ししたい部分は多く、各部の形状だったりチリ(隙間)だったり、乗員への配慮(気配り)の不足だったり。
造形に関する部分のデザインが無骨!ごっつい!そして奥行き感に乏しいインパネはちと古ぼかしい感じ
筆者が気に入った部分はドアトリム(ドア内張)の形状。特別なデザインではなく普通。そんな方向性で端正。またインパネに繋がる部分もそれなりに一体感を感じさせる形状にデザインされている。
1箇所ではなく2箇所でもなく、いっぱいある。加飾パネルの反射防止に関する部分だったり、反射しやすい光沢と光が当たる位置にあるハザードスイッチ。
また重い上に滑りやすいハンドル表面、反射が映り込むドアミラーなど。一部は文章後半で触れています。
エアコン操作部はダイヤル式。これの回し心地が悪い。
こんなにチープな回し心地、他にどんなクルマがあったっけ?あったことはあったのだがパッと思い出せるほどじゃない。
まあこのインプレッサのキャラクターを考えれば、これはどうでもよい部分かな。
温度調整のダイヤルは夜間、ちょっと照明がわかりにくい。コールドかホットか、よくわからなかったから目一杯回すのが吉。
この画像はエンジンフード内、バンパー側から見て左奥。何かと言えばパワステフルードのリザーブタンク。
GP2インプレッサは電動パワステのモデルと、油圧パワステのモデルが両方ある。
今回試乗した「1.6i」のCVTは、油圧パワステだった。単に油圧と言うだけでなく、ハンドルは下手なスポーティモデルより重い。
にも関わらずハンドル表面はシボが浅くて滑りやすく、中立から過敏な特性。あまり運転しやすいタイプじゃない。
完全に未確認情報ながら聞いたところによれば5MTのモデルだけ油圧パワステというハナシもあるし、CVTで電動パワステというハナシもある。不安な時はエンジンフードを開けて直接確認しちゃうのが簡単。
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エンジン質感 | |
CVTプログラムが変わって評価一転。中回転で質感を味わえる。 |
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足回りの質感 | |
アブソーバーの減衰力、出方が立派。 |
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内装の質感 | |
素材感は悪くないんだけど、気配り足りず。 |
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外装の質感 | |
質感自体は悪くないけど、けど、販売台数が表してる。 |
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快適性 | |
特に低速時、ドライバーも同乗者も厳しい。ゴムブッシュと車外ノイズがちょっと。 |
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スバルらしさ | |
スバルらしさを感じる乗用車 |
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お買い得度 | |
一芸に秀でて価格がリーズナブル |
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。