FIAT(イタリア)の「500」(31209)。通称FIAT500の試乗レポートです。
当ページは3ページ目です。
車名=500=チンクエチェント。オーナーは撮影を手伝ってくれるスタッフ。お借りして1週間試乗します。
ミッションはシングルクラッチの自動マニュアル。2ペダルでクラッチペダルがありません。
内容はクラッチが自動になるセミオートマと、自動変速を行ってくれるモードが付いたシステム。中身は基本的に通常のマニュアルトランスミッション。
総称では自動MT。カタログスペックだけ見れば、アウディやVWで大好評のDSGなどと同様なシステムだと感じてしまう。シングルとツインの違いこそあれど、自動MTなのは一緒。
しかしこれ、試乗すると別物です。
FIAT500のミッションはチープな特徴強すぎ。自動モードにしておくと、加速中にクラッチを切られる。不慣れなMT操作と同じことをされます。
しかも自動だからドライバーも不快。ドライバーとパッセンジャー合わせて首がカックンと揺れます。まるでコントwww。どうしようもありません(楽しい)。
シフトプログラム的な特徴では、高回転まで利用するプログラム。このあたり、徹底的に低回転を使わせようとする日本車やドイツ車とはちょっと違う。
セミオートマモードにすると、シフトセレクター部の操作で好みのギヤを選択できる。
変速レスポンスは悪いので、ちょうど昔のフランス車の自動MTと同じ感じ。変速時にはアクセルを緩めたり、軽く煽ったり、ブレーキ含め加減速をコントロールすることで衝撃を軽減できる。
内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
ミッション、慣れてくるとチープを通り越して不快極まりない自動MT。実はシフトチェンジに合わせてアクセルを戻す、などすれば良いのだが、結局のトコロ、普通の3ペダルMTの方が100倍快適。
MTについて聞いてみると、2気筒エンジン搭載車では、限定車でしかMTが選べないということ。
しかし4気筒エンジン搭載車ならMTも選べるらしい。中古でも豊富にタマ数があると、ディーラーで聞いた。
では、2気筒エンジンでMTが欲しいとなると、根気よく探すしかありません。筆者も結局、この組み合わせに試乗することは出来ませんでした。う〜ん残念。
追記:標準ラインナップに2気筒3ペダルMTモデルが追加
2013年より、従来まで限定仕様車でしか存在しなかった2気筒ツインエア+3ペダルMTが登場。これに試乗(ほんの1時間程度)すれば、右ハンドルの3ペダルはペダルレイアウトが非常に厳しい。いや2ペダルMTでも厳しいわけですが。
FIATやアルファロメオが如何に右ハンドルにチカラを入れたといっても、やはり3ペダルは左ハンドルしかないも同然なのか。実際にこれを買われる方は、実車で確認してから購入された方が幸せです。
感触は?やはりMTの運転をしたことある方なら、昔ながらのMTの方が滑らかに走れる。シフトアップ時はゆっくりと回転落ちるのを待って、シフトダウンは回転を上げて、どちらも軽くシフトゲートに押しつければ感触がわかる。やはりMTの醍醐味は新車の方が味わえるような。
クラッチペダルのストロークは深めで500の雰囲気にあった印象。試乗といっても約1時間くらいだったので、独特のペダルレイアウトと格闘している印象が最も強く残りました。
FIAT500のペダル位置には、欧州車ならではの妥協を感じてしまいます。
というのも、右ハンドルでは運転しづらいレイアウトで普通に販売されている。ホイールハウスやペダルリンケージの関係上、どうしようもないのでしょう。
具体的には、ステアリング中央を基準にして、ブレーキペダルがやや左、アクセルペダルがやや右となります。簡単に言えば通常ブレーキペダルがある辺りにアクセルペダルがある!
