評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。ストリーム(2012年式)「RSZ」。
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ホンダ・ストリーム(RN6型)グレード「RSZ」の試乗レポートです。
今回の試乗車はストリーム。2012年のマイナーチェンジ後のモデルで、グレードは「1800cc RSZ」。オドメーターが示す総走行距離は6000km。新車時価格は204万円。
ライバルはウィッシュ&プレマシー。車両価格は200万円以下〜スタートで、どれもコンパクトカーの上級グレードを購入するよりお得な内容。そしてみな個性があり、比較〜購入がとても楽しい。
ストリームはコンパクト&ローハイトなミニバンで、ミニバンと乗用車の中間的なポジショニング。このジャンルではどれも3列目シートは実用的とはいえず、収納して使用することが一般的。こういった特徴からステーションワゴンからの乗り換えにも対応しているとのこと。
2代目ストリームのデビューは「2006年07月」ということで、執筆時すでに8年が経過。
十分に古いモデルだけど未だに現役。そしてロングセラーが凄いのではなく、一部性能に関しては未だ一線級の魅力を持つのが凄い!熟成の魅力?値引きによる商品価値キープ??いやいやそれだけじゃない。
現時点で、ライバルの同世代ウィッシュ&プレマシーその他と十分に比較できるだけの内容を持ちます。
ストリームのキャラクターは超明確!なにしろモデル途中から、「RSZ」というスポーティグレードしかラインナップしていない。
そして実際に試乗すれば、全然「なんちゃってスポーティ」ではない。大げさすぎずこんな感じ。
そう、ミニバンとは?って質問の答えが間違ってる(笑)。ドライバーが主役でパッセンジャーはおまけ。ハンドリングのレベルは高く、快適性能は低い。バランス良いのが日本車だとすると、個性が強い外国車の様。そういや乗り心地だってしっかりホンダ車のそれ。乗り味のベクトルはクーペのCR-Zに近い。
フロントマスクの意匠はオデッセイみたいといわれるが、ストリームはストリームならではの良さを持つ。弟といっても全然引け目を感じることはない。ピラミッド階層なんて気にせず積極的に選びやすそう。
この2代目ストリーム(RN6)がデビューしたのは2006年。この記事を執筆しているのが2014年だから実に8年前。確かに、デビュー年なりに古ぼかしい部分は多々ある。内装だったり装備だったりミッションだったり。
それでも、同クラス同価格帯のライバル以上の魅力を持つ箇所があるのにはビックリ。
具体的には後述させて頂きますが、GTカーのように穏やかな挙動変化を見せてくれるハンドリングなんて、今でも一線級の魅力だと考える。
ヨーの立ち上がりが遅いとか、曲がっている感覚がないとか、そういう低レベルな落ち着きではなく、運転の荒い人がドライブしてもジワッとした挙動でクルマがバランスを取ってくれる。そう、運転がうまくなったと同乗者に褒めて貰える。
わかりやすいスポーティさはなく、エンジンもミッションもオタンコ。ミニバンとしても低い快適性でクエスチョン。それでもストリームならでのは走行感覚は十分にハイレベル。ここに惹かれたら衝動買い間違いありません。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
ライバルはウィッシュ&プレマシー。どれもお得な200万円以下〜。3車3様に個性があり、比較〜購入がとても楽しいです。
ストリームの内装は安っぽいし特別な工夫もない。残念ながらそれ以上でもそれ以下でもない。同じホンダで比較すれば3代目フィットよりも貧相に見える。良い点と言えば下向きに押せるエアコン関連スイッチの配置くらい。でもこれウィッシュでもそうだしね。
1台のクルマで総予算が決まっているとすれば、ストリームでは内装は後回しにされちゃった?質感は低くてもホンダお得意の、凝った造形だったらまた印象違うんだけどね。なんだか古ぼかしさまで感じる。
目で見える意外の手で触れる部分、スイッチの押し心地に特筆すべき点はないけれど、下向きに押すエアコンスイッチは操作性上々。
ちょっとだけどボッチも付いてて覚えれば感覚で操作できる。スイッチ操作性が高ければよそ見が減って安全性も高めてくれるね。
うまく走らせるための操作量や考える事は多い方が楽しい!突き詰めればヘリコプターらしいから。クルマではミッション。これが運転を面白くしてくれているわけだけど、「操作系は思い通りに質感高く」が条件。
ストリームではせっかくステップ式の5ATを採用しているのに、ここが残念。まずはセンターのシフトセレクター。渋い!思った場所より行き過ぎちゃう。パネル部分の剛性もなく感触悪い。
そしてパドルシフトスイッチ。左手側がステアリングスイッチと間違えやすい。
パドルはハンドルと一緒に回るタイプだから、回している最中の操作で間違えやすい。シフト操作は直進時のみという基本に忠実にってことらしい。
ストリームには2000ccエンジン搭載モデルもあるが今回は1800cc。型式はR18Aでこれに5ATが組み合わされる。CVTではなく従来ながらの5段ステップATだ。
アイドリングからけっこううるさく、燃費重視エンジンらしいカリカリ音も助手席前から聞こえてくる。
一応エンジンノイズは、そんなにガサツな音じゃない。トヨタのように「動力性能が高ければフィーリングなんてなんでもいい」そんな耕運機のような音は聞こえてこない。
正確には、走行中エンジン以外のノイズが大きすぎてエンジンの音が聞こえないという感じ。
