間違いいっぱいの自動車選び。シエンタ(2016年式)の試乗レビュー。
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トヨタ・シエンタ(NSP170)ガソリンモデル「G」の試乗レポートです。
コンパクトで3列シート、実用車離れしたボディスタイリングとインパネデザイン。
リアシート、2列目というより3列目シートに実用的なスペースが確保されているのが、シエンタ最大の見所!じゃないかな。スペースだけでなく、着座姿勢や質を考えても、それなりに使えるモノが用意されている。よくある”見せかけだけのオマケ”とは言えないレベルと感じた。
シエンタの2列目シートのスペースはそれなり。最近は軽自動車やミニバンなどで広いのに慣れてしまったというわけで、広さを感じないというか、どっちかといえば狭く感じてしまう。
この2列目シートで良い部分は、シート座面。全体的にコンパクトクラスというよりはミドルクラスの質感を持つ。それから座面は前後方向がフラットに感じられる設定なんだけど、姿勢がずり落ちにくい。だから、頻繁に座り直すということはなかった(手荷物は若干不安)。
そしてフラットだと良い面として、チャイルドシートが付けやすいというのが上げられる。安定させやすいと言い換えても良い。クルマのキャラクターを考えれば喜ばしい作りだと思う。
2列目リアシートには予想外の欠点もあり、手放しじゃ褒められず。
一つがこの写真にある、フロントシート下。普通は足が入るのなんて余裕でしょ。それがシエンタでは、つま先ほどしか入らない。
体型や靴にもよるだろうから、余裕がないと言った方が的確か。
きっとフロントシートが良いモノ過ぎちゃったんだね。そういうことにしておきましょう。
リアシートに座ると、シートバック(背もたれ)のフレームが痛い。走行中なんだけど、走って15分ほどすると、シートの横に通っているフレームが背中に当たって痛い。振動も伝わる。
試乗したスタッフの一人は「マッサージ器みたい」なんて言ってたけど、不快と感じる人の方が多いと思う。
ドア側に肘が掛けられる場所がない!ドア内張り上部も薄くてなだらか。肘をかけるのはちょっと厳しい。窓も全開までは開きません。
見た目はよし!スライドドアにしてはトリムのデザイン性が高いです。
これはシエンタに興味をお持ちの方ならご存知でしょう。2列目をポップアップすれば余裕を持って3列目にアクセスできる。乗るのもラクだけど降りるのもラク!
操作は、最初にレバーを引いてシートバックを前倒し、次にシート全体を前倒しする。ゴロンとね。ちょっと力が必要だけど、コツを覚えれば比較的ラク。女性ユーザーでも問題ないレベルだよ。
ライバルのフリードも同じ感覚です。なお3列目の座りやすさはフリード優勢。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
身長172cmの筆者が3列目シートに座り、2列目シートを問題ない位置にセット。さらに助手席を調整し、3列目、2列目、1列目と着座ポジションを取ってみた。
ということで、スペース的にはどのシートも大丈夫。もちろん余裕あるかと聞かれればないんだけどね、シエンタのボディサイズからすれば予想以上!
また着座姿勢的にもそんなに無理はなく、3列目シートだってそこまでチープじゃない。 広さと座り心地だけなら、実用的と言えるだけのものがある。
問題はエンジンパワーというか動力的な部分か?6人乗車して普通に走るかというのは未知数。兄貴分ミニバンと比較した際のポイントかな。
ラゲッジスペースは予想通りのミニマムサイズ。奥行きは最長部で40cm弱。荷物をおいてみた感覚だと、女性用ハンドバッグで横に2つ、旅行用ボストンバッグで中央に1個という感じだった。
サイズがぎりぎりだから、バッグの手で持つ部分やベルトが、ハッチに挟まりそうな位置に来ることが多く、このあたりも意外と神経を使う。シエンタに限らずしょうがない。
ラゲッジからみて気になるのは、3列目の乗員の頭が、ハッチのガラスエリアにかなり近いという点。ホンダのジェイドを思い出す。実際に3列目に身長182cmのスタッフが座った状態でハッチの開閉を試してみた。
もちろん開けるときは問題ないけど、閉めるときはちょっとビビるw で閉めたら、やっぱりうるせーってw
シエンタのラゲッジスペースを拡大するには、3通りの方法が見つけられた。
※シートアレンジはほかにもあるかもしれません。
左の写真は、上記「2」の状態。2列目シートが前倒しされていれば、ラゲッジ側からこの状態に変えることができる。
ラゲッジの最低地上高は、実測で47cmあたり。実はこれ、カタログ値では50.5cmになってる。計ってる場所が異なるかガソリン満タンなどで地上高が変わっているのか?? どちらにしても低いです。(定規の垂直と誤差は、確認しています)
フロントシートと2列目シートを車内で行き来できるというのが、ウォークスルー。狭い駐車場でリアスライドドアから乗降車したり、後ろのお子様を見にいったり、デートでちょこっとイチャイチャしたりw
シエンタでは、出来ないことはない。けど積極的に活用しようというだけのスペースはない。フロントシートを後ろまで下げないとセンタークラスターが邪魔をするのと、頭上の低さもやや気になる。やれば出来るけどやりたくないって感じ。
2列シート車だけど、スズキ・ソリオが余裕を持ってウォークスルーできることを考えれば、シエンタはここには重点をおいてないっぽいね。その他フリードでも実用的。
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想像より立派だった3列目シート質感とスペース。
ウォークスルーは可能だけどちょっと厳しい。
3列目へのアクセスは、2列目を跳ねあげるのは少し大変。入るのはラク。3列目を使用しない時はこの2列目の下に収納できる。
フロントシート下にはつま先が入る程度。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。