間違いいっぱいの自動車選び。VWゴルフ(7型)。7型と呼ばれる7世代目のゴルフです。
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VW(フォルクスワーゲン)ゴルフ(7型)。グレード「ハイライン」の試乗レポートです。
試乗内容は限定的。第一印象重視で一般的な表現を心がけています。
今回はディーラーでお借りした試乗車なので、各部のナラシも済んでいないような新車です。
また試乗内容は限定的。現時点では詳しい乗り味や使用感はお伝えできない旨、ご了承下さい。簡単な速報版です。
VW(フォルクスワーゲン)ゴルフといえばCセグメントの代表的存在。ミドルサイズのハッチバックボディが主流のクラスで、クルマの本質的な内容に優れるモデルが多いです。
Cセグメントとはいわゆるアッパーコンパクトだから、例えばホンダ・フィットやトヨタ・ヴィッツの兄貴分的ポジション。全長で20〜30cm大きいクラスです。
ゴルフはちょっと大きなハッチバック車。クルマ全体の中では小さい方に分類されますが、中身は上級指向。
安いクルマを着飾った高級感ではなく、クルマ本来の内容が高級。
だから質実剛健。上級路線といっても豪華なラグジュアリー感は希薄です。
何をもって高級とするかは千差万別。ゴルフはそう、”正当派高額車”の質感を小さいサイズで実現しようとしているクルマ(高級車ではなく高額車ね)。
正当派サルーン的な走行感覚を目指しモデルチェンジごとに近づく。そんな印象。
とにかく走ることに重点が置かれたクルマだと認識しています。ボディサイズ以上に質感高い乗り味を感じられればそれがゴルフ。ブランド力とか光沢パネルに頼らない高級感に惹かれれば買いですね。
当ページの試乗車はゴルフ・ハイライン。コンフォート系グレードでは最も高価で、お値段は299万円。
ベーシックなトレンドラインより50万円ほどお高いグレードで、エンジンが1400ccになり、快適装備が多少プラスされます。
後にトレンドラインにも試乗してわかったのですが、単純な装備内容でだけでなく、走行感覚が全然別物。運転しやすさも快適性能もハイラインの方が相当に上です。
試乗感の比較は、筆者が現在、日常的に利用しているシロッコ2000ccや5型ゴルフ、また以前試乗した6型ゴルフなどと比較します。
シロッコは5型+6型ゴルフといった内容の、兄弟車みたいな感じです。
どんなモノでも重要なのがブランド力。ブランドとは知名度だけでなく、歴史や伝統、信頼、どれだけ忠実にコンセプトを貫いているかという総合的なチカラ。
VWがいくら人気車といっても、ドイツ車の中ではブランドイメージは低め。単純に同じモノが同じ値段なら、ベンツやBMW、アウディに惹かれてしまうことでしょう。
逆に考えれば、ブランドイメージが低くも、ベーシックな実用車で定評があるVW、比較すれば同じ値段でより良い製品が期待できる。いや期待してしまいます。
同じVWでもビートルなどは積極的にコンパクトさを生かしたクルマ。小さくなくては成立しないクルマです。内容は二の次。走りも良ければラッキー程度の感覚。
小さいけど上級指向のゴルフは違います。ビートルと比較しなくても地味な実用車。だからこそ中身が良くなければ意味はなし!メーカーも並々ならぬ覚悟で企画したと思います。
※内容は辛口評価です。試乗時のお役に立てれば幸いです。
前置きはここまで。実際に車内を見ると、立派!というのが第一印象。
ドアを開けて気付くのはドアトリム(ドア内張)のデザイン性の高さ。
ボディデザインは地味なのに、ここはシャープ&スタイリッシュ。ドアトリムは見事に期待を裏切ってくれる高級感。
コクピット座れば、目の前はすぐにVWとわかるスタイル。インパネセンターの絶壁が古さを感じさせるけど、何もVWに限ったハナシじゃない。絶壁は欧州コンパクトカーだと当たり前。無駄のない作りと思わせます。
ダッシュボードは軟質のソフトパネルで覆われ、触ってみれば厚みも十分。これは触らなくても見た目が立派で、視覚的にも相応の品質を感じさせてくれます。
現代的に良い部分もあります。メインメーターパネルは角度を付けてデザインされ、今までのゴルフとは違った余裕と高級を感じます。
センタークラスターに並ぶスイッチが欧州車らしさを演出しています。今でも伝統的なデザインを感じさせてくれる部分です。
また、ステアリングスイッチのボタン個数が多いのもトレンドに合っています。下位グレードではオプションを追加しないと簡略化されます。
全体的に見てこれはCセグメント・ハッチバックの新基準という感じ。このハイラインだったら、高級と言ってもよいほどの質感で、普遍的なデザインの方向性で上質という魅力。素晴らしいです。
ドアトリムからデザイン的な高級感を感じ、メーターパネル周辺からはサルーン的な余裕。そしてインパネ中央は日本車みたいな光沢パネルで装飾。ほんとにCセグハッチ?よく見える部分は本当に立派です。
きっとCセグメントクラスのライバル車も、ゴルフが持つこのレベルに近づいてくれるはず。
旧型から進化した部分、アイデアが面白い部分、変わらずな部分、退化した部分、いろいろあります。詳しくは別コーナーにまとめます。
7型ゴルフで大きく進化したのは乗り心地や静粛性、快適性の高さ、でしょう。日本の道で、街中で、運転しても助手席に乗っても快適になりました。
言い換えれば、快適な日本車に近づいたとも言えますね。
今までのゴルフでは、「ここまで固くするのに意味があるの?」なんて思っていたシートのクッション。7型ゴルフでは柔らかくなりました。
5型6型ゴルフのシートには疑問を感じていた方は多かったと思います。後付の高性能シートでも、レカロだってブリッドだって柔らかい部分がある。
今回は固めの日本車くらいの感覚に。
フロントシートでもリアシートに座っても包まれ感がアップし、体を支えてくれて、落ち着いて座れるように。特にリアシートは座りやすさがアップが好印象。
