2014年式・ヴィッツ。新しい1300ccエンジン!見た目の変化以上に、エンジンの魅力が大幅向上!
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3代目ヴィッツ(130系)、グレード「1.3U」。2014年ビッグマイナーチェンジ後の試乗レポートです。
ドライバーズシートだけでなく、助手席やリアシートの静粛性や乗り心地、また乗員周辺のスペースなど快適性に関する部分の特徴について。
ビッグマイチェン前のヴィッツと比較すると、、フロントシートでの乗り心地は「質が上がった」のがわかりやすい。
小さな凹凸ではガチャガチャやブルブルが減って、乗り心地スッキリ。特に細かなボコボコは以前より気持ちよく越えていってくれる。
ただしスプリングとタイヤが固めなように感じられ、「快適」というわけじゃない。今風の乗り心地と表現したらいいのかな。クッションは柔らかいほうが良い方にとっては慣れが必要っぽい。
相変わらず不快なのは、デコボコが連続する場面や大きな段差。ゴツンゴツンがズデデデデと繋がっちゃう。ブルブルとかフロアからのガチャガチャ音も大きく高まる。
フロントシートでの乗り心地をライバルと比較した場合、中間レベルと表現したいところ。
ヴィッツはショックアブソーバーの初期減衰力が弱めな印象で、ストロークが感じられる。なので、3代目フィットや4代目デミオと比較すればゴツゴツ感が小さく好印象。
逆に日産ノートやスイフトと比較すると、ゆったり感がなく、ぴょこぴょこ。またソリオなども絶対的に柔らかいサスペンションで、ヴィッツより優しい乗り心地。
同クラスのライバルと比較して、トヨタ車の乗り心地が中間というのは悪くない事だと思う。トヨタブランドの魅力も考えれば納得のレベルと言えるんじゃないかな。
リアシートは、フロントシートは逆の印象。質は感じないけど、不快というほどでもない。
乗り心地はシート座面のクッションによって”それなり”が保たれている。
ので、座面から体に伝わる衝撃などは小さいんだけど、足元のフロアとシート背もたれにはブルブル感が伝わってくる。これによって「質」なんて言葉が飛んじゃうのが残念。
故に、フロントシートを「快適ではないけど質は悪くない」と評価させて頂くと、リアシートは「質は悪いが乗り心地は悪くない」。印象は真逆。
座り心地は、スペース的な問題とシート背もたれのデザイン辺りが厳しい。
スペースでは、頭の周辺近くがややタイト。そしてそこには突起物というか硬そうなものがレイアウト。精神的な圧迫感もある。
足元では運転席の後ろ側は、つま先がシート下に入れにくい。体の大きな方にはキツイので、非常時は運転的シートを上げて問題回避をどうぞ。
シート背もたれはクッション性の不足。これは、他車(ミドルクラス以下全般)でよくあること。ヴィッツの場合は体をあんまり支えてくれないという部分も目立つ。
ココで言う”支えてくれる”の意味は、上半身を押し付けて揺すられる量を少なくという意味。無意識にというのがポイント。
筆者としては足や手を利用して上半身をシートバックに押し付けることで、上半身が左右に揺れないように座りたい。無意識なレベルで、上半身をシートバックに斜めに押し付ける。
どなたでも快適に座っていられるよう、無意識に何かしていると思うんだけど、筆者にとってヴィッツのリアシートは難しかった。ドライバーには揺すられにくい運転を望みます。
※内容は辛口評価です。試乗時のチェックポイントを重視!
※一部画像はクリックで拡大します(横長画像など)。
このマイナーチェンジ後のヴィッツでは、フロントシート静粛性が高く、Bセグメントのコンパクトハッチとしてライバルから抜きん出ている。
静か=快適!乗り心地は段差を避ければ何とかなるけど、静粛性はそうはいきませんからね!