ストリームは普通に加速している最中でもエンジン音が消えてしまうほど静粛性が低いのが特徴だから、うるさく感じるのはアイドリング中と急加速時。静かな上で少しだけエンジンノイズを聞かせてくれるタイプが運転しやすいけど、ストリームは残念ながら逆。
動力性能は普通に1800ccクラスのそれ。体感上1500ccエンジンを積んだCセグメント車よりは速く、2400cc搭載ミニバンよりは大幅に遅い。アクセルペダルの操作量を考えながら運転すれば、低回転での余裕は少なく、高回転で速いわけでもない。アブソルートと名がついてもエンジンは普通です。
ストリームはミニバン系と言うことで大人4人乗車をすればクルマが重く感じ、全開加速力も心許ない。しかしこれは予想の範囲内。コンパクトカーよりは余裕があり速度が上がってからの伸びもあるから実用上の問題はないと思う。
ミッションは有段の5速オートマチック。ステップ式5ATなどとも呼ばれるタイプ。
ミッションと言えば「CVT」や「自動MT」といった新世代タイプが増えてきているが、マツダの新世代ATなど従来ながらのステップATだって進化している。
ストリームの5ATは旧世代的なフィーリングで好ましいモノではない。燃費なども含めて考えればほとんど良いところ無しと評価せざるを得ません。他車のミッションはどんどん進化している。ホンダ的には最良のミッションなのだろうが、とても残念。
具体的なフィーリングとしては、停止時からの発進時には滑らかに加速してくれ、ドライバーが思った速度まで加速しやすい。アクセルペダルワークにも神経質な部分は無し。ここに問題はない。
問題は走行中、例えばDレンジに入れっぱなしで巡航中からの再加速時、交差点への減速進入から再加速時。ゆっくりもっさりとシフトダウンする上にショックさえある。
またアクセル開度が大きくなるスポーティ走行時には、特にアクセルオフ時のレスポンスが悪く、空走感あってダイレクト感はまったくない。シフトアップ時もシフトダウン時も不快感が強い。
アクセルレスポンスといえばこと踏み込んだ際のレスポンスが取り上げられるが、現代のクルマでは寧ろアクセルを緩める際のレスポンスと扱いやすさが気になるポイント。
丁寧なアクセルオフを心がけるという前提は一緒だとしても、ある程度メリハリを感じさせてくれるだけのレスポンスは欲しいものだ。
上記にプラスしてもう一つ。シフトセレクターの操作感。こちらも今一つというか全くダメなレベル。試乗車はおろしたての新車じゃないよ。渋くて固く、希望するポジションを行きすぎてしまうことがある。
ポジションを「P」から「D」に動かそうとすると、その下の「S」まで行ってしまったり。また「S」から「D」にしようとすると、その上の「N」にまで行ってしまったり。
ギシギシ音がするとかなら、根本にグリスを吹けば復活する事がある。しかしそんなレベルじゃない。渋い、固い、パネル周辺の剛性もたりない。節度感というより不快感。動かしたら逆方向にチカラを入れて止めるしかない。できれば走行中には触れたくないシフトセクレター。
ストリームの名誉のためにいえば、車両200万円以下クラスではこういったシフトセレクターを持つクルマは多々あるし、コラムシフトなんてもっと操作感が悪いから、何もストリームに限ったことではない。
ストリームよりもう少し車両価格の高いVWゴルフ・トレンドライン、こちらはこの価格帯で最良といえる操作感。シフトレバーを操作するのが楽しくなります。
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ストリームの適合バッテリー詳細
ストリーム 3代目
RN6 - R18A 1800cc 2006年〜
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国産車バッテリー
エンジン質感 | |
がさつじゃないけど速くもない。日常でのフィールは燃費重視系エンジンのそれ。 |
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ミッション質感 | |
5ATをバカにしてはいけません。最低限許せるレベルはキープ。 |
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足回り質感 | |
固いけど上質。スポーティカーと思えばガマンできる。 |
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内装の質感 | |
フィットに負けるか? |
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外装の質感 | |
スタイルはちょっと幼稚かな。 |
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快適性 | |
ドライバー専用車。うるさいしピョコピョコ。 |
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挙動穏やかさ | |
同乗者に「運転うまくなった」といわれる可能性高い。 |
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お買い得度 | |
走りの質感で比較すればとてもオトク。かたや室内と装備は寂しい。 |
シート座面は全長長め。シートバックはゆるめでサイドサポート固め。
エアコンスイッチは下方向に押す感じ。小さくボッチあり。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。