今までのゴルフでは走行中、何度も座り直す必要がありました。でもリアシートに関しては完璧じゃない。形状変更とスペース拡大を望みます。
そういえば日本車のシートは固くなりつつあり欧州車のシートは年々柔らかくなる。わかります。無い物ねだりですね。
目をつぶって乗ったらこれはサルーンかな?? 7型ゴルフのフロントシートでは、そこまで思えるだけの静粛性の高さがあります。
何が静かかって、ドアを閉めた瞬間に「シーン」とする高級車らしさはありません。でも、走行中に聞こえてくるノイズが小さくて静かです。
タイヤからのロードノイズやパターンノイズは不快ないレベルまでカットされ、一般的な高速道路くらいの速度では風切り音も十分カット。前席と後席で会話が楽しめる静粛性が確保されています。
そしてエンジンノイズ。2500回転くらいまでは低い音がカットされ、心地良い中音域の音が聞こえてきます。
この領域で走っていれば安っぽい感じはなく、とても1400ccのクルマに乗っているとは思えません。
それ以上に回転を上げれば4気筒らしいある音質に変わり、ボリュームも大きく、音質も気になる音質に変わってきます。
5型が6型に変わった時、防音フィルムを挟んだフロントガラスを採用するなど、このときも静粛性の向上に驚きました。
今回もしっかり進化。マフラーからのボヘボヘした排気音が感じさせないようにしたのも大きな変化です。
ボディデザイン、全体的なイメージでいえば見てすぐゴルフとわかる形状ながら、よく見れば大きく変わっているじゃないですか!
6型ゴルフがボリューム感を重視したラウンド形状だとすると、7型ゴルフはカチッとした精密感を重視した感じに。
自動車というのは高価なモノだから、所有満足度だって大きなポイント。商用バンのように機能性一辺倒では人気車にはなりえません。
7型ゴルフは一段と地味さが強調されたけど、特にフロント部分の質感はアップ。写真のように、エンジンフードのプレスラインには目が釘付けになってしまう。照明下でのコントラストの強さはものすごい。これ、濃紺色じゃないんですよ。
反面、サイドのキャラクターラインはリアドアで切れている。そういえば6型はCピラー下部まで続いていた。だから7型ゴルフのCピラーはカクカクした形状も含め、今一つな印象を受ける。
Cピラーにリアドアパネル、リアハッチ、実用車らしさを表現しているから、走行感覚とのギャップがものすごい。
6型の時代、同じVWのポロと比較すれば、デザイン的なまとまり感はポロの方が上だったと思う。7型世代のポロがデビューした時に、ゴルフのデザインについて見え方が変わるかな。
ドライバー視点では、ブレーキは軽くなり、フィーリングも扱いやすいモノに改良されました。
輸入車といえば初期の食いつきが強く、ブレーキを踏む時もリリースする時も神経を使うタイプが目立ちました。6型ゴルフもそうした傾向で、都市部では扱いにくかったものです。
7型ゴルフではそのあたりが改善され、日本車のような扱いやすさを手に入れた。やっと日本車に追いついたと言うことですな(^o^)ワーイワーイ!日本国民として誇らしいです。
素早く踏み込めばガキンというほどの制動力も感じるが、助手席でも耐えられるくらいのレスポンスになっている。ブレーキノイズについては試乗時はなかった。
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エンジン質感 | |
ノイズ&振動は少ない良いエンジン。小排気量もありドライバビリティは悪い。 |
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駆動系質感 | |
滑らかな運転には慣れが必要。 |
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足回りの質感 | |
しまっていて揺すられることもあるけど、質感自体は高い。下位グレードは別。 |
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内装の質感 | |
バックミラーを見なければまるでセダンのよう。 |
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外装の質感 | |
塊感あってフロントは高級感ある。でも全体的にはクエスチョンマーク。 |
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快適性 | |
クラス最高レベルの静粛性。シートも柔らかくなって好印象。 |
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扱いやすさ | |
エンジン&ミッションの扱いにくさは閉口。購入後に気がつくかもしれない。 |
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お買い得度 | |
250万円のグレードなら日本車とも勝負ができる。安全装備が魅力。 |
ペダルレイアウトはこんな感じ。ブレーキペダルは国産車より良い位置か。ただサイズは右足専用タイプの大きさで、アクセルペダルは内側に寄っている。
指が触る部分はツルツルの材質が組み合わされている。
シフトパネル左右のスイッチは押し心地良し。ワンタッチでアイドリングストップがオフに出来る。
エンジンフードのプレスラインは強烈な個性を出している。照明の下ではコントラストが強く出る。
リアシート。座面はかなりやわらかくなり好印象。ただスカスカな柔らかさ。シートが大きめな分、スペース的には標準的〜やや狭い。
写真はトレンドライン。リアシートアクセスはあまりよくない。
多くのロータリースイッチ(回すスイッチ)の触り心地は相変わらずよろしくない。ミラーのスイッチは特に酷いのが相変わらず。
そろそろ改善を望みます。。。
写真はトレンドライン。室内。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。