国産車のペダルも徐々に内側に寄ってきていますが、FIAT500もう、左足ブレーキが推奨されるレベル。
それからご注意頂きたい点として、筆者ヒラリーはFIAT500を運転した後、3ペダルMTのアルテッツァを運転した時があるんだけど、ちょうど急ブレーキを踏む機会に出くわした。
そのとき、クラッチペダルは踏めたんだけどブレーキペダルは空振りして足底はバルクヘッドの方に。ブレーキペダルとクラッチペダルの間に足が入っていきました。運良く何事も起こりませんでしたが、よろしければご注意下さいませ。
ガソリン給油にはカギが必要。カギをさしてキャップを回すがコツがいるので、クルマ購入の際に営業マンに確認しておくのも良いかも。
別ページにてご紹介予定。現在準備中です。
同じFIATグループに、アバルトというチューンドブランドがある。現在はFIAT車をベースにしたコンプリートカーを販売している。
「FIAT500」をチューンしたモデルは、「アバルト500」。エンジンが1400cc+ターボになり、サスペンションの質感がアップ。そしてデュアルロジックの操作はパドルタイプになる。
新車時のお値段は約290万円となかなか高価。国産車でいったら2台分だ。しかしアバルト500は、1台で様々なシチュエーションに対応出来る。実用性を除いてね。
シフトセレクター。左の画像がアバルト500。右がFIAT500。
夜間限定で3日間、そんなアバルト500にも試乗できました。別ページにて試乗レポートをまとめています。
FIAT500にはリアドアがない!ということで、個性が強いクルマかつリアドアが使えるクルマを考えてみる。
ライバル車的存在の、ご存知ミニ。それをSUVタイプにしてリアドアまで追加されたのがミニクロスオーバー。
FIAT500がエンジンとミッションに限りなく強い個性を持つのに対して、乗り心地やハンドリングに強い個性を持つのがミニクロスオーバー。どこでも楽しさを味わえるFIAT500と、ワインディングで強い楽しみを味わえるミニクロスオーバー。
どちらもおしゃれ感の高いボディスタイルが魅力的、どちらもレトロ感ある部分が魅力的と、共通点はあるものの、走行感覚はぜんぜん違う。
ミニクロスオーバーは実のところ、快適性が犠牲にされているような乗り味で、長時間のドライブに向いているとは言い難い。イコール、リアドアは付いているもののファミリーカーとは言いにくい。
それでもリアドアがあると、手荷物を詰んだりするのが非常に便利。個性的でおしゃれ感高い輸入車をお探しの場合は面白い存在かと思う。
FIAT500、ツインエアの価格をよく見れば、「ポップ」というグレードで215万円。ボディサイズやエンジンからすれば非常に割高。FIATだし輸入車としても割高。ということで国産のフィットとは比較にならないかと思っちゃうが、それが意外と・・・。
実はフィット、ハイブリッドやRSというグレードを選ぶと結構割高なんですよ。ハイブリッドRSなんて車両価格200万円です。RSだってちょっとサスを固くして車両170万円。これなら、215万円のFIAT500を選んだ方がどれだけ楽しい生活が待っているか、想像するまでもなくわかります(リアシートを使う機会の多い場合は除く)。
フィットとFIAT500を比較するなら、ぜひミッションについても考えてみて頂きたい。というのも、この両車の共通点として、ミッションがゴミというのが上げられる。フィットはダメなCVT、FIATはダメな自動MT。
しかしこの両車とも、場合によっては完全なクラッチペダル付きマニュアルミッションが選択可能。
3ペダルMTなんて過去の遺物と思わないで。FIAT500の自動MTに試乗したら、通常のMTに乗ってみたいなんて思ってしまう可能性大です。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」試乗レポート
FIAT500は多少割高だけど、これが良ければほかに選択肢はなし。
それはボディデザインを気に入っても、エンジンを気に入っても、走行感覚を気に入っても一緒。
割高だろうが故障の心配があろうが、もうこれを買うしかありません。迷っている暇があったら、即契約してドライブへゴーゴー。
(クライスラーから同じ2気筒エンジンのイプシオンが発売)
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エンジントルクダンパー、効果のわかりやすそうなFIAT500に取り付けてみました!
インプレはこちら:FIAT500にエンジントルクダンパーをつけてみた
写真下に見える銀色のペダルがアクセルペダル。ほとんどハンドルの中央部に近い。 慣れれば街乗りならなんとかなるものだが、繊細な操作が要求される場面ではやはり辛い。日本車と頻繁に乗り換える場合はなおさら。
筆者ヒラリーは慣れないので左足ブレーキを試してます。
こちらはFIAT500Sの3ペダルMT。前後左右のGが掛かった中で右足を中央に寄せつつ正確なブレーキ・・・。体力が重要かな。
一般グレードであるツインエア・ポップだと、インパネ大部分がボディ同色に。白いインテリアはおしゃれ感満点。白は高級車でも採用されるところから立派感も感じられる。
ボディ外観の写真は、アバルト500を撮影した写真です。
ガソリン給油にはカギが必要。カギをさしてキャップを回すがコツがいるので、クルマ購入の際に営業マンに確認しておくのも良いかも。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。