自動車の試乗比較、中古車選びにも・メーカー別評価「トヨタ」

2016年記事 トヨタ
 & 桃花

シエンタ試乗評価「1」
エンジンと加速フィール

間違いいっぱいの自動車選び。シエンタ(2016年式)の試乗レビュー。

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「特徴概要とエンジン質感」

トヨタ
  • グレード:“G 7人乗り”
  • 年式:2016年式
  • 車両価格:198万円
  • デビュー年:2015年07月〜
シエンタ内装1シエンタ内装2

トヨタ・シエンタ(NSP170)ガソリンモデル「G」の試乗レポートです。

コンパクトで3列シート、実用車離れしたボディスタイリングとインパネデザイン。


  1. シエンタ「1」エンジンとCVT印象
  2. シエンタ「2」ドライビング感覚と快適性
  3. シエンタ「3」内装とドライビングポジション
  4. シエンタ「4」2列目、3列目シート
  5. シエンタ「5」乗ってわかった細部の長短所

※関連ページ

  1. 次のモデル!2023年式シエンタ(ハイブリッド)試乗レビュー
  2. 次のモデル!2023年式シエンタ(ガソリン)試乗レビュー
  3. 比較まとめ:2019コンパクトワゴン&ミニバン比較

2代目シエンタ概要

シエンタ・ボディデザイン

ただただ実用車、もしくは商用車ぽかった先代シエンタが、思いっきりカジュアルなボディデザインに生まれ変わって登場。

2015年登場の2代目シエンタは、全長4235mmで3列シートのミニバン。ボディサイズは一般的なコンパクトカーにプラス20cmほど。大きめな日産ノートと比較すればプラス10cm程度と、非常にコンパクトな中に3列目をレイアウトしているということに。

10cmか20cmで3列目が配置できるわけじゃなのはサルでもわかるw そして試してみれば実際に利用できる3列シートという点が魅力。サスペンションやシートなどが、実際に使用できる作りをしてる。

試乗したシエンタ

試乗したのは2016年式のシエンタ・ガソリンエンジンモデル。グレードは「G」7人乗り。ミッションはCVT。

上級グレードで新車時の車両価格は198万円。オドメーターが示す総走行距離は約5000km。

今回このクルマに最大3人乗車をし、レジャーっぽい地方の道を500km超、走行しました。基本となる市街地走行はわずかです。また新しい装備として、装着されていたLDA(レーンキープサポート)やオートハイビームなども試しています。

クルマのキャラクター

ヘッドライト(夜間)

絶対的なポジショニング的には、小さくて安価な3列シート車。実用性最優先のクルマなんだろうけど、そう感じさせないのがシエンタの魅力

先代の初代シエンタから見ると、「塾のお迎え専用車」が「休日のお出かけ用」に変わったような大変身。
ボディデザインもインテリアデザインも、「走ればなんでも良い」から「積極的に欲しい」と思えるような凝ったデザインに変わった。

それが”やり過ぎじゃない?”なんて思えるほどだからトヨタの勢いや熱意が感じられるんだよね。変わったデザインをまとめるのは難しいと思うし。どうせ買うなら気合入ったモデルが良いでしょ!?

車両価格的にも先代は約130万円〜、今回は168万円〜となり、ハイブリッドの上級グレードでは230万円をオーバー。価格設定からも、シエンタが好きだからと積極的に選ぶモデルになったことを想像させられる。

下のクラスより上のクラスに近い乗り味

室内クルマにかぎらず商品はどうしてもランク付けされてラインナップされるわけで、クルマで言えば車格なんだけど、どうしても逆らえない部分がある。

トヨタのピラミッドの中でシエンタを、ヴィッツの上、ウィッシュの下と捉えて言葉にすると、シエンタはヴィッツよりウィッシュに近い乗り味。乗り始めから感じた印象はこれ。

ウィッシュに近い走行感覚を、2回り小さなボディで味わえると考えれば大きな魅力。実際には価格も近いんだけどね。


※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。

試乗:エンジン質感

搭載されるエンジンは1500ccで型式は「2NR-FKE」。高圧縮比に魅力があって現代的なアトキンソンサイクルのエンジンで、主なところでは2015年から搭載開始と、まだ登場も新しい。

