FIAT(イタリア)の「500」(31209)。通称FIAT500の試乗レポートです。
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車名=500=チンクエチェント。オーナーは撮影を手伝ってくれるスタッフ。お借りして1週間試乗します。
FIAT500はご覧の通りのコンパクト&トールボーイ。全長は短く、ホイールベースも短い。軽自動車と比較すれば横幅はあるが、その全高からすればナロートレッド。
FIAT500の走行フィールはその見たままの反応を示す。ポンコツなフィーリングを感じる部分によってクルマを振り回したくなる。筆者はこれが楽しい!
一方、走りやすさというドライバーの感覚を含む直進性に関してはハイレベル。
完全な直線限定ながら、制限速度を超える速度で巡航してみれば、FIAT500のボディサイズがウソのよう。平均的な日本車と比較すれば、ミドルクラス並と評価しても良いかもしれない。
いやまって、ミドルセダンのプレミオとかアクセラとか、負けちゃわないよね?
以下、キーワードごとに試乗評価を。
ハンドリング、コーナーでハンドルを切ると、グラッときやすい。ヨーの立ち上がりが速いというか、ショックアブソーバーの初期減衰力が低いというか、重心が高いというか。どんなに丁寧にハンドルを切っても心地よいモノではない。
反面、キビキビ感は演出されており、リアが曲がろうとするのも早い。ちょっとハンドルを切り込めば、FFなのに普通にリアタイヤがキーキーいう。タイヤはコンチネンタルとかグッドイヤーとかそんなんだった。総合すればハンドルのダルさは最小限、丁寧に走りたければ時速40キロで走る事。
ハンドルを回したフィーリングは現代的でちょうどミドルクラスのトヨタ車のようだ。路面からの衝撃をかなりカットし、しっとり感を感じる。
クルマがどっちに行きたがってるかは伝えてくれないのでステアリングインフォメーションという点では希薄。ちょっとでもハンドル切ればフラフラしやすいが直進時はかなり落ち着いた感触を感じられる。
乗り心地を評価すれば、小さなボコボコは良く拾い、大きな段差は突き上げ感少なめ。
国産車と比較すれば動くサスペンション。輸入車を知ってる方には問題なしと評価されるだろうし、国産車(特にトヨタ)が好きな方には違和感を感じるだろう。
1人乗車なら、特に路面のボコボコを良く拾う。ただその際のノイズは抑えられており、カサカサ音も聞こえてこない。
古い舗装、路面のザラザラには敏感なときも多い。ゴムブッシュで衝撃を吸収している国産車とはちょっと違う(その分直進性が良かったり)。
ガツンと来るような段差、こちらはショックの渋さなんて関係なく立派に越えていく。
できれば多少は減速したいところ。乗り心地はトヨタといえばアルファードまで多くの車種、日産でいえばコンパクトFFクラスより快適。
ホンダ車でオデッセイは同じような路線(値引き入れれば意外と価格も近い)。
静粛性に関しては同クラス(同クラスってどのクラス?Bセグ??)の国産コンパクトと大差ない。
それでも細かな異音、ビビリ音とかチリチリしたノイズは、抑えられていて立派な印象。大きな段差がなければ内装やシャシーからの異音は気にならりません。
確認したのは新車〜走行1万キロまでのFIAT500。今後いやなノイズが発生するようになったら追記します。
内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
FIAT500の好ましい点は、室内スペースを犠牲にしてもボディデザインを重視している点。
これで4人快適というと、ビンボーくさくなってしまうことは間違いありません。
それを承知の上で、リアシートも試乗チェックしました。
リアシートのスペース的には、身長170cm程度の方なら大人でも座れるスペースはある。ただし狭いことには間違いありません。
着座姿勢も、不自然な姿勢で座ることになるので、ドライブ時間が長いと苦痛を感じてくる。また乗り降りがしづらく、アクロバティックな姿勢を要求されるほどではないけど、ちょうどコンパクトミニバンの3列目に乗り込むようだ。
細かな部分ではシートを倒してもスライドしてくれないとなど、協力者も必要かな。
リアシートの具体的な使用を考えると、FIAT500はセカンドカー需要に合わせたようなクルマだから、チャイルドシートを付ける場面が想定できる。
ここに子供を乗せてベルトをして、また降ろすのはママさん大変そう。
自分だったら子供の頭をぶつけてしまうのは間違いなし;;;; 笑い事じゃありませぬ。
そのほかヘッドレストを伸ばさないと背中に当たって座れない長所としては、この手のFF車、コンパクトカーとしては奇跡的にリアサスが柔らかい。乗り味に関しては快適。
独特のフィーリングを持つ2気筒エンジンとシングルクラッチ自動MTの組み合わせは、とにかく走ってる感が半端ない。
だから、メカ好き乗り物好きな方なら思わず笑っちゃう面白さ。黒子に徹する実用エンジンが多い中、クルマを走らせているという実感。これは愉快!
筆者も初めて運転した際は思わず笑ってしまった。子供のようにテンション上がって笑ってしまう、あの感覚。
高級感を重視した多気筒エンジンに多段ATを搭載した自動車は良いけど高価。だからって安価な4気筒エンジン搭載車は味気ない。それだったらFIAT500。独特の楽しみがある。
ネット上にはメカオタクの為のクルマとか、その他さんざんが多数。それって見方を変えれば、クルマ好きが趣味のためだけに所有できる貴重なコンパクトカー。
FIAT500は自動車オタク向けといわれる反面、「ボディデザインが気に入ったんだけど...」なんて女性の方もいらっしゃる。
そんな方には1200cc4気筒エンジン搭載グレードをオススメ。こちら、車両価格も安くなるし、中古車価格もお安め。
どちらにしても、特別気に行った箇所があるクルマは欠点もそれほど気にならないハズ。
FIAT500にはアイドリングストップが付いている。On-Offのスイッチもある。
このアイドリングストップ、冬場でも良く効き、かなり頻繁にエンジンが止まる。駐車場なんかではイヤになるほど。
そんなアイドリングストップ、一見すると優れものそうだが、これが残念。アイドリングストップにも良くできたシステムと熟成不足のシステムがあるということだ。現在のトコロ、この分野は日本車の方が進んでいると思う。
筆者は試乗中、常にスイッチをOffにした。エンジンを掛ける度にOffにする必要があるのは要注意。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」試乗レポート
同乗者による手元のストップウォッチでFIAT500の中間加速力を計測してみました。
計測条件は大人の男性2人乗車。ガソリン残量はメーター読み2分の1。風は体感上なし。タイヤ空気圧フロント、リヤともに不明。道路は直線。タイヤ・ホイール共にツインエア・スポーツ純正。
全て車載メーター読み。現在のトコロ、他車の比較タイムが少ないので比較が難しいデータになります。
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国産車バッテリー
エンジントルクダンパー、効果のわかりやすそうなFIAT500に取り付けてみました!
インプレはこちら:FIAT500にエンジントルクダンパーをつけてみた
バッテリーは大きめ。アイドリングストップがよく働くのもなるほど納得。
スポーティグレードのシートは座面が数センチ低い。身長が175センチを越える方はこちらを選んだ方が良い。
標準グレードのシートだと、頭上のスペースがいっぱいいっぱいだ。
シートベルトはちょっと挿しにくい形状。試乗の際は焦らず騒がず、ゆっくり差し込んで下さい。
助手席の前のポケットに車検証が入る。
フロアマットは黒基調だが地味さはない。国産車の模様がダメで交換されていた方、これなら如何??
出来上がったモノが良ければ足回りの型式は何でも良いと思う。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。