エンジンルームから侵入してくるノイズはエンジンノイズ。アクセル開度の小さい巡航中は、他車と同レベルかそれ以上に耳障りではない音質で、ノイズレベル的にも静か。
時速60km以上の巡航時も気になりにくいというのが素晴らしい。
風切音もこのクラスにしては不快ではない。試乗車の「U」は、ベーシックな「F」とは異なるフロントガラスが採用されている可能性はある。
コンパクトカーでは上位グレードだけ遮音性の高いガラスを採用したり、遮音・吸音材の使用部位や量が異なるという事があったりする。
「1.3U」のフロントシートに座れば、静粛性はやっぱりトヨタ車!ヴィッツといえども!ライバル車に対する優位点です。
リアシートの静粛性は並。他のコンパクトカーもそうだし、やっぱりウルサイ。エンジンルームからのノイズは静かなハズなんだけど、タイヤハウスやハッチからの透過音は低め。
フロントシートからの乗り換え直後はそのギャップから、非常にうるさく感じます。
ビッグマイナーを経てもヴィッツの弱点は、内装の質感と並んでステアフィールや直進安定性といった走行感覚。ゆっくり走るだけなら気にならないんだけどね。
試乗車はヴィッツ「1.3U」というグレードで、ベーシックな「F」より一回り大きなタイヤを装着。サイズは「175/65R15」と15インチ。これによりステアフィールにも多少の違いがあると予想。
(「F」グレードは「165/70R14」)
大きく変わったヴィッツも、走りやすさという面では変わってはいない。多少は良くなったのだろうけど、走りにくい部類といえる。
ヴィッツは決定的なクセがないという部分では乗りやすいけど、曲がる・寄せる部分で乗りにくい。
走りにくいのはハンドル操作に対する反応に関して。日常の市街地から思い通りに走りにくい。ハンドル切り始め、切ってからの修正、そして中立に戻す時。
これは慣れれば平気という部分じゃなくて、集中力がない時はダメという部分。慣れても気を抜いた時や、一瞬でも操作が遅れた時は、不快感を感じつつ曲がらなきゃならない。
体調もあるし、話に夢中な時もあるし、彼女とのムフフを考えている時もあるだろうしw
こうしたステアフィールは、他のトヨタ車と同じような部分。意図的な味付けかもしれないですね。
筆者や他スタッフからすれば、最も走り慣れているトヨタ車だからこそ、予想をして運転するわけなんだけど、やっぱり走りにくかった。
逆に言えば、思い通りに走れた時には気持ちよさが味わえます。
コーナーが多めの道でも、反応の悪さから走りにくさがある。早めの位置からハンドルを切り初めないと、コーナー途中で滑らかに曲がれない部分がでてくる。
時間にすればほんの一瞬だけど、この一瞬だけ早く切り始めなければ、実際にクルマが内側を向こうとする位置は奥の方に。
早めの位置から切り始めたいとすれば、切り込むスピードは当然ゆっくりでなければならず。早くから内側に寄り過ぎちゃうからね。
ボォーとしてて切り始めるのが遅れると、クルマが内側に寄のはかなり奥。”奥”って聞けば気持ちよさそうな連想をしちゃうけど、同乗者に気づかれるほど不快な曲がり方になっちゃう。
そんなこんなで日常的な走行でも、反応が良いクルマよりは神経を使って疲れちゃう。
走行ペースを上げると、ドライバーの集中力も高まり、ハンドルの切り遅れに使う神経は減ってくる。
車幅が狭いコンパクトカーの特徴を活かし、車線をワイドに使用した走りが楽しめる。
知らない道では思い通りに走りにくいため、素直にペースを落としたほうが懸命。楽しくないし、神経使うだけだし。
タイトコーナーでハンドルを切り込むと、途中からハンドルが重くなる。途中でスイッチを通過したように、急に操舵感が変わる。最近の電動パワステでよくある感触。
ただヴィッツは重くなる変化が比較的小さいので、違和感小さい。
コーナー途中でアクセルを踏み始めた時などの、ステアフィールの変化が小さい。
本当は加速に合わせてハンドルが重くなったり、走行中は何か体感的な変化を伝えてくれたら嬉しいんだけどね。ヴィッツに限ったことじゃないから欠点とはいえず。ライバルもだいたい一緒。
気になったら古いクルマとか、インプレッサの一部グレードとか、油圧パワステのクルマを運転してみるか、タイヤもパワーも大きな上級車種だとわかりやすいと思います。
コンパクトカーを多く運転するスタッフも、ヴィッツは少しコワイという。
筆者としては直進感覚に起因する部分だと思っているんだけど、これも比較的多くのトヨタ車で感じる部分。最新の4代目プリウスなんかは良いから、全部じゃないよ。
ヴィッツはこの試乗車だけでなく他の車体でも、真っ直ぐ走っている感覚が薄い。加速中でもビシッ〜と加速しているというよりは微妙にフラツイている感覚。
クルマが真っ直ぐ走ってるのかフラツイてるのか、ハンドルなどからドライバーに伝わってこないのが一つ。
また視界的に車両感覚が取りにくく、自車位置がわかりにくいのもある。そして前述の、ハンドルに対する反応の悪さ。
視界的な問題は、ドライビングポジションが悪いのかと思ったが、清く正しく座っても大きくは変わらなかった。
良くできたクルマと比較しなければ平気だけど、そうでなければ狭い道や片側3車線道路の中央車線では神経を使う。
そういえばライバルの4代目デミオ(ディーゼル)、時速80kmを超えると、ハンドル中立付近がググッと重くなり、直進安定性をよく感じるように。
デミオを運転中は大きな変化に違和感を感じるけど、ヴィッツと比較すればあれも悪くはないと思ったり。
写真左:ヴィッツのリアシートに布団を詰め込んで、静粛性をアップ!?