レビューいきなりでホント申し訳ないんだけど、シエンタ最大の欠点はエンジンの質感や加速力。CVTも含め印象としても評価としても厳しいものに。最大で300万円近くなるクルマが、しかも新しいエンジンを搭載してこれでいいの?みたいな。

エンジン質感

エンジンルーム現在、世界最高クラスという熱効率の高さをウリにしている新しいエンジン、乗ってどうかといえば普通に普通。シエンタとの組み合わせでは質感という部分での良さはほとんど感じない。

従来ながらのフィーリングで熱効率アップといえば、それはそれで凄いことかもしれないが、ドライバーが受ける印象は”ガサツ”ですねと。

普段、「アクセルを踏み込んだことなんてないわ」なんてお姉さま方なら、たぶん気になる箇所は1点。アイドリング中、特にエアコンONの時に伝わってくる振動かな。一応、中古車じゃないよ新車だよw

また普段、流れに合わせて踏み込むとか、それ以上の方だと、耳障りなノイズと多くの振動が気になると思う。アクセル半分くらい踏んでの加速中は安っぽい振動と大きなノイズ。全開にすればクルマを痛めてるんじゃないかと感じてしまうようなエンジンノイズが響き渡る。

個性や魅力はわかりにくい

カタログスペック的には「109psの13.9kg/m。圧縮比は13.5」ということでマツダのスカイアクティブ1500ccを超える圧縮比を持つ。

ただアクセル踏んだ時の質感という面では、マツダのエンジンとか魅力を感じちゃうかな。それから同じく圧縮比の高いホンダのフィットRSの1500ccとかね。

圧縮比も熱効率も最近は最大値という感じだからかな、数値での判断は難しいです。

良かったのは3点
  1. 一つ目はアイドリング以上1800rpm以下の領域での快適性。
  2. 二つ目はアクセル踏み込んだ先での反応。
  3. 三つ目はニュートラルで軽く空ぶかしした時のフィーリング。

1つ目、巡航中はこの回転数を使うことが多いんだけど、流石トヨタ車といえるだけの静粛性。もちろんハイブリッドと比較すれば厳しいけど、エンジンの存在感はわずか。

2つ目、アクセル開度70%超で微調整を試みると、加速力自体に違いは感じにくい。なんだけど、ギヤ比の微妙な変化も含め、音や何かで反応が返ってくる。だから何ってわけじゃないけど、何もないよりよほど良い。

3つ目、最近の燃費重視エンジンにしては、踏み初めのレスポンスは良い(アクセル離した瞬間のレスポンスは悪い)。だから何ってわけじゃないけど、気分良い。

ヴィッツの「1NR-FKE」は良さを感じる不思議

1500ccの「2NR-FKE」と兄弟といわれるのが1300ccの「1NR-FKE」。
こちらはビッグマイナー後のヴィッツに搭載されているのを試乗しているが、なぜか「1NR-FKE」の印象は良い

このヴィッツは何度も運転&同乗しているので、体調とか周囲の環境といった違いとは思えない。シエンタだっていろいろと試乗したわけだから、実は良かったというわけでもない。

エンジンの個体差が体感レベルであるかはわかないし、やっぱり疑問。とりあえず今のところ、透過ノイズやCVT特性、その他ボディ形状など車両側の違いからくるフィーリング差と思っています。

気になったらヴィッツの方もよろしくお願いします。

試乗:多感的な加速力

パワー感は乗車人数増えると非力ドライバー1人乗車で市街地なら踏み込む事で流れに合わせて加速できるし、多少やかましくても文句いう人もいない。体重20kgとかのお子様が一人二人乗っても一緒だろう。

しかしサスペンションなども6人乗車まで考えられているようなこのシエンタで、大人3人乗ったら全く余裕がなくなってしまった。日常的な加速が厳しいよね。後ろにクルマがいなければゆっくり加速すればいいんだけど、流れの中だと必然的にアクセル開度は大きくなる。

速度がノッてからは排気量並かなと思ったんだけど、速度が上がってからの全開再加速だって今ひとつ。

絶対的な加速力や力強さでは、このあたりがギリギリか?と思わせるレベル。やっぱりアトキンソンサイクルの1500cc、CVTがいくら非力を隠してくれるといっても、限界はあるらしい。

エンジンは低回転から余裕があれば静かで快適。それから多人数乗車前提の場合も、排気量大きいクルマの方が合流や車線変更が楽になるよね。シエンタだと”お父さん頑張って!”状態。

試乗:ミッション(CVT)の印象

シフトセレクターCVTのフィーリングといえば、良い印象のクルマが多いトヨタ。でもこのシエンタについては、残念ながら良い印象は受けなかった。

もうどちらかといえば、マイナーチェンジで改良されるんじゃないか?というレベル。

アクセルをOFFにした時に、気になるショック

特に時速40km以下という低速時に目立つから、日常で頻繁にアクセルON-OFFする場面でこのコツン!というショックと付き合い続けることになる。これはリアシートに座っていても感じる。

何も特別な動作をしてるわけじゃなくて、普通に「D」レンジで走行して、アクセル戻した時の事。どんなに時間をかけてゆっくりアクセルを戻そうが関係なし。

これは同乗者からしてみればドライバーの操作が雑って思っちゃうかもね。実際には違うんだけど、この衝撃を避けるにはアクセルを丁寧に戻すんじゃなくて、アクセルをOFFにする回数を減らすしかない。
イレギュラーな使い方だと「N」レンジに入れてしまうっていう方法もあるけれど、普通は推奨できずw

変速タイミングはゆったり派

エンジンパワーが限られているので、ドライバーによってはアクセル開度の大きい場所を頻繁に使う=回転数はいつも高めになるんだろうけど、そうした絶対的な加速力という話を除けば、ゆったりとした味付けがされている。

出だしから時速60kmくらいまでは、それなりに大きく踏まなければ低回転を使おうとするし、高速道路の追い越し車線でもレッドゾーン近くは使用せず。積極的に走りたい場合は「S」や「B」レンジを使用してってことなんだろう。これによってマイルドな加速感を提供してくれる

全開加速時もマイルドで不快な加速感はないんだけど、エンジン音が微妙に変化する。タコメーターの動きに現れない範囲で何かが行われている可能性がある。

シエンタのメーター(昼)シエンタのメーター(夜)

ゲート式シフトセレクターは良いんだけど

ボタンを押す必要もなく、希望のポジションを行き過ぎることも少ないゲート式シフトセレクター。一昔前だったら高級車の装備(最近は減っている感がある)。

シフトセレクターこのシエンタもゲート式シフトせくレターが採用されているんだけど、ちょっと渋くてメリットが生かされていない感がある。

具体的には運転中、「R」ポジションにシフトしたい時、「N」まで行き過ぎてしまうことがあった。まだ新しいからかもしれないけど、ちょっと渋い。そんなんだから操作感についても只のスイッチというものだった。

もちろん長所として、走行中に「D」から「S」や「B」にシフトするのは簡単。でもこれはストレート式でも横にスライドさせるだけのタイプがあるからね、長所とはいえず。

トヨタ シエンタ

トヨタ

sienta (シエンタ)

  • 試乗グレード:“G・7人乗り”
  • ミッション:CVT
  • 年式:2016y
  • 型式:NSP170G
  • 新車価格:198万円

エンジン概要

  • 排気量:1500cc
  • エンジン型式:2NR-FKE

その他概要

  • ボディサイズ:4235x1695x1675mm
  • ホイールベース:2750mm
  • 車重:1320kg
  • 発売時期:2015年07月〜
  • 新車価格帯:168万円〜
試乗レポ・ライター

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シエンタ

NSP170G 2NR-FKE 1500cc 2015年〜
20HR70Ah

 
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比較評価
エンジン質感 評価1

新型エンジンのはずだけど?

駆動系質感 評価2

トヨタのCVTは優れているはずだけど?

足回りの質感 評価3

多人数乗車モデルとしては良い部分も見受けらる。フリードより良好。

内装の質感 評価4

各部の装飾は立派。素材感は無駄と思えるほどだったりする。造形にはクセがある。

外装の質感 評価3

カジュアルで魅力!高級感というよりオモチャ感覚。業務用というより趣味用。

パッケージング 評価5

3列目シートの居住性は、40cm弱も全長が長いウィッシュに肉薄。

お買い得度 評価1

グレードと装備内容、オプションを考えると割高感がある。



エアコンの風が当たらないけど、安定していて使いやすいドリンクホルダー。


バッテリーの規格とサイズは20HR70Ahと記載されている。大きいタイプ。


LLCは初回7年、スパークプラグは20万kmで交換となっている。

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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
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評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。

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