写真右:助手席ドアの内張りを剥がして、様子をチェック。
ヴィッツ買ったら試乗時と違った!よくあることです。周囲が賑やかなディーラーでは静かに感じ、静かな住宅街に戻ったらうるさく感じる、なんて感じかな。
そんな時は、リアシートに布団詰め込み作戦の出番w
布団でもなんでも詰め込めば静粛性アップの効果は体感できる。目安として、「重量の軽いものは高い音域、重いものは低い音域のノイズを減らせる」と考えておけばわかりやすい。
人間の体や服も音を吸収するから(中低音域)、同乗者がいる場合は同じような効果を得られているともいえる。
ドア内張りの内部には、ラバーシートのような部材がデザイン。これは吸音というよりは”透過音の低減”もしくは”摩擦音の低減”効果があるんじゃないだろうか。
これはゴムが対応できる部分を超えるとガサつくなんてのも予想できる。
未確認なんだけど、これがグレード別装備だったら、同じ部材を購入してアップデートも可能。
ベーシックなグレードで遮音材が少なければ、営業マンに問い合わせ、補修部品としての購入もありかと。メーカーが使用している防音材ならば、場所もコスパも的確と思われます。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」試乗レポート
ブレーキペダルの感触は、軽く、チカラに自信がないユーザーでもラクに奥まで踏み込めるでしょう。
ペダルが重くてダルい事もないと思うし、緊急時も力いっぱい踏み込む事が容易だと思う。
軽いほうがラクなのは間違いないけど、快適な走行のために微妙なコントロールをしたいとなると話は変わってくる。強いブレーキングが繰り返される時も同様。
微妙なコントロールがし難いのもあるし、ペダルが奥まで動きすぎると逆に疲れる。
”スポンジー”というのは”軽い”とは必ずしも一致しない。踏み込むに従ってペダル踏力剛性が高く、ペダルが重くなってくれればスポンジーという表現は使われないだろう。
ヴィッツのブレーキはスポンジーなタイプと評価させて下さい。スカスカと音が聞こえてきそうだし、減速と踏み込み量の関係が曖昧に感じる時もある。
もちろんヴィッツに限ったことじゃなくて、小さいタイヤ=小さなブレーキシステムでペダルが軽いクルマでは、スポンジーに感じることも多いです。
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キビキビ感というか走るコンパクトカーを想像させるフロントバンパー。ボディカラーがブラックだと特にその印象が強い。
内側のアームレストが思ったより使いやすい。
リアシートの座面はなかなか良くできていて、衝撃やブルブルした振動を消してくれる。
ベーシックな「1.3F」より一回り大きなタイヤサイズ。
ヴィッツに限らず最近のコンパクトカーは、タイヤが外側に張り出している。また合わせて、フェンダー内のツメはいわゆる”折った”ように加工されている。
乗り心地は固く、段差が続けばブルブルと残念なものだが、コンパクトカー全体の乗り心地を考えれば平均点レベルは確保。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。